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19話 はこ丸の特性と晒された事実
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「ど、どういう事よ? 容量オーバーとか?」
ハーピーとナイトだけで収納限界なの?
いや、まぁ彼等を収納してるんだから容量は大きいとは思うんだけど。
しかしそれにはこ丸よりもはやくハンソンさんが反応する。
「いや、それは私に聞かれてもわかりませんが......」
しまった。 はこ丸に向けての発言だったのだけど声に出してしまっている。 はこ丸の存在は知られていないはずだから、当然ハンソンさんは自分に向けられたと考えて反応した訳で、つまり...... ど、どうしよう?
私が言い訳を思いつけずにいると、
「ハンソンさんだっけ? ちょっといいかしら?」
窓際のハーピーがハンソンさんを呼びハンソンさんの注意がそちらに向いた。 いつの間にか窓が開いている。 ハンソンさんがそちらに向かい、ハーピーが私に目配せをした。
ありがとうハーピー! 今のうちに!
(危なかった! はこ丸、どういう事なの!?)
(ま、まずはナイトを無言で呼ぶんだ。 すぐに荷物を渡して無言で戻せ!)
(え? なにそ)
(ハーピーが注意をひいている間に早く)
よくわからないけど今しかチャンスがないのは確かだ。
(出てきてナイト!)
「お呼え?」
(戻ってナイト!)
私は出てきたナイトの手にギルドまんじゅうを押し付けてはこ丸の中に戻した。
ごめんねナイト。 ごめんねナイト。
後で理由説明して謝るから!
ハンソンさんは全く気付いてないようだ。
ギルドまんじゅうもしっかり消えている。
(さて...... はこ丸さん?)
しっかり説明してもらわないとね。
(私がアイテムボックスの異端だと言う話はしたな? それですっかり説明した気になっていたのだが......)
説明によると、はこ丸は他のアイテムボックスと違い、アイテムの類を単体で収納する事が出来ない。
しかしなぜか人や魔物を『身に付けた物ごと』収納できる特性があり、それが異端呼ばわりされている理由になっている。 との事だった。
なるほど。 ナイトと出会った時、ヨーダさんが使っていたテーブルとイスをそれぞれ片手で持っていたのはその為ね。
(でもそんな大事な事は真っ先に言いなさいよね! 忘れてたとかとんでもないわよ?)
するとはこ丸は、
(あ、いや...... 先に言って契約してもらえないんじゃないかと考えたら、その...... すまない)
とても珍しい反応を見せる。
そうか...... 私も村のみんなに拒絶されるのが怖かった。 はこ丸もそうだったんだね。
気持ちが理解できた気がした私はそれ以上はこ丸を責める事が出来ず、こう伝えた。
(変な隠し事はなしにしてよね? 『相棒』なんだから!)
(あ、ああ!)
はこ丸の嬉しそうな感じを私も嬉しく思える。 そしてはこ丸が付け加えた。
(ちなみにヨーダは品物が多い時はナイトが空洞なのを利用してそこに詰め込んでいたぞ)
ちょ!? ナイトのイメージが崩れちゃう! そんな情報は知りたくなかったけど思わず便利かもって考えてしまった自分を恥じたい......
意識をハンソンさん達に向けるとちょうどそちらも一段落ついたようだった。
開いた窓、そばにはポールハンガー(衣紋掛け)がありそこには小鳥が数羽とまっている。
「じゃあ餌は食べ放題で、安全と自由は保証。 基本的に人間からのお触りは厳禁ってことで」
「わかりました。 緊急時には......」
「ええ、意図的に外に放ってくれればマスターの家に飛んでくるように説明しておいたから」
ハーピー小鳥に連絡役を頼んだんだ。 鳥と意志疎通できるなんてすごい。
ハーピーとナイトの活躍でこの部屋でする事は完了かしらね。
「ではリノさんのギルド証ももう出来ているでしょうし、そのまま外までお送りしましょう」
私はハーピーを戻してハンソンさんと部屋を出て受付へと向かった。
ハーピーとナイトだけで収納限界なの?
