魔王だが魔王城タイムアタックをやめて欲しい

1話 魔王城タイムアタック

　必死に努力して魔王と呼ばれる存在になった。
他の魔物たちからも一目置かれ、ついには魔王城と呼ばれる夢のマイホームを手に入れた。

しかしどうしてこうなった。

勇者の一団がきてからというもの
次々と冒険者がやってきて
魔王城に挑んでくる。

ぶっちゃけ魔王軍より人間の方が強い。
道中の一般家来の方々、四天王の方々、そしてわたし。
全員倒すと冒険者らは帰っていく。
連日連夜やつらはやってきて、我々をぼこぼこにして帰っていく。


そしてある日の冒険者の一言で気づいてしまった。



「魔王城、これ、まだ縮められるわー」


縮む？


その夜、考えました。
考えましたよ、なにが縮むのか。


討伐クリアタイム。
これでしょ。


おかしいと思った。

ある日を境に
奴らの中に一切攻撃せず援護魔法もださず
後ろからなにかをしているやつらがいる。


これ撮影してない？



つまりはタイムアタック。
いかに早く魔王を倒すか競うというものだ。


しかもこれ魔王城1階からわたしにかけて行われている。


だって1階から撮影しはじめるもん。


くやしい。
わたし、魔王なのに。
魔王なのにぼこぼこ。
ぼこぼこにされるのを人間たち村に帰ってみてる。
わたしより強い冒険者のパーティいっぱいいるじゃん。
それなのに
更に研究して
更に短い時間で
ぼこぼこにしようとしている。
くやしい。


そしていつもどおりぼこぼこにされたある日、こんな知らせが部下から届く。

「魔王様。魔王城前にこんな看板をやつら立てていきました。」


魔王城タイムアタック


1位　ぴよまる　244.8秒
2位　シバ　250.3秒
3位　ぺろぺろ　255.1秒
4位　ゆうた　260.5秒
5位　私が御幕　266.0秒　
6位　本田がバイク　270秒
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なんてこった。
やつら鬼畜か。
道理で同じ顔のやつらよく見るはずだ。
しかもなぜか装備同じで戦法も同じなんだ。
どいつもこいつも。


しかもあいつらこんなふざけた名前だったのか。


わたしは復讐を誓った。
必ずや魔王としての威厳を取り戻して見せる！