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部活③・魔王達は貧民街へ行く
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生徒会による帝都市街視察。これは皇帝のお膝元でどのような生活が送られているか確認するためのもの。皇太子を始めとして普段あまり街中を散策しない家柄の者ばかりが揃った生徒会役員達にとってあまり縁の無い世界だから。
散策開始直後は栄える市街地や繁華街を見て賑やかだと絶賛するが、次第にそんな華やかさとはかけ離れた一面も垣間見ていく事となる。特に地方の田舎村より劣悪な環境な貧民街、そこで痩せ細った女子供を目の当たりにして愕然とするのだ。
これから帝国を背負っていくものとして何が出来るか? 皇太子達にとってそれを真剣に考えさせられる機会となる。
そんな中でヒロインは様々な改善策を提案し、攻略対象者達をうならせていくのだ。弱き者達からの視点を持つヒロインに興味を惹かれる一幕でもある。
「えっと、そのヒロインさんの改善策って何でしたか?」
「わたしの予言の書では炊き出しだったな」
「私の方はゴミ拾いだったか」
「わたくしの書物には孤児を教会に引き取らせると記載がありますが……」
「見事なまでに一時しのぎな改善策ばかりだな」
アーデルハイド達から言わせればお茶を濁しただけで状況の解決には結びついていない。施しを行った者だけが満足する偽善であり独善。根気強く継続するならそれもまた一つの救いなのだが、ヒロインが以後もそんな行動を取った様子もなかった。
「つまり、裕福なご子息の感心を得るだけが結果として残ったわけですか」
「まあ弁解の余地が無いとも言えぬぞ。いかに学園生徒会とは言え貧民街全体の環境を改善させる程の予算はあるまい」
「それにたかが男爵令嬢が皇太子達に金を出すよう進言するか? ヒロインがその状況下で出来る最善策ではあっただろう」
「おや、そんな考えもございますか。わたくしがヒロインさんの立場でしたらマクシミリアン様方に色仕掛けをしつつお願いしていましたのに」
「そなた、そうやって男を誑かせるのが魔女だと言われないのか?」
鈴の音を鳴らしたように笑うジークリットにアーデルハイドは頭を軽く抱えて呆れ果てた。
そんなジークリットは前方に視線を戻すと少し路地の右側に寄る。アーデルハイド達もそれに倣いつつ前を伺うと三人の子供が駆け足で向かってきていた。ヴァルプルギスは元気な姿の子供達の肉付きがあまり良くないなと素直に感想を抱く。
「で、そんなヒロインさんの施しを霞ませる改善策は既に考えついていらっしゃるのです?」
「勿論だぞ! でなければのこのことヒロインめと同じ舞台に上がるものか」
「かく言うわたくしめもある程度は考えてまいりましたが、よろしければアーデルハイドさんの方からお聞きしても?」
「良いぞ。そもそも貧困とは働き手が稼げないから起こるのであって、需要のある仕事を割り振れば衣食住は自然と潤うものだ。やはり国や領主が公共事業として雇い入れるのが――」
子供達が三人の悪役令嬢の脇を通り過ぎていく。ジークリットは腰回りを手で押さえつつ見届け、後ろのアーデルハイドは自論を展開するのに夢中で子供達に目もくれない。最後尾のヴァルプルギスは子供達がそんなアーデルハイドの腰袋に手を伸ばすのを目撃し……、
「――ま、その前に悪餓鬼への躾けが先だな」
――その手を切り飛ばされ、血しぶきを上げる光景を目の当たりにした。
アーデルハイドは自分の方へと伸ばされた手へと指を一閃させた。彼女の指から発せられた魔法の刃が少年の手首を何の抵抗も無く切断した。一切の躊躇いも無い鮮やかな反応にヴァルプルギスは感心の声を思わず漏らす。
手首から先を失った少年は切断面を押さえながら甲高い絶叫を挙げて地面を転げまわった。他の二人は何が起こったか一瞬では理解できずにただ茫然と固まるばかり。しかしすぐに恐怖で顔を青褪めさせた二人は悲鳴を挙げながら逃げ出していった。
