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忠犬ハチ公 2
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「おはようございます!」
「「えっ?」」
なんで八木君が駅に居るの?彼は確か自転車通学のはずでは?
「どうしてお前が居る?」
「えっと・・・その、自分は学年も違うし電車通学でもないので少しでも一緒に居たくて・・・迷惑ですか?」
うぅ、
その顔やめろ!まるで俺が悪いみたいじゃないか犬を虐待してるみたいな気分になるから本当にやめて欲しい。
「何時からここに居たんだ?」
「あっでも10分前からです。昨日先輩方が学校に着いた時間と駅からの距離を考えてこの時間かな?って思って、これ以上は朝の支度とかあるので来れなかったので合ってて良かったです。」
名探偵!ってか怖い!
昨日は告白で緊張してたのでは?そんな計算をしている余裕があったなら意外と冷静だったんだね。俺の方が緊張してたかも・・・。
「っぷ。ガハハハ!!駅で主人が来るのを待ってるとか、マジではハチ公じゃん。八木公彦でハチ公!アハハハお前今日からハチ公な!」
「っえ?っあはい。ありがとうございます?」
「智治、人にハチ公とか失礼だろ!!」
「いいじゃん。ハチ公嫌がってないし、お前だけの忠犬だぞ良かったな。ぷぷぷ。」
確かに犬は欲しかったけど、俺より大きい超大型犬は要らない。大き過ぎる、ってか犬じゃないし!危ない流される所だった。ニコニコしながらこっちを見るな。犬扱いされてるんだから怒れよ。
「ふぅ、とりあえず此処に居ても邪魔だから行こうぜ。ハチも行くぞ。」
「はい。」
「苦しいからこれやめろよ!」
又こいつは肩を組みたがる。っというよりほぼ首を絞められてる気がする。俺を連れて行く時は手を引くよりこうやって首を絞められてる。苦しいのにやめてくれない。普通に言えば付いて行くのに・・・。こいつの中での俺の立ち位置ってなんんだろう。おもちゃかな?・・・考えるの止めよう。
「先輩、お弁当持って来ました。お口に合うと良いんですが・・・」
「本当に持って来たの?じゃあ、お代は明日持って来るよ。」
「いつでも大丈夫です。はい、布巾手を拭いてください。」
「くくく。至れり尽くせりだね。忠犬ってより下僕だね。」
「下僕は可哀想だよ。せめて奴隷とか?」
「いやいや。どっちも変わんねーって、せめて執事だろ。」
皆で面白がってやられる方は凄く恥ずかしいんだぞ。けど、布巾まで持って来るとは・・・本当に至れり尽くせりこんなにやってもらっていいんだろうか?俺凄く偉そうなんだけど。
俺の記憶違いじゃなければ、俺は八木君を振ったはず。なのにこれ。
あれじゃ伝わらないのかな?告白された事ないし、振った事もないから解んないよ・・・。
んーやっぱり美味しい。昨日食べた厚焼き玉子も美味しかったけど今日のも美味しい。
「先輩?お口に合いますか?」
「・・・っえ?あっうん、美味しいよ。一つ聞いてもいいかな?この唐揚げは冷凍食品だよね?」
「おかずも炊き込みご飯も全部手作りですよ?冷凍食品って結構高いんですよ。なので手作りの方が安あげりなんです。」
「「「唐揚げまで作れるの!?」」」
マジかぁ。・・・まぁ人には向き不向きがあるから、うん。自分に出来る事をしよう、無理して周りに迷惑をかけてはいけないよね。言っておくが別に俺の料理は殺人料理ではないぞ!ただ美味くも不味くもないだけだ。
「妹さん幼稚園児って言ってたけど、キャラ弁とかも作るの?」
「作りますよ。ただ凄く時間がかかるので週に1回しか作れませんが・・・。周りのママさん達が凄いので全く作らないのは可哀想なので。」
「もはや子供の為というより自分のプライドだろうなぁ。」
「それはあるかも。誰々くんのママさんには負けない!みたいな?」
「くだらねー。」
「先輩方・・・それはあるかもしれませんが子供たちは純粋に嬉しいし楽しみみたいなので。」
今時のママさん達も色々あって大変だなぁ。頑張ってください。
「今日は先輩が好きなエビチリを入れて来ました♪どうぞ。」
話の流れで軽く『俺もエビチリ好き』って言っただけなのに覚えてたのか。一瞬俺がエビチリ好きって言ったっけって思った位なのに。記憶力いいなぁ、最近物忘れが多くて羨ましい。年かな?
