143 / 195
第二部
新たな思いⅤ
しおりを挟む
アンジェラ様は筒抜けになった私の気持ちをどんな風に受け止められたのでしょう?
確かめようにも怖くてまともに顔を見ることが出来なくて。
「フローラちゃん。ごめんなさいね。リチャードが余計なことを言ってしまって」
「いえ……ここだけの話にして下されば」
「もちろんよ。緘口令も敷いておくから大丈夫よ」
よかった。外部に漏れたら大変なことになるかもしれないもの。レイ様のご迷惑なることは避けなければいけないわ。胸を撫で下ろしてホッとした私は、またアイスティーを一口飲みました。
「二人はすでに両思いだったのね」
ぶふうっとアイスティーのストローから盛大に泡が立ちました。二口目はまだ飲んでいなくてよかったわ。いえ、いえ、そうではなくて。
「あ、あの」
あわあわと狼狽える私。
「あら、違ったの? リチャードの話だと気持ちを確かめ合ったのでしょう?」
小首を傾げるアンジェラ様の表情はリッキー様にそっくりでした。
「えっと……あれは、言わされたというか、なんというか……」
リッキー様の誘導尋問に引っかかったようなものなのだけれど、気持ちは本当の事だし、どう説明すればいいのかしら。ブランコではしゃぎながら遊んでいるリッキー様が恨めしく思えてきました。
彼の爆弾発言がなければ……
「ふふ、照れなくてもいいのよ。それよりも、早く二人の吉報を聞きたいわ」
「……」
グイグイとくるアンジェラ様に治まった熱がまたぶり返してきました。
先日、ディアナに話したばかり。吉報と言われて意味が分からないほど鈍くはないと思うのですが、今は何とも言えません。
まだ、待っていてくださっているのか確かめる術はなくて、不透明なままです。気持ちがなくなったと言われたらと思うと怖くて、何もできないままなのです。
「アンジェラ様は、どう思っていらっしゃるのですか?」
「どう思うって? 今か今かと吉報を待っているところよ」
「私でよいのですか?」
あっけらかんと言われて弾くように顔を上げると思わず聞いてしまいました。
「ええ。フローラちゃん、あなたがいいわ。でも、それを決めるのはレイニーよね。彼があなたを選んだのでしょう? わたくしは賛成よ」
にこやかに微笑むアンジェラ様の言葉は有難かったのですが、不安な思いは拭えずに自分の気持ちを吐露しました。
「フローラちゃんはいろいろ不安で迷っているのね」
話し終えたあと、考え込むようにつぶやいたアンジェラ様にこくりと頷きました。
「わたくしもね、色々と悩んだ時期があったのよ。学生の頃だけれども。殿下とわたくしは同級生で、王太子殿下が在学するとあって、学園全体が浮足立っていたみたいでね」
そういってその頃の話を語って下さいました。
「令嬢達の自分アピールがすごかったのよ。わたくしは入学した当初は王太子妃候補の立場。数か月後には婚約発表が予定されていたけれど、まだ公表ができない時期だったの。そこをつけこまれてしまったのね。令嬢達のアプローチのすごいこと。容姿を武器に迫る令嬢やお菓子やお弁当など胃袋に訴える令嬢もいれば、あたしがヒロインなのよ。あたしが未来の王太子妃よ。なんて声高に宣言する令嬢もいて、混乱を極めたの」
その時を思い出していらっしゃるのか、遠い目をしているアンジェラ様。
「あの、大丈夫だったのですか?」
「そうね。一時期は悩んで、王太子妃はわたくしでなくてもいいのではとか逃げ出したいって思っていたわ。王太子妃に一番近いところにいたのはわたくしだったから、いやがらせもあったし、学園では気の休まることがなかったのよ」
想像を絶する修羅場だったのかもしれません。目の色を変えて王太子殿下に迫ったりアンジェラ様にいやがらせなんて想像もしたくないわ。
「そんな状況だったから、婚約発表の時期を繰り上げたり、学園でもなるべくわたくしのそばについてくれたりとできる限りのことを殿下はしてくれたの。令嬢の誘いもすべて断っていたわ」
カランと音を立ててアイスティーの氷が溶けて中に沈んでいき、雫がコップを伝って流れていきました。
「婚約を発表してからは、随分と静かになったけれど。あの頃は何だったのかしらね。何かに操られてでもいたのか、陰謀論まで出るくらい異常だったのよ。でもね、その中でも変わらずに殿下はわたくしを愛してくださっていたし、わたくしも殿下への愛があるから乗り越えられたのだと思うわ」
にこりと笑ったアンジェラ様の瞳には揺るぎない信念が宿っているように見えました。
「フローラちゃん、泣かせるつもりはなかったのよ」
知らずに頬を伝っていた涙。
アンジェラ様が慌ててハンカチを当ててくださいました。
「申し訳ありません」
ハンカチを手に取ると目元の涙を拭いて気持ちを落ち着けました。
アンジェラ様が経験した事に比べれば、私の問題などちっぽけな事。取るに足らないもの。