アーデルハイドは切り落とされた少年の手に収まっていた布袋をはぎ取り、注意深く観察する。紐が荒く切断されているので口を絞れなくなっている。アーデルハイドは腰帯に引っかかっていた紐の切れ端を抜き取って、互いの切断面を照らし合わせる。
「ふむ、腰帯に固く結んでおったのだがな。通り際の一瞬で小刀を用いて切断したか」
「あのぉアーデルハイドさん? まさかわざと盗ませようとしました?」
「人聞きが悪いな。あえて無防備になったのは否定しないがな」
やがて少年の悲鳴は絞るような声に変わっていき、息遣いを荒くさせていく。アーデルハイドはそんな彼の切断された側の腕を乱暴に取る。少年の金切り声を無視しては斬り落とした手を切断面にあてがう。
アーデルハイドは力ある言葉を唱えて手を切断箇所に滑らせていく。
淡い輝きが傷を覆った。
「今の痛みを窃盗の罰とする。ゆめ忘れぬように」
男の子は自分の手を呆然と眺める。動かす、動く。失った手が再びくっ付き、そして違和感も無く動かせる。手首だけではなく指も一つ一つ。彼はもう片方の手で血がこびりついた辺りをさすってみた。
彼はそれから顔を上げてアーデルハイドを眺めた。絶対の自信に満ちた笑顔の彼女を。
「……アンタは魔法使いなのか?」
「魔法使い? そんな輩と一緒にするな。何を隠そう、余は――!」
「隠してくださいましね、アーデルハイドさんっ」
「ぬう。えっとだな……そう、余は悪役令嬢である! 讃えても良いのだぞ?」
悪役令嬢じゃ何の説明にもなってないでしょ、との抗議をジークリットは何とか飲み込んだ。自分で傷つけておいて何を言っているんだ、とヴァルプルギスは少し呆れた。
そんな二人を気にせずアーデルハイドは少年を立ち上がらせ、自分もしゃがんで同じ目線になる。
「余の腰袋に手を出したのは金が目的か?」
「う、うん」
「余を狙ったのはこの区域を徘徊するにしては小奇麗で不用心だからか。しかし、だからこそ役人に捕まるとは思わなかったのか? 余の家はこの一帯のどの者よりも偉いのだぞ?」
「……俺がやったってばれる訳がないって思ってた」
「愚かだな。余がその気になればここにいる無実の者達をまとめて牢獄行きにも出来るのだぞ。疑わしきは罰する、とな」
「そんなっ! 悪いのは俺だけじゃん!」
「権力とはそういうものだ。勉強になったな?」
アーデルハイドが穏やかな表情で少年に語りかけている間にジークリットは両手を合わせ、その隙間から放水して飛び散った鮮血を洗い流していく。ヴァルプルギスがその水で自分の袖を濡らし、少年の赤く汚れた腕をぬぐっていった。
「ではな少年。次会う時は違う形を望むとしよう」
「ちょっと待ってくれ!」
一通り惨状の痕跡をごまかした所でアーデルハイドは立ち上がり、少年に手を振った。踵を返そうとする彼女の袖を少年が掴む。奇しくも彼女に切断された方の手で。
「むう、何だ? 余達もここには目的があって足を運んできたんだが?」
「アンタ、魔法が使えるんだろ? だったら俺の母さんを助けてくれ!」
アーデルハイドは分かりやすい批難の声を挙げつつ嫌そうに表情を歪めさせた。それでも少年の手を振りほどかずに彼を見下ろすように顔を向ける。少年は太陽のような笑顔を消したアーデルハイドに驚きつつも、拳を握って彼女を真正面から見据える。
「あのな、そなたの母を助けて余に何の利益になる? 労働には対価が要る。余は施しなどするつもりは無いぞ」
「お……俺に出来る事なら何でもする。だから……!」
「そう自分を軽々しく安売りするでない。だが無い袖は振れぬとも東方の国で言っておったし、それ以上に余に出せる物も無いか」
アーデルハイドは表情を和らげて少年の頭を撫でた。櫛が入れられていないぼさぼさの髪はフケだらけ。それでも彼女は構わなかった。
「……よかろう、案内するがよい! 代わりにそなたには今日一日中余の使い走りをしてもらうぞ」
「と、本当か……!?」
「うむ! 余に二言は無い!」
そしてアーデルハイドは絶対の自信を込めて自分の胸を叩いた。少年の顔が先ほどよりも輝いているのは希望を見出したからか。
まさかの寄り道宣言にジークリットとヴァルプルギスは顔を見合わせ、ため息を漏らす他無かった。
散策開始直後は栄える市街地や繁華街を見て賑やかだと絶賛するが、次第にそんな華やかさとはかけ離れた一面も垣間見ていく事となる。特に地方の田舎村より劣悪な環境な貧民街、そこで痩せ細った女子供を目の当たりにして愕然とするのだ。
これから帝国を背負っていくものとして何が出来るか? 皇太子達にとってそれを真剣に考えさせられる機会となる。
そんな中でヒロインは様々な改善策を提案し、攻略対象者達をうならせていくのだ。弱き者達からの視点を持つヒロインに興味を惹かれる一幕でもある。
「えっと、そのヒロインさんの改善策って何でしたか?」
「わたしの予言の書では炊き出しだったな」
「私の方はゴミ拾いだったか」
「わたくしの書物には孤児を教会に引き取らせると記載がありますが……」
「見事なまでに一時しのぎな改善策ばかりだな」
アーデルハイド達から言わせればお茶を濁しただけで状況の解決には結びついていない。施しを行った者だけが満足する偽善であり独善。根気強く継続するならそれもまた一つの救いなのだが、ヒロインが以後もそんな行動を取った様子もなかった。
「つまり、裕福なご子息の感心を得るだけが結果として残ったわけですか」
「まあ弁解の余地が無いとも言えぬぞ。いかに学園生徒会とは言え貧民街全体の環境を改善させる程の予算はあるまい」
「それにたかが男爵令嬢が皇太子達に金を出すよう進言するか? ヒロインがその状況下で出来る最善策ではあっただろう」
「おや、そんな考えもございますか。わたくしがヒロインさんの立場でしたらマクシミリアン様方に色仕掛けをしつつお願いしていましたのに」
「そなた、そうやって男を誑かせるのが魔女だと言われないのか?」
鈴の音を鳴らしたように笑うジークリットにアーデルハイドは頭を軽く抱えて呆れ果てた。
そんなジークリットは前方に視線を戻すと少し路地の右側に寄る。アーデルハイド達もそれに倣いつつ前を伺うと三人の子供が駆け足で向かってきていた。ヴァルプルギスは元気な姿の子供達の肉付きがあまり良くないなと素直に感想を抱く。
「で、そんなヒロインさんの施しを霞ませる改善策は既に考えついていらっしゃるのです?」
「勿論だぞ! でなければのこのことヒロインめと同じ舞台に上がるものか」
「かく言うわたくしめもある程度は考えてまいりましたが、よろしければアーデルハイドさんの方からお聞きしても?」
「良いぞ。そもそも貧困とは働き手が稼げないから起こるのであって、需要のある仕事を割り振れば衣食住は自然と潤うものだ。やはり国や領主が公共事業として雇い入れるのが――」
子供達が三人の悪役令嬢の脇を通り過ぎていく。ジークリットは腰回りを手で押さえつつ見届け、後ろのアーデルハイドは自論を展開するのに夢中で子供達に目もくれない。最後尾のヴァルプルギスは子供達がそんなアーデルハイドの腰袋に手を伸ばすのを目撃し……、
「――ま、その前に悪餓鬼への躾けが先だな」
――その手を切り飛ばされ、血しぶきを上げる光景を目の当たりにした。
アーデルハイドは自分の方へと伸ばされた手へと指を一閃させた。彼女の指から発せられた魔法の刃が少年の手首を何の抵抗も無く切断した。一切の躊躇いも無い鮮やかな反応にヴァルプルギスは感心の声を思わず漏らす。
手首から先を失った少年は切断面を押さえながら甲高い絶叫を挙げて地面を転げまわった。他の二人は何が起こったか一瞬では理解できずにただ茫然と固まるばかり。しかしすぐに恐怖で顔を青褪めさせた二人は悲鳴を挙げながら逃げ出していった。
アーデルハイドは切り落とされた少年の手に収まっていた布袋をはぎ取り、注意深く観察する。紐が荒く切断されているので口を絞れなくなっている。アーデルハイドは腰帯に引っかかっていた紐の切れ端を抜き取って、互いの切断面を照らし合わせる。
