欲望のままに

姫川 林檎

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LESSON 1

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「あのさぁ、・・・えっと その 俺彼女ができました。」

「へぇ、ってかお前好きな子いたの?」

「いや、いないです。けど・・・好きだと言われて・・・付き合う事になりました。」

「ふぅん・・・、別にいいんじゃない。どうでもいいけど、何で敬語?」

「なんとなく?それで相談なんだけど!俺どうすればいい?付き合うの初めてで何したらいいか解らないから教えて?」

「えー、キスしてセックスするだけだろ。すれば?」

「なっ!?俺は初めてだからデートの場所とかそういうのを聞きたかったのに何でいきなりそれなんだよ!お前どんな付き合いしてるんだよ!彼女それで文句言わないのか?」

「んっ?俺今彼女いないけど?全部セフレだからする以外用はないからなぁ。」

「せっ!?んっ?全部って何!?」

「五月蠅いなぁ、用はそれだけなら帰れ。デートなら映画でも水族館でも好きな所に行けばいいだろ。しっしっ。」

「俺は犬か!准平じゅんぺいのバーカ!!」

「はぁ。」


准平はモテるし彼女も居た事あるからアドバイスを貰えればと思っただけなのに・・・。
けど、准平が女の子とそんな付き合いをしてるとは思わなかった一寸ショックだ。准平は背が高くて顔が良くて勉強も出来る一寸愛想が悪いけど優しくていつも俺を助けてくれた、俺と違って本当に格好良いからモテるし男の俺から見ても本当にいい男だ。

それなのに女の子とそんないい加減な付き合いをしてるなんて・・・
けど、本人達が納得してるのなら俺が口出すことじゃないのかも・・・。

泰喜たいきくんどうしたの?」

「えっ?あっごめん!一寸考え事してた・・・。」

「私で良ければ話聞くよ?」

真理亜まりあちゃん有難う。けど大丈夫!あっ青だ行こう。」

准平の事より今は真理亜ちゃんとのデートだ!
とりあえず、今日は動物園にきたけど・・・次回からどうしたらいいのかな?お金だってバイトしてないからないし、そうそうお金が掛かる所には行けないよなぁ・・・。高校生のデートってどうすればいいんだ!!

皆が言うには何もしなくても一緒に居ればいいらしいけど、俺達は互いの事あまりよく知らないから間がもたないよ!!とりあえず、街をぶらついたりしたけど他になにするんだ!!


「准平・・・1つ聞いてもいいか?」

「何?」

「あの その だから・・・その・・・。」

「何だよ?はっきり言え!」

「キスはどうすればいいですか!」

「はぁ?」

そうだよね。そうだよね。俺何聞いているんだろ・・・恥ずかしい。
穴が有ったら入りたい!

「キスした事あるだろ。ってか俺の布団から出ろ、頭隠して尻隠さずって知ってるか?」

頭だけ准平の布団に突っ込んでも意味がなかったか。

「あるわけないだろ!俺は初めて付き合うのに!お前とは違ってモテないの!自分と一緒にするな・・・。(泣)」

どうせ何もかも初めてですよ。誰かさんと違ってモテませんから・・・。准平はファーストキスも忘れる位してるんだろうけどさ・・・。

「・・・・。悪かった。じゃあ、練習するか?」

「練習?どうやって?」

「俺とお前で。」

「俺ファーストキスなんですけど!!」

「じゃあ止めるか?初めてのキスで歯が当たるとか最悪だぞ。キスの上手い下手は初めてでもバレるぞ、いいのか?彼女も初めてだったら最悪の思い出になるなぁ。」

「・・・・。」

「・・・どうする?」

「・・・・・・・する。」

「溜めたな。じゃあ、してみろよ。」

「俺がするのか!?」

「俺がしてどうすんだよ。お前が彼女にするんだろ?」

「う‟っ・・・じゃあ、・・・目瞑れよ!」

「はいはい。」

こうやって見るとやっぱり准平はいい男だなぁ、美術の教科書に載ってるギリシャ彫刻より断然准平の方が格好良い!モテるのは当たり前だよなぁ。

「「・・・・」」

「早くしろ。」

「分かってる!」

いかん!いかん!俺が見とれてどうする。唇の形も綺麗だなぁ妙に色っぽい・・・この唇に今からキスするのか!早くしないと又怒られる!男は度胸だ!!えい!!

ガチン

「「イっ!!痛ぇ・・・」」

「お前・・・期待を裏切らず本当に歯に当てたな。」

「うぅ・・・ごめん。」

自分でも情けない・・・。勢いでやろうとしたら体まで勢い付いてしまった。皆簡単にキスしてるのにこんなに難しいとは思わなかった。

「泰喜。」

「んっ?」

ちゅっ

「へっ?」

「判ったか?」

えっ今准平とキスした?サラッと簡単に?

「深く考えるな。」

ちゅっちゅっちゅっ

「えっえっえっ?一寸待って!」

鳥が啄む様に何度もキスしてくる。
何度も何度も唇が重なる、触れるだけのキスだけどなんか気持ちいい?

「こうやればいいんだよ。こっち来い・・・ほらこうすればしやすいだろ?お前の方が彼女より背が高いだろ?それとも彼女の方が高いのか?」

「・・・いや、俺の方が大きいけど・・・。」

准平は軽々と俺を自分の膝の上に座らせた、確かにこうすれば准平より小さい俺でも見下ろせるけど。准平を見下ろすのは何かドキドキする。

「最初はこうやって頬に手を当ててそっとキスすればいい。ちゅっ。っな?出来そうか?」

准平の大きな手が俺の頬を挟んでキスをして来る。何でこんなにドキドキするんだよ!頬を挟んで頭突きした事だってあったのにその時はドキドキなんて勿論しなかったぞ!

「・・・やってみる。」

「んっ。」

やっぱり綺麗な顔だなぁって!違うから!
すーはーすーはー。よし!そうっと・・・。

ちゅっ

「出来た!!歯も当たらなかった!どう?」

「まぁ、いいんじゃない。プルプル震えていたけどな。後は反復練習、もう1回んっ。」

「よし!ちゅっ・・・ちゅっ・・・ちゅっ」

その後、俺は手を使わなくても出来る様になる位准平にキスをした。
俺はキスマスターになった♪


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