66 / 117
66 討伐完了……じゃなかったのかよ
しおりを挟む
準備をしていると、精霊界からの応援が大勢やってきた。
フェンリルとヘルが、魔獣分布地図を持って飛び出していく。
数分でルシファーとベルゼが持っている地図に、魔獣をボッコボコにして退治済印が浮き出てきた。
これを確認した二人が退治済の魔獣を取りに行って、私達の所へ運んでくる。
大きな平箱の中に瀕死の魔獣を置かれると、ティンクが針剣で頸動脈から大腿動脈といった動脈はもとより、体中の血管に超高速で穴を開けていく。
吹き出す血を魔法で固め、格納庫に私が運び入れる。
ティンクの針剣て、こんな風に血抜きする時に使うものだったんだ。
勿論、それだけの為ではないだろうけど……。
そうこうしている間に、分身も含めた大勢のエポナさんが、抜く手も見せぬ勢いで解体していく。
シェルリル包丁までコピーした分身。
どれが本体でどれが分身なんだ。
一人でもクラーケンをあっという間にさばいてしまう。
そんな達人が、わんさかいる。
凄まじい勢いで、肉と素材の山が出来上がってゆく。
担当を分けた時の話では、解体した魔獣は総て格納庫に収めるようになっていたけど、私の作業が少し減った。
後から合流してきた精霊達が、観光土産や工芸品の材料になる皮や角とか骨なんかを、せっせと何処かへ運んでくれている。
それでも格納作業が遅れ気味で、エポナさんが分身を増やして私の援護に回してくれた。
なんと言っても特筆すべきは、フェンリルとヘルの討伐スピードが異常に早い事だ。
精霊界全体に散らばっている大量の魔獣を、数日で片付けてしまうと思える勢いは、初日の夕方まで衰えることなく続いた。
そんなフェンリルとヘル組の速攻にも負けないで、魔獣を運び続けたルシファーとベルゼも、恐ろしいほどの気迫を維持し続けた。
ティンクが「今日はここまでー」と号令するまで、狩りと運搬が行われ、それから十数分後には私の作業も片付いた。
自分でもおったまげーの気力・体力・持久力。
これ、ひょっとして加護のおかげ?
それとも、黄麒麟さんやフェンリルに無尽蔵とまで言わしめた、魔力量の成せる技か。
誰の顔にも疲れた表情は見られない。
血のりべったりの異様な姿を魔法で綺麗に整えたら、待っているのは楽しい夕飯とさっぱりお風呂。
本日の作業が終了するやいなや、今夜の宴会が始まる。
「おっ疲れー」
「カンパーイ」とりあえず生で勢いをつける。
加護の力で疲れはそんなに感じないけど、空腹感だけはしっかりやってくる。
朝食が軽かった上に、昼食抜きの強行軍だった。
夕餉の食が進む進む。
無限生ビールサーバーも稼働しっぱなしだ。
「この近くに温泉があるからね、後でみんなで行こう」
口一杯に大角蛙の足ヒレを頬張ったティンクが、元気に手をあげて告知する。
「うちは遠慮させていただきますわ」
今まで楽しそうにしていたヘルが、俯き加減で申し訳なさそうだ。
「ヘル様、これを入浴前に腐っている下半身に降りかけてくださいな。そうすれば、皆様と一緒のお風呂でも何の遠慮もいりませんですわよ」
エポナさんが、大きな瓶に入った水薬らしきものをヘルに手渡す。
「何でっしゃろか」
ヘルが首を傾け、瓶を目線まで持ち上げる。
中の水薬とにらめっこ。
「魔石と魔獣の血から作った掛け薬ですわ。一時的に腐敗が消えて、綺麗なおみ足になりますの。呪いの魔法も跳ね除ける魔力効果絶大の防腐剤ですから、何度が使っているうちにヘル様のおみ足は綺麗になりしましてよ」
エポナさん、とってもドヤ顔。
「ほんまどすか、なんてすばらしい薬やろ。さっそく使わしていただきますわ」
