婚約者を口説きます

姫川 林檎

文字の大きさ
上 下
53 / 96

53 衣装の仕上げ

しおりを挟む
「石塚さん遅くなってごめんね。刺繍終わったよ、これで大丈夫かな?」

「あっ五十嵐君!有難う!!見せて!」

石塚さんは奪うように俺から布をひったくると広げ溜息をついた。

「凄いよ・・・思ってた以上だよ・・・今にも動き出しそう。こんな凄い物を有難う!・・・ん?あれ?こっちにも刺繍がある。・・・こっこれは!」

「家で空いた時間にやってみた。余計な事だったらご免。」

「そんな事ない!後ろがこれだけ凝った龍だから前が少し淋しいなって思ってたから丁度いいよ。この百合なら大きさも派手さも丁度いいもん!本当に有難う!!」

若干興奮しながら俺の手を握り、振り回して感謝をしてるが、力が強すぎて痛い。感謝の気持ちは分かるげど力加減をして欲しいかな。

石塚さんの机には他の衣装?が置いて在った。

「それも衣装?今回何着作るの?」

「えっ?あぁ、これもそうだよ。今回は全部で8着、男子3着に女子3着。」

「ん?後2着は?」

「このチャイナドレスとこのワンピース。(五十嵐君の分)」

「これワンピースなんだ、見ていい?」

「途中だけどどうぞ。どうかな?」

それは未だファスナーが付いていないが、薄ピンクの清楚な感じのシンプルで可愛いものだった。大人っぽく過ぎず子供っぽく過ぎず高校生が着るのには丁度いい物だ。

「五十嵐君合わせてもらっていい?」

「俺に合わせても意味なくない?」

男の俺にワンピースを合わせてどうする?意味なくない?

「自分だとイメージわかなくて・・・」

「成る程・・・俺で大丈夫?」 

「大丈夫!(五十嵐君のだから!)」

確かに鏡だと分かりにくいかも知れない。俺で悪いけど、役にたつといいけど。とりあえず合わせてみる。

「・・・私天才かも。」

「俺もこれ結構好きだよ。」

「本当!?これ好き?」

「えっ?うっうん。」

「ヨッシャー!!」



石塚さんのテンションが怖い。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

銀の森の蛇神と今宵も眠れぬ眠り姫

哀木ストリーム
BL
小さな国に、ある日降りかかった厄災。 誰もが悪夢に包まれると諦めた矢先、年若い魔法使いがその身を犠牲にして、国を守った。 彼は、死に直面する大きな魔法を使った瞬間に、神の使いである白蛇に守られ二十年もの間、深い眠りに付く。 そして二十年が過ぎ、目を覚ますと王子は自分より年上になっていて、隣国の王女と婚約していた。恋人さえ結婚している。 そんな彼を大人になった王子は押し倒す。 「俺に女の抱き方教えてよ」 抗うことも、受け止めることもできない。 それでも、守ると決めた王子だから。 今宵も私は、王子に身体を差し出す。 満月が落ちてきそうな夜、淡い光で照らされた、細くしなやかで美しいその身体に、ねっとりと捲きつくと、蛇は言う。 『あの時の様な厄災がまた来る。その身を捧げたならば、この国を、――王子を助けてやろう』 ユグラ国第一王子 アレイスター=フラメル(愛称:サフォー)(28) × 見習い魔術師 シアン = ハルネス(22)

【完結】運命さんこんにちは、さようなら

ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。 とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。 ========== 完結しました。ありがとうございました。

王様は知らない

イケのタコ
BL
他のサイトに載せていた、2018年の作品となります 性格悪な男子高生が俺様先輩に振り回される。 裏庭で昼ご飯を食べようとしていた弟切(主人公)は、ベンチで誰かが寝ているのを発見し、気まぐれで近づいてみると学校の有名人、王様に出会ってしまう。 その偶然の出会いが波乱を巻き起こす。

処理中です...