「ふむ、腰帯に固く結んでおったのだがな。通り際の一瞬で小刀を用いて切断したか」
「あのぉアーデルハイドさん? まさかわざと盗ませようとしました?」
「人聞きが悪いな。あえて無防備になったのは否定しないがな」
やがて少年の悲鳴は絞るような声に変わっていき、息遣いを荒くさせていく。アーデルハイドはそんな彼の切断された側の腕を乱暴に取る。少年の金切り声を無視しては斬り落とした手を切断面にあてがう。
アーデルハイドは力ある言葉を唱えて手を切断箇所に滑らせていく。
淡い輝きが傷を覆った。
「今の痛みを窃盗の罰とする。ゆめ忘れぬように」
男の子は自分の手を呆然と眺める。動かす、動く。失った手が再びくっ付き、そして違和感も無く動かせる。手首だけではなく指も一つ一つ。彼はもう片方の手で血がこびりついた辺りをさすってみた。
彼はそれから顔を上げてアーデルハイドを眺めた。絶対の自信に満ちた笑顔の彼女を。
「……アンタは魔法使いなのか?」
「魔法使い? そんな輩と一緒にするな。何を隠そう、余は――!」
「隠してくださいましね、アーデルハイドさんっ」
「ぬう。えっとだな……そう、余は悪役令嬢である! 讃えても良いのだぞ?」
悪役令嬢じゃ何の説明にもなってないでしょ、との抗議をジークリットは何とか飲み込んだ。自分で傷つけておいて何を言っているんだ、とヴァルプルギスは少し呆れた。
そんな二人を気にせずアーデルハイドは少年を立ち上がらせ、自分もしゃがんで同じ目線になる。
「余の腰袋に手を出したのは金が目的か?」
「う、うん」
「余を狙ったのはこの区域を徘徊するにしては小奇麗で不用心だからか。しかし、だからこそ役人に捕まるとは思わなかったのか? 余の家はこの一帯のどの者よりも偉いのだぞ?」
「……俺がやったってばれる訳がないって思ってた」
「愚かだな。余がその気になればここにいる無実の者達をまとめて牢獄行きにも出来るのだぞ。疑わしきは罰する、とな」
「そんなっ! 悪いのは俺だけじゃん!」
「権力とはそういうものだ。勉強になったな?」
アーデルハイドが穏やかな表情で少年に語りかけている間にジークリットは両手を合わせ、その隙間から放水して飛び散った鮮血を洗い流していく。ヴァルプルギスがその水で自分の袖を濡らし、少年の赤く汚れた腕をぬぐっていった。
「ではな少年。次会う時は違う形を望むとしよう」
「ちょっと待ってくれ!」
一通り惨状の痕跡をごまかした所でアーデルハイドは立ち上がり、少年に手を振った。踵を返そうとする彼女の袖を少年が掴む。奇しくも彼女に切断された方の手で。
「むう、何だ? 余達もここには目的があって足を運んできたんだが?」
「アンタ、魔法が使えるんだろ? だったら俺の母さんを助けてくれ!」
アーデルハイドは分かりやすい批難の声を挙げつつ嫌そうに表情を歪めさせた。それでも少年の手を振りほどかずに彼を見下ろすように顔を向ける。少年は太陽のような笑顔を消したアーデルハイドに驚きつつも、拳を握って彼女を真正面から見据える。
「あのな、そなたの母を助けて余に何の利益になる? 労働には対価が要る。余は施しなどするつもりは無いぞ」
「お……俺に出来る事なら何でもする。だから……!」
「そう自分を軽々しく安売りするでない。だが無い袖は振れぬとも東方の国で言っておったし、それ以上に余に出せる物も無いか」
アーデルハイドは表情を和らげて少年の頭を撫でた。櫛が入れられていないぼさぼさの髪はフケだらけ。それでも彼女は構わなかった。
「……よかろう、案内するがよい! 代わりにそなたには今日一日中余の使い走りをしてもらうぞ」
「と、本当か……!?」
「うむ! 余に二言は無い!」
そしてアーデルハイドは絶対の自信を込めて自分の胸を叩いた。少年の顔が先ほどよりも輝いているのは希望を見出したからか。
まさかの寄り道宣言にジークリットとヴァルプルギスは顔を見合わせ、ため息を漏らす他無かった。
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