良識のある異世界生活を

Hochschuler

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学園

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俺は野原に寝転んでいた。身体中の節々が嫌と言う程痛む。白目で水面にたつ銀波を眺めみると、夜風に炎熱を舞上げ、額を冷やす汗に身体中の火照りを感じるのだった。
「なぁ、人間」
俺はただの人間ではない。アルバートだ。
「……人間、父親の指導はどうだ」
そう言って近寄ってきた彼女は頭にツノを生やしていることから龍だと言うことがわかるだろう。そして彼女、少女の父親は誰かというと龍皇である。彼女と俺の出会いは偶然だった。或る日、いつもと同じようにあの老人の部屋に入ると彼女の霰もない姿があったのだから。然も人間の姿でだ。龍はよく人間の姿になるらしい。と言うのもそっちの方が身軽だからだ。そして彼女の裸体を直視した俺はもちろん茫然とし、彼女の方はと言うと防衛本能から俺を拳骨で撃ったわけだが、なに、うらんじゃいない。肋骨が何本か折れて親父に心配されたが、――ああ、勿論俺と老人との関係は親父たちには秘密である。――彼女が不承不承といった形で謝った時には皮肉混じりの受容で済ましてやった。それから俺たちはよく話すわけだが、――何故話すようになったかと言う疑問は大いに在り、それは実は俺も皆目見当がつかないのだが――何か俺の勘、それも悪い時によく当たる勘が最近警鐘を鳴らしているのだ。と言うのも、最近通学途中に彼女――名前はまだ知らないのだが、彼女の気配を感じるのだ。まさか……いや、なんでもない。
ああ、あの老人の指導は手厳しいね。多分ありゃあ、俺が敵だから責苦を負わせているのだろう。
「それもあるだろうな。だが、――ああ、これはあくまで私の予想だがそれだけではないような気がする」
へぇ、そいつは怖いこった。俺は何か陰謀に巻き込まれるのかね。ああ怖い怖い。政敵だけでも最近は戦々恐々としていると言うのに。
「……ところで学校の方はどうなんだ」
なんでお前がそんなことを聞くのか甚だ疑問だが……ああ、まずまずだ。
「……そうか」
……やっぱりお前、俺の学校に入学しようとしてるな? 
「ギクッ」
おい、ギクッとはなんだ、ギクッとは。
「あ、ああ、あれだ、ドラゴンの鳴き声だ。唐突に鳴きたくなってな」
そうか?俺には図星をつかれたからに見えたが。
「ず、図星?そ、そんなわけないだろ?」
……まあいいが。ただ、俺に話しかけるのはやめてくれよ。なんてったって俺はもうすでに一つ厄介を抱えているんだ。これ以上厄介を抱えるとなると不登校になる自信があるね。ああ、それこそあんたのお父さんみたいに。
「父親を引きこもりと一緒にするな。一応ああ見えても魔王軍の幹部なのだから」
……そうか、やっぱり敵なんだな。
「ああ、私たちはあくまで敵同士。そこに感情移入など……必要ないんだよ」
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