婚約者を口説きます

１４ 進展？

俺は例によって例の如く、さっくと拉致られて先生の腕の中にいる。
最近抱き着かれてもあんまりドキドキしないが、妙に安心するのはなぜだろう？向かい合って抱かれて居る為先生の心音が聞こえ落ち着く。

「文化祭の準備はどうだ？」

そう聞きながら俺の髪を弄っている。先生は何かと髪を弄りたがる、触っていると落ち着くらしい。俺は犬猫扱い、いつか噛みついてやる。

「まぁ順調だな。」

「喫茶店だっけ？お前は何をやるんだ？」

「さぁ？詳しく聞いてなし裏方じゃない？知らん。」

「知らんってお前なぁ。もっと積極的に参加しろよ。」

「嫌だ。面倒くさい・・・」

喫茶店なんて一週間前位からやっても間に合うよ。多分。
用意する物なんてお菓子と衣装位でしょ。衣装だってこの短時間でろくなのが出来る訳がない。だから凝った物は作らないだろうし。人数分作るのだって大変だ。頑張れ女子！

「・・・お前週末暇か？」

「週末？」

思わす顔を上げてしまったが顔がめっちゃ近い！向き合って抱き合って居るから当たり前だけど、恥ずかしくてつい顔を下げ様としたら顎を摘まみあげられてしまう。

キス以外でこんなに顔を近付けた事がないから照れてしまう。きっと顔が真っ赤だ。思わず目を閉じてしまう。

「キスして欲しいのか？」

「なっ！ちっ違う・・んんっふぁん・・・んっ」

「暇なら家に来い。」

「誰が暇だって言ったよ！」

「ん？」

真っ直ぐに見詰められると困る。何故か先生には嘘がつけない。視線を外し黙ってると。

「お前の家の近くにある『どんぐり公園』分かるな？」

「どんぐり公園？交差点近くにある？」

「そうだ。土曜日の１１時に迎えに行く。親御さんに泊まるってちゃんと言ってこいよ。もう時間だからまたな。」

額にキスをして去って行った。

「えっ？・・・泊まり？先生の家に？・・・って俺行くなんて言ってないぞ！！」

どうしよう泊まりって事は最後までするって事だよな？いよいよ先生とするのか・・・未だ月曜日なのに一週間こんな気持ちのままなのか！！うぅぅ