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14話 神谷マサノリ 転移 ワーウルフ戦後
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放課後、将棋部に向かう途中だった。
将棋部は3階にあるので階段の上りがきつい。
少し太ったかな。
今週はおこずかい入ったからラーメンに牛丼にといろいろ帰り道につまんでしまった。
ラーメン屋のチャーシュー丼、牛丼屋の豚汁が最近のお気に入りだ。
階段を登りきる。
こんな少しの運動で腰や膝が痛い。
小学生の頃は野球とかやっててこんな運動屁でもなかったのにな。
息切れもしている。
両膝に手を突き上り切った階段の上で
ふーーーっと息をつく。
深呼吸。
目をつむりゆっくりと息を吸い込む。
目を開けると異世界に転移していた。
アナディル奪還作戦で副隊長だった佐々木君が消えた。
あのアール隊長も一緒にだ。
アール隊長には同じ巨漢として憧れがあった。
筋肉質なデブ。かっこいい。
だからアール隊長の大剣には特別な思いを込めた。
最高傑作と言ってもいい。
国一番の武器造りの名手ドワーフのオゴロさんに頼み大剣造りを一から教わった。
鋼はこの世界では希少な鋼龍の鋼鱗、
魔石は最高クラスの深紅の宝玉。
請求したら国から簡単に至急された。
僕が1から打ち、鋼を鍛え上げ、宝玉を加工し埋め込む。
そして仕上げにスキル「銘打ち」で名を与える。
『爆砕剣グラングラードグリュー』
僕の転移特典の固有スキル「銘打ち」
これはスキル「鑑定」が進化した「名付け」の更に上位の力だ。
物の名前や力の方向性を強化する「名付け」
これをさらに強力な命名にするのが僕のスキル。
最も力の出る名前に変更する。そんな感じ。
他の隊長や副隊長の剣や鎧、盾にも「銘打ち」した。
ほとんどが国宝級と呼ばれている。
中でも1から僕が作ったのはいまのところこれだけだ。
まさか奪われるなんて。
アナディル奪還作戦後、国の貴族の娘と結婚した。
子供が生まれた。男の子だ。名前はウイグル。
風の妖精の名前らしい。
が、周りの子と違って一回りでかく、ちょっと偏屈なメガネ男子へと成長した。
この子が風の妖精としてふわふわ浮いてるのはちょっと想像できない。
同じころ小林さんも子供を産んだらしい。あのリーン隊長との子供だ。
美男美女だな。
子供が同級生なんてこれも運命か。
いや子を産めと命令されてたんだった。
当然か。
子供の5歳の誕生日。
西の辺境の地ドワーフが住む山脈の麓の街から
ロベレドゥイ国に戻るよう命令がでた。
3年近くは家族とこっちにいたか。
名残惜しくもこの地を去る。
小林さんにお呼ばれしたので、今では貴族の小林さんの家へ。
なんでも第2子もご懐妊なんだとか。
リーン隊長も今では国1番の名誉騎士だ。
妻と子が先に小林さんの家へ。
僕はあるものをムーア大魔導士に渡さなければいけない。
あの人も忙しい人だ。なかなか時間がとれない。
小林さんの家につくと内田君も先に来ていた。
僕はだいぶ遅れてしまったらしい。
「いやーちょっと用事でね」
「いいのよ。上がって。奥さんとお子さん先に来てるよ」
華奢だがお腹の大きい小林さんが出迎える。相変わらずかわいいな。
そして後ろで無言で手を挙げる内田君。相変わらずだな。
先に会食を始めていたようだ。
テーブルの上には所狭しと少しだけ冷めたであろう料理が並んでいる。
「みんなお久しぶりだね。
今日はなにも食べてないからペコペコで。
いただいてもいいかな。」
小林さんの料理はこの国風でもあり日本風でもありすごく口に合う。
食べながら改めて2人を見る。
すごいスキルの数にすごいステータスだ。
転移者といえどここまですごいのは見たことが無い。
さすがはこの国の秘密兵器のうちの一つだ。
そんなことを考えながら美味しいスープを両手で持ち、
