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第三章 幻獣魔王編
戦鎚聖騎士、防衛成功を見届ける
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ダーリアが率いる竜騎士部隊と超竜軍との戦いの幕が切って落とされた。
さあて。お手並み拝見、とばかりに観戦するとしよう。
ソニックスカイドラゴン共は奇襲攻撃を受けて腹が立ったのか、群れを成して突撃を仕掛けた。対するダーリアは竜騎士達を散開させて回避させる……と思いきや、ソニックスカイドラゴン共が通過する瞬間、竜騎士達の間に網状……というより蜘蛛の巣のような雷が発生する。ソニックスカイドラゴン共はまんまと蜘蛛の巣に飛び込んでいき、雷の餌食になっていく。
「ライトニングネスト! へえ、ずいぶん高度な魔法使うんだなー」
「知ってるのかティーナ?」
「雷属性魔法だけど普通は漁で使う網みたいな雷を敵に放り投げるとか、二人がかりで発動して突進してくる敵を雷の巣に絡め取るとかするんだ。でも真価はああいった空中戦でだなー。高さ方向があるから地上戦と違って大規模になる」
「でもドワーフがそんな卓越した魔法を使うなんて……いや、馬鹿な疑問だったな」
「勿論あれは魔道具だぞ。空中戦だと雷や光が最も早くて有効だからなー。ソニックスカイドラゴンへの対処法も確立してるってことだろ」
とは言え群れの後列は自分から罠に飛び込まないよう咄嗟に進路を変える。距離が開いたところで竜騎士部隊は旋回、再びドラゴン共に雷撃を浴びせかける。一糸乱れぬ同時攻撃にさすがの速度特化のドラゴンもひとたまりもないようだ。
不利を悟ったソニックスカイドラゴン共はどうやらダーリア達を蹴散らすことを諦めたらしい。進路をこちらに向けて突進してくるではないか。地方都市とドラゴンの距離は見る見るうちに近寄ってくる。
「チェーンライトニング!」
「ライトニングフューリー!」
しかし雷撃の使い手は竜騎士達だけじゃない。ミカエラが行使した雷撃の奇跡によってまた何体かのドラゴンが仕留められ、ティーナの雷撃もまた敵に次々と襲いかかった。こうなるともう的あてみたいなものだな。
「エルフや人間どもばかりにいい格好をさせるな! ワシ等ドワーフの魂を余所者に見せつけてやれ!」
「「「応!!」」」
「狙え、撃て!」
遅れてドワーフの地上守備隊がバリスタや投石器から巨大な矢と岩を放った。そんな鈍足兵器で俊敏なドラゴンに当たるもんか、と思いきや、思ったより遥かに高速で飛んでいき、ドラゴンが避ける間もなく当たっていくではないか。
「各都市に多くても数台しか配備されてない魔導兵器だね。僕も前何度か説明受けたことあるけれど全く分からない高度な魔導理論で作られてるらしく、からくり仕掛けよりもはるかに速い速度で射出するらしいよ」
「ははぁ~。こりゃあ凄いな。完全武装の兵士や騎士が突撃し合う時代はとっくに終わってたか」
「あくまでも戦場に有効な兵器だから、強力な個体には全く無力だけれどね。僕だったら無傷でここまでたどり着いて斬り伏せられる」
「おーおー古の勇者様は言うことが違いますねぇ」
かろうじて弾幕をかいくぐったソニックスカイドラゴンが二体ほど破れかぶれにこちらへと突撃してきたが、飛び出したイレーネが魔王剣と聖王剣をそれぞれ一閃、両断されて肉塊が城壁にぶつかるだけとなった。
これにより超竜軍の尖兵は全滅。ドワーフ側の勝利に終わった。防衛戦に参加したドワーフ達は勝どきをあげて喜びあった。歌を歌ったりドワーフ魂を誇ったりと様々な反応だったが、半分近くが救援に駆けつけたダーリア達を称える声だった。
「紅蓮の姫様のおかげだ!」
「助かった、もう終わったかと思ったよ!」
この戦いの立役者は間違いなくダーリア率いる竜騎士部隊だろう。その名声はここまで届いていて、既に彼女が希望の星になっていることもうかがえる。
