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95 蟹たーべ行こうー
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「ねえー、狩りするのー。何処でやるー」
私達とは別の世界で遊んでいたティンクとリンちゃんが、えらく乗り気だ。
「陸の魔獣は殆ど狩って終わっちゃいましたからね。海獣でも探しますか」
ルシファーは暗にモアモア島に行きたい言っている。
「自分、モアモア島に行きたいっす」
ベルゼはストレートだ。
「この前行った海獣の狩場で海水浴かな」
フェンリルがウキウキしている。
折角モデル体系ミス異世界司書に成りあがったから、水着でヘルやエポナさんみたいに堂々と海岸を歩きたい。
刀しょって海獣狩りなんかやってる場合じゃないのよ。
「私、狩りには参加しなくて良いんだったら行ってもいいわよ」
「奈都姫様のお考えは分からないでもないですが、今日は少し寒いのではありませんか」
ロバの六感恐るべし、見透かされている。
エポナさんは解体仕事がやりたいらしい。
寒いのは、ルシファーに教えてもらった季節魔法で、どうにでもなるのよ。
私一人でも海岸散歩で決めてやる。
「うちはまだマチェーテシャークを狩ったことあらしまへんの。モアモア島にはいてはる?」
ヘルまで‥‥‥‥。
「自分、この前行った時に、どでかい銀色のサメ見たっすよ。デカすぎて狩る気になれなかったっす」
ベルゼ、余計な事を言うんじゃない。
狩りで決定じゃないか。
少なくとも奇麗でいる間、私は狩りなんかやらないからね。
何だかんだやって、モアモア島の海岸に御狩場小屋設営完了って、ルシファーがお城を出して懐かしがってるだけ。
エポナさんが無慈悲にも私に掛けた変身魔法を解いて、何時もの姿に逆戻り。
モアモア海岸での水着姿お披露目は諦めて、きっちり陸兵さん達へのお土産狩りに参加しまーす。
ティンクが魔獣地図を広げる。
「うっひゃー、この前来た時に随分と狩ったのに、またまた凄い数の海獣が集まってるねー」
「モイラには見えるの。この海にはとーっても濃い魔素が、あの島から流れ込んでるの」
この海域はちいさな島が点々としていて、モイラが指さす島はこれらの島の中心に位置する無人島だ。
島を作り出したであろう火山は、今でもまだ活動している。
山頂から白い煙を、勢いよく噴き出している。
火山の裾野は広く、ジャングル化している。
何本もの川が海へ流れ込んでいる。
「あの川の水に、海獣さんが大好きな魔素がー、いーぱい入っているの」モイラが説明してくれた。
どうりで、すんごいのが集まってくるわけだ。
こんな海域を軍艦で航海するとは、海軍の兵隊さん達も命知らずだこと。
「この前行き会った戦艦は、この海域に食料調達で来ていましたの。王宮での贅沢が過ぎていて、兵隊さん達の食事情が悪化しているとうかがいましたわ。陸軍の基地や駐屯地周辺に魔獣が殆どいないのは、食料事情が絡んでの事でしたの」
「そんな事、いつ聞いたんですか」
「この前ですわ。分身を使いに出しましたの」
全然気付かなかった。
エポナさんの使う分身の術。ずば抜けて凄いわ。
「どれ、わしは何を狩ろうかのー」
フェンリルが一番手。飛び出していった。
「僕も負けませんよ」
ルシファーが競争のようにして沖へと向かう。
あの二人に目を付けられたら、いかなる海獣も逃れようがない。
誰に当たっても、海獣君の運命は変わらないんだけどね。
今日は彼らにとって、一生忘れられない厄日になる事確実。
その一生、もうすぐ尽きてしまいますのよ、ごめんなさい。
エポナさんは、狩るよりも解体・調理の方がお好きなよう。
今日も海獣が届くのを海岸で待っている。
モイラはそのお手伝い。
解体に丁度いい高さの作業台を、特殊結界で作っている。
空を飛べるようになったし、この前は地龍とも対等に渡り合えたから、リンちゃんも海獣狩りに参加。
ティンクが補佐してるから大丈夫でしょう。
「魔獣発見っす」
無人島ばかりの海域だったので、この辺りの島には討伐隊が入っていない。
まだ魔獣の狩り残しが相当数いる。
ベルゼは島から島へと飛び回って、片っ端から魔獣を狩り始めた。
私は千里眼を使って、皆より遠くの海域を見ている。
この辺で私がのんびり狩っていたら、皆の邪魔になるからね。
銀色に光る物がちらりと見えた。
「あの銀色って、もしかしてマチェーテシャークかも」
ヘルに方角を教えてあげる。
「ほないってくる」
海水を巻き上げ、海面すれすれの低空飛行。
あっと言う間に見えなくなった。
「ところで、奈都姫様はいつになったら出動しますの」
神族エポナさんから催促の神託あり。
「今出ますよーだ」
魔獣地図はティンクが持って行っちゃったから、目視で標的を探さなきゃならないのよね。
とりあえず、あてはないけど沖に出て、上空から海面を観察してみるか。
皆さん、物凄い勢いで狩ってますわ。
エポナさんも、分身と一緒に大忙ししてますわ。
島の魔獣はベルゼが担当してるしなー。
んー、あの島には何もいないし草も木もないのね。
ごつごつしていて…おんや…カルキノスか?