味わいながら流し込むと
僕の「銘打ち」に反応があった。
近くに名を与えるべき存在がある。
ちょうど僕の頭上、この家の2階部分に。
ここはリーン隊長の家。
名剣や弓、さぞ高価な杖でもあるんだろう。
ワインを一口飲む。
辛口だがほのかにフルーティ。
なかなかワインも行けるなリーン隊長。
いや反応が動いている。
階段を下りてくる。
すぐ扉の向こうにある。
扉を凝視すると扉が開いた。
ウイグルと女の子が仲良く入ってきた。
「ヒカリ挨拶しなさい」
動揺を顔に出さないように自然にしなければ。
「ウイグルお前もだ」
2人はかわいらしくお辞儀をすると木のおもちゃで遊び始めた。
すかさずヒカリちゃんを鑑定する。
なんてことだ。
「双刃の加護」「次代魔法の極み」をはじめ凄まじいまでの量のスキルがそこにはあった。
しかもほとんどがスキルレベルがカンストしている。
まるで歴戦の猛者。
間違いない。この子は転生者だ。
なにか凄まじい功績をあげたかつての武人か冒険者か。
そうでなければありえない。
そして「銘打ち」が勝手に反応する。
彼女の「血流操作」のスキルが「赤羽」に変わった。
こんなことは初めてだ。
勝手に「銘打ち」が感知したこと、
勝手に「銘打ち」が発動したこと、
物や人の名前が変わるならともかくスキル名が変わったことも疑問だった。
赤羽には最初に来たとき以来会っていない。
なぜ、いま、この子に?
混乱する僕をよそに子供らしく遊んでいる2人。
この子が赤羽の転生か?
演技でこんなに必死に木のおもちゃで遊べるか?
僕は悩んだあげく小林さんにスキルの事を言った。
スキル名称が変更されたこと、すさまじい数のスキルがあることを伏せて。
小林さんは妊娠しているし、過度に心配させるようなことは言えない。
「ヒカリちゃんの持っているスキルのうちの一つが「赤羽」だ。詳細はわからないが。」
自分なりに配慮して最低限の警告をした。
2人目の子供が生まれ、落ち着いたら報告しよう。
複雑な思いを胸に小林さんの家を後にする。
その夜、ヒカリちゃんは失踪した。
将棋部は3階にあるので階段の上りがきつい。
少し太ったかな。
今週はおこずかい入ったからラーメンに牛丼にといろいろ帰り道につまんでしまった。
ラーメン屋のチャーシュー丼、牛丼屋の豚汁が最近のお気に入りだ。
階段を登りきる。
こんな少しの運動で腰や膝が痛い。
小学生の頃は野球とかやっててこんな運動屁でもなかったのにな。
息切れもしている。
両膝に手を突き上り切った階段の上で
ふーーーっと息をつく。
深呼吸。
目をつむりゆっくりと息を吸い込む。
目を開けると異世界に転移していた。
アナディル奪還作戦で副隊長だった佐々木君が消えた。
あのアール隊長も一緒にだ。
アール隊長には同じ巨漢として憧れがあった。
筋肉質なデブ。かっこいい。
だからアール隊長の大剣には特別な思いを込めた。
最高傑作と言ってもいい。
国一番の武器造りの名手ドワーフのオゴロさんに頼み大剣造りを一から教わった。
鋼はこの世界では希少な鋼龍の鋼鱗、
魔石は最高クラスの深紅の宝玉。
請求したら国から簡単に至急された。
僕が1から打ち、鋼を鍛え上げ、宝玉を加工し埋め込む。
そして仕上げにスキル「銘打ち」で名を与える。
『爆砕剣グラングラードグリュー』
僕の転移特典の固有スキル「銘打ち」
これはスキル「鑑定」が進化した「名付け」の更に上位の力だ。
物の名前や力の方向性を強化する「名付け」
これをさらに強力な命名にするのが僕のスキル。
最も力の出る名前に変更する。そんな感じ。
他の隊長や副隊長の剣や鎧、盾にも「銘打ち」した。
ほとんどが国宝級と呼ばれている。
中でも1から僕が作ったのはいまのところこれだけだ。
まさか奪われるなんて。
アナディル奪還作戦後、国の貴族の娘と結婚した。
子供が生まれた。男の子だ。名前はウイグル。
風の妖精の名前らしい。