エポナさんを見ていると凄い事ばかりやってくれる。
この為に魔獣の血を捨てなかったのね。
医療魔法って凄い。
この夜の入浴を切っ掛けに、ヘルはその足を隠さなくなった。
それが良かったのか悪かったのか、双頭のサタン兄弟はヘルの美脚に見とれてうっとりうっかり。
足を見せる前から美形の顔をチラチラ見ていた二人は、夕餉の時にボーとヘルに見とれている時間が長くなった。
驚異的な勢いで討伐し続けたけど、精霊界全体にはびこっていた魔獣の数は底なし。
大凡退治して終えるのに、三週間もかかってしまった。
一部の魔獣は、ゴブリンやグランガチ等の大型精霊に必要な食料になる。
ティンクに聞いて、必要量の魔獣を残しておく。
魔獣がまったくいなくなってしまうのも、精霊界にとっては困った現象なのだ。
これから冒険者が精霊界に入ってきても、高く売れるような大型魔獣は総て狩り終わっている。
これで、魔獣がらみの返り討ち被害はなくなる。
冒険者には、もう獲物が居なくなった事を出来るだけ早く知らせるべきだけど、ティンクには告知の為に何某かの動きをする様子がない。
討伐中にあった事故で、フェンリルがゴブリンから情報を仕入れているときに、知識の浅い冒険者が二人を魔獣と間違えて攻撃してきたことがあった。
精霊界ではよくある事故で、こういった場合、精霊界の決まりとして正当防衛を認めている。
誤認事故防止の為、精霊界で魔獣狩りをする冒険者には、魔獣鑑定眼が必須条件として要求されている。
これを知らない異世界からの冒険者には、魔獣鑑定眼を持たない者も多い。
返り討ちにあってしまう事案が後を絶たない原因だ。
こんな事故防止の為にも、無能な冒険者を早く追い出すべきなのなのに、どうして何もしないのか不思議。
「どうして魔獣が居なくなったって冒険者に教えてあげないの?」
リーダーであるティンクに聞いても「まだやる事があるんだよ」だけで理由は教えてもらえなかった。
討伐完了とした夜、食事の前にエポナさんとティンクが、今回の報酬について話を切り出した。
「わたくしは、魔石と魔獣のお肉を少しだけいただきます」
エポナさんのお目当ては魔石だったか。
「あたしは、もう運んじゃったけど、お土産用の工芸品に使う材料をもらうよ」
ティンクのお目当ては加工品の素材。
だから精霊達が一生懸命運んでいたのね。
「フェンリル様にはお好きな魔獣のお肉を、適当に見繕ってお持ち帰りいただくでよろしかったですか」
「おお、事の起こりは魔界の不手際、わしは元より報酬など期待しておらんかったからな、実に有難い申し出であるぞ」
エポナさんはフェンリルと既に話をつけてあったのか。
「ヘル様には例のお薬を全部お持ち帰りいただきます。で、よろしかったですわよね」
「うちはあないな素晴らしいお薬を、たーくさんいただけて感激どす」ヘルとも交渉済みってか。
なんて素早い動きを見せつけてくれるんだ。
「ベルゼには残りのお肉の売上金半分と、魔獣討伐の褒賞金だよ。ただし、お肉はもう少し待ってから人間界で大安売りのたたき売り。売る時の絶対条件だからね。本当に雀の涙程度だけど、これが精霊界からの褒賞金」
ティンクが革袋に入った褒賞金をベルゼに手渡す。
「いくら入ってるんすか?」
「小シェルリル貨が二枚」
「えー、二枚だけっすかー。本当に雀の涙っすね」
ベルゼよ、二枚だけじゃなくて二枚もだ。
シェルリル貨の価値を知らないのか。
小二枚で一千万円だぞ。
「ルシファー様と奈都姫様の報酬は、総てが解決してからになります。今しばらくお待ちくださいね」
これで話が終わった。
総てが解決してからって、討伐完了で終わりじゃなかったのかよ。
