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第2-2章 後宮下女→皇后(新版)
「とうとう正体現しましたね、女狐」
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「どういうつもりだ大将軍! 俺の命令が聞こえんのか!?」
「聞けませんなあ青玉宮殿下。紅玉宮殿下に負けた貴方様には失望しましたので」
「徹底抗戦するというなら相手になるぞ。死んでも文句は言うなよ?」
「難攻不落と呼ばれたこの帝都を相手に出来るのでしたらいかようにも」
第二皇子が城壁の下から相手側に呼びかけると、砦部分から年配の男性達か姿を現した。開門を要求したものの断られ、口論した挙げ句に決裂になったようだ。第二皇子は手のひらを返してきた相手に憤り、大将軍と呼ばれた輩は下にいる彼を嘲笑った。
ここまでは第二皇子の推測通り。相手は帝都の守備は突破出来ないとたかくくっているようだけれど、わたしから言わせれば間抜けが雁首揃えてきたようにしか見えない。女狐の影響で勝負勘が狂っているのか、単に平和ボケしているのか。
「じゃあ紅玉宮。派手に開戦の狼煙をあげちゃおっか」
「でも姉上。本当にいいのかなぁ?」
「いいの。青玉宮の呼びかけに応じなかった時点で敵になったんだから、容赦無し」
「……分かった」
現在北伯候軍……いえ、あえて第五皇子軍と呼称しよう。第五皇子軍は禁軍の弓が届かない距離で帝都を包囲している。例え届いても盾で充分防御出来るし、その前に何らかの予備動作で攻撃すると丸分かりだし。
そんな常識は、暁明様には通用しない。
彼が射た矢は吸い込まれるように大将軍らしき偉そうな男の目に命中、力を失った身体は城壁から落下して地面に赤い花を咲かせた。狼狽する禁軍に間髪入れず、将軍らしき出で立ちの男を次々と矢を命中させていった。
「よっし。じゃあとっとと帝都を攻略して宮廷まで行っちゃいましょう」
「はあ、結局こうなるのかぁ」
軽く嘆く暁明様を尻目に義姉様は北方の戦士達に発破をかけ、かかるように命じた。大地にも轟くほどの咆哮と共に歴戦の勇者の軍勢は突撃を開始。それに負けじと第二皇子配下の軍も城壁へとかかっていった。
ここに帝都攻略戦が開始された。
■■■
「ふん、軟弱者共め。他愛ない。一から鍛え直さねばな」
「今までどんな軍にも攻め落とされた事のない春華国の首都がこうもあっさりとねぇ」
「それだけ方士達の方術が常識外れなんだろう。やはり厳格な管理が必要だな」
戦いは一日も経ずに終わった。戦闘開始前に敵将軍にご退場願ったのもあるけれど、一番の要因は早々に門が開かれたからだ。
何のことはない。わたしの壁抜けの能力で精鋭部隊を城壁内側に侵入させて門付近を制圧。開け放たれた門から堂々と中に入った次第だ。
城壁上を一部でも占拠出来ればあとはそこに梯子なりかけていくらでも増援を下から呼べる。内と外から攻められた司令塔無き雑兵達の勝ち目はどこにも無く、日が沈む前には陥落することになった。
次の日、残務処理を配下に任せたわたし達は宮廷への道を進む。
帝都の民は戦争明けのせいか誰もが怯え、大通りの脇で跪いて頭を下げていた。そんな中で暁明様が第二皇子や第一皇女、そしてわたし達一同を伴う様子はとても圧巻だった。
「……ついに戻ってきたんだね」
「さあて、鬼が出るか蛇が出るか」
「十中八九女狐が出ると思うんだけれど?」
「そんな野暮な指摘は要りません」
待ち受けていた宮廷は見慣れた筈なのにまるで魔城へ向かうような緊張感と圧迫感を感じた。その門はわたし達を待っていたかのように開かれ、野獣が涎を垂らしつつ口を開けて待っているかのようだった。
意を決して進むわたし達が見える範囲には赤き親衛隊の者が配置されていた。妙な動きを見せれば直ちに仕掛ける、とばかりに。監視されているようで気に触ったけれど、無駄な争いは避けたかったので無視した。
「ふん。てっきり猫目宮めは方士共をけしかけてくると思っていたんだがな」
「今度は方士対策専門部隊を引き連れてきたのですが、拍子抜けでしたね」
「え? 彼らってそうなの?」
第二皇子と青玉宮妃の夫妻が率いていた近衛兵は特殊な訓練を受けた選ばれし者達らしい。この前の猫目宮強襲の際に辛酸を嘗めた教訓だそうだ。……手に負えないほど強力な方術だった場合、捨て身で食い止めて皇子達を逃がす使命なんだとか。
そんな頼もしい護衛を引き連れて歩む宮廷の廊下は……異質だった。
行き交う女官、文官、近衛兵全てが上の空というか気が抜けているというか、心ここにあらずだった。わたし達の到来で慌てて端に寄って頭を垂れる始末で、第二皇子は怒るどころか深刻な面持ちでその有様を見つめていた。
そしてやってきた謁見の間。わたしは異世界に迷い込んだのではと目を疑った。
武官、文官が左右に分かれて玉座に向けて平伏していた。義務からではなく、敬意からでもない。皆が一様に自分から望んで頭を床に付けているんだ。中にはさり気なく前を見つめて、恍惚の笑みを浮かべる者さえいる始末だった。
そして文官達の先頭で平伏していたのは、なんと第三皇子ではないか。
「翠玉宮! 貴様、何だその体たらくは!」
第二皇子がたまらず怒声を上げて大股で彼に歩み寄り、胸ぐらを掴んで持ち上げた。第三皇子は気まずそうに第二皇子から視線をそらす。それがまた第二皇子の怒りに拍車をかけた。
「俺が帝都を出発してからの顛末を一から十まで洗いざらい説明してもらおうか」
「ぼくからは……言えない。ぼくにはもう何も許されていないから」
「何を訳の分からんことをっ……。なら猫目宮めに聞けばいいのか?」
「それは……」
「――一同、控えよ」
その時、丞相の厳格な声が謁見の間に響いた。
控えよ、と言われても既に武官も文官もそうしている。つまり丞相はわたし達新たな来訪者に向けて命じているのだ。
皇帝と国のみに従う北伯候の兄様ご夫妻や暁明様方皇子が従う謂れがない。皇子妃のわたしや青玉宮妃は立場的に微妙なので夫に視線を送ると、暁明様も第二皇子もその必要はないと顔を横に振った。
「新たなる皇帝陛下がお見えになられる」
と、わけのわからない事をぬかしている間も立ったまま。そんなわたし達が出迎えた相手は思いもよらぬ……いえ、もしかしたらって可能性だけは考えていたけれど、いざ目の辺りにするとやはり驚くしかなかった。
現れたのは第四皇子と黒曜宮妃……らしき人物。第四皇子は多少怖気づきながらも皇帝にのみ許された玉座に座ったのだった。
「苦しゅうない。面を上げなさい」
第四皇子に代わって黒曜宮妃の命を受けて文官武官一同が面を上げた。皆の表情には見覚えがあった。それまるで、結構前に西伯候を迎えて初めて魅音を目の当たりにしたように、心奪われたようだった。
誰に? 魅音でも第四皇子にでもない。
別人のように様変わりした黒曜宮妃に、だ。
「あれが黒曜宮妃、だと……?」
「嘘、あたしが以前見た時と全然違うじゃん」
「ようやく本性を現した、って所かな?」
第二皇子や義姉が素直に現実を受け入れられないのも無理はなかった。
化粧で大きく化けたわけではない。服や装飾はあくまでその人の印象を補強する役割。別人のようだと思った理由は、どこか内気で儚げだった以前の面影がどこになかったからだ。代わりに自信と誇り、そして慈愛に満ち溢れていた。
そして何より、彼女はとても美しくなっていた。
どんな比喩すら陳腐になってしまうほど。言葉で言い表せないぐらいに。
男女問わず人を惹き付ける魔性の魅力があって、不覚にも心が揺れてしまうほどだ。
けれど、そんな黒曜宮妃の様変わりはさして問題じゃない。
異常と断じるべきは……黒曜宮妃が侍らせている者達か。
「黒曜宮妃! 言いたいことは山ほどあるが、まずはそいつ等をどうしたのか言え」
「そいつ等……嗚呼、この娘達ですかぁ。可愛いでしょう?」
なんと黒曜宮妃の傍にはあの第二皇女と翠玉宮妃がいた。二人共膝をついて黒曜宮妃にすり寄っている。
愛妾が旦那に媚びを売るように、愛玩動物が主人に愛嬌を振りまくように。はしたなく淫らな様はおぞましく、吐き気をもよおしてしまった。
「そうですよねえ猫目宮、翠玉宮妃?」
「はいぃ、私達は自分から望んで黒曜宮妃様に可愛がっていただいていますぅ」
「どうか哀れな私めに貴女様の愛をくださりませぇ」
アレが第二皇女? アレが翠玉宮妃?
信じたくなかった。けれど信じるしかなかった。
二人共黒曜宮妃に屈してしまったのだ、と。
こうなってしまってはもはや答え合わせをするまでもない。
「黒曜宮妃。貴女が女狐か?」
わたし達を代表して暁明様が問いかけ、
「はい。わたしがぁ女狐って呼ばれる存在ですぅ」
黒曜宮妃が夏に咲く花のような眩しい笑顔で答えた。
「聞けませんなあ青玉宮殿下。紅玉宮殿下に負けた貴方様には失望しましたので」
「徹底抗戦するというなら相手になるぞ。死んでも文句は言うなよ?」
「難攻不落と呼ばれたこの帝都を相手に出来るのでしたらいかようにも」
第二皇子が城壁の下から相手側に呼びかけると、砦部分から年配の男性達か姿を現した。開門を要求したものの断られ、口論した挙げ句に決裂になったようだ。第二皇子は手のひらを返してきた相手に憤り、大将軍と呼ばれた輩は下にいる彼を嘲笑った。
ここまでは第二皇子の推測通り。相手は帝都の守備は突破出来ないとたかくくっているようだけれど、わたしから言わせれば間抜けが雁首揃えてきたようにしか見えない。女狐の影響で勝負勘が狂っているのか、単に平和ボケしているのか。
「じゃあ紅玉宮。派手に開戦の狼煙をあげちゃおっか」
「でも姉上。本当にいいのかなぁ?」
「いいの。青玉宮の呼びかけに応じなかった時点で敵になったんだから、容赦無し」
「……分かった」
現在北伯候軍……いえ、あえて第五皇子軍と呼称しよう。第五皇子軍は禁軍の弓が届かない距離で帝都を包囲している。例え届いても盾で充分防御出来るし、その前に何らかの予備動作で攻撃すると丸分かりだし。
そんな常識は、暁明様には通用しない。
彼が射た矢は吸い込まれるように大将軍らしき偉そうな男の目に命中、力を失った身体は城壁から落下して地面に赤い花を咲かせた。狼狽する禁軍に間髪入れず、将軍らしき出で立ちの男を次々と矢を命中させていった。
「よっし。じゃあとっとと帝都を攻略して宮廷まで行っちゃいましょう」
「はあ、結局こうなるのかぁ」
軽く嘆く暁明様を尻目に義姉様は北方の戦士達に発破をかけ、かかるように命じた。大地にも轟くほどの咆哮と共に歴戦の勇者の軍勢は突撃を開始。それに負けじと第二皇子配下の軍も城壁へとかかっていった。
ここに帝都攻略戦が開始された。
■■■
「ふん、軟弱者共め。他愛ない。一から鍛え直さねばな」
「今までどんな軍にも攻め落とされた事のない春華国の首都がこうもあっさりとねぇ」
「それだけ方士達の方術が常識外れなんだろう。やはり厳格な管理が必要だな」
戦いは一日も経ずに終わった。戦闘開始前に敵将軍にご退場願ったのもあるけれど、一番の要因は早々に門が開かれたからだ。
何のことはない。わたしの壁抜けの能力で精鋭部隊を城壁内側に侵入させて門付近を制圧。開け放たれた門から堂々と中に入った次第だ。
城壁上を一部でも占拠出来ればあとはそこに梯子なりかけていくらでも増援を下から呼べる。内と外から攻められた司令塔無き雑兵達の勝ち目はどこにも無く、日が沈む前には陥落することになった。
次の日、残務処理を配下に任せたわたし達は宮廷への道を進む。
帝都の民は戦争明けのせいか誰もが怯え、大通りの脇で跪いて頭を下げていた。そんな中で暁明様が第二皇子や第一皇女、そしてわたし達一同を伴う様子はとても圧巻だった。
「……ついに戻ってきたんだね」
「さあて、鬼が出るか蛇が出るか」
「十中八九女狐が出ると思うんだけれど?」
「そんな野暮な指摘は要りません」
待ち受けていた宮廷は見慣れた筈なのにまるで魔城へ向かうような緊張感と圧迫感を感じた。その門はわたし達を待っていたかのように開かれ、野獣が涎を垂らしつつ口を開けて待っているかのようだった。
意を決して進むわたし達が見える範囲には赤き親衛隊の者が配置されていた。妙な動きを見せれば直ちに仕掛ける、とばかりに。監視されているようで気に触ったけれど、無駄な争いは避けたかったので無視した。
「ふん。てっきり猫目宮めは方士共をけしかけてくると思っていたんだがな」
「今度は方士対策専門部隊を引き連れてきたのですが、拍子抜けでしたね」
「え? 彼らってそうなの?」
第二皇子と青玉宮妃の夫妻が率いていた近衛兵は特殊な訓練を受けた選ばれし者達らしい。この前の猫目宮強襲の際に辛酸を嘗めた教訓だそうだ。……手に負えないほど強力な方術だった場合、捨て身で食い止めて皇子達を逃がす使命なんだとか。
