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70 帰ってきた子麒麟 シュワッチ!
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今回の配当って何、目録の内容が恐ろしい。
濃いーんですけど。
エポナさんの笑顔、いつもより優しく見える。
「奈都姫さんの配当です」
今度は私に目録が渡された。
「奈都姫様には、商業ギルドの会長だった方が経営していた、総合商社の権利ですわ。ルシファー様も奈都姫様も、各ギルドの会長として登録されております。ギルドの承認は得てありますから、正式な役職ですわよ」
いきなり役職なんてのをふられても、何が何だか分からない。
とっても困ったちゃんだわ。
「あのー、大変宜しいお話のように聞こえるのですが、私、商業ギルドが何であるかもよく理解していませんけど、それでもいいんですか」
「大丈夫だよ、私でも工業ギルドの会長やってられるんだから。だいたいは事務員さんがやってくれるから、やる事ないし」
いつの間に、ティンクまで部屋に入ってきていた。
「やったっすね。自分も随分と稼がせてもらいました」
ベルゼまで、全員がこの席に参加する予定になっていたのか?
「実は、皆さんに集まってもらったのは、今回の仕事についての説明があったからなのですよ」
ズーボラさんが、これまでの不可解な仕事の顛末を語りだした。
「今回、倒産まで追い込んだ二人の業者は、端から異世界の冒険者を魔獣の餌程度にしか考えていなかったのですよ。大勢の人間を殺した罪で、死刑にしても飽き足りない、極めて卑劣な行為なのですけど、今までの法律では二人を裁けなかったのです。それに、これで儲かったら、他の世界でも同じ事をやろうと計画していたらしいのですよ。これは野放しに出来ないと言う事で色々と画策していたのですが、こちらの御三方から御意見をいただきまして」
ズーボラさんが銭亀三姉妹の方を向いて会釈する。
「それを参考に、今回の一件を実行させていただいたと、こういった事情でして。人間界の事件だったので、私情が入ってはいけませんから奈都姫さんには極秘扱い。ルシファーさんとベルゼさんは、まだ正式な採用通知が発送されていませんので部外者扱いでした。黙っていてすいませんでした」
ズーボラさんが頭を机につけて謝った。
「いやいやいや、気にしなくていいですから。僕は十分に満足してますから。頭上げてください」
ルシファーには棚ボタの役職。そりゃ満足でしょうね。
「自分も問題なしっす」
ベルゼは目前の御金が全てだったから、今回の稼ぎは嬉しいばかりに違いない。
「私も怒っていませんよ。今回のお仕事、楽しかったし」
ギルドの会長二人を陥れておいて、楽しかったもないものだけとね。
御宿の仕事が、怖くても楽しかったのは事実なのよ。
「そう言ってもらうと助かるよ」
ズーボラさんがあげた頭を搔きながら、インターホンのボタンを押す。
「用意できてるかな」
ひょっとして、追加の褒賞金か何かが出てくるの?
ちょっと期待しちゃってもいいかな。
「お詫びって訳じゃないんだけどね。子麒麟、君達に預かっていてもらった方が良いみたいなので、暫くそっちで世話してやってほしいんだ」
私達から離された子麒麟は、あれからずっと泣きっぱなしで、御飯もろくに食べないでいた。
このままでは調べるも何も出来ないまま、衰弱死してしまうのではないかとの懸念があるようだ。
「だから言ったでしょ。麒麟の子は寂しいと死んじゃうんだよって」
ティンクがいかにも誇らしげだ。
したり顔でズンズンとズーボラさんに詰め寄る。
根もない嘘から芽が生えたみたい。
博物館の学芸員が、子麒麟を連れて部屋に入って来た。
「キュイーン」
ティンクのところへ一目散に駆け出す子麒麟。
「お腹減ってる?」
一番先に聞く事がそれか、流石にティンクちゃん。
「はい、どうぞ」
エポナさんがティンクにマグロの柵を渡す。
「麒麟ちゃん、お食べー」
ティンクが差し出した柵を無心に食べる子麒麟。
「醤油と山葵は要らないんすかね」
ベルゼが笑わせてくれる。
「では、皆さんそろった所で、休暇の続きを始めましょう」
エポナさんが、とっても楽し気な提案をしてくれた。
「神界にでも行ってみましょうか」
超高価なシェルリル貨を土産にくれるような世界だ。
どれだけの繁栄なのか、首都のアトムだけでも見て回る価値がありそうなので、私から御願いしてみた。
「神界はただただ広いだけで、見るような所はありませんわよ。概ね他の世界では、神々は皆さん自分勝手に生きていますので、バラバラでまとまりがないのですが、ここに限って言えば、まとまっている方でしょうかね」
まとまっていると見るところがないは別の話だし、行ってみない事には見るところが有るのかないのかは分からない。
「とにかく行くだけ行って、それから決めましょうよ」
エポなさんにもう一度御願いしてみる。
「そうですかー、ではちょっとだけですわよ」
