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一宮と篠岡 3

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(…………ッ♡…………♡♡……イッたぁ……♡♡イッちゃったぁ……♡きもち、いぃ……♡♡なかだし、されちゃってる………♡せーえき…なかだしざーめん……どろどろ……♡♡きもちいぃよぉ…しあわせぇ…♡セックスって……こんな気持ちいいんだぁ♡♡♡こんなの、忘れられなくなっちゃうぅ……♡♡)
 篠岡はメスイキの余韻に浸りながらそんなことを考えていた。身体の奥深くでイッた多幸感は全身を満たして、尻穴でイく悦びを教え込まれているようだった。
 一度それを覚えてしまえば忘れられるはずもなく、きっとまたどうしようもなく欲しくなる。篠岡はそんな予感がしていた。

 一方で、最後の一滴までをも篠岡の中に注ぎ込む一宮もまた射精の満足感をじっくりと味わう。
(はーー……っ気持ち良かった……♡めちゃめちゃ出る……っ♡やっぱこの穴なら気持ちよく出せるわぁ~♡♡なんも感じてませんってとこから、こんなぴくぴく震えてメスイキして……♡癖になりそ……♡♡)

 まるで人形のようだった篠岡の尻穴が快楽に震え、中のモノをぎゅうぎゅうと締めつけ絶頂している様は一宮の征服欲を心地よく満たした。冷めきっていた身体を自分のモノで熱くして、ついにはメスイキにまで至らせたことは達成感すら感じるものだった。
 得た満足感もまた他の何かで置き換えられるものではなく、そうして一宮は【muro】の常連客になっていく……。


 つまるところ、この二人は相性がものすごく良かった。お互いに普段は満たせない、他の誰かでは手の届かないところに触れてもらえる、持ちつ持たれつな関係だった。


「はあー、今日は気持ちよくしてもらっちゃったし、裏作業もまあまあ進んだし。いい時間だったな」
 篠岡はシャワーを浴びて帰り支度をしながらそう振り返る。

「…………また、来ないかな。来てくれたら、嬉しい……かも」

 そう呟いて篠岡は顔も名前も知らない一宮とまたセックスできることを待ち望んでいる自分に気付く。
 そしてそれは、一宮もまた同じだった。

 いくら二人の相性が抜群でも、お互いのことは何も知らないし、連絡手段もない。二人がまた交わるのは、篠岡の出勤と一宮の来店のタイミングが嚙み合ったときだけだ。
 人はそう簡単に手に入らないものほど欲しくなるもの。篠岡と一宮は触れ合えない間も、日常の中でふとお互いのことを思い合うことだろう……。
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