が、周りの子と違って一回りでかく、ちょっと偏屈なメガネ男子へと成長した。
この子が風の妖精としてふわふわ浮いてるのはちょっと想像できない。
同じころ小林さんも子供を産んだらしい。あのリーン隊長との子供だ。
美男美女だな。
子供が同級生なんてこれも運命か。
いや子を産めと命令されてたんだった。
当然か。
子供の5歳の誕生日。
西の辺境の地ドワーフが住む山脈の麓の街から
ロベレドゥイ国に戻るよう命令がでた。
3年近くは家族とこっちにいたか。
名残惜しくもこの地を去る。
小林さんにお呼ばれしたので、今では貴族の小林さんの家へ。
なんでも第2子もご懐妊なんだとか。
リーン隊長も今では国1番の名誉騎士だ。
妻と子が先に小林さんの家へ。
僕はあるものをムーア大魔導士に渡さなければいけない。
あの人も忙しい人だ。なかなか時間がとれない。
小林さんの家につくと内田君も先に来ていた。
僕はだいぶ遅れてしまったらしい。
「いやーちょっと用事でね」
「いいのよ。上がって。奥さんとお子さん先に来てるよ」
華奢だがお腹の大きい小林さんが出迎える。相変わらずかわいいな。
そして後ろで無言で手を挙げる内田君。相変わらずだな。
先に会食を始めていたようだ。
テーブルの上には所狭しと少しだけ冷めたであろう料理が並んでいる。
「みんなお久しぶりだね。
今日はなにも食べてないからペコペコで。
いただいてもいいかな。」
小林さんの料理はこの国風でもあり日本風でもありすごく口に合う。
食べながら改めて2人を見る。
すごいスキルの数にすごいステータスだ。
転移者といえどここまですごいのは見たことが無い。
さすがはこの国の秘密兵器のうちの一つだ。
そんなことを考えながら美味しいスープを両手で持ち、
味わいながら流し込むと
僕の「銘打ち」に反応があった。
近くに名を与えるべき存在がある。
ちょうど僕の頭上、この家の2階部分に。
ここはリーン隊長の家。
名剣や弓、さぞ高価な杖でもあるんだろう。
ワインを一口飲む。
辛口だがほのかにフルーティ。
なかなかワインも行けるなリーン隊長。
いや反応が動いている。
階段を下りてくる。
すぐ扉の向こうにある。
扉を凝視すると扉が開いた。
ウイグルと女の子が仲良く入ってきた。
「ヒカリ挨拶しなさい」
動揺を顔に出さないように自然にしなければ。
「ウイグルお前もだ」
2人はかわいらしくお辞儀をすると木のおもちゃで遊び始めた。
すかさずヒカリちゃんを鑑定する。
なんてことだ。
「双刃の加護」「次代魔法の極み」をはじめ凄まじいまでの量のスキルがそこにはあった。
しかもほとんどがスキルレベルがカンストしている。
まるで歴戦の猛者。
間違いない。この子は転生者だ。
なにか凄まじい功績をあげたかつての武人か冒険者か。
そうでなければありえない。
そして「銘打ち」が勝手に反応する。
彼女の「血流操作」のスキルが「赤羽」に変わった。
こんなことは初めてだ。
勝手に「銘打ち」が感知したこと、
勝手に「銘打ち」が発動したこと、
物や人の名前が変わるならともかくスキル名が変わったことも疑問だった。
赤羽には最初に来たとき以来会っていない。
なぜ、いま、この子に?
混乱する僕をよそに子供らしく遊んでいる2人。
この子が赤羽の転生か?
演技でこんなに必死に木のおもちゃで遊べるか?
僕は悩んだあげく小林さんにスキルの事を言った。
スキル名称が変更されたこと、すさまじい数のスキルがあることを伏せて。
小林さんは妊娠しているし、過度に心配させるようなことは言えない。
「ヒカリちゃんの持っているスキルのうちの一つが「赤羽」だ。詳細はわからないが。」
自分なりに配慮して最低限の警告をした。
2人目の子供が生まれ、落ち着いたら報告しよう。
複雑な思いを胸に小林さんの家を後にする。
その夜、ヒカリちゃんは失踪した。
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