「もうすでに過去の事よ。わたくしは王太子妃になり世継ぎたる男子も生んでいる。役目も果たしているわ。あんなことを話すつもりはなかったのだけれども」
アンジェラ様の声が途切れたタイミングで、透明のカップに注がれたのは色鮮やかなルビーレッドの飲み物。ローズヒップティーでしょうか。
庭園に目をやれば、リッキー様が元気に遊んでいます。その様子を慈愛の眼差しで見守るアンジェラ様。
平和で和やかな母子の姿。
この光景のためにどれだけの忍耐と努力と愛の絆があったのでしょう。
「二人の気持ちが大事よってわたくしは言いたかったの。お互いが想い合っていることが何よりも大事だと思うわ。フローラちゃん、自分の気持ちを大事にしてね。後悔しないように、ね」
止まった涙がまた溢れてきました。
再び慌てたアンジェラ様が二枚目のハンカチを手渡してくださいました。
確かめようにも怖くてまともに顔を見ることが出来なくて。
「フローラちゃん。ごめんなさいね。リチャードが余計なことを言ってしまって」
「いえ……ここだけの話にして下されば」
「もちろんよ。緘口令も敷いておくから大丈夫よ」
よかった。外部に漏れたら大変なことになるかもしれないもの。レイ様のご迷惑なることは避けなければいけないわ。胸を撫で下ろしてホッとした私は、またアイスティーを一口飲みました。
「二人はすでに両思いだったのね」
ぶふうっとアイスティーのストローから盛大に泡が立ちました。二口目はまだ飲んでいなくてよかったわ。いえ、いえ、そうではなくて。
「あ、あの」
あわあわと狼狽える私。
「あら、違ったの? リチャードの話だと気持ちを確かめ合ったのでしょう?」
小首を傾げるアンジェラ様の表情はリッキー様にそっくりでした。
「えっと……あれは、言わされたというか、なんというか……」
リッキー様の誘導尋問に引っかかったようなものなのだけれど、気持ちは本当の事だし、どう説明すればいいのかしら。ブランコではしゃぎながら遊んでいるリッキー様が恨めしく思えてきました。
彼の爆弾発言がなければ……
「ふふ、照れなくてもいいのよ。それよりも、早く二人の吉報を聞きたいわ」
「……」
グイグイとくるアンジェラ様に治まった熱がまたぶり返してきました。
先日、ディアナに話したばかり。吉報と言われて意味が分からないほど鈍くはないと思うのですが、今は何とも言えません。
まだ、待っていてくださっているのか確かめる術はなくて、不透明なままです。気持ちがなくなったと言われたらと思うと怖くて、何もできないままなのです。
「アンジェラ様は、どう思っていらっしゃるのですか?」
「どう思うって? 今か今かと吉報を待っているところよ」
「私でよいのですか?」
あっけらかんと言われて弾くように顔を上げると思わず聞いてしまいました。
「ええ。フローラちゃん、あなたがいいわ。でも、それを決めるのはレイニーよね。彼があなたを選んだのでしょう? わたくしは賛成よ」
にこやかに微笑むアンジェラ様の言葉は有難かったのですが、不安な思いは拭えずに自分の気持ちを吐露しました。
「フローラちゃんはいろいろ不安で迷っているのね」
話し終えたあと、考え込むようにつぶやいたアンジェラ様にこくりと頷きました。
「わたくしもね、色々と悩んだ時期があったのよ。学生の頃だけれども。殿下とわたくしは同級生で、王太子殿下が在学するとあって、学園全体が浮足立っていたみたいでね」
そういってその頃の話を語って下さいました。
「令嬢達の自分アピールがすごかったのよ。わたくしは入学した当初は王太子妃候補の立場。数か月後には婚約発表が予定されていたけれど、まだ公表ができない時期だったの。そこをつけこまれてしまったのね。令嬢達のアプローチのすごいこと。容姿を武器に迫る令嬢やお菓子やお弁当など胃袋に訴える令嬢もいれば、あたしがヒロインなのよ。あたしが未来の王太子妃よ。なんて声高に宣言する令嬢もいて、混乱を極めたの」
その時を思い出していらっしゃるのか、遠い目をしているアンジェラ様。
「あの、大丈夫だったのですか?」
「そうね。一時期は悩んで、王太子妃はわたくしでなくてもいいのではとか逃げ出したいって思っていたわ。王太子妃に一番近いところにいたのはわたくしだったから、いやがらせもあったし、学園では気の休まることがなかったのよ」
想像を絶する修羅場だったのかもしれません。目の色を変えて王太子殿下に迫ったりアンジェラ様にいやがらせなんて想像もしたくないわ。
「そんな状況だったから、婚約発表の時期を繰り上げたり、学園でもなるべくわたくしのそばについてくれたりとできる限りのことを殿下はしてくれたの。令嬢の誘いもすべて断っていたわ」
カランと音を立ててアイスティーの氷が溶けて中に沈んでいき、雫がコップを伝って流れていきました。
