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27 誇らしく
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飾りつけも半分くらい終わって、大学生の子が頼んでくれていたケータリングの食事も終えた皆は、一度休憩をしようと畳の上に転がった。
男の子二人はカードゲームに目を付けて白熱の勝負を繰り広げている。
食事の片づけを手伝っていた俺が部屋に戻ると、エヤとミケがそんな男子たちから少し離れたところで泉美さんと何やら作戦会議をしているのが見えた。
会話の内容はこそこそとした声でしか聞こえてこなかったけど、泉美さんの弱ったような表情を見る限り、どうやら彼女の悩み事を相談しているようだった。
あんまり聞くのも悪いとは思ったけど、エヤとミケがどんなことを話すのだろうと少しだけ気になって、ギリギリ声が聞こえる場所に雑誌片手に座り込んだ。
エヤとミケは真剣な眼差しで泉美さんの声に耳を傾ける。
「どう思うエヤちゃんミケちゃん。私、ほら、ダサいからさ……」
泉美さんは恥ずかしそうに肩を小さくしてしゅんと顔を下げた。
盗み聞きをしたことは申し訳ないと思っている。でも聞こえてきた内容から分かる議題は、泉美さんが今度学校で行われるパーティーで何を着ればいいのか悩んでいるということだった。
学校行事とはいえ皆がそれぞれのお洒落をしてくるパーティー。泉美さんは自分のセンスに自信がないようで、彼女の悩みは深刻そうだった。
確かに、場面に合わせた服装を選ぶのって大変だよな。
女性よりかは型のある服装を着ればいいだけの俺は、計り知れない彼女の悩みにふとそう気づかされた。
雑誌から顔を上げると、エヤとミケは顔を見合わせてきょとんとしていた。
「イズミチャン、何を着るかはもう決めたんだすか?」
「う、うん。一応、ね。でも、クラスの子の話とか聞いてると、皆、ちょっと私とは違うテイストのドレスで……」
泉美さんはそう言ってスマホの画面をエヤたちに見せる。
「わぁっ! 皆、妖精みたいな格好だすなっ!」
「結構露出してる……。派手だね」
二人はスマホに映されたらしい参考画像を見て小さく盛り上がった。
「でも私はね、こういうの……着れないから……」
泉美さんはそう言ってズボンで隠された足をさする。大志さんが言っていた足の怪我の痕はきっとまだそこにあるのだろう。彼女はそれを見られたくないのだと、鈍感な俺でも流石に分かった。
「だからね、皆と違う服を着て、浮かないかなって不安なの。笑われたら、どうしようって……」
泉美さんはきゅっと唇を噛んで苦しそうに眉をひそめる。
エヤとミケはもう一度顔を見合わせて、ミケはこくりと頷き、エヤはにっこりと笑う。
「イズミチャン、確かに服は最大の武器になるだす。かわいいし、お店に置いてあったらきっと皆はこっちのドレスが綺麗だなって思うだす」
エヤはスマホの画面を指差して歯痒そうに眉尻を下げた。
「皆がこっちを選ぶのも分かるだす。服って勇気をくれるんだす。だからこういう服を着れば、勝手に勇気を貰えるんだす。着ているだけで力をくれるだすから」
泉美さんはエヤの言葉に誘われるようにしてスマホの画面を見下ろし目を伏せた。
「でもイズミチャン。それはただのエッセンスだす。エヤは思うだす。一番のアクセサリーは自信だすよ。どんなにきらきらに着飾っても、漲る自信には敵わないだすもん」
「自信…………?」
「はいだす! 服は、そんなアクセサリーを際立たせてくれるだけだす! イズミチャン、どんなドレスを着たっていいと思うだす! 自信を身につけていれば、皆との違い、そんなのなーんにも気にならないだすもんっ」
エヤは両手を広げて首を大きく横に振ってみせた。
泉美さんは顔を上げてエヤの輝く笑顔に瞬きをする。
「イズミ。今のイズミが選んだ服、似合うと思うよ。ミケもエヤも服の趣味が違う。でも、変だって思ったこと一回もない。だってエヤが選んだ服だから。だからいつかイズミにもその時のイズミが着たいなって思う服を着て欲しい。きっと、素敵だから。……急がなくていいけどね」
エヤの隣からミケがそう続けると、泉美さんは手を添えた足を見やる。ミケがそこを見ていたからだ。
「……うん。ありがとうミケちゃん、エヤちゃん。不安になってたけど、二人の言う通りだね。周りのこと、ちょっと気にしすぎちゃったかな」
「にんげん、調和は大事なんだって。イズミは悪くない」
「あははは。ありがとうミケちゃん」
