画面越しの性欲からピュアな恋なんて始まるわけがない!?

おさかな

文字の大きさ
上 下
11 / 31

見られなくてよかった

しおりを挟む
 じゃあ、脱いじゃおっか♡と耳元で妖しく囁かれて、背中がぞくりとした。榛名くんは時折そうして意識しているのかしていないのかわからないが、やたらと男を煽るようなことをするから困る。
 これから与えられる快感への期待で指がうまく動かないながらも、もたもたとベルトを外し、下着ごとずり下げる。
 下着からぼろりと溢れ出た俺のモノは、はち切れそうなくらいに膨れていて、たらたらと僅かにカウパーが漏れている。

「すご。もうがちがちだね……♡」
「恥ずかし……」
「僕も恥ずかしいとこ見られてるんだし、お互い様ってことで、ね?」
「う、うん……は、ア……ッ♡」
 するりと下から掬い上げるような動きで、榛名くんの手が俺の竿部分を指先でなぞり、それを軽く持ち上げた。たったそれだけのことで、情けない声が僅かに漏れ出る。

 そのまま榛名くんのなめらかな手が、ゆるりとやさしい力で全体を擦り始める。多分俺が痛くならないように、先端から溢れているカウパーを塗り広げるような動作だった。手を動かされるたび、くちくちと濡れた音がかすかに響く。

「きもちい?」
「きもち、いいっ……♡はぁ……っ」

 指で輪っかを作って、カリの部分にひっかかるように、軽く揉み込むみたいにしてしごかれると、目眩がしそうなくらいに気持ち良い。

 やばい。俺いま、あの憧れの子に手コキしてもらってるんだ。
 そう思うと、興奮が高まりすぎてすぐにイッてしまいそうになる。

 それでなくとも、ずっと我慢していたところにようやく刺激を与えられて、しかもやはりと言うべきか、榛名くんの手つきはとてもいやらしくて、巧みだった。強い力はかけてこないけれど、感じるところを的確に丁寧に、耐えられるか耐えられないかギリギリのラインで快楽をくれる。

「はっ、……っ、ん、はる、……っ♡」
「好きなときに、出していいよ」
「…ッア、…はるなくん…っ! イきそ………♡」
「いいよ、イッちゃお」
 頭の中が、ショートしそうだった。声を上げて感じてるところが恥ずかしくて見ないでほしいような気持ちもあるし、榛名くんの痴態でしぬほど興奮してるところを見てほしいような気持ちもある。ずっとこうしていてほしいのに、一秒でもはやく気持ち良く出してしまいたい。

 まとまらない思考のまま、ふいに視線を上げると、榛名くんと目が合う。すると彼は、ふわりと微笑んでくれたのだった。

「……っっ!! ア……、んんぅぅっ………ッ♡」

 その顔を見て、耐えられなかった。せめておかしな声をあげてしまわないように必死に息を殺して、榛名くんの手の中にびゅるるるっ♡と射精した。
 目を見つめたままではいられず、顔を俯かせてしまったのは、イクときに体を丸めてしまう男の癖みたいなもので、わざとそうした訳ではなかった。けれど、イキ顔を真正面から見せるようなことにならずにホッとした。

 見られずに済んだことにホッとしている自分に気付いて、俺には『見られたい』みたいな趣味はないんだな、と実感する。さっき榛名くんが『見てて』と喘いでいたことを思い出して、やっぱりすごくエッチだ……と、改めて考えてしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

幸せの温度

本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。 まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。 俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。 陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。 俺にあんまり触らないで。 俺の気持ちに気付かないで。 ……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。 俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。 家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。 そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

処理中です...