異世界転生ワールド

ユキワラシ

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第1章:ようこそ！異世界バブロニア王国

第43話「運命の対決――ゼルトVS紫苑」

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時の神殿の最奥部、「時の石の間」。

空間が歪み、黒い霧がゆっくりと広がる中、紫苑たちはゼルトと対峙していた。

「ふふ…ようやくこの時が来たな。」ゼルトの低く冷たい声が響く。

彼の身体から放たれる漆黒のオーラは、まるで全てを飲み込むように揺らめいていた。

悠斗が一歩前に出る。「ゼルト…！お前がこの世界を歪めた元凶なのは、もう分かってる。」

「そして、これ以上お前の好きにはさせない！」リュウが剣を構え、鋭い眼差しを向ける。

ゼルトは小さく笑った。「ククク…お前たち、"本当に"俺を止められると思っているのか？」

その瞬間、ゼルトが指を軽く弾くと、空間が激しく揺れ、紫苑たちの足元に無数の黒い裂け目が現れた。

「くっ…！？」

紫苑たちは瞬時に回避するが、その裂け目からは次々と異形の怪物たちが現れる。

「こいつら…！？」サラが双剣を構えながら叫ぶ。

「"虚無の影"…ゼルトが生み出した存在か。」アスラが冷静に分析する。

ゼルトはゆっくりと歩みを進めながら、楽しそうに言った。「さあ、どうする？"時の石の守護者"たちよ。」

戦闘開始――紫苑たちVSゼルトの影

「くっ…！まずはこの影を片付ける！」紫苑が剣を振るい、前線に立つ。

リュウとサラがすぐに左右から援護する。

「うおおおっ！！」リュウが炎をまとった剣を振り下ろす。

「はぁぁっ！！」サラは素早い連撃で影を切り裂く。

悠斗は時の石を手にし、集中する。「"時の魔法"…この空間を固定する！」

悠斗が呪文を唱えると、時の石が輝き、ゼルトの放った歪みが一瞬だけ止まった。

「今だ！」紫苑がゼルトに向かって突撃する。

しかし――

「甘い。」

ゼルトが片手を振るうと、紫苑の前に巨大な黒い刃が出現し、衝突する。

ズガァァァン！！

紫苑は吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。

「紫苑！」サラが駆け寄る。

「…っ、大丈夫…！」紫苑はすぐに立ち上がるが、ゼルトの力が圧倒的であることを悟る。

ゼルトは紫苑を見下ろし、冷たく言う。「お前たちは、所詮"この世界の仮初の存在"。俺の力には到底及ばない。」

覚醒――時の石の真の力

「……そんなこと、ない。」

悠斗がゼルトを睨みつける。

「時の石が、俺たちをここまで導いてくれたんだ。」

悠斗は時の石を高く掲げる。

「僕たちは、この世界の未来を掴むために、ここにいるんだ！！」

その瞬間、時の石がまばゆい黄金の光を放った。

ゼルトの表情が一瞬、険しくなる。「何…？」

紫苑、サラ、リュウ、悠斗――全員の体が淡く光り始める。

「時の石が…僕たちを認めたんだ。」

悠斗の手の中で時の石が砕け、新たな力が彼らの中に流れ込む。

紫苑は剣を握りしめると、それが黄金の輝きを帯びた神剣へと変わった。

「これが…"時を超える力"…！」

ゼルトが不敵に笑う。「面白い。だが、それでも俺を倒せるか？」

紫苑はゼルトをまっすぐに見据え、力強く言った。

「試してみる？」

決戦――紫苑VSゼルト、最終ラウンド

「行くぞ！！」

紫苑がゼルトに向かって疾走する。

ゼルトが闇の剣を振り下ろすが、紫苑はその動きを読み、一閃で受け流す。

カァァァン！！

「なに…！？」ゼルトの目が驚愕に見開かれる。

リュウとサラも続く。

「俺たちの力、見せてやる！」

リュウの炎の剣がゼルトの周囲の影を焼き払い、サラの双剣がゼルトの動きを封じる。

悠斗は両手を組み、時の魔法を発動させる。

「"時の牢獄"――発動！！」

ゼルトの動きが一瞬、鈍る。

「…これが、お前たちの覚醒した力か。」ゼルトが苦笑する。

紫苑が最後の決め手となる剣を振り上げた。

「これで終わりよ…！！」

「神剣・天翔閃！！」

黄金の剣が光を放ち、ゼルトに向かって一直線に振り下ろされる――。

次回、第44話「ゼルト陥落――決着の時」

紫苑の一撃はゼルトに届くのか？時の石の力を覚醒させた彼らの戦いが、ついに決着を迎える――。

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