泉美さんはミケの頭を撫でて自分の目尻を指先で拭った。
「自信……自信かぁ……。持てるか分からないけど、ちょっと見つけてみるね!」
「はいだす! ぜーったいどこかに隠れているはずだす! 早く発掘するだすよっ?」
「うんっ。お任せくださいっ! 私はディスカバリー隊の名誉隊員ですからっ!」
「んふふふふふ」
エヤは彼女の敬礼に嬉しそうに頬を緩ませて笑い出した。
あんまり、エヤとミケがこうやって他の子どもたちと話しているところを真面目に見たことはなかったけど……。
…………うん。思ったよりも、彼女たちはちゃんと修行が出来ているんじゃないだろうか。
天の使者でもないくせに、俺はつい二人のことをそんな目線で見てしまった。
*
飾り付けが完璧に終わった頃、スーツに着替えた大志さんが戻ってきた。
「うわー! すごいっ! これみんなでやったの?」
門に入るなり出迎えた飾りの数々に大志さんが声を上げると、最後に玄関の外を飾り付けていた子どもたちは一斉に彼の方へと駆け寄っていく。皆は張り切っていたのか、庭まで飾り付けをしていたのだ。
日も落ちてきて夕陽が辛うじて残った時刻。流石に高いところの飾り付けを任せっきりにもできず、受付の大学生の子と俺も最終的に飾り付けを手伝っていた。
仕上げに電飾のケーブルを繋げようとしていた俺と大学生の子は、戻ってきた大志さんの印象がいつもの陽気さを隠してスマートになっていることに思わず目を見合わせる。
「二人も手伝ってくれたんだね。ありがとう!」
「いいえ。大志さんの方は大丈夫ですか?」
「うん! もうばっちり! これで新年も無事に迎えられそうだよ」
「はは。それは良かったです」
彼がこちらに気づいて近づいてきてくれた。話しぶりからも、高そうなスーツに包んだ中身は見慣れた大志さんであることについ安心してしまった。
「あとはこれを……つけるだけです」
電飾のスイッチを入れると、子どもたちが懸命に飾り付けたイルミネーションが一気に辺りを照らす。
「うわぁああっ! すごいすごい! 綺麗だすーっ!」
輝かしい金木犀のような色に包まれて、エヤは瞳一杯に憧憬を映してはしゃぎ回る。
「うん。われたちがんばった」
ミケも得意げに頷きながら、自身を囲うように広がる光のベールにゆっくりと目を向けた。
男の子たちもハイタッチをして喜び、泉美さんはスマホで何度もシャッターを切っている。
俺も大学生の子と目配せをして互いを労った。
たくさんのイルミネーションを見る機会があるけど、これまで見た中でも群を抜いて輝いて見えるのは気のせいだろうか。
自画自賛をしていると、大志さんがこそっと俺に声をかけてきた。
「至さん、今日は本当にありがとうございました。助かりました。お任せしてしまってすみません」
「俺も楽しかったので、全然気にしないでください大志さん」
泉美さんに写真を撮ってもらっているエヤたちを見ながら、首を横に振って正直に答える。
「至さんは優しいなぁ。あ、そうだ! これ! せめてものお礼なんですけど……」
「え?」
大志さんはスーツの内ポケットからチケットを二枚取り出し俺に差し出す。
「今日会った人に貰ったんだけど、俺はたぶん行けないから……。もしよかったら、至さん行ってください」
「ライブですか?」
「うん。知らない? アメリカのバンド。日本でも曲を聞く機会が多いと思うんだけど……」
「知ってます。確か、チケットもう売り切れてましたよね? そんなの貰っちゃっていいんですか?」
差し出されたチケットの券面を見れば、そのバンドの名前は最近そこまで音楽を聴かない俺でも聞いたことがあった。アメリカで結成された世界的にも有名なアーティスト集団だ。
ゲームにハマる前までは学生の頃から俺もよくこのバンドの曲を聴いていた。学生時代に英語が苦手じゃなかったのも、このバンドの曲を聴いていたおかげだろう。
「うんうん。ぜひ行ってみてよ! 二枚あるから、誰か誘ってさ。エヤちゃんとミケちゃんには、ちょっとお留守番してもらうことになるかもだけど……」
「ありがとうございます! 大志さん!」
思ったよりも自分が喜んでいるのは、想定よりも大きい声が出たことで実感した。
来日する機会も少なくて、今回のコンサートも情報を取り逃していたせいですっかり見落としていたのだ。
なんだかんだ言って学生時代から聴いてきたバンド。それは嬉しくないわけがない。
子どもたちのことを遠くから見守っていただけなのに、こんな褒美をもらってもいいものか。明らかに釣り合わないけど、それもなんか大志さんらしいといえばそうだ。