それにしては大きすぎるんですけど。
でも、上から見た感じは、どうあってもカルキノスだわよね。
ありゃ。
もう一匹、直ぐ隣に浮かび上がって来ちゃったし。
超大物発見。
それも二匹同時、でいいのかな。
カルキノスの急所って何処だっけ。
「指輪さん、カルキノスの急所って何処」
「ふんどし」
蟹がふんどし履くか?
「それって何処」
「蟹の腹側にある三角形の部分です。前掛け・はかまとも呼ばれています。歯ごたえがありますので、揚げ物にすると美味しいですよ」
ということは、海の中なのね。
結界の中に入って、濡れないように潜ってみるか。
海中から見るとその大きさがことさら協調されてくる。
全長二十メートル級のが二匹連なって、瓢箪のように浮かび足をゆったり動かしている。
白い腹の真ん中辺り、ふんどしの端っこがある。
あそこら辺りを狙えば良いのかな。
体が分厚いから、私の刀じゃ急所まで届かないかも。
さてどうしたものか、大砲ぶち込んだら蟹みそがだらしなく流れ出ちゃうだろうしなー。
この二匹を倒すのは無理との結論に達し、結界で包んで生け捕りにする。
それはそれでいいけど、いかんせん相手がでかい。
やってみるだけやって、ダメならモイラちゃんに御願いしましょ。
海水の抜ける結界にすれば、重量はだいぶ軽くできる。
私の魔法力でも運べるに違いない。
自分の力を信じて「結界! 丈夫なやつ」
そーっと持ち上げてみれば、カルキノスに暴れる気配はない。
この隙に、転移魔法で一気に海岸へ飛んで、エポナさんに引き継ぎー。
「生きてまーす。解体御願いしまーす」
「あらー、なんて事でしょう。こんなに大きな蟹さん。初めて見ましたわー」
驚いてくれてありがとう。
他の皆さんは、既に狩りを終えて一休みしているー。
私ったら、どれだけカルちゃんに時間かけてたのかしら。
自分のどんくささがちょっと恥ずかしい。
私達とは別の世界で遊んでいたティンクとリンちゃんが、えらく乗り気だ。
「陸の魔獣は殆ど狩って終わっちゃいましたからね。海獣でも探しますか」
ルシファーは暗にモアモア島に行きたい言っている。
「自分、モアモア島に行きたいっす」
ベルゼはストレートだ。
「この前行った海獣の狩場で海水浴かな」
フェンリルがウキウキしている。
折角モデル体系ミス異世界司書に成りあがったから、水着でヘルやエポナさんみたいに堂々と海岸を歩きたい。
刀しょって海獣狩りなんかやってる場合じゃないのよ。
「私、狩りには参加しなくて良いんだったら行ってもいいわよ」
「奈都姫様のお考えは分からないでもないですが、今日は少し寒いのではありませんか」
ロバの六感恐るべし、見透かされている。
エポナさんは解体仕事がやりたいらしい。
寒いのは、ルシファーに教えてもらった季節魔法で、どうにでもなるのよ。
私一人でも海岸散歩で決めてやる。
「うちはまだマチェーテシャークを狩ったことあらしまへんの。モアモア島にはいてはる?」
ヘルまで‥‥‥‥。
「自分、この前行った時に、どでかい銀色のサメ見たっすよ。デカすぎて狩る気になれなかったっす」
ベルゼ、余計な事を言うんじゃない。
狩りで決定じゃないか。
少なくとも奇麗でいる間、私は狩りなんかやらないからね。
何だかんだやって、モアモア島の海岸に御狩場小屋設営完了って、ルシファーがお城を出して懐かしがってるだけ。
エポナさんが無慈悲にも私に掛けた変身魔法を解いて、何時もの姿に逆戻り。
モアモア海岸での水着姿お披露目は諦めて、きっちり陸兵さん達へのお土産狩りに参加しまーす。
ティンクが魔獣地図を広げる。
「うっひゃー、この前来た時に随分と狩ったのに、またまた凄い数の海獣が集まってるねー」
「モイラには見えるの。この海にはとーっても濃い魔素が、あの島から流れ込んでるの」
この海域はちいさな島が点々としていて、モイラが指さす島はこれらの島の中心に位置する無人島だ。
島を作り出したであろう火山は、今でもまだ活動している。
山頂から白い煙を、勢いよく噴き出している。
火山の裾野は広く、ジャングル化している。
何本もの川が海へ流れ込んでいる。
「あの川の水に、海獣さんが大好きな魔素がー、いーぱい入っているの」モイラが説明してくれた。
どうりで、すんごいのが集まってくるわけだ。
こんな海域を軍艦で航海するとは、海軍の兵隊さん達も命知らずだこと。
