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恋人セックス 1
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「佐々木っ!お待たせ」
「おーっ、早いな。さすが有栖川」
結局あの後も後輩の質問に答えたりして少し仕事が押してしまった有栖川は、定時上がりはできなかった。
定時に仕事を終えた佐々木は先に会社を出て、「つまみ買っといたよー!」とラインをくれた。
駅で待ち合わせて、ふたりで同じ電車に揺られて佐々木の家に向かう。
「今日に限ってちょっとトラブっちゃうんだから、ついてないな」
「どんまいどんまい。てか、ふつーに有栖川悪くないやつだったじゃん。しかも十五分くらいでしょ」
「せっかく佐々木と約束あったのにさ。まあ仕方ないけど」
「いーよ、俺ぜんぜん待ってないし。むしろはえーって思ったんだけど」
「頑張ったんだよ。楽しみにしてたから」
「かわいいこと言うねー♡まあ俺もだけど♡」
佐々木の家はさほど遠くないし、駅チカなので久しぶりの訪問に緊張している暇もない。
そもそも友達同士だから緊張する間柄でもないはずだが、好きだとはっきり自覚してしまうと妙に緊張してしまうものだった。
(佐々木はべつに緊張とか期待とかなさそう。そりゃそうか。楽しみにしてくれてただけで、嬉しいけど)
部屋に入ると、言ってた通りに少し散らかっていた。とはいえ生活感があるレベルのもので、普通はこんなものだろうという程度の散らかりで、そこも佐々木らしかった。
「てきとーに座って、つまみ開けてていいよー。お酒とグラス取ってくる」
「ありがとう。あ、これうまそう。気になってたんだよな」
「えー!どれー?」
有栖川がそういうと、もうキッチンの方へ行っていた佐々木がでっかい声で返事をする。戻ってきてからでいいのに、と有栖川はおかしくて笑う。
「じゃあ、のもー!おつかれ!」
「お疲れ様」
佐々木は酒が強い。有栖川も弱い方ではないが、今日はあんまり酔いたくはなかったので味わいながらゆっくりと飲んだ。
「ほんと酔っても何にも変わらないよね、佐々木」
「そー。全然酔わないや俺。ちょっと楽しくなるかなーくらい。でも有栖川と一緒ってのがたのしーんだよな、たぶん」
そんな嬉しくなってしまうようなことを平気で言う佐々木は罪な男だ。そんな風に言われると、少し甘えたくなってしまう。
「……まこと」
「へ?」
「……今日、呼んでくれたじゃん。もう呼んでくれないの?」
「えっ……え、おれ、誠って……呼んでた?」
「うん。トイレで……してたときに」
有栖川がそう言うと、佐々木は珍しく焦って顔を赤くする。酒を飲んでも赤くならないのに、自分のことで赤面しているのが、なんだか嬉しい気がした。
「……っうわ~~……まじか。めっちゃ無意識……はっず……」
「……俺は、嬉しかったんだけど」
「ぇ……まじ…?キモくない?俺」
「キモいわけないだろ……俺、あんまり名前で呼ばれることないから……」
「ああ、確かにな?」
無意識に、普段呼ばない名前がふと出てくるものだろうか。佐々木の言動で、有栖川はぐるぐると考えて悩んでばかりだ。
「……ううん。違うな……。佐々木に呼ばれたから、嬉しかった」
「俺に……?」
「ねえ俺、気付いちゃったんだよね。俺、こんなだけどさ……佐々木のこと、好きなんだ」
好きの気持ちが抑えきれなくて、はっきりとそう伝える。佐々木は驚いた顔をしている。
「は……まじ……?俺が?……俺のちんぽがとかじゃなくて?」
「~~ッ言われると思った!そう思われても、仕方ないけど……今日も、その……してるところ、見られてるし」
「あ、いや、あれは……使われてただけじゃん」
「……うん、そう。それでも俺ってさ、気持ちよくなれちゃうわけ。あんな雑にモノ扱いされても、感じる変態なんだよ。……それでも、お前のこと好きだって言ったら……信じられる……?」
佐々木はそう言われて、暫く有栖川をじっと見つめる。
「…………信じるよ。お前はそういう冗談言うやつではないじゃん」
「……ほんと?」
「~~~…ほんとだよ!」
佐々木は少し怒ってるみたいに言って、それから有栖川をぎゅっと抱き締めた。
「…………っはーーー!え~、でもなんで俺?その信じてもらえて嬉しそうなそういう顔とか、め……っちゃかわいいんだけど……!!♡」
「ぅ、う♡ささき、くるしいよ……」
「ごめん、でも離したくない!有栖川、まじでかわいすぎ……ちょー好き……」
「すき?おれのこと……?」
