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102 工事完了・お家完成
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「戴冠式が終わってから一月は経っておろう、今まで何をのんびりやっておったのじゃ」
「あれから色々とありまして、その話は飲みながら、食べながら、ゆっくりといたしましょう」
そうこう話しているうちに、背が高くて青白い顔色の、細々しい青年が登場した。
「エポナさーん、ご無沙汰してますー。何時ぞやは私にまで生きた黒毛牛の御土産をいただきまして、あの時は不在で申し訳ありませんでしたー。あの牛は有り難く丸飲みさせていただきましたー。美味しかったですー」
えっ! 生きた黒毛牛を丸飲み?
「この方はヨルムンガンド様とおっしゃいまして、麒麟界と接する魔界で警備隊長を、麒麟界では近衛隊長を歴任の後に、人間界で警察組織のトップを百年間お勤めになってきた方ですの。この国の良きアドバイザーとなれましてよ」
自慢気に紹介するエポナさん。
「ちょっ、ちょっと待ってください。なんの事ですか、いきなり」
ヨルムンガンド君が焦っている。
警察の事は話してなかったかい。
「今日からヨルムンガンド様に、この国の警察組織を作っていただきたくて御招待いたしました」
「…………」
ヨルムンガンド君、言葉につまって無口になってる。
「よいではないかヨルム、引き受けてしまえー。お主、人間界の警察を退任してから二十年、ずーっと『暇だー、兄上、何か面白い事はないですかねー』と嘆いていたであろう」
「兄上、それはそうですが、話しが急すぎて、少しは驚く時間をくださいよ」
兄上ってか、フェンリルの弟だってか。
「ヘルには兄ちゃんが二人いるんだよ。ヨルムンガンドは、みんなからヨルムって呼ばれていてフェンリルの弟。三兄妹の真ん中なんだけどー。家庭の事情が複雑で、他に兄弟が三人いるんだ。他の三人とは疎遠らしいけどね。この三兄妹は仲いいよ」
ティンクがこそっと教えてくれる。
「驚いていただけましたか? それでは、快諾と言う事でよろしいでしょうか」
「はい、私みたいな若輩者で宜しかったら使ってやってください」
「カイクノロス王国の皆様も、これでよろしいでしょうか?」
「願ってもないお話で、エポナさん、感謝しますじゃ」
「ヨルムンガンド様は、こちらの寮にお住まいになると宜しいかと思いますの、羽を伸ばしたい時に王都の中では少々。うっうん、その何と言いますか狭っ苦しいでしょう」
狭い?
「エポナ殿、よく考えたのー。自分達が居なくなる代わりに、ヨルムを据えるとは、なかなかどうして」
「何の事でございましょうか、フェンリル様。私はたまたまこの国で新しい警察を作る指導者を探していたので、皆様に御紹介したまでですわ。あまり深読みはなさらない方が、世界平和の為ですわよ」
「うむ、そうであるかな。博物館の職員であればヨルムがくつろいでいる姿を見ても驚きはしまいて。それに、この国は魔獣も海獣も豊富であるからな。なかなか狩りごたえがあるぞー、ヨルムもきっと満腹……いや、満足するであろう。良かったなヨルム。この国に尽くすのだぞ」
「はい兄上。必ずや、この世界一の警察を作り上げて見せます」
えらく気合入ってますけど、正体だのくつろぐだのって、いったい何者?
「ティンクー、ヨルムって何者」
「兄貴がデカい狼なんだから、想像できないかなー」
「巨大な熊とか?」
「かなり遠いよ」
「巨大ライオン」
「違う。見ていればヒントになるかもだよ」
ヨルムがラム酒の酒樽を抱え、グイグイ一気に飲み干してしまった。
まだまだいける様子に職員が拍手喝采。
職員はヨルムの正体を知っていて飲ませている。
「まるで蟒蛇ねー」
「近いー、かすったよ」
「ひょっとしたら、ヤマタノオロチ」
「あーん、遠くなっちゃった。もう言っちゃって良い」
「ダメ、もう少しなんでしょ。んー、蛇!」
「正解、それもとびっきりの大蛇」
フェンリルが大狼で弟のヨルムは大蛇、となるとヘルの正体が気になる。
「ヘルの正体も知ってるの?」
「ヘルはヘルだよ。女神。あのままだよ」
「そうなの」
肩透かし頂きましたー。
そんなこんなの送別会兼ヨルムンガンド様歓迎会は、夜を徹して行われ、空が白み始めてきた。
職員はすっかり疲れて一人抜け二人抜け、そして誰もいなくなった。
官僚と髭爺さんにいたっては、夜もまだまだこれからと言う時、ヘベレケのオタンコナスになって、城から迎えに来た馬車に乗って帰った。
残っているのは案の定、加護を受けている私達とフェンリルにヨルム。
ヨルムが加護を受けているかどうかは分からないけど、酒に強いのは確かだ。
ラムでもウイスキーでもブランデーでも、焼酎・ジン・テキーラ・ウォッカ。
強い酒ならなんでも来い。
