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80 漆黒念獣ウルマジオ出現
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塩漬け悪魔目掛け、水面が津波のように盛り上がる。
水の塊が二悪魔を飲み込んだ。
この瞬間、モイラが結界の中に悪魔もろともアグワテスを閉じ込めた。
「何も指示していないのに、よくできましたわねー」
エポナさんが、東京駅で売っている生チョコレートをモイラにあげた。
「冒険者モイラ参上なの」
他のパーティーで、魔獣狩りに参加していたと豪語するだけの事はある。
肝心なところで、子供とは思えないとっさの判断ができている。
「あたしとリンちゃんにも頂戴」
ティンクが両手を広げ、エポナさんの目前に差し出す。
「はいはい、奈都姫様もどうぞ。捕獲のお祝いですわ」
ありがたや、ありがたや。
夜が明けて、魔法で出していた照明を消す。
「さっき、クローゼットの中に有った部屋って、何ですか」
クローゼットの中に入れておけば良いだけの材料を、わざわざ二重扉の中に入れているのは、何か意味があるはずだ。
「見られてしまいましたわね。あの扉の向こうは、永久保存庫になっていますの。食材に限らず何でも、いつまでも新鮮なまま保存しておけますわ」
あれのおかげで、何時も新鮮な物が食べられていたのか。
「良いですねー。私も欲しいです」
「あれは、今のところ世界に一つしかございませので、差し上げられません」
やはりね。だから秘密にしていたんだな。
「悪魔達はどうするのー」
何時になく、塩漬けになった二人を気遣うティンク。
「モイラがアグワテスを捕まえれば、いう事を聞くようになるよ。そしたら結界を解くの」
念獣は捕獲した者の従魔になる。で、良いのかな。
この先の手順まで、この子には見えている。
旅行バックの中から、モイラが念獣出現の予言をする本を取り出して「アグワテス捕まえた。お家はここだよー。塩々の悪魔は食べないのー。帰っておいで」と唱える。
アグワテスが結界から出ようとウゴウゴすると、モイラは結界を解いた。
水の塊が本の中に入り込んでいく。
予言文が記されていたページに、アグワテスの絵が浮き出てきた。
「これでアグワテスはモイラ図鑑に載ったの」
同時に、私立異世界博物館にある図鑑から、アグワテスに付いていた色が消え、白黒のスケッチ画に変わる仕組みになっている。
「では、解放してあげましょうかね」
エポナさんが二人を固めていた塩を回収する。
塩漬けから生身になったダブル悪魔、何が起きたかまだ分かっていない。
残った塩をはたきながらこちらへ戻ってくる。
「何してくれるんですか。口の中に塩が入っちゃいましたよ」
塩を口に入れられたので怒っているのか、もっと別の事で怒ってもいいんだぞ。
念獣捕獲のついでにやった魔獣退治で、思いもよらない収穫があった。
これを使わずして何の冒険者かなである。
私達は、この国で念獣を捕獲するにあたり、現王の妨害を受けない様に冒険者を装う必要がある。
狩った魔獣は冒険者ギルドに持って行って売る。
素性がばれては元も子もない。
モイラとリンちゃんとティンクは、クローゼットに入ってもらった。
炬燵でぬくぬくしている。
ギルドへ解体済み魔獣を売りに来たら、見慣れない私達に警戒したギルドマスターに呼ばれてしまった。
「随分と狩ってきましたね。して、ギルドカードは御持ちですかな」
「はい」
四人揃ってトリプルSのギルドカードを提示。
「はっ、これはこれは御見それいたしました」
カードの威力凄い。
結構な高値で買い取ってもらえた。
ギルドで大金を稼げた。
今日は寮の皆さんにお土産を買って帰ろう。