「好きだよ。ずっと。でもお前は誰のものにもならないんだと思ってた。正直言うと俺も性癖かなり歪んでるし、今日だってお前が犯されてるの見て興奮してた……」
佐々木の告白はすごく意外なものだったけれど、そういう趣向があるなら有栖川のことを好きなのも理解できる気がした。
「はあ………これ夢?俺、有栖川の彼氏になっていいの?」
「いいっていうか…………俺こそ、いいの?俺、ふつうじゃないよ……?」
「そりゃ、俺もだろ。……誠。どうしようもなく変態で、すぐ気持ちいいことに負けちゃうお前が、誰よりかわいくて、大好きだよ。俺と付き合お……?」
「…………うれしい。佐々木…………」
付き合うことになって初めてのキスはすごくお酒臭くて色っぽくなかったけど、そのぶん舌を深く絡めるほどにお互いの吐息で酔ってしまいそうだった。
「ん、んちゅ……♡ささきぃ、すき…………♡ん、ちゅ、ちゅ……♡♡」
「俺のことも名前で呼んで?孝一って♡」
「こういち……♡は、ふふ……♡恥ずかしいな、これ……ぁ♡」
「あー、めっちゃかわいい。ねえ、今すぐ抱きたいんだけど」
「いいよ……♡ちゃんと中、綺麗にしてあるから……♡♡」
「……っあ~~好き♡好き♡まこと、かわいい♡好き……♡♡」
ちゅっ♡ちゅうっ♡♡れろ♡れる……♡すり♡すりすり♡くに、くに……♡
佐々木はキスをしながら有栖川のシャツの裾をスラックスから引き抜き、そこから手をもぐり込ませて胸をまさぐる。性急だけど優しくて、でも有栖川を的確に気持ちよくするための愛撫♡気持ちよくて、でももどかしい力加減………♡
「んぅ♡んん♡は、ぁ♡きもちいぃ……っ♡ちくび、きもちい♡こーいち…♡ちくび、なめてぇ……?♡」
「いいよ♡じゃあもう、全部脱いじゃおうか……?♡」
有栖川は佐々木の手であっという間に裸にされてしまう。もう何度も裸は見られているし、肌も重ねているのに、好き同士になってからだと妙な恥ずかしさがわいてくる。
「あんっ♡あ♡んんんっ♡♡は、あぅっ♡♡きもちいぃ…ッ♡♡う、うぅ……っ♡あ♡♡がじがじ♡らめ♡♡ァ゙んっ!♡♡」
「だめなの?♡気持ちいい声出てるよ?♡」
すりすりと擦られたり揉まれたりして敏感になった乳首に軽く歯を立てられると、びりびりと激しい快感が身体に走る。思わず腰をくねらせて快楽を逃がそうとする有栖川。その動きはとんでもなく男を誘う仕草だった。
「おーっ、早いな。さすが有栖川」
結局あの後も後輩の質問に答えたりして少し仕事が押してしまった有栖川は、定時上がりはできなかった。
定時に仕事を終えた佐々木は先に会社を出て、「つまみ買っといたよー!」とラインをくれた。
駅で待ち合わせて、ふたりで同じ電車に揺られて佐々木の家に向かう。
「今日に限ってちょっとトラブっちゃうんだから、ついてないな」
「どんまいどんまい。てか、ふつーに有栖川悪くないやつだったじゃん。しかも十五分くらいでしょ」
「せっかく佐々木と約束あったのにさ。まあ仕方ないけど」
「いーよ、俺ぜんぜん待ってないし。むしろはえーって思ったんだけど」
「頑張ったんだよ。楽しみにしてたから」
「かわいいこと言うねー♡まあ俺もだけど♡」
佐々木の家はさほど遠くないし、駅チカなので久しぶりの訪問に緊張している暇もない。
そもそも友達同士だから緊張する間柄でもないはずだが、好きだとはっきり自覚してしまうと妙に緊張してしまうものだった。
(佐々木はべつに緊張とか期待とかなさそう。そりゃそうか。楽しみにしてくれてただけで、嬉しいけど)
部屋に入ると、言ってた通りに少し散らかっていた。とはいえ生活感があるレベルのもので、普通はこんなものだろうという程度の散らかりで、そこも佐々木らしかった。
「てきとーに座って、つまみ開けてていいよー。お酒とグラス取ってくる」
「ありがとう。あ、これうまそう。気になってたんだよな」
「えー!どれー?」
有栖川がそういうと、もうキッチンの方へ行っていた佐々木がでっかい声で返事をする。戻ってきてからでいいのに、と有栖川はおかしくて笑う。
「じゃあ、のもー!おつかれ!」
「お疲れ様」
佐々木は酒が強い。有栖川も弱い方ではないが、今日はあんまり酔いたくはなかったので味わいながらゆっくりと飲んだ。
「ほんと酔っても何にも変わらないよね、佐々木」
「そー。全然酔わないや俺。ちょっと楽しくなるかなーくらい。でも有栖川と一緒ってのがたのしーんだよな、たぶん」
そんな嬉しくなってしまうようなことを平気で言う佐々木は罪な男だ。そんな風に言われると、少し甘えたくなってしまう。
「……まこと」
「へ?」