フェンリルとヘルが、魔獣分布地図を持って飛び出していく。
数分でルシファーとベルゼが持っている地図に、魔獣をボッコボコにして退治済印が浮き出てきた。
これを確認した二人が退治済の魔獣を取りに行って、私達の所へ運んでくる。
大きな平箱の中に瀕死の魔獣を置かれると、ティンクが針剣で頸動脈から大腿動脈といった動脈はもとより、体中の血管に超高速で穴を開けていく。
吹き出す血を魔法で固め、格納庫に私が運び入れる。
ティンクの針剣て、こんな風に血抜きする時に使うものだったんだ。
勿論、それだけの為ではないだろうけど……。
そうこうしている間に、分身も含めた大勢のエポナさんが、抜く手も見せぬ勢いで解体していく。
シェルリル包丁までコピーした分身。
どれが本体でどれが分身なんだ。
一人でもクラーケンをあっという間にさばいてしまう。
そんな達人が、わんさかいる。
凄まじい勢いで、肉と素材の山が出来上がってゆく。
担当を分けた時の話では、解体した魔獣は総て格納庫に収めるようになっていたけど、私の作業が少し減った。
後から合流してきた精霊達が、観光土産や工芸品の材料になる皮や角とか骨なんかを、せっせと何処かへ運んでくれている。
それでも格納作業が遅れ気味で、エポナさんが分身を増やして私の援護に回してくれた。
なんと言っても特筆すべきは、フェンリルとヘルの討伐スピードが異常に早い事だ。
精霊界全体に散らばっている大量の魔獣を、数日で片付けてしまうと思える勢いは、初日の夕方まで衰えることなく続いた。
そんなフェンリルとヘル組の速攻にも負けないで、魔獣を運び続けたルシファーとベルゼも、恐ろしいほどの気迫を維持し続けた。
ティンクが「今日はここまでー」と号令するまで、狩りと運搬が行われ、それから十数分後には私の作業も片付いた。
自分でもおったまげーの気力・体力・持久力。
これ、ひょっとして加護のおかげ?
それとも、黄麒麟さんやフェンリルに無尽蔵とまで言わしめた、魔力量の成せる技か。
誰の顔にも疲れた表情は見られない。
血のりべったりの異様な姿を魔法で綺麗に整えたら、待っているのは楽しい夕飯とさっぱりお風呂。
本日の作業が終了するやいなや、今夜の宴会が始まる。
「おっ疲れー」
「カンパーイ」とりあえず生で勢いをつける。
加護の力で疲れはそんなに感じないけど、空腹感だけはしっかりやってくる。
朝食が軽かった上に、昼食抜きの強行軍だった。
夕餉の食が進む進む。
無限生ビールサーバーも稼働しっぱなしだ。
「この近くに温泉があるからね、後でみんなで行こう」
口一杯に大角蛙の足ヒレを頬張ったティンクが、元気に手をあげて告知する。
「うちは遠慮させていただきますわ」
今まで楽しそうにしていたヘルが、俯き加減で申し訳なさそうだ。
「ヘル様、これを入浴前に腐っている下半身に降りかけてくださいな。そうすれば、皆様と一緒のお風呂でも何の遠慮もいりませんですわよ」
エポナさんが、大きな瓶に入った水薬らしきものをヘルに手渡す。
「何でっしゃろか」
ヘルが首を傾け、瓶を目線まで持ち上げる。
中の水薬とにらめっこ。
「魔石と魔獣の血から作った掛け薬ですわ。一時的に腐敗が消えて、綺麗なおみ足になりますの。呪いの魔法も跳ね除ける魔力効果絶大の防腐剤ですから、何度が使っているうちにヘル様のおみ足は綺麗になりしましてよ」
エポナさん、とってもドヤ顔。
「ほんまどすか、なんてすばらしい薬やろ。さっそく使わしていただきますわ」
エポナさんを見ていると凄い事ばかりやってくれる。
この為に魔獣の血を捨てなかったのね。
医療魔法って凄い。