チケットを受け取りコンサートの日付を確認する。多忙なのか知らないけど、折角の来日でも公演は一回のみだ。
「楽しんできてよ、至さん」
券面を見つめている俺に向かって、大志さんは白い息を吐きながら朗らかに笑った。
男の子二人はカードゲームに目を付けて白熱の勝負を繰り広げている。
食事の片づけを手伝っていた俺が部屋に戻ると、エヤとミケがそんな男子たちから少し離れたところで泉美さんと何やら作戦会議をしているのが見えた。
会話の内容はこそこそとした声でしか聞こえてこなかったけど、泉美さんの弱ったような表情を見る限り、どうやら彼女の悩み事を相談しているようだった。
あんまり聞くのも悪いとは思ったけど、エヤとミケがどんなことを話すのだろうと少しだけ気になって、ギリギリ声が聞こえる場所に雑誌片手に座り込んだ。
エヤとミケは真剣な眼差しで泉美さんの声に耳を傾ける。
「どう思うエヤちゃんミケちゃん。私、ほら、ダサいからさ……」
泉美さんは恥ずかしそうに肩を小さくしてしゅんと顔を下げた。
盗み聞きをしたことは申し訳ないと思っている。でも聞こえてきた内容から分かる議題は、泉美さんが今度学校で行われるパーティーで何を着ればいいのか悩んでいるということだった。
学校行事とはいえ皆がそれぞれのお洒落をしてくるパーティー。泉美さんは自分のセンスに自信がないようで、彼女の悩みは深刻そうだった。
確かに、場面に合わせた服装を選ぶのって大変だよな。
女性よりかは型のある服装を着ればいいだけの俺は、計り知れない彼女の悩みにふとそう気づかされた。
雑誌から顔を上げると、エヤとミケは顔を見合わせてきょとんとしていた。
「イズミチャン、何を着るかはもう決めたんだすか?」
「う、うん。一応、ね。でも、クラスの子の話とか聞いてると、皆、ちょっと私とは違うテイストのドレスで……」
泉美さんはそう言ってスマホの画面をエヤたちに見せる。
「わぁっ! 皆、妖精みたいな格好だすなっ!」
「結構露出してる……。派手だね」
二人はスマホに映されたらしい参考画像を見て小さく盛り上がった。
「でも私はね、こういうの……着れないから……」
泉美さんはそう言ってズボンで隠された足をさする。大志さんが言っていた足の怪我の痕はきっとまだそこにあるのだろう。彼女はそれを見られたくないのだと、鈍感な俺でも流石に分かった。
「だからね、皆と違う服を着て、浮かないかなって不安なの。笑われたら、どうしようって……」
泉美さんはきゅっと唇を噛んで苦しそうに眉をひそめる。
エヤとミケはもう一度顔を見合わせて、ミケはこくりと頷き、エヤはにっこりと笑う。
「イズミチャン、確かに服は最大の武器になるだす。かわいいし、お店に置いてあったらきっと皆はこっちのドレスが綺麗だなって思うだす」
エヤはスマホの画面を指差して歯痒そうに眉尻を下げた。
「皆がこっちを選ぶのも分かるだす。服って勇気をくれるんだす。だからこういう服を着れば、勝手に勇気を貰えるんだす。着ているだけで力をくれるだすから」
泉美さんはエヤの言葉に誘われるようにしてスマホの画面を見下ろし目を伏せた。
「でもイズミチャン。それはただのエッセンスだす。エヤは思うだす。一番のアクセサリーは自信だすよ。どんなにきらきらに着飾っても、漲る自信には敵わないだすもん」
「自信…………?」
「はいだす! 服は、そんなアクセサリーを際立たせてくれるだけだす! イズミチャン、どんなドレスを着たっていいと思うだす! 自信を身につけていれば、皆との違い、そんなのなーんにも気にならないだすもんっ」
エヤは両手を広げて首を大きく横に振ってみせた。
泉美さんは顔を上げてエヤの輝く笑顔に瞬きをする。
「イズミ。今のイズミが選んだ服、似合うと思うよ。ミケもエヤも服の趣味が違う。でも、変だって思ったこと一回もない。だってエヤが選んだ服だから。だからいつかイズミにもその時のイズミが着たいなって思う服を着て欲しい。きっと、素敵だから。……急がなくていいけどね」
エヤの隣からミケがそう続けると、泉美さんは手を添えた足を見やる。ミケがそこを見ていたからだ。
「……うん。ありがとうミケちゃん、エヤちゃん。不安になってたけど、二人の言う通りだね。周りのこと、ちょっと気にしすぎちゃったかな」
「にんげん、調和は大事なんだって。イズミは悪くない」
「あははは。ありがとうミケちゃん」
泉美さんはミケの頭を撫でて自分の目尻を指先で拭った。
「自信……自信かぁ……。持てるか分からないけど、ちょっと見つけてみるね!」
