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47話 シクルゥとの友情
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「え? もう着いたのですか? 素晴らしいです!」
私が持っているリ・将棋盤の上でシクルゥさんが驚いている。
「転移魔法って程ではないですけど」
「いいえ。 それでも私には一瞬でした」
そう。 私はシクルゥさんと棺をはこ丸に収納させてもらったのだ。
「あはは、私の旅も半分頓挫してましたから。 お役に立てたのなら良かったです」
実はカンガ湖での一件で用意していた着替えが全滅したのよね。 見通しが甘かったと言わざるを得ないかもだけど、旅の初心者っぽさが出た感じ?
(よく村を飛び出て王都まで無事に来れたものだ)
(あの時は私の荷物全部持ってたし、とにかく無我夢中だったから......)
苦労した記憶もあんまりないような。 うん、昼夜問わず歩いてた記憶しか。
(き、きっと村での事とか考えてたから)
(ああ。 リノが根っから無茶娘だというのは良く分かった)
無茶娘って何よ!?
ま、まぁそれはともかく! 今回は諸々の事情から旅を切り上げて空からケイローの町へ移動するので一緒にどうかとシクルゥさんに提案したって訳。 アオイは喜んでたけど。
彼女は詳細が話せない私をお互い様ですからと簡単に信じてはこ丸へと入ってくれた。
現在私達はケイローの町外れにいる。 ここからならシクルゥさんの目的地もすぐだそうだ。 人目は避けたいとの配慮からよ?
「リノ様には本当にお世話になりました」
「いえ。 私もいい経験が出来ました。 早くお連れの方を復活させてあげて下さい」
「なんのお礼も出来ずに...... あ、そうだわ」
「え!? ちょっと何を」
私は思わず声をあげてしまった。 だってシクルゥさん、棺の蓋を開けて中をごそごそと漁りだしたんだもの。 中が見える角度じゃなくて良かったわ。
「ええっと...... あった」
シクルゥさんは円形の何かを取り出した。
「リノ様。 この盾はわたくしの物なのですがよろしければお世話になったお礼として受け取っていただけないでしょうか?」
盾はまるでお人形さんの小道具みたいな大きさだ。 細かい模様があってシクルゥさんが持つとバランスがいい...... けど私が持つと手のひらに完全におさまるそれは丸い形の工芸品って感じ。 それか何かの蓋。
「もう私は戻るだけですし、リノ様がまた私どもとお会いする様な事があればきっとお役に立つと思いますから」
私はそれを受け取ってシクルゥさんと別れた。
目的地まで上手く来れはしなかったけど、良い旅だったとは思う。
(旅とするなら中途半端でキャンプと言うなら大惨事だったと私は思うが)
ま、まぁ? 大切なのは中身! 内容だから!
私は少し町の中を覗いて買い物をし、アオイと空から山小屋へと帰還した。
戻った私はヨーダさんが書いた魔物辞典の空白のページを開き...... シクルゥさんから教えてもらった情報をもとに『コロポックル』の項目を追加、特徴などを書き加える。
(なるほど、それが目的だったのか)
(まぁね。 折角の新たな出会いだし、私も私なりに召喚調教師として何か残したいって思ったのよ)
(......悪くない考えだと思うぞ)
(そう?)
フンフーンと鼻唄まじりに書き込むリノ。
〈ヨーダ見ているか? リノ...... ハコワンはお前の遺志を継ぎ成長してくれているぞ。 これからも見守ってやってくれ......〉
はこ丸は人知れず今は亡き相棒ヨーダを思いやった。
「シクルゥさんと言う王女様がいる。 っと」
(ま、待てリノ。 その部分はいらないと思うぞ。 誰が何時の時代で読む事になるかわからない。 ああ、そこの部分も正直に書くな。 下手をすれば彼等が危険になる)
「......あ、そうだね。 じゃあいっそ書き直した方がいいかしらね」
(!? あ、おい待て一一)
躊躇いなく本のページを破るリノとそれを見て慌てるはこ丸。
〈ヨ、ヨーダ。 この無茶娘をしっかり見守っていてくれ......〉
はこ丸はリノを導く決意を新たにした。
私が持っているリ・将棋盤の上でシクルゥさんが驚いている。
「転移魔法って程ではないですけど」
「いいえ。 それでも私には一瞬でした」
そう。 私はシクルゥさんと棺をはこ丸に収納させてもらったのだ。
「あはは、私の旅も半分頓挫してましたから。 お役に立てたのなら良かったです」
実はカンガ湖での一件で用意していた着替えが全滅したのよね。 見通しが甘かったと言わざるを得ないかもだけど、旅の初心者っぽさが出た感じ?
