『Pâtisserie Hina 〜夢と絆のスイーツ物語〜』

第7章 フードアカデミーニューヨーク校開校！

第157話: 家族の成長と新たな挑戦

陽菜の3人目の妊娠が分かり、家族全員がその喜びを分かち合ってから数ヶ月が経った。和真と陽菜は、これから迎える新しい命に向けて準備を進め、日々の忙しい仕事と家族との時間を大切に過ごしていた。

ある日の午後、和真がカフェの仕事を終えた後、陽菜と一緒に家で過ごす時間を持っていた。

「陽菜、体調はどう？無理してない？」

和真は陽菜の横に座り、心配そうに声をかける。陽菜はにっこりと笑って答えた。

「大丈夫よ、和真。最初は少し体がだるかったけど、今はだいぶ落ち着いてきたわ。あなたがいつもサポートしてくれるから、本当にありがたい。」

和真は安心したように頷き、陽菜の手を取った。

「僕も、陽菜が元気でいることが一番大事だから。無理せず、休めるときはしっかり休んでね。」

その日、和真は陽菜と一緒に新しい家族のために必要な準備をすることを決めた。ベビーベッドやおもちゃ、服など、すでに揃えておかなければならないものがたくさんあった。

「そろそろ、ベビーベッドを買いに行こうか。あとは、部屋を少し改装しておくといいかもしれないね。」

陽菜は和真の提案に頷き、家の中での新しい環境作りにワクワクしていた。3人目の子どもが生まれることで、家の中がより賑やかになり、家族の絆も深まっていくことを感じていた。

また、フードアカデミーやカフェの方でも新たな動きがあった。フードアカデミーでは、毎年開催される料理コンテストが近づいており、陽菜や和真はその準備にも忙しく動き回っていた。陽菜は自分の妊娠を心配して、スタッフや仲間たちに負担をかけないよう気を使いながらも、自分の役割をしっかり果たそうと努めていた。

その一方で、和真は陽菜のサポートをしながら、カフェの新しいメニュー開発に取り組んでいた。和真は、これまでのメニューに加え、さらに革新的なスイーツや料理を提案して、カフェの評判をますます高めようとしていた。

ある日、陽菜は和真にふと思いついたアイデアを話すことにした。

「和真、ちょっと考えていることがあるの。新しいメニューを考えるだけじゃなくて、今度はカフェで“家族向け”のスペシャルイベントを開催してみない？」

和真は陽菜の提案を聞き、興味深そうに答えた。

「それは面白いね。どんなイベントを考えているの？」

陽菜は笑顔で続けた。

「例えば、親子で参加できるスイーツ作りのワークショップとか、赤ちゃん連れの親たちが集まれるようなランチイベントとか。家族向けの温かい空間を提供できるようなイベントを開催したいなと思って。」

和真はそのアイデアに賛成し、早速計画を立てることになった。陽菜は、家族向けのイベントを通じて、カフェがさらに地域の人々に愛される場所になることを願っていた。

そして、妊娠中の陽菜は、家族や仲間たちに支えられながら、少しずつ新たな命を迎える準備を整えていく。和真と陽菜の家族はますます絆を深め、これからの未来に希望を抱いて歩んでいった。