『Pâtisserie Hina 〜夢と絆のスイーツ物語〜』

第7章 フードアカデミーニューヨーク校開校！

第129話: "広がる未来"

「ルイ＆玲奈 フードアカデミー」の開校から数ヶ月が経ち、スクールはすでに評判を呼び、多くの生徒が学ぶ場所へと成長していた。ルイと玲奈は日々、生徒たちの指導に情熱を注ぎ、カフェとスクールの両立に奮闘していた。

　ある日、スクールの事務所でルイが書類を整理していると、玲奈が慌てた様子で入ってきた。

「ルイ、大変！新しい申し込みが予想以上に増えていて、教室が足りなくなりそうなの！」

「そんなに？でも、嬉しい悲鳴だね。」ルイは微笑みながら玲奈の手から書類を受け取った。

「このままじゃ、来年度からの新規受け入れが難しくなるかもしれない……」玲奈は真剣な表情でルイを見つめた。

「なら、思い切ってスクールを拡張するしかないな。」

「拡張って……そんなすぐにできるの？」玲奈は驚いた顔をした。

「もちろん簡単じゃない。でも、僕たちはここまでカフェを大きくしてきたんだ。できないことはないはずさ。」ルイは自信に満ちた表情で言った。

　二人はすぐに計画を立て始めた。

◆新たな拠点の模索

　翌日、ルイと玲奈はパリ市内を歩きながら、新たなスクールの候補地を探していた。いくつかの物件を見て回ったが、なかなか理想的な場所が見つからない。

「やっぱり、場所選びって難しいね……」玲奈がため息をつく。

「うん。でも、僕たちの理想にぴったりの場所は、きっとどこかにある。」ルイは前向きに答えた。

　そんな時、一通のメールがルイのもとに届いた。

「ん？……これは……！」

「どうしたの？」玲奈が覗き込む。

「ニューヨークにある歴史的な建物が、リノベーション前提で売りに出されてるって……！」

「ニューヨーク？！」玲奈の目が大きく開かれる。

「ここなら、スクールとカフェを融合させた新しい形の施設が作れるかもしれない。」

　二人はすぐに現地視察の計画を立てた。

◆ニューヨーク視察

　数日後、ルイと玲奈はニューヨークに降り立った。物件はマンハッタンの中心地にあり、広々とした空間と美しいレンガ造りの外観が特徴的だった。

「素敵……！この場所なら、きっと最高のスクールが作れるわ！」玲奈は感動したように建物を見上げた。

「うん。問題は費用だけど……」ルイが悩むと、そこへ意外な人物が現れた。

「それなら、僕が協力しよう。」

「ジャン？！」

　そこにいたのは、以前カフェの投資を手伝ったジャンだった。

「君たちが本気で世界に食の文化を広めたいなら、僕もその夢を支えたい。」

「本当に……？」玲奈は驚きと喜びの混ざった表情を浮かべる。

「もちろんだ。ルイ、玲奈、君たちの料理には夢がある。僕はそれを信じているよ。」

　ルイと玲奈は顔を見合わせ、力強く頷いた。

「ありがとう、ジャン。」

　こうして、新たな夢が形になろうとしていた。

◆そして未来へ

　それから数ヶ月後、「ルイ＆玲奈 フードアカデミー ニューヨーク校」は正式に開校し、カフェと一体型の施設としてスタートを切った。

「ここから、さらに多くの人に食の魅力を伝えていこう！」ルイが意気込む。

「ええ、私たちの挑戦はまだまだ続くわ！」玲奈も笑顔で応じた。

　彼らの旅は終わらない。新たな未来に向けて、次なるステージへと歩みを進めていくのだった。