私達は、しずちゃんのように何時でも遊びに来られる。
見送られるのが苦手だから、さっさと麒麟界の転送室へ帰ると決めた。
フェンリルは弟の仕事ぶりを見てから帰る。
少しの間、寮の庭に滞在すると言っていた。
決別の時は来た、さらばフェンリル。
転送室から図書室に寄って、ブツクサさんに帰還の報告。
特に伝達事項はない。
その足で博物館に行って、しずちゃんの顔を拝んだらシェルティーさんの居る経理課に向かう。
「今回はアルバイトで稼げなかったっすね」
ベルゼが少し残念そうだ。
お前な、ベルゼの肉屋で億から稼いでおいてまだ言うか、もう御金要らないだろ。
「そんな事より、新しい仲間が増えたのですから、ベルゼ様は先輩らしく、もっと大人にならなければいけませんですわよ」
言われてやがんの。
やーい、ベルゼがエポナさんに叱られたー。
「そうですよね。新メンバーの事、色々と決めなきゃいけないんでしたよね。モイラちゃんは何処に住めばいいんでしょうか」
ルシファー君、そこんところは考えていなかったよ。
緊急会議の必要ありだわ。
「モイラ、ティンクお姉ちゃんと一緒なの」
こら、じゃりン子、勝手に決めてんじゃねえよ。
ティンクと一緒はリンちゃんと一緒で……待てや。
リンちゃんはティンクが作った精霊の箱庭で暮らしていて、持ち主のティンクは私のクローゼットに入り浸り。
これで私の家の住人は三人。
ルシファーとベルゼが、私の護衛で付きっきりの居候状態。
これで住人は五人。
エポナさんは、私の世話役だから同居しているー。
六人目。
そんでもってモイラがティンクと一緒で、私の家に住んだら七人目。
菜花奈都姫異世界司書団の総数が七名。
私の家で常に総員待機している状態になるじゃないの。
私立異世界博物館付属図書室にとって、なんて都合の良い住環境。
計画的にこうされたりしてないよね。
被害妄想が、私の脳内を駆けずり回っている。
とやかく騒ぐのは、一度家の上空にクローゼットで飛んでからにするとして。
はい、上空に到着。
転移魔法って便利よねー。
「奈都姫さん、家、完成してませんか」
ルシファーが、クローゼットに作った床下窓から地上を見ている。
「そんな筈ないでしょ。そんなに早く……出来上がってるみたい」
「あら、しずちゃんに問いあわせてみますわね」
エポナさんが、しずちゃんに時間経過を問いあわせる。
同時に、シェルティーさんから貰った異世界時計で時差を見る。
「半年も経ってるー」
「そうですわね、確認した日数と同じですわ」
長く彼方此方の世界を行き来してるエポナさんでさえ、ビックリヒャクリの大事件発生。
「あれから色々とありまして、その話は飲みながら、食べながら、ゆっくりといたしましょう」
そうこう話しているうちに、背が高くて青白い顔色の、細々しい青年が登場した。
「エポナさーん、ご無沙汰してますー。何時ぞやは私にまで生きた黒毛牛の御土産をいただきまして、あの時は不在で申し訳ありませんでしたー。あの牛は有り難く丸飲みさせていただきましたー。美味しかったですー」
えっ! 生きた黒毛牛を丸飲み?
「この方はヨルムンガンド様とおっしゃいまして、麒麟界と接する魔界で警備隊長を、麒麟界では近衛隊長を歴任の後に、人間界で警察組織のトップを百年間お勤めになってきた方ですの。この国の良きアドバイザーとなれましてよ」
自慢気に紹介するエポナさん。
「ちょっ、ちょっと待ってください。なんの事ですか、いきなり」
ヨルムンガンド君が焦っている。
警察の事は話してなかったかい。
「今日からヨルムンガンド様に、この国の警察組織を作っていただきたくて御招待いたしました」
「…………」
ヨルムンガンド君、言葉につまって無口になってる。
「よいではないかヨルム、引き受けてしまえー。お主、人間界の警察を退任してから二十年、ずーっと『暇だー、兄上、何か面白い事はないですかねー』と嘆いていたであろう」
「兄上、それはそうですが、話しが急すぎて、少しは驚く時間をくださいよ」
兄上ってか、フェンリルの弟だってか。
「ヘルには兄ちゃんが二人いるんだよ。ヨルムンガンドは、みんなからヨルムって呼ばれていてフェンリルの弟。三兄妹の真ん中なんだけどー。家庭の事情が複雑で、他に兄弟が三人いるんだ。他の三人とは疎遠らしいけどね。この三兄妹は仲いいよ」
ティンクがこそっと教えてくれる。
「驚いていただけましたか? それでは、快諾と言う事でよろしいでしょうか」
「はい、私みたいな若輩者で宜しかったら使ってやってください」
「カイクノロス王国の皆様も、これでよろしいでしょうか?」
「願ってもないお話で、エポナさん、感謝しますじゃ」
「ヨルムンガンド様は、こちらの寮にお住まいになると宜しいかと思いますの、羽を伸ばしたい時に王都の中では少々。うっうん、その何と言いますか狭っ苦しいでしょう」
狭い?
