195 / 195
第二部
幸せはコーヒーの薫りとともにⅡ
しおりを挟む
二杯目のコーヒーとマフィンとレイ様。
ゆったりと流れて行く時間にこの上もなく幸せを感じているとふわりと抱き上げられて、レイ様の膝に乗せられて腕の中に囲われてしまいました。
いつもの行動。いつもの習慣。いつもの香り。
慣れとは恐ろしいもの。最初の頃のように驚くことも逃れようとしていた時とは全然違う。今では日常の一部のように受け入れて、レイ様の息遣いや密着する体と体温が私に安心感を与えてくれます。
「結婚まであと半年か。長いな」
頭上から溜息交じりにレイ様の声がします。
「半年は長いように感じるかもしれませんが、きっとあっという間ですわ」
「そうかもしれないけれど、やっぱり長いなあ。でも、諦めなくてはならなかったことを思えば、半年くらいは我慢するべきか……」
「諦めるって?」
レイ様がふと漏らした言葉に引っかかりを感じて顔を上げました。「あっ!」と小さく声をあげて気まずそうに顔を逸らしたレイ様。
一体、何があったのでしょう?
疑問符をいっぱい並べながらレイ様の顔を凝視していると観念したのか、気持ちを落ち着かせるためなのか息を吸い込んで吐き出して、それからおもむろに話を始めました。
「実は……ローラの事を三年前から好きだったんだ」
「……えっ⁉」
さ、三年? 好き?
衝撃的な言葉が飛び出してきて、瞬きも忘れて見つめてしまいました。心なしかレイ様の耳が赤くなっているような。
「そんなに見られると恥ずかしいんだけど」
「す、すみません」
吸い寄せられるように釘付けになった私と照れくさそうに顔を赤らめるレイ様。
信じられないような告白に動揺してしまいましたが、よくよく考えてみれば、三年、三年前……。
「三年前? レイ様に初めてお会いしたのは、ガーデンパーティーの時だったと思うのですが?」
記憶を辿っても心当たりがなくて、頭を捻っていると
「やっぱり、覚えていなかったんだね」
がっかりしたような声が聞こえました。
「覚えていないって?」
何のことだかサッパリわかりません。いつ、レイ様にお会いしたのかしら? どう考えても覚えがなくて、まじまじとレイ様を見つめてしまいました。
「金紫珠褒賞の授与式って言ったらわかるかな?」
「あっ!」
思い出しました。
あの時。
「思い出してくれた?」
「はい。ですが、緊張しすぎていたせいか、あの日のことはあまり覚えていなくて」
そう、あの日。
王城で行われた授与式。
初めての王城。初めての栄誉ある賞の授与式には、貴族の重鎮の方々や国王陛下並びに王族の方々が参列して挙行されました。
豪華な会場に圧倒されて、きらびやかな雰囲気にのまれて、カチコチに固まっていた私。
初めてづくしの中、表彰が無事に終わって王族の方々から祝辞を頂いたのは覚えているのだけれど、極度の緊張状態だったためか、朧げにしか記憶になかったのです。
「そうか。うん。緊張するよね」
覚えていないと知って落胆したレイ様でしたが、気を取り直して話を続けました。
「ローラが会場に入ってきて顔を見た瞬間、時間が止まってしまったような錯覚に陥って目が離せなくなってしまったんだ。お祝いを述べた時に聞いた可愛らしい声と可愛らしい微笑みも忘れられなくて。ふとした時にローラの姿が頭の中に浮かんだりして、その時には一目惚れしたなんて全然気づいていなかったんだ。我ながら間抜けだよね」
可愛らしいとか、笑顔が忘れられないとか、他にもなんだか信じられないようなことを口にしていらっしゃいますが。
一目ぼれって……そんなことがありえるの? 地味な容姿の私に?
そういえば、西の宮に連れて来られた日に初めてではないっておっしゃったのはこのことだったの?
思いもかけない告白に、どう答えればいいのか分からず困惑したままレイ様をただ見つめていました。
「しばらく経った頃、ローラの婚約が決まったと噂に聞いて、ショックを受ける自分がいて、すごく落ち込んでしまってね。その時になって初めて自分の気持ちに気が付いたんだ。俺はローラに恋していたんだって。もっと早く、授与式の時に気持ちを自覚して行動に移していればって、何度後悔したことか……」
ちょっと、待って。
それは、つまり……ガーデンパーティーで知り合う前から私の事を思ってくださっていたってこと?
次々に暴露される告白に心がパニック状態。信じられないけれど、信じていいの?