いや、まぁ彼等を収納してるんだから容量は大きいとは思うんだけど。
しかしそれにはこ丸よりもはやくハンソンさんが反応する。
「いや、それは私に聞かれてもわかりませんが......」
しまった。 はこ丸に向けての発言だったのだけど声に出してしまっている。 はこ丸の存在は知られていないはずだから、当然ハンソンさんは自分に向けられたと考えて反応した訳で、つまり...... ど、どうしよう?
私が言い訳を思いつけずにいると、
「ハンソンさんだっけ? ちょっといいかしら?」
窓際のハーピーがハンソンさんを呼びハンソンさんの注意がそちらに向いた。 いつの間にか窓が開いている。 ハンソンさんがそちらに向かい、ハーピーが私に目配せをした。
ありがとうハーピー! 今のうちに!
(危なかった! はこ丸、どういう事なの!?)
(ま、まずはナイトを無言で呼ぶんだ。 すぐに荷物を渡して無言で戻せ!)
(え? なにそ)
(ハーピーが注意をひいている間に早く)
よくわからないけど今しかチャンスがないのは確かだ。
(出てきてナイト!)
「お呼え?」
(戻ってナイト!)
私は出てきたナイトの手にギルドまんじゅうを押し付けてはこ丸の中に戻した。
ごめんねナイト。 ごめんねナイト。
後で理由説明して謝るから!
ハンソンさんは全く気付いてないようだ。
ギルドまんじゅうもしっかり消えている。
(さて...... はこ丸さん?)
しっかり説明してもらわないとね。
(私がアイテムボックスの異端だと言う話はしたな? それですっかり説明した気になっていたのだが......)
説明によると、はこ丸は他のアイテムボックスと違い、アイテムの類を単体で収納する事が出来ない。
しかしなぜか人や魔物を『身に付けた物ごと』収納できる特性があり、それが異端呼ばわりされている理由になっている。 との事だった。
なるほど。 ナイトと出会った時、ヨーダさんが使っていたテーブルとイスをそれぞれ片手で持っていたのはその為ね。
(でもそんな大事な事は真っ先に言いなさいよね! 忘れてたとかとんでもないわよ?)
するとはこ丸は、
(あ、いや...... 先に言って契約してもらえないんじゃないかと考えたら、その...... すまない)
とても珍しい反応を見せる。
そうか...... 私も村のみんなに拒絶されるのが怖かった。 はこ丸もそうだったんだね。
気持ちが理解できた気がした私はそれ以上はこ丸を責める事が出来ず、こう伝えた。
(変な隠し事はなしにしてよね? 『相棒』なんだから!)
(あ、ああ!)
はこ丸の嬉しそうな感じを私も嬉しく思える。 そしてはこ丸が付け加えた。
(ちなみにヨーダは品物が多い時はナイトが空洞なのを利用してそこに詰め込んでいたぞ)
ちょ!? ナイトのイメージが崩れちゃう! そんな情報は知りたくなかったけど思わず便利かもって考えてしまった自分を恥じたい......
意識をハンソンさん達に向けるとちょうどそちらも一段落ついたようだった。
開いた窓、そばにはポールハンガー(衣紋掛け)がありそこには小鳥が数羽とまっている。
「じゃあ餌は食べ放題で、安全と自由は保証。 基本的に人間からのお触りは厳禁ってことで」
「わかりました。 緊急時には......」
「ええ、意図的に外に放ってくれればマスターの家に飛んでくるように説明しておいたから」
ハーピー小鳥に連絡役を頼んだんだ。 鳥と意志疎通できるなんてすごい。
ハーピーとナイトの活躍でこの部屋でする事は完了かしらね。
「ではリノさんのギルド証ももう出来ているでしょうし、そのまま外までお送りしましょう」
私はハーピーを戻してハンソンさんと部屋を出て受付へと向かった。
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