せ つ な い

せ つ な い

生きれば生きるほど


年齢を重ねれば重ねるほど


家族、友人が１人、２人と旅立って行く。


この世に戻ることのない、永遠の旅路。


私は、深い悲しみの底に沈んで行く。


自然の摂理とはいえ


感情の整理に時間を要する。


悲しみを胸の奥に押し込めたくても


上手くいった試しはない。


ごちゃまぜの感情と、どこからともなく


湧き上がる悲しみを持て余し


日々を送る。


多忙で一時


悲しみがどこかに行ってしまったかのように



感じても、またすぐ悲しみが胸の中に舞い戻る。


どれだけ時間が経過しても


悲しみ、寂しさの分量は減らない。





生き続けることは、別離と死別の連続。


それは、人生の折り返し地点を過ぎた頃から


にわかに増え始める。


喪失感は心に穴を開け


それは二度と塞がらない。


月日の経過と共に、ますます広がり


今や、がらんどうのようだ。





そして、家族や友人が


１人、また１人と


肉体を脱ぎ捨て、この世を去って行く。


時は過ぎ、私は１人取り残される。


切ない。


切ない。


喪失感から抜け出せないまま


私は１人、生き続ける。


涙が顔を濡らしても


それでも生きる、生き続けて行く。


束の間の人生


意味があろうと、なかろうと


人生の終点に辿り着くまで


私は生きる。