この夜の入浴を切っ掛けに、ヘルはその足を隠さなくなった。
それが良かったのか悪かったのか、双頭のサタン兄弟はヘルの美脚に見とれてうっとりうっかり。
足を見せる前から美形の顔をチラチラ見ていた二人は、夕餉の時にボーとヘルに見とれている時間が長くなった。
驚異的な勢いで討伐し続けたけど、精霊界全体にはびこっていた魔獣の数は底なし。
大凡退治して終えるのに、三週間もかかってしまった。
一部の魔獣は、ゴブリンやグランガチ等の大型精霊に必要な食料になる。
ティンクに聞いて、必要量の魔獣を残しておく。
魔獣がまったくいなくなってしまうのも、精霊界にとっては困った現象なのだ。
これから冒険者が精霊界に入ってきても、高く売れるような大型魔獣は総て狩り終わっている。
これで、魔獣がらみの返り討ち被害はなくなる。
冒険者には、もう獲物が居なくなった事を出来るだけ早く知らせるべきだけど、ティンクには告知の為に何某かの動きをする様子がない。
討伐中にあった事故で、フェンリルがゴブリンから情報を仕入れているときに、知識の浅い冒険者が二人を魔獣と間違えて攻撃してきたことがあった。
精霊界ではよくある事故で、こういった場合、精霊界の決まりとして正当防衛を認めている。
誤認事故防止の為、精霊界で魔獣狩りをする冒険者には、魔獣鑑定眼が必須条件として要求されている。
これを知らない異世界からの冒険者には、魔獣鑑定眼を持たない者も多い。
返り討ちにあってしまう事案が後を絶たない原因だ。
こんな事故防止の為にも、無能な冒険者を早く追い出すべきなのなのに、どうして何もしないのか不思議。
「どうして魔獣が居なくなったって冒険者に教えてあげないの?」
リーダーであるティンクに聞いても「まだやる事があるんだよ」だけで理由は教えてもらえなかった。
討伐完了とした夜、食事の前にエポナさんとティンクが、今回の報酬について話を切り出した。
「わたくしは、魔石と魔獣のお肉を少しだけいただきます」
エポナさんのお目当ては魔石だったか。
「あたしは、もう運んじゃったけど、お土産用の工芸品に使う材料をもらうよ」
ティンクのお目当ては加工品の素材。
だから精霊達が一生懸命運んでいたのね。
「フェンリル様にはお好きな魔獣のお肉を、適当に見繕ってお持ち帰りいただくでよろしかったですか」
「おお、事の起こりは魔界の不手際、わしは元より報酬など期待しておらんかったからな、実に有難い申し出であるぞ」
エポナさんはフェンリルと既に話をつけてあったのか。
「ヘル様には例のお薬を全部お持ち帰りいただきます。で、よろしかったですわよね」
「うちはあないな素晴らしいお薬を、たーくさんいただけて感激どす」ヘルとも交渉済みってか。
なんて素早い動きを見せつけてくれるんだ。
「ベルゼには残りのお肉の売上金半分と、魔獣討伐の褒賞金だよ。ただし、お肉はもう少し待ってから人間界で大安売りのたたき売り。売る時の絶対条件だからね。本当に雀の涙程度だけど、これが精霊界からの褒賞金」
ティンクが革袋に入った褒賞金をベルゼに手渡す。
「いくら入ってるんすか?」
「小シェルリル貨が二枚」
「えー、二枚だけっすかー。本当に雀の涙っすね」
ベルゼよ、二枚だけじゃなくて二枚もだ。
シェルリル貨の価値を知らないのか。
小二枚で一千万円だぞ。
「ルシファー様と奈都姫様の報酬は、総てが解決してからになります。今しばらくお待ちくださいね」
これで話が終わった。
総てが解決してからって、討伐完了で終わりじゃなかったのかよ。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる