欲望のままに

姫川 林檎

文字の大きさ
上 下
47 / 96

LESSON 7

しおりを挟む
俺は真理亜ちゃんと居る時間より准平と居る時間が増えていった。

准平は快楽に溺れるなって言うけど毎回付き合ってくれている。
確かに気持ちいいがそれ以上に嬉しいのになぁ、准平に触られるのが気持ちいいのはただ単に気持ちいいだけじゃないと思うけど何だろう?

それに俺の勘違いでなければ誰に対しても塩対応の准平が俺と2人限の時は素直に楽しそうな顔をしている、まぁたまに怖い位エロい顔で笑うけど・・・そんな准平も俺は嫌いじゃないし。

最近?鈴木だけじゃなく男女関係なく准平の側に誰か居るのは面白くなく感じる、けどこれが何なのかが解らない。この感情は昔からあった、俺以外の奴と遊んでいるのが嫌だったそれは俺も仲間に入れて欲しかったんだと今なら思うけど。准平に彼女が出来た時も淋しかった、だけどそれは俺より先に彼女が出来たのが羨ましかったんだと思うし・・・。

こんなにイライラしてはいなかったはず?


「准平・・・。」

「何?」

俺は准平の腕の中から見上げる、今日はしないと言われたのでハグだけ。只今准平の前に座り後ろから抱かれながらビデオ鑑賞、去年観はぐったアクション映画を観ている。

「俺・・・真理亜ちゃんと別れた。」

「はぁ?何で?」

「真理亜ちゃんと合わなくて趣味とか色々。最初は合せて頑張ったけど何言っているのか解らないし、俺の話は全く聞いてくれなし・・・。准平の事悪く言うし・・・。」

「・・・何で付き合ったんだ?」

「好きだって言われて嬉しくて、彼女居た事ないしいいかなって・・・。」

「好きでもないのに付き合うとそうなるよな。まぁいいんじゃない?合わない奴と付き合うのは時間の無駄だし、これからどうする?」

「何が?」

「キスとセックスの練習。」

「練習?」

「お前なぁ、彼女とする為に練習してたんだろ?」

「違う!!確かに最初はそうだったかも知れないけど、今は違う!お前以外とする気はない!」

「何で?」

何で?
そう言えば何でだろう?俺が准平みたいに出来るかと言えば無理だ。と言うか女の子を抱きたいか聞かれればそうでもない、じゃあ男に抱かれたいか言われれば絶対にNOだ!自分と同じ物が付いているのに考えただけで虫唾むしずが走る!気持ち悪い。

あれ?じゃあ何で准平は大丈夫なんだ?最初から抵抗がなかった。むしろ逆に嬉しかった?准平にキスされるのも触られるのも嬉しかった?どうして?

「あれ?ひょっとして俺は准平が好きなのか?」

ぷっ

「何で疑問形なんだよ。」

「えっ?えっ?だって良く解らない・・・。俺はお前が好きなのか?」

「俺に聞くなよ。お前が決めろ。」

確かにその通りだ。
俺の気持ちを准平に決めてもらうのは違うよな。

そもそも‟好き”って何だろう?
一緒に居たい人?側に居て欲しい人?触れて居たい人?笑顔が見たい人?

「「・・・・」」

!!
全部准平に当てはまる!

俺は振り向き准平の首に抱き着きキスをし

「俺はお前が好きだ!・・・多分?」

「くっ、多分って。くくくっ。」

笑わなくてもいいのに。ぶぅー

「じゃあ聞くが、俺がお前以外の奴と楽しく遊んでいたらどう思う?」
「嫌だ!」

「俺がお前以外を抱いたらど「ダメだ!!」」
「ダメだ。俺の体は気持ちいいんだろ?だったら俺でいいじゃん。俺だけを抱けよ・・・。」

ちゅっ

俺の目にキスをする、俺は泣いていたらしい。泣く気はなかったんだけど、思っていた以上に悲しかった。准平が今までに何人とも関係を持っていたのは知っているのに、これからも他の人と関係を持つと思うと辛い。

「ごめん。泣かせるつもりはなかったんだ。お前は昔から俺を好きなのに好きじゃないと思い込もうとしていた、だから俺もお前との距離を置いた。」

「なんで?」

「お前にこれ以上嫌われたくはなかったからな。お前を困らせたくはなかったからお前の願いを叶えた。」

「ねがいって?」

「それは自分で思い出せ。」

「えーんっ・・・ぅんん」

文句を言おうとしたらキスをして来た。
それは今までと同じ優しくて幸せなキス。

「好きだ泰喜。」
「俺も好きだ!」

何だ、好きな人としてたからあんなに気持ち良くて幸せな気分になっていたんだ。
真理亜ちゃんには悪い事をしたけど、おかげで准平が好きな事に気付かせてくれた事に感謝!




『じゅんぺい!おおきくなったら、けっこんしようね。』
『うん。』


『おかあさん、あのねおおきくなったらじゅんぺいとけっこんするんだ!』

『何馬鹿な事言ってるの。男同士で結婚は出来ないし、気持ち悪い事言わないで。』

『きもちわるいの?』


『あのね、おとこどうしはけっこんできないんだって。それにきもちわるいからだめなんだよ。うっ・・ぅうっ』
『たいき、なかないで。ともだちならだいじょうぶだよ。』

『ほんと?ずっといっしょにいる?ちゅうは?』
『うん。ずっといっしょ!けど、ちゅうはだめかも・・・けど、ずっといっしょにいるから!だからなかないで、ね?』

『うん!ともだち!ずっとともだち。ね!』
『・・・うん。』



      - 完 -


しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

私の事を調べないで!

さつき
BL
生徒会の副会長としての姿と 桜華の白龍としての姿をもつ 咲夜 バレないように過ごすが 転校生が来てから騒がしくなり みんなが私の事を調べだして… 表紙イラストは みそかさんの「みそかのメーカー2」で作成してお借りしています↓ https://picrew.me/image_maker/625951

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!

愉快な生活

白鳩 唯斗
BL
王道学園で風紀副委員長を務める主人公のお話。

どうして、こうなった?

yoyo
BL
新社会として入社した会社の上司に嫌がらせをされて、久しぶりに会った友達の家で、おねしょしてしまう話です。

処理中です...