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代田と藤沢
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一方、イベント日を楽しみにしているのは藤沢も同じだった。藤沢はたまに事務所ですれ違う代田のことを密かに見ていた。
地味な見た目で大人しそうな、黒髪眼鏡の男の子。若く見えるけれど、多分歳上だろうとわかっていた。派手な見た目で遊んでいる友達の多い藤沢にとってみれば、あまり関わらないタイプの人がこの店の人気ナンバーワンだというのだから興味があった。
だからイベントの日は必ず代田の隣のブースに入りたかった。
「おはようございます。今日、お隣いいですか?」
「あ、え……おはようございます。……い、いいですけど……?」
回りくどいことは苦手だし、きっと人気ナンバーワンの彼が気になっているキャストは多いはずだ。だからこっそり隣になれるようにするのではなく、直接お願いするのがいいと藤沢は考えた。
藤沢自身は代田に続く人気キャストだ。彼が言い出したことなら、同じように代田の隣になりたかった他の人たちも横入りはしてこない。
「やった。じゃあよろしくお願いします」
「……はい。よろしく」
急にきれいな子に話しかけられたな、と代田は驚いていた。店のキャスト同士はあまり交流がないから、にこにこと誘い合わせてくるとは思っていなかった。
(……こんな綺麗な子に色々見られるなんて、ちょっと恥ずかしいな……)
代田はそう思いながら、胸をドキドキさせていた。
壁穴に自分の身体をセッティングするところまで見られるのは、なんだか少し滑稽で妙な恥ずかしさがあった。開店時間まで数分、準備をしながらなんとか緊張を和らげるように努めた。
「このイベントは初めてですよね?」
「あ……はい。前回は仕事が忙しくて、出勤できなくて……ていうか、僕のこと知ってるんですか」
「そりゃね。一番人気がどんな子なのか、みんな気になってると思いますよ」
「人気なんて、そんな………」
下半身は壁の向こうで、上半身はうつ伏せの状態で腕に乗せた顔を向き合わせながら二人は話した。
やがて開店時間を告げるチャイムが鳴る。
「代田さんって、リツキって言うんですね」
「はい。あ、ごめんなさい……僕は、あまり他のキャストさんのお名前知らなくて」
「俺、藤沢っていいます。藤沢直生。ナオでいいですよ」
「い、いきなり名前呼びはハードル高いんで……藤沢くんで」
「そう? 俺は律貴くんって呼んでいいですか?」
「それはうん、好きに呼んでください」
お互い壁の向こうでは下半身裸で、ローションを仕込んだ尻を丸出しにしながら自己紹介し合うなんて、なんともおかしなシチュエーションだった。
そして話しているうちに、客がフロアに入り始めていた。
「おお、人気ナンバーワンツーが隣合ってるじゃん♡」
「本当だ。いいねぇ♡仲良くかわいいケツ並べて、一緒に犯されたいのか~?」
店は客同士はそれなりに話したりなどが起きるようだった。もちろん寡黙で黙って使ってサッと帰る客も多いが、性がオープンな場で開放的になりコミュニケーションを取ることも多かった。
「お兄さん、どっち使います?」
「僕はこっちの子のアナル舐めしてやるのが好きなんで、ナンバーワンくんどうぞ!」
「おっ、じゃあ俺はこっちで。よろしく~♡」
代田を使う男がそう言いながら尻や太ももをすりすり♡と撫でた。
「藤沢くんは、なんで今日隣がよかったの……ッ、ひゃぅ……♡」
壁の向こうでは代田はそう藤沢に話している最中で、尻を撫でられて言葉の途中でぴくりと反応して喘いでしまった。
「わ、触られました?さすが、はやいなぁ……っあ♡お、おれも……っ♡ん♡」
「……っふ、……♡ふたりいっしょに、みたいだね……」