ブーブーブー
「誰?」
「あっ俺だ。・・・真、今日母さん飲み会らしいから夕飯どうする?」
「珍しいね。適当に食べるから大丈夫だよ。」
おばさんは滅多に外食をしない、会社の飲み会もあまり参加しない。忘年会や歓送迎会位だから何でもないこの時期に呑むのは珍しい。
「後輩に相談されたみたい。」
成程。それなら納得、でもお茶でなく呑みなんだからきっと深刻な相談なんだろう。おばさんは色々な人に相談される。明白な答えが出る訳ではないが兎に角聞き上手なのだ、俺も昔愚痴った事があるけど聞いてもらうだけでも楽になるから。
「?田中先輩のお母さんの飲み会と川島先輩がどう関係あるんです?」
「えっ?あぁ、今うちの両親イタリアに出張中なの。父さんは何も出来ない人だから母さんも一緒に行ってる。兄さんはもう独り立ちしてて、俺一人だから夕食一緒に食べてるんだ。」
「先輩一人暮らし何ですか?」
「そう。夕飯は一緒に食べてるけど朝は自分で作ってるし、他の家事もちゃんとやってる。」
そう。ちゃんと掃除洗濯してます。じゃないと週末におばさんのチェックが入ってさぼると母さんに報告されてしまうのだ。なのでやる。じゃなければ多分やらなかっただろうなぁ。流石母さん俺の性格を良くご存じで・・・。
「朝は何を作ってるんです?」
「別に普通にご飯と味噌汁に玉子や納豆とか?そんなもんだよ。」
母さんは料理が出来ないから、俺が作れるのは家庭科の授業で作った物位。
ちなみに、料理が出来ない母さんには月に一度大量のレトルト食品、ラーメン・ご飯・缶詰等ただ温めるだけとかの物を送っている。近所の奥様方に大人気らしい。
俺達親子にはこんな美味しい料理は逆立ちしても出来ません。
見た目だけでなく栄養まで考えられてる。八木君の家族は幸せ者だね。
あぁ、美味しい。
「「えっ?」」
なんで八木君が駅に居るの?彼は確か自転車通学のはずでは?
「どうしてお前が居る?」
「えっと・・・その、自分は学年も違うし電車通学でもないので少しでも一緒に居たくて・・・迷惑ですか?」
うぅ、
その顔やめろ!まるで俺が悪いみたいじゃないか犬を虐待してるみたいな気分になるから本当にやめて欲しい。
「何時からここに居たんだ?」
「あっでも10分前からです。昨日先輩方が学校に着いた時間と駅からの距離を考えてこの時間かな?って思って、これ以上は朝の支度とかあるので来れなかったので合ってて良かったです。」
名探偵!ってか怖い!
昨日は告白で緊張してたのでは?そんな計算をしている余裕があったなら意外と冷静だったんだね。俺の方が緊張してたかも・・・。
「っぷ。ガハハハ!!駅で主人が来るのを待ってるとか、マジではハチ公じゃん。八木公彦でハチ公!アハハハお前今日からハチ公な!」
「っえ?っあはい。ありがとうございます?」
「智治、人にハチ公とか失礼だろ!!」
「いいじゃん。ハチ公嫌がってないし、お前だけの忠犬だぞ良かったな。ぷぷぷ。」
確かに犬は欲しかったけど、俺より大きい超大型犬は要らない。大き過ぎる、ってか犬じゃないし!危ない流される所だった。ニコニコしながらこっちを見るな。犬扱いされてるんだから怒れよ。
「ふぅ、とりあえず此処に居ても邪魔だから行こうぜ。ハチも行くぞ。」
「はい。」
「苦しいからこれやめろよ!」
又こいつは肩を組みたがる。っというよりほぼ首を絞められてる気がする。俺を連れて行く時は手を引くよりこうやって首を絞められてる。苦しいのにやめてくれない。普通に言えば付いて行くのに・・・。こいつの中での俺の立ち位置ってなんんだろう。おもちゃかな?・・・考えるの止めよう。
「先輩、お弁当持って来ました。お口に合うと良いんですが・・・」
「本当に持って来たの?じゃあ、お代は明日持って来るよ。」
「いつでも大丈夫です。はい、布巾手を拭いてください。」
「くくく。至れり尽くせりだね。忠犬ってより下僕だね。」
「下僕は可哀想だよ。せめて奴隷とか?」
「いやいや。どっちも変わんねーって、せめて執事だろ。」
皆で面白がってやられる方は凄く恥ずかしいんだぞ。けど、布巾まで持って来るとは・・・本当に至れり尽くせりこんなにやってもらっていいんだろうか?俺凄く偉そうなんだけど。
俺の記憶違いじゃなければ、俺は八木君を振ったはず。なのにこれ。
あれじゃ伝わらないのかな?告白された事ないし、振った事もないから解んないよ・・・。
んーやっぱり美味しい。昨日食べた厚焼き玉子も美味しかったけど今日のも美味しい。
「先輩?お口に合いますか?」
「・・・っえ?あっうん、美味しいよ。一つ聞いてもいいかな?この唐揚げは冷凍食品だよね?」
「おかずも炊き込みご飯も全部手作りですよ?冷凍食品って結構高いんですよ。なので手作りの方が安あげりなんです。」
「「「唐揚げまで作れるの!?」」」
マジかぁ。・・・まぁ人には向き不向きがあるから、うん。自分に出来る事をしよう、無理して周りに迷惑をかけてはいけないよね。言っておくが別に俺の料理は殺人料理ではないぞ!ただ美味くも不味くもないだけだ。
「妹さん幼稚園児って言ってたけど、キャラ弁とかも作るの?」
「作りますよ。ただ凄く時間がかかるので週に1回しか作れませんが・・・。周りのママさん達が凄いので全く作らないのは可哀想なので。」
「もはや子供の為というより自分のプライドだろうなぁ。」
「それはあるかも。誰々くんのママさんには負けない!みたいな?」
「くだらねー。」
「先輩方・・・それはあるかもしれませんが子供たちは純粋に嬉しいし楽しみみたいなので。」
今時のママさん達も色々あって大変だなぁ。頑張ってください。
「今日は先輩が好きなエビチリを入れて来ました♪どうぞ。」
話の流れで軽く『俺もエビチリ好き』って言っただけなのに覚えてたのか。一瞬俺がエビチリ好きって言ったっけって思った位なのに。記憶力いいなぁ、最近物忘れが多くて羨ましい。年かな?
ブーブーブー
「誰?」
「あっ俺だ。・・・真、今日母さん飲み会らしいから夕飯どうする?」
「珍しいね。適当に食べるから大丈夫だよ。」
おばさんは滅多に外食をしない、会社の飲み会もあまり参加しない。忘年会や歓送迎会位だから何でもないこの時期に呑むのは珍しい。
「後輩に相談されたみたい。」
成程。それなら納得、でもお茶でなく呑みなんだからきっと深刻な相談なんだろう。おばさんは色々な人に相談される。明白な答えが出る訳ではないが兎に角聞き上手なのだ、俺も昔愚痴った事があるけど聞いてもらうだけでも楽になるから。
「?田中先輩のお母さんの飲み会と川島先輩がどう関係あるんです?」
「えっ?あぁ、今うちの両親イタリアに出張中なの。父さんは何も出来ない人だから母さんも一緒に行ってる。兄さんはもう独り立ちしてて、俺一人だから夕食一緒に食べてるんだ。」
「先輩一人暮らし何ですか?」
「そう。夕飯は一緒に食べてるけど朝は自分で作ってるし、他の家事もちゃんとやってる。」
そう。ちゃんと掃除洗濯してます。じゃないと週末におばさんのチェックが入ってさぼると母さんに報告されてしまうのだ。なのでやる。じゃなければ多分やらなかっただろうなぁ。流石母さん俺の性格を良くご存じで・・・。
「朝は何を作ってるんです?」
「別に普通にご飯と味噌汁に玉子や納豆とか?そんなもんだよ。」
母さんは料理が出来ないから、俺が作れるのは家庭科の授業で作った物位。
ちなみに、料理が出来ない母さんには月に一度大量のレトルト食品、ラーメン・ご飯・缶詰等ただ温めるだけとかの物を送っている。近所の奥様方に大人気らしい。
俺達親子にはこんな美味しい料理は逆立ちしても出来ません。
見た目だけでなく栄養まで考えられてる。八木君の家族は幸せ者だね。
あぁ、美味しい。
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