「レイ様は、本当に、三年前から私の事を?」
恐る恐る視線をあげるとレイ様と目が合いました。
恋情に濡れた瞳に見つめられると心臓が大きく跳ねて電流のような痺れが全身を襲いました。このゾクゾクした甘い感覚は癖になりそう。
「うん。ずっと好きだった。忘れられなかった」
白状して心が軽くなったのか、衒いもなく答えたレイ様は開き直ったような爽やかな笑顔を添えて、額にチュッと口づけを落とすと再び私を抱きしめました。
触れた額は熱をもちドキドキと心臓の音も忙しない。
「テンネル侯爵令息との婚約が解消されたと聞いて不謹慎にも俺は喜んでしまったんだ。チャンス到来だって。ごめんね。ローラはとても傷ついたかもしれないのに。こんな風に思った俺は浅ましいかな?」
ゆるゆると顔を上げ「いいえ」と私は首を横に振りました。
婚約解消を喜んだのは私も同じ。そのおかげで、レイ様とのご縁に繋がったのだから。
「自分の不甲斐なさを悔やんだこともあったけれど、ガーデンパーティーで俺の腕の中に飛び込んできた時から、絶対離さないって決めていたんだ」
「レイ様……」
ずっと育んでくれていた恋心に胸の内からこみ上げてくるものがありました。それは涙となってぽろりと零れ落ちていきました。
「成就しない恋だと悲観していたけれど、諦めないでよかった」
溜まった涙をそっと拭ったレイ様に懐深くに抱き寄せられた私は背中に手を回してぎゅっと抱きしめ返して顔を埋めました。
「私もレイ様にもう一度出会えてよかった。レイ様に助けてもらえてよかった。レイ様を好きになってよかった」
「うん。俺も、ローラに恋してよかった。結婚できるなんて夢のようだよ。一生大切にするから。ずっと、俺のそばにいてほしい」
「はい。一生、レイ様のそばを離れません。レイ様、大好きです」
「ローラ。愛してる」
レイ様がそっと私の頬に触れ、どちらからともなく顔を近づけると唇を重ねました。瞳で愛を交わしお互いの熱を溶かすように何度も重なる唇。
蕩けるような口づけは、ほんの少しほろ苦くて甘やかなコーヒーの味がしました。
〈 完 〉
ゆったりと流れて行く時間にこの上もなく幸せを感じているとふわりと抱き上げられて、レイ様の膝に乗せられて腕の中に囲われてしまいました。
いつもの行動。いつもの習慣。いつもの香り。
慣れとは恐ろしいもの。最初の頃のように驚くことも逃れようとしていた時とは全然違う。今では日常の一部のように受け入れて、レイ様の息遣いや密着する体と体温が私に安心感を与えてくれます。
「結婚まであと半年か。長いな」
頭上から溜息交じりにレイ様の声がします。
「半年は長いように感じるかもしれませんが、きっとあっという間ですわ」
「そうかもしれないけれど、やっぱり長いなあ。でも、諦めなくてはならなかったことを思えば、半年くらいは我慢するべきか……」
「諦めるって?」
レイ様がふと漏らした言葉に引っかかりを感じて顔を上げました。「あっ!」と小さく声をあげて気まずそうに顔を逸らしたレイ様。
一体、何があったのでしょう?
疑問符をいっぱい並べながらレイ様の顔を凝視していると観念したのか、気持ちを落ち着かせるためなのか息を吸い込んで吐き出して、それからおもむろに話を始めました。
「実は……ローラの事を三年前から好きだったんだ」
「……えっ⁉」
さ、三年? 好き?
衝撃的な言葉が飛び出してきて、瞬きも忘れて見つめてしまいました。心なしかレイ様の耳が赤くなっているような。
「そんなに見られると恥ずかしいんだけど」
「す、すみません」
吸い寄せられるように釘付けになった私と照れくさそうに顔を赤らめるレイ様。
信じられないような告白に動揺してしまいましたが、よくよく考えてみれば、三年、三年前……。
「三年前? レイ様に初めてお会いしたのは、ガーデンパーティーの時だったと思うのですが?」
記憶を辿っても心当たりがなくて、頭を捻っていると
「やっぱり、覚えていなかったんだね」
がっかりしたような声が聞こえました。
「覚えていないって?」
何のことだかサッパリわかりません。いつ、レイ様にお会いしたのかしら? どう考えても覚えがなくて、まじまじとレイ様を見つめてしまいました。
「金紫珠褒賞の授与式って言ったらわかるかな?」
「あっ!」
思い出しました。
あの時。
「思い出してくれた?」
「はい。ですが、緊張しすぎていたせいか、あの日のことはあまり覚えていなくて」
そう、あの日。
王城で行われた授与式。
初めての王城。初めての栄誉ある賞の授与式には、貴族の重鎮の方々や国王陛下並びに王族の方々が参列して挙行されました。
豪華な会場に圧倒されて、きらびやかな雰囲気にのまれて、カチコチに固まっていた私。
初めてづくしの中、表彰が無事に終わって王族の方々から祝辞を頂いたのは覚えているのだけれど、極度の緊張状態だったためか、朧げにしか記憶になかったのです。
「そうか。うん。緊張するよね」
覚えていないと知って落胆したレイ様でしたが、気を取り直して話を続けました。
「ローラが会場に入ってきて顔を見た瞬間、時間が止まってしまったような錯覚に陥って目が離せなくなってしまったんだ。お祝いを述べた時に聞いた可愛らしい声と可愛らしい微笑みも忘れられなくて。ふとした時にローラの姿が頭の中に浮かんだりして、その時には一目惚れしたなんて全然気づいていなかったんだ。我ながら間抜けだよね」
可愛らしいとか、笑顔が忘れられないとか、他にもなんだか信じられないようなことを口にしていらっしゃいますが。
一目ぼれって……そんなことがありえるの? 地味な容姿の私に?