二人の並んだ尻は同時に来店した男二人に同時にもにもに♡と揉み込まれる。尻肉をいやらしく撫でられたり穴が広がるように引っ張られたりして、代田の無表情な顔に少し力が入って歪み、白い頬にピンク色がさす。
地味な見た目で大人しそうな、黒髪眼鏡の男の子。若く見えるけれど、多分歳上だろうとわかっていた。派手な見た目で遊んでいる友達の多い藤沢にとってみれば、あまり関わらないタイプの人がこの店の人気ナンバーワンだというのだから興味があった。
だからイベントの日は必ず代田の隣のブースに入りたかった。
「おはようございます。今日、お隣いいですか?」
「あ、え……おはようございます。……い、いいですけど……?」
回りくどいことは苦手だし、きっと人気ナンバーワンの彼が気になっているキャストは多いはずだ。だからこっそり隣になれるようにするのではなく、直接お願いするのがいいと藤沢は考えた。
藤沢自身は代田に続く人気キャストだ。彼が言い出したことなら、同じように代田の隣になりたかった他の人たちも横入りはしてこない。
「やった。じゃあよろしくお願いします」
「……はい。よろしく」
急にきれいな子に話しかけられたな、と代田は驚いていた。店のキャスト同士はあまり交流がないから、にこにこと誘い合わせてくるとは思っていなかった。
(……こんな綺麗な子に色々見られるなんて、ちょっと恥ずかしいな……)
代田はそう思いながら、胸をドキドキさせていた。
壁穴に自分の身体をセッティングするところまで見られるのは、なんだか少し滑稽で妙な恥ずかしさがあった。開店時間まで数分、準備をしながらなんとか緊張を和らげるように努めた。
「このイベントは初めてですよね?」
「あ……はい。前回は仕事が忙しくて、出勤できなくて……ていうか、僕のこと知ってるんですか」
「そりゃね。一番人気がどんな子なのか、みんな気になってると思いますよ」
「人気なんて、そんな………」
下半身は壁の向こうで、上半身はうつ伏せの状態で腕に乗せた顔を向き合わせながら二人は話した。
やがて開店時間を告げるチャイムが鳴る。
「代田さんって、リツキって言うんですね」
「はい。あ、ごめんなさい……僕は、あまり他のキャストさんのお名前知らなくて」
「俺、藤沢っていいます。藤沢直生。ナオでいいですよ」
「い、いきなり名前呼びはハードル高いんで……藤沢くんで」
「そう? 俺は律貴くんって呼んでいいですか?」
「それはうん、好きに呼んでください」
お互い壁の向こうでは下半身裸で、ローションを仕込んだ尻を丸出しにしながら自己紹介し合うなんて、なんともおかしなシチュエーションだった。
そして話しているうちに、客がフロアに入り始めていた。
「おお、人気ナンバーワンツーが隣合ってるじゃん♡」
「本当だ。いいねぇ♡仲良くかわいいケツ並べて、一緒に犯されたいのか~?」
店は客同士はそれなりに話したりなどが起きるようだった。もちろん寡黙で黙って使ってサッと帰る客も多いが、性がオープンな場で開放的になりコミュニケーションを取ることも多かった。
「お兄さん、どっち使います?」
「僕はこっちの子のアナル舐めしてやるのが好きなんで、ナンバーワンくんどうぞ!」
「おっ、じゃあ俺はこっちで。よろしく~♡」
代田を使う男がそう言いながら尻や太ももをすりすり♡と撫でた。
「藤沢くんは、なんで今日隣がよかったの……ッ、ひゃぅ……♡」
壁の向こうでは代田はそう藤沢に話している最中で、尻を撫でられて言葉の途中でぴくりと反応して喘いでしまった。
「わ、触られました?さすが、はやいなぁ……っあ♡お、おれも……っ♡ん♡」
「……っふ、……♡ふたりいっしょに、みたいだね……」
二人の並んだ尻は同時に来店した男二人に同時にもにもに♡と揉み込まれる。尻肉をいやらしく撫でられたり穴が広がるように引っ張られたりして、代田の無表情な顔に少し力が入って歪み、白い頬にピンク色がさす。
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