「婚約を発表してからは、随分と静かになったけれど。あの頃は何だったのかしらね。何かに操られてでもいたのか、陰謀論まで出るくらい異常だったのよ。でもね、その中でも変わらずに殿下はわたくしを愛してくださっていたし、わたくしも殿下への愛があるから乗り越えられたのだと思うわ」
にこりと笑ったアンジェラ様の瞳には揺るぎない信念が宿っているように見えました。
「フローラちゃん、泣かせるつもりはなかったのよ」
知らずに頬を伝っていた涙。
アンジェラ様が慌ててハンカチを当ててくださいました。
「申し訳ありません」
ハンカチを手に取ると目元の涙を拭いて気持ちを落ち着けました。
アンジェラ様が経験した事に比べれば、私の問題などちっぽけな事。取るに足らないもの。
「もうすでに過去の事よ。わたくしは王太子妃になり世継ぎたる男子も生んでいる。役目も果たしているわ。あんなことを話すつもりはなかったのだけれども」
アンジェラ様の声が途切れたタイミングで、透明のカップに注がれたのは色鮮やかなルビーレッドの飲み物。ローズヒップティーでしょうか。
庭園に目をやれば、リッキー様が元気に遊んでいます。その様子を慈愛の眼差しで見守るアンジェラ様。
平和で和やかな母子の姿。
この光景のためにどれだけの忍耐と努力と愛の絆があったのでしょう。
「二人の気持ちが大事よってわたくしは言いたかったの。お互いが想い合っていることが何よりも大事だと思うわ。フローラちゃん、自分の気持ちを大事にしてね。後悔しないように、ね」
止まった涙がまた溢れてきました。
再び慌てたアンジェラ様が二枚目のハンカチを手渡してくださいました。
2
お気に入りに追加
514
あなたにおすすめの小説
【完結済】平凡令嬢はぼんやり令息の世話をしたくない
天知 カナイ
恋愛
【完結済 全24話】ヘイデン侯爵の嫡男ロレアントは容姿端麗、頭脳明晰、魔法力に満ちた超優良物件だ。周りの貴族子女はこぞって彼に近づきたがる。だが、ロレアントの傍でいつも世話を焼いているのは、見た目も地味でとりたてて特長もないリオ―チェだ。ロレアントは全てにおいて秀でているが、少し生活能力が薄く、いつもぼんやりとしている。国都にあるタウンハウスが隣だった縁で幼馴染として育ったのだが、ロレアントの母が亡くなる時「ロレンはぼんやりしているから、リオが面倒見てあげてね」と頼んだので、律義にリオ―チェはそれを守り何くれとなくロレアントの世話をしていた。
だが、それが気にくわない人々はたくさんいて様々にリオ―チェに対し嫌がらせをしてくる。だんだんそれに疲れてきたリオーチェは‥。
私を溺愛している婚約者を聖女(妹)が奪おうとしてくるのですが、何をしても無駄だと思います
***あかしえ
恋愛
薄幸の美少年エルウィンに一目惚れした強気な伯爵令嬢ルイーゼは、性悪な婚約者(仮)に秒で正義の鉄槌を振り下ろし、見事、彼の婚約者に収まった。
しかし彼には運命の恋人――『番い』が存在した。しかも一年前にできたルイーゼの美しい義理の妹。
彼女は家族を世界を味方に付けて、純粋な恋心を盾にルイーゼから婚約者を奪おうとする。
※タイトル変更しました
小説家になろうでも掲載してます
聖なる言霊を小言と馬鹿にされ婚約破棄されましたが、普段通りに仕事していたら辺境伯様に溺愛されています
青空あかな
恋愛
男爵令嬢のポーラは、詩を詠うことで願った現象を起こす【言霊】という珍しいスキルを持っていた。
スキルを活かし、家の離れで人々の悩みを解決する”言霊館”というお店を開いて、家計を助ける毎日を送る。
そんなポーラは婚約者と義妹たちにも【言霊】スキルで平穏な日々を願っていたが、ある日「小言が多い」と婚約破棄され、家を追い出されてしまう。
ポーラと同じ言葉のスキルを持つ義妹に店を奪われ、挙句の果てには、辺境伯のメイドに勝手に募集に出されていた。
“寡黙の辺境伯”という、誰とも話さず、何を考えているのかわからないと恐怖される辺境伯の屋敷に……。
ポーラは恐れながら屋敷へ行くも、【言霊】スキルの特別な力を示し、無事メイドとして勤めることになる。
屋敷で暮らすようになってから、フェンリルの病気を癒したり、街の火事を静めたり、枯れそうな古代樹を救ったり……ポーラは【言霊】スキルで屋敷の問題を次々と解決する。
日々、他人のため、そして辺境伯のために頑張るポーラを、“寡黙の辺境伯”は静かに溺愛し始める。
一方、義妹たちの毎日は、ポーラを追い出してから少しずつ暗い影が差す。
お店をポーラから奪うも、最初のお客さんである少女の大切な花を枯らして泣かす始末。
義妹のスキルは他人を不幸にするスキルだった。
ついには王様の持病をも悪化させ、瀕死の状態にさせてしまう。
※HOTランキング2位、ありがとうございます!
