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1章:家って森の中にあるんですね

私メリー、今学校にいるの

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  嗚呼、眠い

  「太陽が鬱陶しい・・・溶ける」

  思わずつぶやく。だって暑いんだもん

  今は学校のお昼の休憩時間。殆どの生徒が学食や、屋上でお昼ご飯を楽しむひと時を送っている中、2人の少女が弁当を食べていた。

  「まぁーたミズキはそんな事言って、せっかくの可愛いお顔が台無しじゃない」

  あ、あの?叩かないでくれますかねユキノさん?
  私は学校ではミズキと名乗っている。メリーのままだと日本人っぽく無いですからね。ついでにミズキは前世の私の名前です。

  「ユキノぉ・・・痛い」

  「ごめんごめん。」

  ~♪

  珍しい、お昼の呼び出しなんて。

  メリーは『使命』のくるメリーさんの電話の怪談用のスマートフォンとは別にミズキとしての電話を持っている。今なったのはメリーの電話だ。学校の校則で、ミズキの電話は預けている。メリーの電話はメリーとその被害者・・・『対象者』以外にはその存在、音さえ認識できない。なので、今の着信音はユキノには聞こえなかっただろう。

  「でさ~、ミズキ・・・あれ?ミズキ?さっきまでそこにいたのに・・・?」

  さっきまでメリーがいた所には、メリーが食べていたお弁当、そして「少ししたら戻るから」と書かれた紙が1枚残っていた。







  プルルルルッ
  ガチャッ

  「もしもし?」

  若い・・・?18歳くらいかな

  「私メリー、今朝日公園にいるの」

  「・・・・っ!?・・・リ・・・え?」

  何か言ってる?

  だが、聞き返す前に強制的に電話が切れる。これは『そういうものだからしょうがない』らしい。基本セリフを言い終わると電話は切れる。

  プルル
  ガチャッ

  出るの早くなかったかな?まぁ、いいか

  「もしもし、メリーちゃん」

  なんで分かったの?さっき電話したからかな

  「私メリー、今朝日町の交差点の角にいるの。」

  「待ってるから」

  ツーッツーッ

  わ、私怖がらせるんだよね?こっちが怖くなってきちゃったんだけど

  少し青ざめた顔をペチペチと音を立てて叩くと「よしっ!」と言って歩き出した。

  プル
  ガチャッ

  は、早い!出るの早すぎるよ

  「ふふっ・・・メリーちゃん、今どこにいるのかな?教えてよ」

  「教えてよ」の所だけ囁くように言われ、実際に耳元で囁かれた様な気がしてメリーの脚が震え膝から崩れ落ちた

  「ひぁっ・・・!?わ、私メリー、今貴方の家の前にいるの。」

  「ひぁって・・・ふふっ可愛いねぇー、ねぇか」

ツーッツーッ

  か、かかかか可愛いっ!?

  顔を真っ赤にしたメリーは頭をふると立ち上がり、スカートに付いてしまった砂を払った。そして、玄関に立ち、ふぅっと深呼吸をし、扉に手をつけた。そうすると一瞬当たりが1面光り、メリーは『対象者』の後ろに立つ。

  「私メリー、今、貴方の後ろにいるの・・・ってあれ?」

  そこには2人の顔のよく似た少年と少女が立っていた。
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