魔導士の髭爺さんには、大好きだと言っていたバーボンウイスキー。
地球への観光旅行が自由に行われている異世界には、地球の物が時々出回っている。
たいていは異世界で作られたまがい物。
特に食品関係には模造品が多い。
御酒は似非土産の最たるもので、本物に出会うのは奇跡とまで言われている。
特定の物を鑑定する能力者はいるれど、全ての物を鑑定できるのは数百万人に一人程度しかいない。
市場は何時でも嘘つきの社交場だ。
私達には、鑑定眼があるから出所まで分かる。
「おじさん、このバーボン偽物だよね。私は地球から来たから分かるのよ」
トリプルSのギルドカードをチラ見せ。
「かなわねえなー。安くしとくよー」
地球価格の半値で買えた。
実はこのバーボン、鑑定眼で見たら本物だった。
だから買ったのよ。
真実を店主も知らなかったとはね。
ギルドカードの使い道が一つ増えた。
職員の好みは、私達よりもずっと長く一緒に暮らしているモイラの方が知っているし、街の地理にも詳しい。
モイラに案内されるまま、食事をしたり名所旧跡を観光したり。
市場で御土産を買い集めてから、瞬間移動で寮に帰った。
ベルゼが張りっぱなしにしているテントの前に出る。
ここに到着した日から、ベルゼは寮の中に泊まっていない。
毎日ソロキャンしているのだ。
「いい加減に、今日からはみんなと一緒に過ごしなさいよ。職員の人達から見たら、貴方が拗ねてるみたいでみっともないわよー」
私が意見している間に、ルシファーがテントを片づけ始めている。
「そうっすかねー。自分は自然派っすから、ここが一番良いんすけどー」
とは言っているが、ルシファーに片付けられては嫌と言えない。
無言の圧に負けて、今夜から寮の中に宿泊決定。
全員揃って初めての寮泊。
一人一部屋の割り当てなので、就寝時は今までとあまり変わらないけど、夕食には皆が同じテーブルに着く。
「自分、こういうの苦手なんすよ」
フォークとナイフにスプーンと箸まで付けてある肉を、キャンプ用のサバイバルナイフで突き刺して食べるベルゼ。
こんな時まで気分はサバイバルしていたいのかい。
以前は、もう少し現代人っぽかったのに、急速に原始人へと退化している。
「楽しいお食事中にお知らせなの」
モイラが図鑑を広げている。
この先が予測できるだけに、みなして一斉に固まる。
「二ページ目に念獣のお知らせですわねえ」
覗き込んでいたエポナさんが、図鑑をテーブルの真ん中に置く。
【明日の日没後、ヨノナゼナ村にある魔界の森平原山頂に、漆黒念獣ウルマジオが出現。気体の性質を液体や個体へと変化させる能力を有している。無味無臭。周囲の色と同じになるので透明に感じる。空気中に気体として出現。大きな動物の体内に隠れる事もある。発見するのは非常に困難。百度以上の高温で熱し続けるとピンク色に変色。大気浄化能力あり。大気中の毒素を捕食して成長する。主な生活圏を極低温地帯とし、高温多湿には馴染まない。毒素を好んで捕食するものの、浄化された無菌の環境を好む傾向にある】
「なんじゃこりゃ、どんな場所なの。森なんだか平原なんだか山なんだか分からないよー」
ティンクばかりが分からないのではない。
しかし、魔界というだけでこんな場所が有りそうな気がしてくる。
思い込みとは不可思議なものだ。
「爺ちゃん呼んでくるね」
モイラが走って髭爺さんを呼んで来てくれた。
「ヨノナゼナ村には魔界の森がありましてな、その真ん中に平原山ちゅうて、山頂が平原になっとる山が有りますじゃ。これはその山の山頂というこってすな」
ややこしい山も有ったものだ。
「明日の朝に出発しましょうか」
皆に聞いてみる。
「ヨノナゼナ村の魔界の森はモイラが結界で囲んで、念獣は出られなくしたから逃げられないの」