(よく村を飛び出て王都まで無事に来れたものだ)
(あの時は私の荷物全部持ってたし、とにかく無我夢中だったから......)
苦労した記憶もあんまりないような。 うん、昼夜問わず歩いてた記憶しか。
(き、きっと村での事とか考えてたから)
(ああ。 リノが根っから無茶娘だというのは良く分かった)
無茶娘って何よ!?
ま、まぁそれはともかく! 今回は諸々の事情から旅を切り上げて空からケイローの町へ移動するので一緒にどうかとシクルゥさんに提案したって訳。 アオイは喜んでたけど。
彼女は詳細が話せない私をお互い様ですからと簡単に信じてはこ丸へと入ってくれた。
現在私達はケイローの町外れにいる。 ここからならシクルゥさんの目的地もすぐだそうだ。 人目は避けたいとの配慮からよ?
「リノ様には本当にお世話になりました」
「いえ。 私もいい経験が出来ました。 早くお連れの方を復活させてあげて下さい」
「なんのお礼も出来ずに...... あ、そうだわ」
「え!? ちょっと何を」
私は思わず声をあげてしまった。 だってシクルゥさん、棺の蓋を開けて中をごそごそと漁りだしたんだもの。 中が見える角度じゃなくて良かったわ。
「ええっと...... あった」
シクルゥさんは円形の何かを取り出した。
「リノ様。 この盾はわたくしの物なのですがよろしければお世話になったお礼として受け取っていただけないでしょうか?」
盾はまるでお人形さんの小道具みたいな大きさだ。 細かい模様があってシクルゥさんが持つとバランスがいい...... けど私が持つと手のひらに完全におさまるそれは丸い形の工芸品って感じ。 それか何かの蓋。
「もう私は戻るだけですし、リノ様がまた私どもとお会いする様な事があればきっとお役に立つと思いますから」
私はそれを受け取ってシクルゥさんと別れた。
目的地まで上手く来れはしなかったけど、良い旅だったとは思う。
(旅とするなら中途半端でキャンプと言うなら大惨事だったと私は思うが)
ま、まぁ? 大切なのは中身! 内容だから!
私は少し町の中を覗いて買い物をし、アオイと空から山小屋へと帰還した。
戻った私はヨーダさんが書いた魔物辞典の空白のページを開き...... シクルゥさんから教えてもらった情報をもとに『コロポックル』の項目を追加、特徴などを書き加える。
(なるほど、それが目的だったのか)
(まぁね。 折角の新たな出会いだし、私も私なりに召喚調教師として何か残したいって思ったのよ)
(......悪くない考えだと思うぞ)
(そう?)
フンフーンと鼻唄まじりに書き込むリノ。
〈ヨーダ見ているか? リノ...... ハコワンはお前の遺志を継ぎ成長してくれているぞ。 これからも見守ってやってくれ......〉
はこ丸は人知れず今は亡き相棒ヨーダを思いやった。
「シクルゥさんと言う王女様がいる。 っと」
(ま、待てリノ。 その部分はいらないと思うぞ。 誰が何時の時代で読む事になるかわからない。 ああ、そこの部分も正直に書くな。 下手をすれば彼等が危険になる)
「......あ、そうだね。 じゃあいっそ書き直した方がいいかしらね」
(!? あ、おい待て一一)
躊躇いなく本のページを破るリノとそれを見て慌てるはこ丸。
〈ヨ、ヨーダ。 この無茶娘をしっかり見守っていてくれ......〉
はこ丸はリノを導く決意を新たにした。
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