欲望のままに

姫川 林檎

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夢のつづき 4

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久し振りに定時で帰って来た伯父さん達と一緒に夕食をしている。
(2人共部下に無理やり帰されたらしい。優しい部下みたいだ。)

正直、今なっちゃんと2人限はどうしていいか判らないから助かる。まぁ、ただ単に俺が意識しまくりなだけですが・・・。

「あっそうだ、秋政お兄ちゃん明日時間ある?」

「へっ!?んぁあ・・うん。大丈夫だよ。未だこっちに知り合いは居ないから学校が始まるまで時間ならいっぱいあるよ。どうして?」

「買い物に行きたいなぁって、秋政お兄ちゃんが今使っているのはお客様用だしずっとこっちに居るなら自分用が必要でしょ?」

「布団と一緒に買わなかったのか?」

「布団は拘らないって叔母さんが言っていたから適当に僕が選んだけど、箸とかは使い勝手とか好みがあるしお茶碗もどれ位食べるか判らなかったから・・・。」

「確かにそうね。私は長めの箸が好きだしそういう拘りは人それぞれだよね。」

「・・・秋政、お前免許持っていたよな?明日車で行って来い。」

「えっ!?持っているけど俺取ったばっかりで家でも数回しか乗ってない!!」

「車は慣れだ。人を乗せた方が早く慣れる、それにお前が運転すれば夏希の買い物が楽になるぞ。こいつは自転車で米を買いに行っていて危ないからな。」

「えっそうなの!?」

「えへ。だけど!秋政お兄ちゃんが運転してくれると助かるけど無理はしないで・・・。」

自転車でお米を買いに行っているとかふらついて危険じゃないか!?だったら俺が運転した方が未だ安全な様な気がする。うん。

「分った。伯父さん車貸してくれる?」

「あぁ、安全運転で行けよ。」

「はい。」



って!!
3ナンバーだしこれ国産の高級車・・・。
ぶつけたら幾ら掛かるんだろう・・・。

伯父さん俺には運転出来る気がしません・・・。

はぁー、右ハンドルなだけマシと思わなきゃいけないのか?
俺がうちで乗ってたのはワゴン車でこれはセダン鼻があるよ・・・教習車思い出せるか?

「秋政お兄ちゃん?大丈夫やっぱり止める?」

「いや・・・大丈夫!何とかなるでしょ!けど、万が一の為になっちゃんは後ろに乗ってね。」

「え――!助手席で話をしながら行きたかったのに。後ろに乗ったら僕偉そうじゃん。」

「ごめんね。人の車は慣れてないって言うかそもそも未だ運転が事態に慣れてないから・・・慣れたら助手席に乗ってくれる?」
「うん!!勿論!絶対だよ?」

可愛い・・・下から見上げるとか反則でしょ!

「勿論。さぁ!乗ってナビお願い出来る?出来れば空いてる道で・・・。」

「くすくす。分りました。ではお願いします。」



何とか目的地に着いた。
なっちゃんの解り易いナビのお蔭で無事に着いた。何はともあれ事故らずに済んだ。

「ふふふ。とりあえずお茶にしませんか?」

「お願いします・・・。」

正直、緊張の為にガチガチで運転してたから今歩くのもやっとだ。
なっちゃんのお勧めの喫茶店に入り珈琲を飲んで少し落ち着いた。そんな俺を見てなっちゃんは実に楽しそうだ・・・。

「落ち着いた?」

「あぁ、何とかね。いえの車を始めて運転した時だってこんなに緊張しなかったのになぁ。」

「そうなの?」

「そう、父さんが「ぶつけても良いぞ」って言ってくれたから緊張しなかったのかもしれないな。」

「確かに壊してもいいよって言われると、壊してもいいんだって思えて気にしなくなるから緊張しなくなるよね。」

「なっちゃん・・・、壊してもいいって何をしたの?」

「ふふふ。ひ・み・つ♪」

か!カ!可愛い!!
この子は何をしても可愛いんだろう!もし許されるなら是非!写真を撮りたい!!

「秋政お兄ちゃん?大丈夫?」

「ぅおお!?あっ、ぅんだっ大丈夫!。」

いかん。いかん。本人目の前にして色々考えてしまった。

珈琲を飲んで落ち着いた俺達は買い物に向かった。
ここは車で30分離れたホームセンター。ホームセンターだけど敷地内には色々なお店が入っているさっき入った喫茶店の他にも薬局・クリーニング・歯医者・本屋等の他にも食事が出来る場所があったりとここに来れば大体の用が済んでしまう。駐車場も広いので止められない心配はない。

先ずは目的の物を買う。お茶碗も箸も決まり大学が始まったらお弁当を作ってくれると言うのでお弁当箱も買う、後はマグカップも探す事になった。

「これなんてどうですか?」

「おっ!いいね、シンプルだけど色がいい。俺はそれがいいかな。」

「じゃあ、これにしましょう。次は何か他に欲しいのあります?」

「いや、特にないけど・・・一寸見て回ってもいいかな?」

「じゃあ、ぐるっと回ってレジに向かいますか。」

店内を見て回りながら途中なっちゃんが洗剤を買ったり、俺が文房具を買ったりしてレジに向かった。ここを全部見て回るのは1日掛かりそうなので、次回来た時に他の場所は見てみよう。

「結構買ったね。」

「はい。色々切れかかっていたし、重いので父さん達に車を出してもらわないとそうそう買えないから。つい。」

てへへと笑う顔も可愛い。この子はこんなに可愛くて大丈夫なんだろうか?心配になってくる。
俺がなっちゃんの心配をしていると、レジの人が俺が選んだマグカップとは違う色のカップをレジに通していた。

「あれ?色が違う?」

「あっ!えっと・・・その僕もそろそろ新しいカップが欲しかったから・・・。」

「えっ!?色違いで買ったの?」

「嫌でした?」

「嫌じゃないけど、いいの?」

コク

顔を赤くして頷いている。
この子は本当にどうしてこんなに可愛いんだ!!俺をどうしたいんだ!?

その日の夕食時ニヤニヤとした伯父達の視線を浴びて顔を赤くして不機嫌で可愛いなっちゃん。不機嫌なまま紅茶を小さな口で色違いのカップで呑むなっちゃんを見ながら、食後の珈琲を新しいお揃いのマグカップで頂きました。


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