そんな頼もしい護衛を引き連れて歩む宮廷の廊下は……異質だった。
行き交う女官、文官、近衛兵全てが上の空というか気が抜けているというか、心ここにあらずだった。わたし達の到来で慌てて端に寄って頭を垂れる始末で、第二皇子は怒るどころか深刻な面持ちでその有様を見つめていた。
そしてやってきた謁見の間。わたしは異世界に迷い込んだのではと目を疑った。
武官、文官が左右に分かれて玉座に向けて平伏していた。義務からではなく、敬意からでもない。皆が一様に自分から望んで頭を床に付けているんだ。中にはさり気なく前を見つめて、恍惚の笑みを浮かべる者さえいる始末だった。
そして文官達の先頭で平伏していたのは、なんと第三皇子ではないか。
「翠玉宮! 貴様、何だその体たらくは!」
第二皇子がたまらず怒声を上げて大股で彼に歩み寄り、胸ぐらを掴んで持ち上げた。第三皇子は気まずそうに第二皇子から視線をそらす。それがまた第二皇子の怒りに拍車をかけた。
「俺が帝都を出発してからの顛末を一から十まで洗いざらい説明してもらおうか」
「ぼくからは……言えない。ぼくにはもう何も許されていないから」
「何を訳の分からんことをっ……。なら猫目宮めに聞けばいいのか?」
「それは……」
「――一同、控えよ」
その時、丞相の厳格な声が謁見の間に響いた。
控えよ、と言われても既に武官も文官もそうしている。つまり丞相はわたし達新たな来訪者に向けて命じているのだ。
皇帝と国のみに従う北伯候の兄様ご夫妻や暁明様方皇子が従う謂れがない。皇子妃のわたしや青玉宮妃は立場的に微妙なので夫に視線を送ると、暁明様も第二皇子もその必要はないと顔を横に振った。
「新たなる皇帝陛下がお見えになられる」
と、わけのわからない事をぬかしている間も立ったまま。そんなわたし達が出迎えた相手は思いもよらぬ……いえ、もしかしたらって可能性だけは考えていたけれど、いざ目の辺りにするとやはり驚くしかなかった。
現れたのは第四皇子と黒曜宮妃……らしき人物。第四皇子は多少怖気づきながらも皇帝にのみ許された玉座に座ったのだった。
「苦しゅうない。面を上げなさい」
第四皇子に代わって黒曜宮妃の命を受けて文官武官一同が面を上げた。皆の表情には見覚えがあった。それまるで、結構前に西伯候を迎えて初めて魅音を目の当たりにしたように、心奪われたようだった。
誰に? 魅音でも第四皇子にでもない。
別人のように様変わりした黒曜宮妃に、だ。
「あれが黒曜宮妃、だと……?」
「嘘、あたしが以前見た時と全然違うじゃん」
「ようやく本性を現した、って所かな?」
第二皇子や義姉が素直に現実を受け入れられないのも無理はなかった。
化粧で大きく化けたわけではない。服や装飾はあくまでその人の印象を補強する役割。別人のようだと思った理由は、どこか内気で儚げだった以前の面影がどこになかったからだ。代わりに自信と誇り、そして慈愛に満ち溢れていた。
そして何より、彼女はとても美しくなっていた。
どんな比喩すら陳腐になってしまうほど。言葉で言い表せないぐらいに。
男女問わず人を惹き付ける魔性の魅力があって、不覚にも心が揺れてしまうほどだ。
けれど、そんな黒曜宮妃の様変わりはさして問題じゃない。
異常と断じるべきは……黒曜宮妃が侍らせている者達か。
「黒曜宮妃! 言いたいことは山ほどあるが、まずはそいつ等をどうしたのか言え」
「そいつ等……嗚呼、この娘達ですかぁ。可愛いでしょう?」
なんと黒曜宮妃の傍にはあの第二皇女と翠玉宮妃がいた。二人共膝をついて黒曜宮妃にすり寄っている。
愛妾が旦那に媚びを売るように、愛玩動物が主人に愛嬌を振りまくように。はしたなく淫らな様はおぞましく、吐き気をもよおしてしまった。
「そうですよねえ猫目宮、翠玉宮妃?」
「はいぃ、私達は自分から望んで黒曜宮妃様に可愛がっていただいていますぅ」
「どうか哀れな私めに貴女様の愛をくださりませぇ」
アレが第二皇女? アレが翠玉宮妃?
信じたくなかった。けれど信じるしかなかった。
二人共黒曜宮妃に屈してしまったのだ、と。
こうなってしまってはもはや答え合わせをするまでもない。
「黒曜宮妃。貴女が女狐か?」
わたし達を代表して暁明様が問いかけ、
「はい。わたしがぁ女狐って呼ばれる存在ですぅ」
黒曜宮妃が夏に咲く花のような眩しい笑顔で答えた。
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