【完結済】冷血公爵様の家で働くことになりまして~婚約破棄された侯爵令嬢ですが公爵様の侍女として働いています。なぜか溺愛され離してくれません~
北城らんまる
恋愛
**HOTランキング11位入り! ありがとうございます!**
「薄気味悪い魔女め。おまえの悪行をここにて読み上げ、断罪する」
侯爵令嬢であるレティシア・ランドハルスは、ある日、婚約者の男から魔女と断罪され、婚約破棄を言い渡される。父に勘当されたレティシアだったが、それは娘の幸せを考えて、あえてしたことだった。父の手紙に書かれていた住所に向かうと、そこはなんと冷血と知られるルヴォンヒルテ次期公爵のジルクスが一人で住んでいる別荘だった。
「あなたの侍女になります」
「本気か?」
匿ってもらうだけの女になりたくない。
レティシアはルヴォンヒルテ次期公爵の見習い侍女として、第二の人生を歩み始めた。
一方その頃、レティシアを魔女と断罪した元婚約者には、不穏な影が忍び寄っていた。
レティシアが作っていたお守りが、実は元婚約者の身を魔物から守っていたのだ。そんなことも知らない元婚約者には、どんどん不幸なことが起こり始め……。
※ざまぁ要素あり(主人公が何かをするわけではありません)
※設定はゆるふわ。
※3万文字で終わります
※全話投稿済です
逆行したので運命を変えようとしたら、全ておばあさまの掌の上でした
ひとみん
恋愛
夫に殺されたはずなのに、目覚めれば五才に戻っていた。同じ運命は嫌だと、足掻きはじめるクロエ。
なんとか前に死んだ年齢を超えられたけど、実は何やら祖母が裏で色々動いていたらしい。
ザル設定のご都合主義です。
最初はほぼ状況説明的文章です・・・
【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!
永倉伊織
恋愛
ヘンリー・フォルティエス公爵の二女として生まれたフィオナ(14歳)は、両親が決めた相手
ルーファウス・ブルーム公爵と結婚する事になった。
だがしかし
フィオナには『昭和・平成・令和』の3つの時代を生きた日本人だった前世の記憶があった。
貴族の両親に逆らっても良い事が無いと悟ったフィオナは、前世の記憶を駆使してルーファウスとの幸せな結婚生活を模索する。
女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「友好と借金の形に、辺境伯家に嫁いでくれ」
行き遅れの私・マリーリーフに、突然婚約話が持ち上がった。
相手は女嫌いに社交嫌いな若き辺境伯。子爵令嬢の私にはまたとない好条件ではあるけど、相手の人柄が心配……と普通は思うでしょう。
でも私はそんな事より、嫁げば他に時間を取られて大好きな歴史研究に没頭できない事の方が問題!
それでも互いの領地の友好と借金の形として仕方がなく嫁いだ先で、「家の事には何も手出し・口出しするな」と言われて……。
え、「何もしなくていい」?!
じゃあ私、今まで通り、歴史研究してていいの?!
こうして始まる結婚(ただの同居)生活が、普通なわけはなく……?
どうやらプライベートな時間はずっと剣を振っていたい旦那様と、ずっと歴史に浸っていたい私。
二人が歩み寄る日は、来るのか。
得意分野が文と武でかけ離れている二人だけど、マイペース過ぎるところは、どこか似ている?
意外とお似合いなのかもしれません。笑
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる