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交際命令 ~束の間の休息~
しおりを挟む部活だ♪部活だ♪楽しい部活♪
拉致られる事もなく、拘束される事もない楽しい日々を過ごしております。
というのも、会長は文化祭の準備で忙しいのだ。
市役所や保健所それに近所に挨拶回り、生徒にも先生にも信頼が厚いとこうゆう時に大変だ(おもいっきり他人事)
だから、朝もいつもより早いし昼休みも放課後も生徒会室に籠って書類と闘っているらしい(噂。俺は知らない)
なので、今週は朝の挨拶(授業が始まる前必ずわざわざ来る)位しか会ってないのだ!会いたくない訳じゃない、未だにどうしていいのか解らないんだょ・・・
ちなみに、うちのクラスの出し物は《フランクフルト》です。
串に刺して焼くだけ。用意するのは、フランクフルト・串・ケチャップ・粒マスタード・お持ち帰り用の包装紙にビニール袋。全部買えばいいだけだし当日はホットプレートで焼くだけ。たいして準備が要らない、うちのクラスは部活やってる奴等が多いから簡単なのになった。
部活は《体験わたあめ》バスケとは関係ない売店。
空缶に錐で穴を空けてタコ紐で吊らし、それをねじり遠心力を使って回転させる下から温めれば砂糖が溶けて外に出てくるという訳。出てきたのをお客さんに捕ってもらう《体験わたあめ》なのだ。隣のスペースで子供向けに装置作成体験もやる予定だ。
一応バスケ部らしくボールを使ったパフォーマンスで客引き予定。俺もパフォーマーに選ばれた!実は結構器用なんだな俺♪
「佐藤!敵の動きをちゃんと見ろ!」
「戻れ!戻れ!」「ディフェンス!ディフェンス!」
ズボッ!
「オッシャー!イエーイ♪」
「ナイスシュート!」
ピッピーー!
「集合!」
「では、負けた方が片付け。では解散!」
「「有難う御座いました!!」」
「失礼。」
げっ!副会長!何故此処に!?
よく分からないけど逃げるべし!俺の本能がそう告げている!此奴も会長と同じ笑顔が怖い!ただ見てるだけなら見とれるクラスの素敵な笑顔なんだけど、この笑顔を向けられると兎に角怖いのだ!
なので逃げる!バスッケットマンの瞬発力なめるなよ!
って速攻捕まった!?何故だ!?此奴も文武両道だった・・・。けど、この距離で捕まるか普通?
「一寸よろしいですか?」
「・・・・・・はい。」
今の俺に耳と尻尾があったら、耳は後ろに垂れて尻尾は完全に腹に抱えているだろうっていう位、謎の恐怖がある。何かされた事もないんだけどなぁ。
着替える事も許されずに腕を掴まれて生徒会室まで連れて来られた。副会長はノックをして入るといきなり俺を投げ入れた。
「わぁ!?」
「弦!!」
突然腕を引かれた俺はバランスを崩したが会長に支えられていた。
何故!!だって今席に居たじゃん!?
「本物の弦」
【本物】とはなんざんしょ?っと思っている内にきつくバグされたかと思ったら後頭部を押さえながら激しめのキスをされた。激しいキスだけでもいっぱいいっぱいなのに久しぶりで最早自力で立てない。
「んっぁ・・・か・いちょぅ・・・ぅん・・だっめ・・・ふく・・かんん」
「速見なら出て行った。んっ」
いつの間に!気付かなかった・・・見られてないのは良かったけど、激し過ぎ!誰か助けて!って見られたら困るんだけど、とりあえず止めてもう死ぬ。
「俺の弦」
「はぁ・・・はぁはぁ。死ぬかと思った。」
俺試合終わりで疲れてるんだけど、マジ死ぬ。
「ちょっ!?一寸待て!皆帰って来るだろ!鞄あるぞ!幾つも!!」
此奴服に手を入れてきやがった!皆がいつ帰って来るか分かんないのに最後までする気か!何度も言うが俺部活終わり疲れてるの!!それ以上止めて!弄らないでキスしないで!
「会長、それ以上は終わってからにして下さい。」
「ギャーーーーーーー!!!」
副会長の顔が!!ドワップで!びっくりして思わず会長にしがみ付いてしまった。心臓に悪い。ってかいつ出ていつ入って来たんだ?ノックしたのも気付かなかった。あぁ、未だ心臓がバクバクいってる。
「チッ!弦こっちおいで。」
舌打ち!こんなにガラの悪い会長初めてかも、いつも胡散臭い笑顔だから普段から色んな顔を見せてくれればいいのに・・・大事にされてる?のは分かるけど一応付き合っているんだし俺には見せてもいいと思うんだけどなぁ
って!?何で俺はこんな体勢なんだ!?
副会長が居るのに膝の上に向き合って座るとかありえねだろ!!一寸考え事している間に気付かなかった・・・。
「あっそうだ。佐藤君、鞄と着替えそこに置いておきましたので。」
「すいません?んっ?」
俺の荷物は部室のロッカーに鍵を掛けてしまっておいたはず?鍵は・・・ここにある。この人どうやって開けたの!!
にこり。
!!こっ怖っ!怖い怖い。あの笑顔怖いよう・・・。余りの怖さに目の前の会長に又しがみ付いてしまう。
「可愛い♪」
そう呟くと俺を抱き締め首に顔を埋めて舐めて来た。
ゴン!
頭を殴り胸を押しながら(殆んど動かないけど。何故か)
「俺を下して仕事しろよ!」
「嫌だ。仕事はする、けどこのまま」
「いいわけある「構いませんよ。仕事さえして頂けるなら」・・・。」
お前は止めろよ!俺は恥ずかしいんじゃ!くそ。此奴は仕事さえすれば俺の犠牲位問題じゃないんだろうけど。会長は器用に俺の肩に顎を乗せてPCを操作してる。俺が耐えれば丸く収まるのか・・・。
俺は会長に抱っこされたままする事もなく無の境地でボーっとしていると他の生徒会メンバーが帰って来た。
「「只今戻りました。」」
!!
「「お帰り。お疲れさん。」どうでした?」
「一応納得はしてくれました。っで抱っこちゃんが居るって事は会長壊れたんですか?」
「いえ。壊れる前に持って来ました。」
「僕も抱っこちゃん持って来ていいかい?」
「いいですよ。但し、会長並に仕事してもらいますが。」
「終わってから楽しみます。」
「そうして下さい。」
王子先輩とスケコマシ先輩だ。王子先輩は彼女は3年でイケメンで女子に人気がある。俺もキャーキャー言われたい。スケコマシ先輩も女子に人気のイケメン、常に3・4人女の子を連れて歩いてる。いつもメンバーが違うのは俺の気のせいじゃないはず。
どうでもいいけど、いい加減下してくれないかなぁ恥ずかしいんだけど。部屋から出ないから下して・・・
この人こんな体勢でよく仕事できるな、これじゃ文句が言えない。
俺がどうしようか悩んでいると
「「只今戻りました。」」
「「お帰り、お疲れさん」許可は出ましたか?」
「・・・はぁ、ほらこれ。」
「確かに。お疲れ様です。」
「何でアイツが居るの?」
「仕事の効率アップの為です。」
「・・・あっそ。」
「お二人はこれをまとめたら今日は上がって結構ですよ。」
「あっはい。」
「おぅ」
2年の恐い黒須先輩。柔らかいイメージの生徒会の中で唯一厳つい先輩だ。背が高く眼つきが悪い為いつも睨まれてる気がする。もう1匹は1年の首席、チビ助だ。(俺が見下ろせる貴重な存在。)今の俺を見て唯一動揺してるのは此奴だけだ。まともな奴がいないのか!
10分後に黒須先輩とチビ助が帰り更に10分後に王子先輩とスケコマシ先輩が帰って行った。残ったのは俺達3人だけだ。
いい加減この体勢辛いんだけどなぁ、未だ未だ掛かるのかな?いつもこんな遅くまでやってるのか、大変だな俺だったら暴れてるな。なんて考えてたら
「会長今日は此処までで続きは来週で大丈夫ですよ。・・・ではお先に失礼します。佐藤君会長を頼みます。」
「おっおぅ?」
「お疲れ様。又来週。」
会長は副会長に挨拶す
ますと俺を抱き締めた。
「ずっと逢いたかった。さっきはごめんね、一寸暴走しちゃってあまりにも嬉しくて。」
そう言いながら頬や額瞼にキスを降らしている。
「・・・俺だって逢えて・・・その・・嬉しかったし(小声)」
それを聞くとこの上なく嬉しそうに微笑みキスをした。危なく起ちそうになる前に離され何所かに電話すると手を引かれて荷物を持って鍵を閉め校門に向かう。暫くするとタクシーが来て押し込まれた。何処に行くのか何度も聞いても笑顔でかわされ何も答えてはくれない。
15分くらい走るとドデカイ見慣れたマンションに着いた。見晴らしの良い階に着き鍵を開け、又もや中に押し込まれ激しいキスをして来る。誰もいない場所なら俺も恥ずかしくはない。求められるままに返し受け入れる。
キスが落ち着くと俺を抱えてベットに向かう。
「ごめんね。我慢出来ない。」
そう言うと電光石火の早業で俺は丸裸にされた。俺だって男の子気持ちいい事は好きだ。会長に馴らされたこの体は直ぐに反応してしまう。だが、何度も言うが試合後。練習試合といえどもフルに試合した後で体力が落ちているのに全力で来られても困る。結果、会長が2回中に出したトコまでしか覚えていません。
無断外泊を心配していたら既に連絡済との事。
することして家に連絡まですますとか流石です。ですが!もう少し俺の体も気を使って欲しい物です。起きれないのも勿論だが、金さんもビックリな程の桜吹雪。もはやこれは怪我ではないだろうか・・・。
溜める前に小出しにして欲しいなぁ。こっちがもたん。
あぁ、文化祭が楽しみだ。うん。(棒読み)
- 完 -
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