そういえば、西の宮に連れて来られた日に初めてではないっておっしゃったのはこのことだったの?
思いもかけない告白に、どう答えればいいのか分からず困惑したままレイ様をただ見つめていました。
「しばらく経った頃、ローラの婚約が決まったと噂に聞いて、ショックを受ける自分がいて、すごく落ち込んでしまってね。その時になって初めて自分の気持ちに気が付いたんだ。俺はローラに恋していたんだって。もっと早く、授与式の時に気持ちを自覚して行動に移していればって、何度後悔したことか……」
ちょっと、待って。
それは、つまり……ガーデンパーティーで知り合う前から私の事を思ってくださっていたってこと?
次々に暴露される告白に心がパニック状態。信じられないけれど、信じていいの?
「レイ様は、本当に、三年前から私の事を?」
恐る恐る視線をあげるとレイ様と目が合いました。
恋情に濡れた瞳に見つめられると心臓が大きく跳ねて電流のような痺れが全身を襲いました。このゾクゾクした甘い感覚は癖になりそう。
「うん。ずっと好きだった。忘れられなかった」
白状して心が軽くなったのか、衒いもなく答えたレイ様は開き直ったような爽やかな笑顔を添えて、額にチュッと口づけを落とすと再び私を抱きしめました。
触れた額は熱をもちドキドキと心臓の音も忙しない。
「テンネル侯爵令息との婚約が解消されたと聞いて不謹慎にも俺は喜んでしまったんだ。チャンス到来だって。ごめんね。ローラはとても傷ついたかもしれないのに。こんな風に思った俺は浅ましいかな?」
ゆるゆると顔を上げ「いいえ」と私は首を横に振りました。
婚約解消を喜んだのは私も同じ。そのおかげで、レイ様とのご縁に繋がったのだから。
「自分の不甲斐なさを悔やんだこともあったけれど、ガーデンパーティーで俺の腕の中に飛び込んできた時から、絶対離さないって決めていたんだ」
「レイ様……」
ずっと育んでくれていた恋心に胸の内からこみ上げてくるものがありました。それは涙となってぽろりと零れ落ちていきました。
「成就しない恋だと悲観していたけれど、諦めないでよかった」
溜まった涙をそっと拭ったレイ様に懐深くに抱き寄せられた私は背中に手を回してぎゅっと抱きしめ返して顔を埋めました。
「私もレイ様にもう一度出会えてよかった。レイ様に助けてもらえてよかった。レイ様を好きになってよかった」
「うん。俺も、ローラに恋してよかった。結婚できるなんて夢のようだよ。一生大切にするから。ずっと、俺のそばにいてほしい」
「はい。一生、レイ様のそばを離れません。レイ様、大好きです」
「ローラ。愛してる」
レイ様がそっと私の頬に触れ、どちらからともなく顔を近づけると唇を重ねました。瞳で愛を交わしお互いの熱を溶かすように何度も重なる唇。
蕩けるような口づけは、ほんの少しほろ苦くて甘やかなコーヒーの味がしました。
〈 完 〉
13
お気に入りに追加
514
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
【完結済】平凡令嬢はぼんやり令息の世話をしたくない
天知 カナイ
恋愛
【完結済 全24話】ヘイデン侯爵の嫡男ロレアントは容姿端麗、頭脳明晰、魔法力に満ちた超優良物件だ。周りの貴族子女はこぞって彼に近づきたがる。だが、ロレアントの傍でいつも世話を焼いているのは、見た目も地味でとりたてて特長もないリオ―チェだ。ロレアントは全てにおいて秀でているが、少し生活能力が薄く、いつもぼんやりとしている。国都にあるタウンハウスが隣だった縁で幼馴染として育ったのだが、ロレアントの母が亡くなる時「ロレンはぼんやりしているから、リオが面倒見てあげてね」と頼んだので、律義にリオ―チェはそれを守り何くれとなくロレアントの世話をしていた。
だが、それが気にくわない人々はたくさんいて様々にリオ―チェに対し嫌がらせをしてくる。だんだんそれに疲れてきたリオーチェは‥。
私を溺愛している婚約者を聖女(妹)が奪おうとしてくるのですが、何をしても無駄だと思います
***あかしえ
恋愛
薄幸の美少年エルウィンに一目惚れした強気な伯爵令嬢ルイーゼは、性悪な婚約者(仮)に秒で正義の鉄槌を振り下ろし、見事、彼の婚約者に収まった。
しかし彼には運命の恋人――『番い』が存在した。しかも一年前にできたルイーゼの美しい義理の妹。
彼女は家族を世界を味方に付けて、純粋な恋心を盾にルイーゼから婚約者を奪おうとする。
※タイトル変更しました
小説家になろうでも掲載してます
【完結済】冷血公爵様の家で働くことになりまして~婚約破棄された侯爵令嬢ですが公爵様の侍女として働いています。なぜか溺愛され離してくれません~
北城らんまる
恋愛
**HOTランキング11位入り! ありがとうございます!**
「薄気味悪い魔女め。おまえの悪行をここにて読み上げ、断罪する」
侯爵令嬢であるレティシア・ランドハルスは、ある日、婚約者の男から魔女と断罪され、婚約破棄を言い渡される。父に勘当されたレティシアだったが、それは娘の幸せを考えて、あえてしたことだった。父の手紙に書かれていた住所に向かうと、そこはなんと冷血と知られるルヴォンヒルテ次期公爵のジルクスが一人で住んでいる別荘だった。
「あなたの侍女になります」
「本気か?」
匿ってもらうだけの女になりたくない。
レティシアはルヴォンヒルテ次期公爵の見習い侍女として、第二の人生を歩み始めた。
一方その頃、レティシアを魔女と断罪した元婚約者には、不穏な影が忍び寄っていた。
レティシアが作っていたお守りが、実は元婚約者の身を魔物から守っていたのだ。そんなことも知らない元婚約者には、どんどん不幸なことが起こり始め……。
※ざまぁ要素あり(主人公が何かをするわけではありません)
※設定はゆるふわ。
※3万文字で終わります
※全話投稿済です
逆行したので運命を変えようとしたら、全ておばあさまの掌の上でした
ひとみん
恋愛
夫に殺されたはずなのに、目覚めれば五才に戻っていた。同じ運命は嫌だと、足掻きはじめるクロエ。
なんとか前に死んだ年齢を超えられたけど、実は何やら祖母が裏で色々動いていたらしい。
ザル設定のご都合主義です。
最初はほぼ状況説明的文章です・・・
【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!
永倉伊織
恋愛
ヘンリー・フォルティエス公爵の二女として生まれたフィオナ(14歳)は、両親が決めた相手
ルーファウス・ブルーム公爵と結婚する事になった。
だがしかし
フィオナには『昭和・平成・令和』の3つの時代を生きた日本人だった前世の記憶があった。
貴族の両親に逆らっても良い事が無いと悟ったフィオナは、前世の記憶を駆使してルーファウスとの幸せな結婚生活を模索する。
女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「友好と借金の形に、辺境伯家に嫁いでくれ」
行き遅れの私・マリーリーフに、突然婚約話が持ち上がった。
相手は女嫌いに社交嫌いな若き辺境伯。子爵令嬢の私にはまたとない好条件ではあるけど、相手の人柄が心配……と普通は思うでしょう。
でも私はそんな事より、嫁げば他に時間を取られて大好きな歴史研究に没頭できない事の方が問題!
それでも互いの領地の友好と借金の形として仕方がなく嫁いだ先で、「家の事には何も手出し・口出しするな」と言われて……。
え、「何もしなくていい」?!
じゃあ私、今まで通り、歴史研究してていいの?!
こうして始まる結婚(ただの同居)生活が、普通なわけはなく……?
どうやらプライベートな時間はずっと剣を振っていたい旦那様と、ずっと歴史に浸っていたい私。
二人が歩み寄る日は、来るのか。
得意分野が文と武でかけ離れている二人だけど、マイペース過ぎるところは、どこか似ている?
意外とお似合いなのかもしれません。笑
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
嫌われ黒領主の旦那様~侯爵家の三男に一途に愛されていました~
めもぐあい
恋愛
イスティリア王国では忌み嫌われる黒髪黒目を持ったクローディアは、ハイド伯爵領の領主だった父が亡くなってから叔父一家に虐げられ生きてきた。
成人間近のある日、突然叔父夫妻が逮捕されたことで、なんとかハイド伯爵となったクローディア。
だが、今度は家令が横領していたことを知る。証拠を押さえ追及すると、逆上した家令はクローディアに襲いかかった。
そこに、天使の様な美しい男が現れ、クローディアは助けられる。
ユージーンと名乗った男は、そのまま伯爵家で雇ってほしいと願い出るが――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる