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54話 知らない生物
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「なんでこんな事になるのよー!」
「い、いいからアオイ!とにかく逃げて!」
私はアオイにしっかりと掴まりながら叫ぶ。
必死の形相で空を滑空する私達を追ってくる鮫。 ……正確には鮫の様な生き物。ここは海ではないのだから、あれが鮫じゃないのはわかるんだけど、とりあえずスカイシャークって事で。
……ハンソンさんからの依頼を受けてゲーハ砂漠にある王国の要塞目指して飛行していた私とアオイは突然このスカイシャークに襲われた。
「空に魚が!?」
悠然と空を泳いでいるその姿は圧巻で思わず見惚れてしまった訳なんだけど、目が合ったような錯覚を覚えた次の瞬間、このスカイシャークは私達を獲物と認識したのだと思うのよね。
「ヨーダさんの本にはあんな魔物の事書いてなかったわよ!? それとも魔物じゃないの!?」
はこ丸に向けて叫ぶ。思うだけでも伝わるんだけどそれを忘れる位焦っていたのよ。 急降下に急上昇、急旋回に宙返りまで体験させられているのに振り切れない。 障害物が空にはないから隠れようもないしで大ピンチ!
(あれは恐らく空の魔物で間違いない。 私も遭遇したのは初めてだが)
「なんでヨーダさんとあなたで知らない魔物がこんな所に!」
(それはヨーダがアオイとの飛行を避けていた事が原因と推測できる。私もヨーダと行動範囲は同じだから空に生息する魔物との遭遇は少ない)
高い所苦手だったんだっけヨーダさん。
「マスター! なんとかしないと二人共あいつのご馳走になっちゃうわよ!」
「なんとかって言っても…… 私が居なければ戦えたりする!?」
私がアオイの荷物になっている事は百も承知している。
「バカ言わないで! マスター放り出すなんて死んでもごめんなんだから!」
けれどその言葉は即否定された。アオイありがとう……
「またそんな事言ったら空に放り出すからね!」
……あれ? 矛盾を感じる。
逃走劇を繰り広げながらも下に見える風景はだんだん砂漠へとその姿を変えていった。どうやらゲーハ砂漠に到達したのだろう。スカイシャークのしつこい追跡は続いているけど要塞まで誘導するには向こうの状況の不透明さとアオイの体力面(主にスタミナ)でリスクがある。
この辺りで何とかしたい、そう考えた私の視界に集落跡のような場所が飛びこんできた。
「アオイ! あそこで撒くか迎撃しましょう!」
指示を出し近づきながら作戦を考える。あの屋根のない四方が石壁の場所に上手く突っ込ませる事が出来れば。
「! 今よアオイ!」
「任せて! 引き付けてぇ、避ける!」
「え!?」
ズシャーン! 狙いどうりの場所へ多量の砂埃を舞い上がらせながらスカイシャークは突っ込んだ。だけど私はその時すでに気が気じゃなかった。
だって、私の目には一瞬だったけど人の姿が確認できたんだもの。
「い、いいからアオイ!とにかく逃げて!」
私はアオイにしっかりと掴まりながら叫ぶ。
必死の形相で空を滑空する私達を追ってくる鮫。 ……正確には鮫の様な生き物。ここは海ではないのだから、あれが鮫じゃないのはわかるんだけど、とりあえずスカイシャークって事で。
……ハンソンさんからの依頼を受けてゲーハ砂漠にある王国の要塞目指して飛行していた私とアオイは突然このスカイシャークに襲われた。
「空に魚が!?」
悠然と空を泳いでいるその姿は圧巻で思わず見惚れてしまった訳なんだけど、目が合ったような錯覚を覚えた次の瞬間、このスカイシャークは私達を獲物と認識したのだと思うのよね。
「ヨーダさんの本にはあんな魔物の事書いてなかったわよ!? それとも魔物じゃないの!?」
はこ丸に向けて叫ぶ。思うだけでも伝わるんだけどそれを忘れる位焦っていたのよ。 急降下に急上昇、急旋回に宙返りまで体験させられているのに振り切れない。 障害物が空にはないから隠れようもないしで大ピンチ!
(あれは恐らく空の魔物で間違いない。 私も遭遇したのは初めてだが)
「なんでヨーダさんとあなたで知らない魔物がこんな所に!」
(それはヨーダがアオイとの飛行を避けていた事が原因と推測できる。私もヨーダと行動範囲は同じだから空に生息する魔物との遭遇は少ない)
高い所苦手だったんだっけヨーダさん。
「マスター! なんとかしないと二人共あいつのご馳走になっちゃうわよ!」
「なんとかって言っても…… 私が居なければ戦えたりする!?」
私がアオイの荷物になっている事は百も承知している。
「バカ言わないで! マスター放り出すなんて死んでもごめんなんだから!」
けれどその言葉は即否定された。アオイありがとう……
「またそんな事言ったら空に放り出すからね!」
……あれ? 矛盾を感じる。
逃走劇を繰り広げながらも下に見える風景はだんだん砂漠へとその姿を変えていった。どうやらゲーハ砂漠に到達したのだろう。スカイシャークのしつこい追跡は続いているけど要塞まで誘導するには向こうの状況の不透明さとアオイの体力面(主にスタミナ)でリスクがある。
この辺りで何とかしたい、そう考えた私の視界に集落跡のような場所が飛びこんできた。
「アオイ! あそこで撒くか迎撃しましょう!」
指示を出し近づきながら作戦を考える。あの屋根のない四方が石壁の場所に上手く突っ込ませる事が出来れば。
「! 今よアオイ!」
「任せて! 引き付けてぇ、避ける!」
「え!?」
ズシャーン! 狙いどうりの場所へ多量の砂埃を舞い上がらせながらスカイシャークは突っ込んだ。だけど私はその時すでに気が気じゃなかった。
だって、私の目には一瞬だったけど人の姿が確認できたんだもの。
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