しかし本来ここは彼女達は管轄外。余所者にこの地方都市は助けられたことになる。その歪みがどれほど深刻なものか、この時の俺は想像もしていなかった。
さあて。お手並み拝見、とばかりに観戦するとしよう。
ソニックスカイドラゴン共は奇襲攻撃を受けて腹が立ったのか、群れを成して突撃を仕掛けた。対するダーリアは竜騎士達を散開させて回避させる……と思いきや、ソニックスカイドラゴン共が通過する瞬間、竜騎士達の間に網状……というより蜘蛛の巣のような雷が発生する。ソニックスカイドラゴン共はまんまと蜘蛛の巣に飛び込んでいき、雷の餌食になっていく。
「ライトニングネスト! へえ、ずいぶん高度な魔法使うんだなー」
「知ってるのかティーナ?」
「雷属性魔法だけど普通は漁で使う網みたいな雷を敵に放り投げるとか、二人がかりで発動して突進してくる敵を雷の巣に絡め取るとかするんだ。でも真価はああいった空中戦でだなー。高さ方向があるから地上戦と違って大規模になる」
「でもドワーフがそんな卓越した魔法を使うなんて……いや、馬鹿な疑問だったな」
「勿論あれは魔道具だぞ。空中戦だと雷や光が最も早くて有効だからなー。ソニックスカイドラゴンへの対処法も確立してるってことだろ」
とは言え群れの後列は自分から罠に飛び込まないよう咄嗟に進路を変える。距離が開いたところで竜騎士部隊は旋回、再びドラゴン共に雷撃を浴びせかける。一糸乱れぬ同時攻撃にさすがの速度特化のドラゴンもひとたまりもないようだ。
不利を悟ったソニックスカイドラゴン共はどうやらダーリア達を蹴散らすことを諦めたらしい。進路をこちらに向けて突進してくるではないか。地方都市とドラゴンの距離は見る見るうちに近寄ってくる。
「チェーンライトニング!」
「ライトニングフューリー!」
しかし雷撃の使い手は竜騎士達だけじゃない。ミカエラが行使した雷撃の奇跡によってまた何体かのドラゴンが仕留められ、ティーナの雷撃もまた敵に次々と襲いかかった。こうなるともう的あてみたいなものだな。
「エルフや人間どもばかりにいい格好をさせるな! ワシ等ドワーフの魂を余所者に見せつけてやれ!」
「「「応!!」」」
「狙え、撃て!」
遅れてドワーフの地上守備隊がバリスタや投石器から巨大な矢と岩を放った。そんな鈍足兵器で俊敏なドラゴンに当たるもんか、と思いきや、思ったより遥かに高速で飛んでいき、ドラゴンが避ける間もなく当たっていくではないか。
「各都市に多くても数台しか配備されてない魔導兵器だね。僕も前何度か説明受けたことあるけれど全く分からない高度な魔導理論で作られてるらしく、からくり仕掛けよりもはるかに速い速度で射出するらしいよ」
「ははぁ~。こりゃあ凄いな。完全武装の兵士や騎士が突撃し合う時代はとっくに終わってたか」
「あくまでも戦場に有効な兵器だから、強力な個体には全く無力だけれどね。僕だったら無傷でここまでたどり着いて斬り伏せられる」
「おーおー古の勇者様は言うことが違いますねぇ」
かろうじて弾幕をかいくぐったソニックスカイドラゴンが二体ほど破れかぶれにこちらへと突撃してきたが、飛び出したイレーネが魔王剣と聖王剣をそれぞれ一閃、両断されて肉塊が城壁にぶつかるだけとなった。
これにより超竜軍の尖兵は全滅。ドワーフ側の勝利に終わった。防衛戦に参加したドワーフ達は勝どきをあげて喜びあった。歌を歌ったりドワーフ魂を誇ったりと様々な反応だったが、半分近くが救援に駆けつけたダーリア達を称える声だった。
「紅蓮の姫様のおかげだ!」
「助かった、もう終わったかと思ったよ!」
この戦いの立役者は間違いなくダーリア率いる竜騎士部隊だろう。その名声はここまで届いていて、既に彼女が希望の星になっていることもうかがえる。
しかし本来ここは彼女達は管轄外。余所者にこの地方都市は助けられたことになる。その歪みがどれほど深刻なものか、この時の俺は想像もしていなかった。
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