誰に指示されるでもなく、肝心な所で良い仕事をしてくれている。
心強い仲間が加わってくれて、私はとっても嬉しいよ。
水の塊が二悪魔を飲み込んだ。
この瞬間、モイラが結界の中に悪魔もろともアグワテスを閉じ込めた。
「何も指示していないのに、よくできましたわねー」
エポナさんが、東京駅で売っている生チョコレートをモイラにあげた。
「冒険者モイラ参上なの」
他のパーティーで、魔獣狩りに参加していたと豪語するだけの事はある。
肝心なところで、子供とは思えないとっさの判断ができている。
「あたしとリンちゃんにも頂戴」
ティンクが両手を広げ、エポナさんの目前に差し出す。
「はいはい、奈都姫様もどうぞ。捕獲のお祝いですわ」
ありがたや、ありがたや。
夜が明けて、魔法で出していた照明を消す。
「さっき、クローゼットの中に有った部屋って、何ですか」
クローゼットの中に入れておけば良いだけの材料を、わざわざ二重扉の中に入れているのは、何か意味があるはずだ。
「見られてしまいましたわね。あの扉の向こうは、永久保存庫になっていますの。食材に限らず何でも、いつまでも新鮮なまま保存しておけますわ」
あれのおかげで、何時も新鮮な物が食べられていたのか。
「良いですねー。私も欲しいです」
「あれは、今のところ世界に一つしかございませので、差し上げられません」
やはりね。だから秘密にしていたんだな。
「悪魔達はどうするのー」
何時になく、塩漬けになった二人を気遣うティンク。
「モイラがアグワテスを捕まえれば、いう事を聞くようになるよ。そしたら結界を解くの」
念獣は捕獲した者の従魔になる。で、良いのかな。
この先の手順まで、この子には見えている。
旅行バックの中から、モイラが念獣出現の予言をする本を取り出して「アグワテス捕まえた。お家はここだよー。塩々の悪魔は食べないのー。帰っておいで」と唱える。
アグワテスが結界から出ようとウゴウゴすると、モイラは結界を解いた。
水の塊が本の中に入り込んでいく。
予言文が記されていたページに、アグワテスの絵が浮き出てきた。
「これでアグワテスはモイラ図鑑に載ったの」
同時に、私立異世界博物館にある図鑑から、アグワテスに付いていた色が消え、白黒のスケッチ画に変わる仕組みになっている。
「では、解放してあげましょうかね」
エポナさんが二人を固めていた塩を回収する。
塩漬けから生身になったダブル悪魔、何が起きたかまだ分かっていない。
残った塩をはたきながらこちらへ戻ってくる。
「何してくれるんですか。口の中に塩が入っちゃいましたよ」
塩を口に入れられたので怒っているのか、もっと別の事で怒ってもいいんだぞ。
念獣捕獲のついでにやった魔獣退治で、思いもよらない収穫があった。
これを使わずして何の冒険者かなである。
私達は、この国で念獣を捕獲するにあたり、現王の妨害を受けない様に冒険者を装う必要がある。
狩った魔獣は冒険者ギルドに持って行って売る。
素性がばれては元も子もない。
モイラとリンちゃんとティンクは、クローゼットに入ってもらった。
炬燵でぬくぬくしている。
ギルドへ解体済み魔獣を売りに来たら、見慣れない私達に警戒したギルドマスターに呼ばれてしまった。
「随分と狩ってきましたね。して、ギルドカードは御持ちですかな」
「はい」
四人揃ってトリプルSのギルドカードを提示。
「はっ、これはこれは御見それいたしました」
カードの威力凄い。
結構な高値で買い取ってもらえた。
ギルドで大金を稼げた。
今日は寮の皆さんにお土産を買って帰ろう。
魔導士の髭爺さんには、大好きだと言っていたバーボンウイスキー。
地球への観光旅行が自由に行われている異世界には、地球の物が時々出回っている。
たいていは異世界で作られたまがい物。
特に食品関係には模造品が多い。