「……今日、呼んでくれたじゃん。もう呼んでくれないの?」
「えっ……え、おれ、誠って……呼んでた?」
「うん。トイレで……してたときに」
有栖川がそう言うと、佐々木は珍しく焦って顔を赤くする。酒を飲んでも赤くならないのに、自分のことで赤面しているのが、なんだか嬉しい気がした。
「……っうわ~~……まじか。めっちゃ無意識……はっず……」
「……俺は、嬉しかったんだけど」
「ぇ……まじ…?キモくない?俺」
「キモいわけないだろ……俺、あんまり名前で呼ばれることないから……」
「ああ、確かにな?」
無意識に、普段呼ばない名前がふと出てくるものだろうか。佐々木の言動で、有栖川はぐるぐると考えて悩んでばかりだ。
「……ううん。違うな……。佐々木に呼ばれたから、嬉しかった」
「俺に……?」
「ねえ俺、気付いちゃったんだよね。俺、こんなだけどさ……佐々木のこと、好きなんだ」
好きの気持ちが抑えきれなくて、はっきりとそう伝える。佐々木は驚いた顔をしている。
「は……まじ……?俺が?……俺のちんぽがとかじゃなくて?」
「~~ッ言われると思った!そう思われても、仕方ないけど……今日も、その……してるところ、見られてるし」
「あ、いや、あれは……使われてただけじゃん」
「……うん、そう。それでも俺ってさ、気持ちよくなれちゃうわけ。あんな雑にモノ扱いされても、感じる変態なんだよ。……それでも、お前のこと好きだって言ったら……信じられる……?」
佐々木はそう言われて、暫く有栖川をじっと見つめる。
「…………信じるよ。お前はそういう冗談言うやつではないじゃん」
「……ほんと?」
「~~~…ほんとだよ!」
佐々木は少し怒ってるみたいに言って、それから有栖川をぎゅっと抱き締めた。
「…………っはーーー!え~、でもなんで俺?その信じてもらえて嬉しそうなそういう顔とか、め……っちゃかわいいんだけど……!!♡」
「ぅ、う♡ささき、くるしいよ……」
「ごめん、でも離したくない!有栖川、まじでかわいすぎ……ちょー好き……」
「すき?おれのこと……?」
「好きだよ。ずっと。でもお前は誰のものにもならないんだと思ってた。正直言うと俺も性癖かなり歪んでるし、今日だってお前が犯されてるの見て興奮してた……」
佐々木の告白はすごく意外なものだったけれど、そういう趣向があるなら有栖川のことを好きなのも理解できる気がした。
「はあ………これ夢?俺、有栖川の彼氏になっていいの?」
「いいっていうか…………俺こそ、いいの?俺、ふつうじゃないよ……?」
「そりゃ、俺もだろ。……誠。どうしようもなく変態で、すぐ気持ちいいことに負けちゃうお前が、誰よりかわいくて、大好きだよ。俺と付き合お……?」
「…………うれしい。佐々木…………」
付き合うことになって初めてのキスはすごくお酒臭くて色っぽくなかったけど、そのぶん舌を深く絡めるほどにお互いの吐息で酔ってしまいそうだった。
「ん、んちゅ……♡ささきぃ、すき…………♡ん、ちゅ、ちゅ……♡♡」
「俺のことも名前で呼んで?孝一って♡」
「こういち……♡は、ふふ……♡恥ずかしいな、これ……ぁ♡」
「あー、めっちゃかわいい。ねえ、今すぐ抱きたいんだけど」
「いいよ……♡ちゃんと中、綺麗にしてあるから……♡♡」
「……っあ~~好き♡好き♡まこと、かわいい♡好き……♡♡」
ちゅっ♡ちゅうっ♡♡れろ♡れる……♡すり♡すりすり♡くに、くに……♡
佐々木はキスをしながら有栖川のシャツの裾をスラックスから引き抜き、そこから手をもぐり込ませて胸をまさぐる。性急だけど優しくて、でも有栖川を的確に気持ちよくするための愛撫♡気持ちよくて、でももどかしい力加減………♡
「んぅ♡んん♡は、ぁ♡きもちいぃ……っ♡ちくび、きもちい♡こーいち…♡ちくび、なめてぇ……?♡」
「いいよ♡じゃあもう、全部脱いじゃおうか……?♡」
有栖川は佐々木の手であっという間に裸にされてしまう。もう何度も裸は見られているし、肌も重ねているのに、好き同士になってからだと妙な恥ずかしさがわいてくる。
「あんっ♡あ♡んんんっ♡♡は、あぅっ♡♡きもちいぃ…ッ♡♡う、うぅ……っ♡あ♡♡がじがじ♡らめ♡♡ァ゙んっ!♡♡」
「だめなの?♡気持ちいい声出てるよ?♡」
すりすりと擦られたり揉まれたりして敏感になった乳首に軽く歯を立てられると、びりびりと激しい快感が身体に走る。思わず腰をくねらせて快楽を逃がそうとする有栖川。その動きはとんでもなく男を誘う仕草だった。
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