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42 最弱は?

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シュートーと向き合い木剣を構える。
やはり、正面から見てもシュートーの重心はずれている。これでは攻守において力が発揮されないだろう。

「始め!」

掛け声と共にシュートーが攻撃して来る、先程俺に弱いと言われたのが余程頭に来たのだろう。さっきのルーカス戦に比べて遥かにワンパターンで荒い攻撃になっているが、怒りに身を任せているからか力は多分さっきより強いだろう。ルーカスはシュートーとそんなに身長は変わらないが俺は20cm以上低い為剣に重さが加わる。受け流すのが少し辛いが何所に来るか分かる分未だましだ。

「へぇ。」
「確かにシュートーより強いですね。」
「あぁ、だが力が弱い。今はいいがそのうち耐えられなくなるぞ。」
「彼はそれも理解していると思いますよ。」

うぅ、1週間の運動不足は堪えるな。もう面倒だから終わりにするか。では、

「シュートー よわい。」
「何!俺に押されているのによく言う!これで終わりだ!!」

シュートーが剣を大きく振り上げた隙に喉に剣先を当てる。

「それまで!」

怒りに任せて大技を出そうとすれば隙が生まれる。そこを突けばいい。シュートーみたいな単純な奴はやりやすい。シュートーは単純な上にキチンと剣術を習っていたんだろう、だから余計にワンパターンになる。だが基礎錬をしっかりやれば強くなるだろう。

「「「シュートー弱い(よわい)。」」」

「くっ!」

「シュートー、これから べんきょう する。」

「「勉強?」」

「・・・勉強じゃなくて練習だろ?」

「れんしゅう する。」

シュートーの手を引き端に行き、軽くストレッチをしてから走る。シュートーは渋々俺の真似をしながらストレッチして、渋々俺の後を付いて来た。途中何度も「早く」と言っていたが一定のリズムでゆっくり走る、足を速くする為に走るのではなく持久力を付ける為に走っているので速くする必要はなく、一定のリズムで走る事が大事なのである。っがシュートーは早くもバテてしまっている・・・。外周を走っていたがこの砦はかなりの大きさだ、まぁシュートーがバテルのも仕方ないかもしれない。正門が見えて来たのでそこから建物に向かって走り訓練場に戻る、戻るとシュートーは死んだ。

俺も結構疲れたからこれから一緒に頑張って行こう!


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