欲望のままに

姫川 林檎

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夢のつづき

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俺は今日から伯父の家に大学進学の為居候する。

最初は一人暮らしをするつもりでいたが、家事全般が全く出来ない俺が一人暮らしをしたら大変の事になると母に猛反対されたが、最終的に進路を変える気が全くない俺に母が折れた。但し条件が出た、それが伯父の家で暮らす事だった。最初伯父達に迷惑だからと文句を言ったが、上の従兄妹達は就職と進学で家を出ていて部屋が空いているから構わないと言ってくれているらしいので了承した。それに俺としても家事をしてもらえるのは素直に助かるのだ。

伯父の家は駅から5分と近いが住宅街に在る為か静かで過ごしやすそうだ。
大都会という訳ではないが田舎から来た俺からすれば十分に都会のこの街で、駅近で庭付き一戸建て伯父は成功者と言ってもいいかも知れない。

そんな立派な家の前で良く知った優しい伯父の家なのに緊張しながらベルを押すと、中から可愛らしい女子高校生が出て来た。

そうだ、ここの従兄妹達は3兄妹で兄が就職、姉が大学生で、1番下が高校2年生だったはず?つまり、俺はこの可愛い従妹と1つ屋根の下で共に暮らすという事だ!!

「えっと、秋政あきまさお兄ちゃん?」

「あっ!ごめん。ごめん。そう俺の事覚えててくれたんだ良かった、えっとなっちゃんはもう高校生だよね?3年ぶりだよね元気だった?」

なっちゃんは中学に上がり部活に忙しくて親戚の集まりに参加してなかったし、去年は来てたらしいが俺が不参加で久し振りの再会である。

「はい!僕の事覚えてくれたんですね!嬉しいです。」

あっ、なっちゃんは‟僕っ娘”なんだそれも可愛いなぁ。

「覚えてるよ。なっちゃんは小さい頃から可愛かったからね。兄姉は元気?」

「はい。無駄に元気です。あっ!ごめんなさい!玄関で立ち話で、どうぞ入ってください。今日から秋政お兄ちゃんの家です。」

「お邪魔します。」
「違います。‟ただいま”ですよ。」

「そっか、では‟ただいま”変な感じがするなぁ。」

「クス 直ぐに慣れますよ。先ずは部屋を案内します、元々は兄さんが使ってた部屋です。中に在るのは好きに使っていいそうです、使わなければ必要ないので処分していいらしいです。ただ単に自分で片付けるのが面倒なだけなんですよきっと。ここです。」

そこは8畳位の広さでベットや机ソファーにTVまであり今直ぐ使える状態だった。

「本当にここ使っていいの?」

「クスクス 大丈夫ですよ。ベットは兄さんのですけど、布団やシーツは新しいので安心して使ってください。」

「新しいの!?わざわざ買ったの?」

「勿論ですよ。そんな高い物ではないですけど。」

「いやいや!布団自体安くないからね!はぁ、気使わせちゃったなぁ。そうだ伯父さん達は?」

「今日は仕事になっちゃったんですよ、2人共。けど、早く帰るとは言ってましたけど。荷物片付いたら下でお茶しましょう。」

なっちゃんは下に降りて行った。

なっちゃんは益々綺麗で可愛くなってたなぁ、あれじゃ男がほっとかないだろうな。変な虫が付かなきゃいいけど。これから一緒に住むのかなんかドキドキして来た!伯父さん達はよく俺を住まわす気になったよな、俺だったら信頼する甥でも可愛い娘と一緒には住まわせない例え親が一緒でも。それだけ俺を信頼してくれているのかな?だとしたら嬉しい反面プレッシャーだな・・・。

さて!片付けなきゃな。
送っておいた荷物は後で片すとして、先ずは最低限必要な物を出さなくては着替えに歯ブラシ勉強道具に・・・

なっちゃんスタイル良かったなぁ。肩も腰も細くて、胸は・・・一寸残念だけどそんなのは気にならない位に可愛いし。色が白くて目が大きくてパッチリくりくりで可愛い、短い髪で首の細さが際立って見えて何とも言えない色香もあって・・・。

って!!
片付けしなきゃ!下でなっちゃんが待ってるだろうし。

俺はなっちゃんの事を考えない様に一心不乱に片付けをした!
油断すると考えそうにはなったが何とか耐えた。

俺は何とも言えない疲労感を感じながら降りて行くとなっちゃんが台所に立っていた。

「終わりましたか?」

「あぁ、何とか取り合ず必要な物だけ他は追々やって行こうと思う。ところで何してるの?」

「夕飯の準備です。とりあず下準備だけですけど、今日は秋政お兄ちゃんの歓迎会も兼ねてるので♪」

「有難う。今日はなっちゃんの手作りか楽しみだな♪」

なっちゃんは料理が得意なのか良いお嫁さんになれそうだ、なっちゃんがお嫁さんかぁいいな・・・。
『あなたお帰りなさい。今日はあなたの好きな唐揚げつくったのよ。はい、あ~ん。』とかしたり、あぁいい!

「秋政お兄ちゃん?」

「えっ!いや!何でもない!えっと、その、そう!なっちゃんが料理手伝ってくれたりとか伯母さんも助かるだろうなあって思って。」

「あぁ、すいません。母は料理苦手なんですよ・・・。母の手料理を期待してたらすいません。」

「えっ?いつも誰が作ってるの?まさかなっちゃんが作ってるの!?」

「はい。僕ですいません。」

「いやいや!なっちゃんの手料理を毎日食べれるのはそれはそれで嬉しいから!!」

「なら良かった。」

まさかの妄想が現実に!?新婚さん疑似体験か!?
しかし意外だ伯母さんは見た目は家庭的な人に見えたのに、実は休日に仕事に行く程のキャリアウーマンだったのか。

下準備を終えたなっちゃんとお茶をしながら世間話をして、伯父さん達が帰って来るまでの間荷解きを手伝ってもらったおかげで、新学期までに終わればいいやと思っていた片付けが全て終わりが完成した。

6時半に伯父さん達が揃って帰って来たのでなっちゃんは夕飯の準備を始め、俺達は大人しく世間話をしながら待った。


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