とかなんとか、神界に飛んで来たものの、本当に何もない。
以前は何もない野原でシェルリル硬貨を渡されて、直ぐに精霊界へ瞬間移動だった。
今回は山の天辺らしい所に出て、下を見れば家もないし道路もない。
「下に見えるのが、神界の首都アトムですわ」
ただただ広いだけの草原が広がっていて、小さな点に見える神々が、何をするでもなくのったりまったり過ごしている。
「へえー、本当に何もないっすね」
ベルゼの驚きはそのまま私達の驚きだ。
「だから言ったでしょ、何もない所だって」
かろうじて衣服は身に付けている神々だが、いくら何もないと言っても景色が大自然すぎる。
衣服は着たきりなのだろうか。
衣食住に相当する生活感が全くない。
「皆さん何処に住んでいるんですか」
簡易とはいえ、何時でも城を一件持ち歩いているルシファーにしたら驚愕の眺めだ。
「気が向いた所で気が向いた時に寝ますの」
それにしても、お風呂とかトイレとかは必要だし、布団か毛布位は持ってるでしょう。
「寝具はどうするんですか、入浴もしたいでしょうし、食事もすればトイレだって必要ですよね」
「この世界は自分の周囲だけ好きな環境にできますから、お布団はなくても快適に寝られますわ。それに、神は食した物を全て体内で使い切りますから、排泄は致しません。食事は信者様からの供物で足りますし、もっと食べたかったら自分で出せばいいだけです。お風呂はあちこちに温泉が湧き出ていましてよ」
自給自足の極みだわ。
「御金はどうやって集めているっすか」
ベルゼがいつでも気にしている銭勘定、ここでも健在だな。
「この世界の神界には長がいませんので、御金を集めるも何もしていませんし、必要なものは何でもありますから御金は要りませんわ。この界を御創りになった赤麒麟様との交渉役は私ですので、どうしても御金が必要となれば私が出します」
そりゃそうだ、宇宙で一二を争う勢いの桁違い財閥だもの、神界のちょっとした支出くらい微々たるものだわ。
って……私がもらったシェルリル硬貨って、元を辿ればエポナさんが出したってことだわね。
話変えたほうがよさそうだ。
これまでの話を聞くに、エポナさん以外の神は何も欲していない生物に思える。
「この世界の神々って、ひょっとして今まで見てきた世界の神と違って、まったく無欲で生きてるんですか」
濃いーんですけど。
エポナさんの笑顔、いつもより優しく見える。
「奈都姫さんの配当です」
今度は私に目録が渡された。
「奈都姫様には、商業ギルドの会長だった方が経営していた、総合商社の権利ですわ。ルシファー様も奈都姫様も、各ギルドの会長として登録されております。ギルドの承認は得てありますから、正式な役職ですわよ」
いきなり役職なんてのをふられても、何が何だか分からない。
とっても困ったちゃんだわ。
「あのー、大変宜しいお話のように聞こえるのですが、私、商業ギルドが何であるかもよく理解していませんけど、それでもいいんですか」
「大丈夫だよ、私でも工業ギルドの会長やってられるんだから。だいたいは事務員さんがやってくれるから、やる事ないし」
いつの間に、ティンクまで部屋に入ってきていた。
「やったっすね。自分も随分と稼がせてもらいました」
ベルゼまで、全員がこの席に参加する予定になっていたのか?
「実は、皆さんに集まってもらったのは、今回の仕事についての説明があったからなのですよ」
ズーボラさんが、これまでの不可解な仕事の顛末を語りだした。
「今回、倒産まで追い込んだ二人の業者は、端から異世界の冒険者を魔獣の餌程度にしか考えていなかったのですよ。大勢の人間を殺した罪で、死刑にしても飽き足りない、極めて卑劣な行為なのですけど、今までの法律では二人を裁けなかったのです。それに、これで儲かったら、他の世界でも同じ事をやろうと計画していたらしいのですよ。これは野放しに出来ないと言う事で色々と画策していたのですが、こちらの御三方から御意見をいただきまして」
ズーボラさんが銭亀三姉妹の方を向いて会釈する。
「それを参考に、今回の一件を実行させていただいたと、こういった事情でして。人間界の事件だったので、私情が入ってはいけませんから奈都姫さんには極秘扱い。ルシファーさんとベルゼさんは、まだ正式な採用通知が発送されていませんので部外者扱いでした。黙っていてすいませんでした」
ズーボラさんが頭を机につけて謝った。
「いやいやいや、気にしなくていいですから。僕は十分に満足してますから。頭上げてください」
ルシファーには棚ボタの役職。そりゃ満足でしょうね。
「自分も問題なしっす」
ベルゼは目前の御金が全てだったから、今回の稼ぎは嬉しいばかりに違いない。
「私も怒っていませんよ。今回のお仕事、楽しかったし」
ギルドの会長二人を陥れておいて、楽しかったもないものだけとね。
御宿の仕事が、怖くても楽しかったのは事実なのよ。
「そう言ってもらうと助かるよ」
ズーボラさんがあげた頭を搔きながら、インターホンのボタンを押す。
「用意できてるかな」
ひょっとして、追加の褒賞金か何かが出てくるの?
ちょっと期待しちゃってもいいかな。
「お詫びって訳じゃないんだけどね。子麒麟、君達に預かっていてもらった方が良いみたいなので、暫くそっちで世話してやってほしいんだ」
私達から離された子麒麟は、あれからずっと泣きっぱなしで、御飯もろくに食べないでいた。
このままでは調べるも何も出来ないまま、衰弱死してしまうのではないかとの懸念があるようだ。
「だから言ったでしょ。麒麟の子は寂しいと死んじゃうんだよって」
ティンクがいかにも誇らしげだ。
したり顔でズンズンとズーボラさんに詰め寄る。
根もない嘘から芽が生えたみたい。
博物館の学芸員が、子麒麟を連れて部屋に入って来た。
「キュイーン」
ティンクのところへ一目散に駆け出す子麒麟。
「お腹減ってる?」
一番先に聞く事がそれか、流石にティンクちゃん。
「はい、どうぞ」
エポナさんがティンクにマグロの柵を渡す。
「麒麟ちゃん、お食べー」
ティンクが差し出した柵を無心に食べる子麒麟。
「醤油と山葵は要らないんすかね」
ベルゼが笑わせてくれる。
「では、皆さんそろった所で、休暇の続きを始めましょう」
エポナさんが、とっても楽し気な提案をしてくれた。
「神界にでも行ってみましょうか」
超高価なシェルリル貨を土産にくれるような世界だ。
どれだけの繁栄なのか、首都のアトムだけでも見て回る価値がありそうなので、私から御願いしてみた。
「神界はただただ広いだけで、見るような所はありませんわよ。概ね他の世界では、神々は皆さん自分勝手に生きていますので、バラバラでまとまりがないのですが、ここに限って言えば、まとまっている方でしょうかね」
まとまっていると見るところがないは別の話だし、行ってみない事には見るところが有るのかないのかは分からない。
「とにかく行くだけ行って、それから決めましょうよ」
エポなさんにもう一度御願いしてみる。
「そうですかー、ではちょっとだけですわよ」
とかなんとか、神界に飛んで来たものの、本当に何もない。
以前は何もない野原でシェルリル硬貨を渡されて、直ぐに精霊界へ瞬間移動だった。
今回は山の天辺らしい所に出て、下を見れば家もないし道路もない。
「下に見えるのが、神界の首都アトムですわ」
ただただ広いだけの草原が広がっていて、小さな点に見える神々が、何をするでもなくのったりまったり過ごしている。
「へえー、本当に何もないっすね」
ベルゼの驚きはそのまま私達の驚きだ。
「だから言ったでしょ、何もない所だって」
かろうじて衣服は身に付けている神々だが、いくら何もないと言っても景色が大自然すぎる。
衣服は着たきりなのだろうか。
衣食住に相当する生活感が全くない。
「皆さん何処に住んでいるんですか」
簡易とはいえ、何時でも城を一件持ち歩いているルシファーにしたら驚愕の眺めだ。
「気が向いた所で気が向いた時に寝ますの」
それにしても、お風呂とかトイレとかは必要だし、布団か毛布位は持ってるでしょう。
「寝具はどうするんですか、入浴もしたいでしょうし、食事もすればトイレだって必要ですよね」
「この世界は自分の周囲だけ好きな環境にできますから、お布団はなくても快適に寝られますわ。それに、神は食した物を全て体内で使い切りますから、排泄は致しません。食事は信者様からの供物で足りますし、もっと食べたかったら自分で出せばいいだけです。お風呂はあちこちに温泉が湧き出ていましてよ」
自給自足の極みだわ。
「御金はどうやって集めているっすか」
ベルゼがいつでも気にしている銭勘定、ここでも健在だな。
「この世界の神界には長がいませんので、御金を集めるも何もしていませんし、必要なものは何でもありますから御金は要りませんわ。この界を御創りになった赤麒麟様との交渉役は私ですので、どうしても御金が必要となれば私が出します」
そりゃそうだ、宇宙で一二を争う勢いの桁違い財閥だもの、神界のちょっとした支出くらい微々たるものだわ。
って……私がもらったシェルリル硬貨って、元を辿ればエポナさんが出したってことだわね。
話変えたほうがよさそうだ。
これまでの話を聞くに、エポナさん以外の神は何も欲していない生物に思える。
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