御酒は似非土産の最たるもので、本物に出会うのは奇跡とまで言われている。
特定の物を鑑定する能力者はいるれど、全ての物を鑑定できるのは数百万人に一人程度しかいない。
市場は何時でも嘘つきの社交場だ。
私達には、鑑定眼があるから出所まで分かる。
「おじさん、このバーボン偽物だよね。私は地球から来たから分かるのよ」
トリプルSのギルドカードをチラ見せ。
「かなわねえなー。安くしとくよー」
地球価格の半値で買えた。
実はこのバーボン、鑑定眼で見たら本物だった。
だから買ったのよ。
真実を店主も知らなかったとはね。
ギルドカードの使い道が一つ増えた。
職員の好みは、私達よりもずっと長く一緒に暮らしているモイラの方が知っているし、街の地理にも詳しい。
モイラに案内されるまま、食事をしたり名所旧跡を観光したり。
市場で御土産を買い集めてから、瞬間移動で寮に帰った。
ベルゼが張りっぱなしにしているテントの前に出る。
ここに到着した日から、ベルゼは寮の中に泊まっていない。
毎日ソロキャンしているのだ。
「いい加減に、今日からはみんなと一緒に過ごしなさいよ。職員の人達から見たら、貴方が拗ねてるみたいでみっともないわよー」
私が意見している間に、ルシファーがテントを片づけ始めている。
「そうっすかねー。自分は自然派っすから、ここが一番良いんすけどー」
とは言っているが、ルシファーに片付けられては嫌と言えない。
無言の圧に負けて、今夜から寮の中に宿泊決定。
全員揃って初めての寮泊。
一人一部屋の割り当てなので、就寝時は今までとあまり変わらないけど、夕食には皆が同じテーブルに着く。
「自分、こういうの苦手なんすよ」
フォークとナイフにスプーンと箸まで付けてある肉を、キャンプ用のサバイバルナイフで突き刺して食べるベルゼ。
こんな時まで気分はサバイバルしていたいのかい。
以前は、もう少し現代人っぽかったのに、急速に原始人へと退化している。
「楽しいお食事中にお知らせなの」
モイラが図鑑を広げている。
この先が予測できるだけに、みなして一斉に固まる。
「二ページ目に念獣のお知らせですわねえ」
覗き込んでいたエポナさんが、図鑑をテーブルの真ん中に置く。
【明日の日没後、ヨノナゼナ村にある魔界の森平原山頂に、漆黒念獣ウルマジオが出現。気体の性質を液体や個体へと変化させる能力を有している。無味無臭。周囲の色と同じになるので透明に感じる。空気中に気体として出現。大きな動物の体内に隠れる事もある。発見するのは非常に困難。百度以上の高温で熱し続けるとピンク色に変色。大気浄化能力あり。大気中の毒素を捕食して成長する。主な生活圏を極低温地帯とし、高温多湿には馴染まない。毒素を好んで捕食するものの、浄化された無菌の環境を好む傾向にある】
「なんじゃこりゃ、どんな場所なの。森なんだか平原なんだか山なんだか分からないよー」
ティンクばかりが分からないのではない。
しかし、魔界というだけでこんな場所が有りそうな気がしてくる。
思い込みとは不可思議なものだ。
「爺ちゃん呼んでくるね」
モイラが走って髭爺さんを呼んで来てくれた。
「ヨノナゼナ村には魔界の森がありましてな、その真ん中に平原山ちゅうて、山頂が平原になっとる山が有りますじゃ。これはその山の山頂というこってすな」
ややこしい山も有ったものだ。
「明日の朝に出発しましょうか」
皆に聞いてみる。
「ヨノナゼナ村の魔界の森はモイラが結界で囲んで、念獣は出られなくしたから逃げられないの」
誰に指示されるでもなく、肝心な所で良い仕事をしてくれている。
心強い仲間が加わってくれて、私はとっても嬉しいよ。
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