「エポナ殿、よく考えたのー。自分達が居なくなる代わりに、ヨルムを据えるとは、なかなかどうして」
「何の事でございましょうか、フェンリル様。私はたまたまこの国で新しい警察を作る指導者を探していたので、皆様に御紹介したまでですわ。あまり深読みはなさらない方が、世界平和の為ですわよ」
「うむ、そうであるかな。博物館の職員であればヨルムがくつろいでいる姿を見ても驚きはしまいて。それに、この国は魔獣も海獣も豊富であるからな。なかなか狩りごたえがあるぞー、ヨルムもきっと満腹……いや、満足するであろう。良かったなヨルム。この国に尽くすのだぞ」
「はい兄上。必ずや、この世界一の警察を作り上げて見せます」
えらく気合入ってますけど、正体だのくつろぐだのって、いったい何者?
「ティンクー、ヨルムって何者」
「兄貴がデカい狼なんだから、想像できないかなー」
「巨大な熊とか?」
「かなり遠いよ」
「巨大ライオン」
「違う。見ていればヒントになるかもだよ」
ヨルムがラム酒の酒樽を抱え、グイグイ一気に飲み干してしまった。
まだまだいける様子に職員が拍手喝采。
職員はヨルムの正体を知っていて飲ませている。
「まるで蟒蛇ねー」
「近いー、かすったよ」
「ひょっとしたら、ヤマタノオロチ」
「あーん、遠くなっちゃった。もう言っちゃって良い」
「ダメ、もう少しなんでしょ。んー、蛇!」
「正解、それもとびっきりの大蛇」
フェンリルが大狼で弟のヨルムは大蛇、となるとヘルの正体が気になる。
「ヘルの正体も知ってるの?」
「ヘルはヘルだよ。女神。あのままだよ」
「そうなの」
肩透かし頂きましたー。
そんなこんなの送別会兼ヨルムンガンド様歓迎会は、夜を徹して行われ、空が白み始めてきた。
職員はすっかり疲れて一人抜け二人抜け、そして誰もいなくなった。
官僚と髭爺さんにいたっては、夜もまだまだこれからと言う時、ヘベレケのオタンコナスになって、城から迎えに来た馬車に乗って帰った。
残っているのは案の定、加護を受けている私達とフェンリルにヨルム。
ヨルムが加護を受けているかどうかは分からないけど、酒に強いのは確かだ。
ラムでもウイスキーでもブランデーでも、焼酎・ジン・テキーラ・ウォッカ。
強い酒ならなんでも来い。
私達は、しずちゃんのように何時でも遊びに来られる。
見送られるのが苦手だから、さっさと麒麟界の転送室へ帰ると決めた。
フェンリルは弟の仕事ぶりを見てから帰る。
少しの間、寮の庭に滞在すると言っていた。
決別の時は来た、さらばフェンリル。
転送室から図書室に寄って、ブツクサさんに帰還の報告。
特に伝達事項はない。
その足で博物館に行って、しずちゃんの顔を拝んだらシェルティーさんの居る経理課に向かう。
「今回はアルバイトで稼げなかったっすね」
ベルゼが少し残念そうだ。
お前な、ベルゼの肉屋で億から稼いでおいてまだ言うか、もう御金要らないだろ。
「そんな事より、新しい仲間が増えたのですから、ベルゼ様は先輩らしく、もっと大人にならなければいけませんですわよ」
言われてやがんの。
やーい、ベルゼがエポナさんに叱られたー。
「そうですよね。新メンバーの事、色々と決めなきゃいけないんでしたよね。モイラちゃんは何処に住めばいいんでしょうか」
ルシファー君、そこんところは考えていなかったよ。
緊急会議の必要ありだわ。
「モイラ、ティンクお姉ちゃんと一緒なの」
こら、じゃりン子、勝手に決めてんじゃねえよ。
ティンクと一緒はリンちゃんと一緒で……待てや。
リンちゃんはティンクが作った精霊の箱庭で暮らしていて、持ち主のティンクは私のクローゼットに入り浸り。
これで私の家の住人は三人。
ルシファーとベルゼが、私の護衛で付きっきりの居候状態。
これで住人は五人。
エポナさんは、私の世話役だから同居しているー。
六人目。
そんでもってモイラがティンクと一緒で、私の家に住んだら七人目。
菜花奈都姫異世界司書団の総数が七名。
私の家で常に総員待機している状態になるじゃないの。
私立異世界博物館付属図書室にとって、なんて都合の良い住環境。
計画的にこうされたりしてないよね。
被害妄想が、私の脳内を駆けずり回っている。
とやかく騒ぐのは、一度家の上空にクローゼットで飛んでからにするとして。
はい、上空に到着。
転移魔法って便利よねー。
「奈都姫さん、家、完成してませんか」
ルシファーが、クローゼットに作った床下窓から地上を見ている。
「そんな筈ないでしょ。そんなに早く……出来上がってるみたい」
「あら、しずちゃんに問いあわせてみますわね」
エポナさんが、しずちゃんに時間経過を問いあわせる。
同時に、シェルティーさんから貰った異世界時計で時差を見る。
「半年も経ってるー」
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