処刑エンドからだけど何とか楽しんでやるー!

福留しゅん

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Season 2 キャサリン・ランカスター

処刑まであと20日(後)

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 『白き島2』では主人公は様々な男性と恋愛し、最後には添い遂げる。
 主人公を見初めることになる『攻略対象者』は以下の通りらしい。

 王太子フィリップ。アルビオン王国の正統後継者。
 宰相嫡男オリバー。後に王太子の右腕になって国を支える頭脳担当。
 第一王宮騎士団長嫡男ジェイコブ。後に王太子の懐刀になる武門担当。
 商会御曹司ウォルター。後にアルビオン王国を栄えさせる経済担当。
 王弟エルンスト。彼に愛されると後に彼と主人公の子孫が王位を継承していく。

「何度聞いても凄い人たちばかりね……」
「でしょう? アペンド版だと男キャラを更に攻略出来るようになるのよ」

 隣国王子フレデリック。他の登場人物と比べて若干愛が重いらしい。
 公爵家従者ジョージ。『悪役令嬢』に虐げられる不幸担当。
 聖職者アラン。聖女としての役目と恋愛とで葛藤する悩み担当。

 この八人の中でよりどりみどりだ、とシャーロットは目を輝かせていた。更には『ファンディスク』だと『ハーレムルート』も実装されてて、追加攻略対象者を除く五人全員から愛されるようになる。

「は? 五人全員?」
「そうよ」
「どうやって家族になるの? 一緒に住むの?」
「そうよ」
「常識的にありえなくない?」
「関係ない! ありえない夢を実現させるからファンディスクなの!」
「『ファンディスク』って恐ろしいわね……」

 この時はまだシャーロットは誰を攻略するか決めていなかった。『白き島2』だと王弟エルンストが一番好きだったらしいけれど、「『2次元』と『3次元』は違うし、実際会ってみないと」とわけがわからない理由を語った。

 さて、シャーロットはそんな『白き島2』を実現させる夢についてはおくびにも出さなかった。『前世』の知識を表に出さなくても彼女は町中の人気者だった。大人達は自分のせがれに嫁がないか、と冗談交じりに言っていたものだ。

 一方、わたしはとある理由があって極力目立たないように生活していた。同じぐらいの年の子どもと遊ぶようになったのもシャーロットが誘ってくれたからだし、町の人たちから親しくされたのも彼女のおかげと言って過言じゃなかった。

 お母さんは心配してた。秘密がみんなにバレたら大変なことになる、って。

 でもシャーロットと仲良くなったわたしはみんなと遊びたかったし、家に引きこもるなんて嫌だった。秘密だって気をつけてればみんな分からないし、大げさだなぁって思ったものだ。だから我儘言ってお母さんと喧嘩したこともあったなぁ。

 今のわたしがその場にいたら、クソガキだったわたしの首を絞めてやる。

 そんな能天気だったから取り返しのつかないことになったんだ。

 呪ってやる。恨んでやる。
 わたし自身も、シャーロットも、この世の全てを。

 愚かだったわたしはシャーロットの目論見なんて全く気付かず、彼女のことを親友だと思ってた。そしてシャーロットが無事に素敵な人と恋をして結婚出来ますように、って神様に祈ったものよ。

 そうして少年・少女時代を送って、わたし達は男の子が男らしく、女の子が女らしい身体に成長するぐらいの年になった。わたしも例外なく女らしい身体つきにだんだんとなっていた。

 けれど、他の子とわたしは違った。違っていたのよ。
 馬鹿なわたしはその時まで話半分にしか聞いてなかった。
 けれど、運命とやらは容赦なくわたしに襲いかかってきたんだ。

 わたしは、■■になってしまった。
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