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記憶喪失の少年
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散歩をして暫くすると海に出る。
「・・・海。」
「海好き?」
「解らない・・・けど、少し悲しい。」
少し震える春陽を手を繋いだまま抱き締める。
「海は何所か少し悲しいよな。」
抱き締めたまま2人で海を眺めていると、徐々に春陽が落ち着きを取り戻す。
そんな春陽の頭にキスをして離し、春陽の手を引いて浜辺に近付く。
「ここに春陽が体半分海に浸かったまま倒れてた。本当は俺が見付けたのではなくて、ジョンが通りから見付けたんだ。だから、春陽の本当の命の恩人は俺じゃなくてジョンなんだ。」
ワン!
「俺が見付けた!」っと言わんばかりのドヤ顔。そんなジョンの頭を撫でながらお礼を言う春陽、2人のやり取りが何だか可愛い。
「それでも、その後色々してくれたのは眞一さんですし・・・今も。」
段々小さくなって波音に掻き消されて聞こえなかった。
聞き返そうかとも思ったが止めて頭にキスするだけにした。波音の合間に小さく「有難う御座います。」って聞こえたから。
手を離し春陽にリードを離す様に言い、鞄の中らフリスビーを取り出し投げる。それをジョンが全力で追い掛け空中でキャッチして戻って来る。
「やってみる?」
「無理です!」
頭が取れてしまうのでと心配になる程首を振り拒否る春陽の手を取り持たせ、上から手を重ねて簡単に説明して投げる。さっきとは違い近くだがジョンは見事にキャッチした、ジョンから受け取り春陽に渡し一人で投げさせる。困った顔をしていたがジョンの「早く投げて!」と言う顔に負けて意を決して投げる、っがものの見事に真横に飛んだ。
顔を真っ赤にして恥ずかしがっている春陽にジョンが「もう1度!」とフリスビーを渡している。もう少し早めに手を離す様にアドバイスをすると、今度は斜め45度に飛んだ少しだけ早めに離した結果だ。そこから徐々に真っ直ぐになって行き、何回か投げてとうとう真っ直ぐ前に飛んだ。
真っ直ぐに飛んだのが嬉しかったのか、笑顔で俺に報告する春陽俺は初めて春陽の笑顔を見た。あまりにも可愛らしい笑顔の額にキスをし抱き締めて褒めた。俺に抱き締められて我に戻ってしまった春陽を離しもう一度投げさせる。今度も上手く前に飛びジョンも嬉しそうにしている。
最後に俺が長距離を投げて全力で走らせて体力を消耗させる。ジョンは大型犬なのでしっかり遊ばせてやる必要がある、小型犬なら家の中と庭だけで十分に足りるんだが大型犬はそうはいかない。
無事空中でキャッチしてご満悦で戻って来たジョンのリードを春陽に持たせ片付けをして手を繋いで帰る。
「ジョンさんは何犬ですか?」
「ジョンは‟バーニーズ・マウテン・ドッグ”と言う種類でその名の通り山で人の生活を助けていた犬。ジョンは知り合いの所で生まれたんだけど・・・この通り眼つきが悪くて引き取り手が無く困っていた時にうちに話が来て、見に行ったら顔は確かに厳ついが他の仔よりはるかに利口だったから引き取った。」
ジョンは利口と言われて嬉しそうに尻尾を振っている。
教えた事は直ぐに覚えるし、こちらの動きを見て自分がすべき事を把握する。可愛い顔より賢い方が俺は好きだ。
「あの・・・、ジョンさんはおしっこしないんですか?」
「あぁ、ジョンは家でする様に躾てあるから、散歩は純粋に散歩だけだ。今は色々五月蠅いから、だったら最初から外でしなければ問題ないだろ?」
家にはジョンと愛の2人部屋がある、そこにトイレとベットキャットタワーや玩具がある。扉に猫用の扉に同じ様に犬用の扉が付いていて、扉自体は閉まっていても自由に出入りは出来る様になっている。
家に着いたら家に入る前に先ずブラッシングをする、ジョンは室内犬だから海に行って付いた砂等を落とす。ブラッシングを春陽に頼む、した事がないのか戸惑っていたので説明する。もう一つブラシを持って来て一緒にやって早めに終わらせる。外は寒いからな。
家に入るとジョンは自分で足を拭く。
「ジョンさんは本当に賢いですね。」
「だろ♪けど、指の間は拭けないから仕上げは俺がしないといけないけどな。」
それでもざっと拭いてくれるだけでも助かる。指の間と爪をしっかり拭いてやると走って水を飲みに行く、俺達は玄関脇のクローゼットにコートを仕舞い、手洗いとうがいをしてリビングに行くと、
「遅い!いつまで遊んでいるの!洗濯物干しといたから後お願いね。」
「悪ぃ悪ぃ。つい海ではしゃいでた、後はやるから店頼む。」
「もう!春陽はゆっくりしててね。」
「はい。」
海で遊び過ぎて遅くなって駿二に怒られた。
洗濯は俺の当番だったんだが、冬物は乾き難いから早めに洗ってくれたんだろう。
本当に良く気が利く弟だ♪
「店?」
「座って朝飯にしよう。うち喫茶店をやってて、客の希望で平日の朝7時から販売だけしてるんだよ。飲食は10時からだけどな、後休日は朝はなしで10時からだ。夜は平日が7時で休日が6時までやってる。さぁ、食べよう頂きます。」
「頂きます。」
昔は普通に10時からの開店だったんだけど、珈琲を持ち帰りたいと言う客が多くなって来たので平日の朝は飲み物だけの販売をしている。サンドイッチも販売しようかとも思ったが近くのパン屋が同じく7時からやっているので止めた。
「・・・海。」
「海好き?」
「解らない・・・けど、少し悲しい。」
少し震える春陽を手を繋いだまま抱き締める。
「海は何所か少し悲しいよな。」
抱き締めたまま2人で海を眺めていると、徐々に春陽が落ち着きを取り戻す。
そんな春陽の頭にキスをして離し、春陽の手を引いて浜辺に近付く。
「ここに春陽が体半分海に浸かったまま倒れてた。本当は俺が見付けたのではなくて、ジョンが通りから見付けたんだ。だから、春陽の本当の命の恩人は俺じゃなくてジョンなんだ。」
ワン!
「俺が見付けた!」っと言わんばかりのドヤ顔。そんなジョンの頭を撫でながらお礼を言う春陽、2人のやり取りが何だか可愛い。
「それでも、その後色々してくれたのは眞一さんですし・・・今も。」
段々小さくなって波音に掻き消されて聞こえなかった。
聞き返そうかとも思ったが止めて頭にキスするだけにした。波音の合間に小さく「有難う御座います。」って聞こえたから。
手を離し春陽にリードを離す様に言い、鞄の中らフリスビーを取り出し投げる。それをジョンが全力で追い掛け空中でキャッチして戻って来る。
「やってみる?」
「無理です!」
頭が取れてしまうのでと心配になる程首を振り拒否る春陽の手を取り持たせ、上から手を重ねて簡単に説明して投げる。さっきとは違い近くだがジョンは見事にキャッチした、ジョンから受け取り春陽に渡し一人で投げさせる。困った顔をしていたがジョンの「早く投げて!」と言う顔に負けて意を決して投げる、っがものの見事に真横に飛んだ。
顔を真っ赤にして恥ずかしがっている春陽にジョンが「もう1度!」とフリスビーを渡している。もう少し早めに手を離す様にアドバイスをすると、今度は斜め45度に飛んだ少しだけ早めに離した結果だ。そこから徐々に真っ直ぐになって行き、何回か投げてとうとう真っ直ぐ前に飛んだ。
真っ直ぐに飛んだのが嬉しかったのか、笑顔で俺に報告する春陽俺は初めて春陽の笑顔を見た。あまりにも可愛らしい笑顔の額にキスをし抱き締めて褒めた。俺に抱き締められて我に戻ってしまった春陽を離しもう一度投げさせる。今度も上手く前に飛びジョンも嬉しそうにしている。
最後に俺が長距離を投げて全力で走らせて体力を消耗させる。ジョンは大型犬なのでしっかり遊ばせてやる必要がある、小型犬なら家の中と庭だけで十分に足りるんだが大型犬はそうはいかない。
無事空中でキャッチしてご満悦で戻って来たジョンのリードを春陽に持たせ片付けをして手を繋いで帰る。
「ジョンさんは何犬ですか?」
「ジョンは‟バーニーズ・マウテン・ドッグ”と言う種類でその名の通り山で人の生活を助けていた犬。ジョンは知り合いの所で生まれたんだけど・・・この通り眼つきが悪くて引き取り手が無く困っていた時にうちに話が来て、見に行ったら顔は確かに厳ついが他の仔よりはるかに利口だったから引き取った。」
ジョンは利口と言われて嬉しそうに尻尾を振っている。
教えた事は直ぐに覚えるし、こちらの動きを見て自分がすべき事を把握する。可愛い顔より賢い方が俺は好きだ。
「あの・・・、ジョンさんはおしっこしないんですか?」
「あぁ、ジョンは家でする様に躾てあるから、散歩は純粋に散歩だけだ。今は色々五月蠅いから、だったら最初から外でしなければ問題ないだろ?」
家にはジョンと愛の2人部屋がある、そこにトイレとベットキャットタワーや玩具がある。扉に猫用の扉に同じ様に犬用の扉が付いていて、扉自体は閉まっていても自由に出入りは出来る様になっている。
家に着いたら家に入る前に先ずブラッシングをする、ジョンは室内犬だから海に行って付いた砂等を落とす。ブラッシングを春陽に頼む、した事がないのか戸惑っていたので説明する。もう一つブラシを持って来て一緒にやって早めに終わらせる。外は寒いからな。
家に入るとジョンは自分で足を拭く。
「ジョンさんは本当に賢いですね。」
「だろ♪けど、指の間は拭けないから仕上げは俺がしないといけないけどな。」
それでもざっと拭いてくれるだけでも助かる。指の間と爪をしっかり拭いてやると走って水を飲みに行く、俺達は玄関脇のクローゼットにコートを仕舞い、手洗いとうがいをしてリビングに行くと、
「遅い!いつまで遊んでいるの!洗濯物干しといたから後お願いね。」
「悪ぃ悪ぃ。つい海ではしゃいでた、後はやるから店頼む。」
「もう!春陽はゆっくりしててね。」
「はい。」
海で遊び過ぎて遅くなって駿二に怒られた。
洗濯は俺の当番だったんだが、冬物は乾き難いから早めに洗ってくれたんだろう。
本当に良く気が利く弟だ♪
「店?」
「座って朝飯にしよう。うち喫茶店をやってて、客の希望で平日の朝7時から販売だけしてるんだよ。飲食は10時からだけどな、後休日は朝はなしで10時からだ。夜は平日が7時で休日が6時までやってる。さぁ、食べよう頂きます。」
「頂きます。」
昔は普通に10時からの開店だったんだけど、珈琲を持ち帰りたいと言う客が多くなって来たので平日の朝は飲み物だけの販売をしている。サンドイッチも販売しようかとも思ったが近くのパン屋が同じく7時からやっているので止めた。
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