「この前行き会った戦艦は、この海域に食料調達で来ていましたの。王宮での贅沢が過ぎていて、兵隊さん達の食事情が悪化しているとうかがいましたわ。陸軍の基地や駐屯地周辺に魔獣が殆どいないのは、食料事情が絡んでの事でしたの」
「そんな事、いつ聞いたんですか」
「この前ですわ。分身を使いに出しましたの」
全然気付かなかった。
エポナさんの使う分身の術。ずば抜けて凄いわ。
「どれ、わしは何を狩ろうかのー」
フェンリルが一番手。飛び出していった。
「僕も負けませんよ」
ルシファーが競争のようにして沖へと向かう。
あの二人に目を付けられたら、いかなる海獣も逃れようがない。
誰に当たっても、海獣君の運命は変わらないんだけどね。
今日は彼らにとって、一生忘れられない厄日になる事確実。
その一生、もうすぐ尽きてしまいますのよ、ごめんなさい。
エポナさんは、狩るよりも解体・調理の方がお好きなよう。
今日も海獣が届くのを海岸で待っている。
モイラはそのお手伝い。
解体に丁度いい高さの作業台を、特殊結界で作っている。
空を飛べるようになったし、この前は地龍とも対等に渡り合えたから、リンちゃんも海獣狩りに参加。
ティンクが補佐してるから大丈夫でしょう。
「魔獣発見っす」
無人島ばかりの海域だったので、この辺りの島には討伐隊が入っていない。
まだ魔獣の狩り残しが相当数いる。
ベルゼは島から島へと飛び回って、片っ端から魔獣を狩り始めた。
私は千里眼を使って、皆より遠くの海域を見ている。
この辺で私がのんびり狩っていたら、皆の邪魔になるからね。
銀色に光る物がちらりと見えた。
「あの銀色って、もしかしてマチェーテシャークかも」
ヘルに方角を教えてあげる。
「ほないってくる」
海水を巻き上げ、海面すれすれの低空飛行。
あっと言う間に見えなくなった。
「ところで、奈都姫様はいつになったら出動しますの」
神族エポナさんから催促の神託あり。
「今出ますよーだ」
魔獣地図はティンクが持って行っちゃったから、目視で標的を探さなきゃならないのよね。
とりあえず、あてはないけど沖に出て、上空から海面を観察してみるか。
皆さん、物凄い勢いで狩ってますわ。
エポナさんも、分身と一緒に大忙ししてますわ。
島の魔獣はベルゼが担当してるしなー。
んー、あの島には何もいないし草も木もないのね。
ごつごつしていて…おんや…カルキノスか?
それにしては大きすぎるんですけど。
でも、上から見た感じは、どうあってもカルキノスだわよね。
ありゃ。
もう一匹、直ぐ隣に浮かび上がって来ちゃったし。
超大物発見。
それも二匹同時、でいいのかな。
カルキノスの急所って何処だっけ。
「指輪さん、カルキノスの急所って何処」
「ふんどし」
蟹がふんどし履くか?
「それって何処」
「蟹の腹側にある三角形の部分です。前掛け・はかまとも呼ばれています。歯ごたえがありますので、揚げ物にすると美味しいですよ」
ということは、海の中なのね。
結界の中に入って、濡れないように潜ってみるか。
海中から見るとその大きさがことさら協調されてくる。
全長二十メートル級のが二匹連なって、瓢箪のように浮かび足をゆったり動かしている。
白い腹の真ん中辺り、ふんどしの端っこがある。
あそこら辺りを狙えば良いのかな。
体が分厚いから、私の刀じゃ急所まで届かないかも。
さてどうしたものか、大砲ぶち込んだら蟹みそがだらしなく流れ出ちゃうだろうしなー。
この二匹を倒すのは無理との結論に達し、結界で包んで生け捕りにする。
それはそれでいいけど、いかんせん相手がでかい。
やってみるだけやって、ダメならモイラちゃんに御願いしましょ。
海水の抜ける結界にすれば、重量はだいぶ軽くできる。
私の魔法力でも運べるに違いない。
自分の力を信じて「結界! 丈夫なやつ」
そーっと持ち上げてみれば、カルキノスに暴れる気配はない。
この隙に、転移魔法で一気に海岸へ飛んで、エポナさんに引き継ぎー。
「生きてまーす。解体御願いしまーす」
「あらー、なんて事でしょう。こんなに大きな蟹さん。初めて見ましたわー」
驚いてくれてありがとう。
他の皆さんは、既に狩りを終えて一休みしているー。
私ったら、どれだけカルちゃんに時間かけてたのかしら。
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