「はいだす! ぜーったいどこかに隠れているはずだす! 早く発掘するだすよっ?」
「うんっ。お任せくださいっ! 私はディスカバリー隊の名誉隊員ですからっ!」
「んふふふふふ」
エヤは彼女の敬礼に嬉しそうに頬を緩ませて笑い出した。
あんまり、エヤとミケがこうやって他の子どもたちと話しているところを真面目に見たことはなかったけど……。
…………うん。思ったよりも、彼女たちはちゃんと修行が出来ているんじゃないだろうか。
天の使者でもないくせに、俺はつい二人のことをそんな目線で見てしまった。
*
飾り付けが完璧に終わった頃、スーツに着替えた大志さんが戻ってきた。
「うわー! すごいっ! これみんなでやったの?」
門に入るなり出迎えた飾りの数々に大志さんが声を上げると、最後に玄関の外を飾り付けていた子どもたちは一斉に彼の方へと駆け寄っていく。皆は張り切っていたのか、庭まで飾り付けをしていたのだ。
日も落ちてきて夕陽が辛うじて残った時刻。流石に高いところの飾り付けを任せっきりにもできず、受付の大学生の子と俺も最終的に飾り付けを手伝っていた。
仕上げに電飾のケーブルを繋げようとしていた俺と大学生の子は、戻ってきた大志さんの印象がいつもの陽気さを隠してスマートになっていることに思わず目を見合わせる。
「二人も手伝ってくれたんだね。ありがとう!」
「いいえ。大志さんの方は大丈夫ですか?」
「うん! もうばっちり! これで新年も無事に迎えられそうだよ」
「はは。それは良かったです」
彼がこちらに気づいて近づいてきてくれた。話しぶりからも、高そうなスーツに包んだ中身は見慣れた大志さんであることについ安心してしまった。
「あとはこれを……つけるだけです」
電飾のスイッチを入れると、子どもたちが懸命に飾り付けたイルミネーションが一気に辺りを照らす。
「うわぁああっ! すごいすごい! 綺麗だすーっ!」
輝かしい金木犀のような色に包まれて、エヤは瞳一杯に憧憬を映してはしゃぎ回る。
「うん。われたちがんばった」
ミケも得意げに頷きながら、自身を囲うように広がる光のベールにゆっくりと目を向けた。
男の子たちもハイタッチをして喜び、泉美さんはスマホで何度もシャッターを切っている。
俺も大学生の子と目配せをして互いを労った。
たくさんのイルミネーションを見る機会があるけど、これまで見た中でも群を抜いて輝いて見えるのは気のせいだろうか。
自画自賛をしていると、大志さんがこそっと俺に声をかけてきた。
「至さん、今日は本当にありがとうございました。助かりました。お任せしてしまってすみません」
「俺も楽しかったので、全然気にしないでください大志さん」
泉美さんに写真を撮ってもらっているエヤたちを見ながら、首を横に振って正直に答える。
「至さんは優しいなぁ。あ、そうだ! これ! せめてものお礼なんですけど……」
「え?」
大志さんはスーツの内ポケットからチケットを二枚取り出し俺に差し出す。
「今日会った人に貰ったんだけど、俺はたぶん行けないから……。もしよかったら、至さん行ってください」
「ライブですか?」
「うん。知らない? アメリカのバンド。日本でも曲を聞く機会が多いと思うんだけど……」
「知ってます。確か、チケットもう売り切れてましたよね? そんなの貰っちゃっていいんですか?」
差し出されたチケットの券面を見れば、そのバンドの名前は最近そこまで音楽を聴かない俺でも聞いたことがあった。アメリカで結成された世界的にも有名なアーティスト集団だ。
ゲームにハマる前までは学生の頃から俺もよくこのバンドの曲を聴いていた。学生時代に英語が苦手じゃなかったのも、このバンドの曲を聴いていたおかげだろう。
「うんうん。ぜひ行ってみてよ! 二枚あるから、誰か誘ってさ。エヤちゃんとミケちゃんには、ちょっとお留守番してもらうことになるかもだけど……」
「ありがとうございます! 大志さん!」
思ったよりも自分が喜んでいるのは、想定よりも大きい声が出たことで実感した。
来日する機会も少なくて、今回のコンサートも情報を取り逃していたせいですっかり見落としていたのだ。
なんだかんだ言って学生時代から聴いてきたバンド。それは嬉しくないわけがない。
子どもたちのことを遠くから見守っていただけなのに、こんな褒美をもらってもいいものか。明らかに釣り合わないけど、それもなんか大志さんらしいといえばそうだ。
チケットを受け取りコンサートの日付を確認する。多忙なのか知らないけど、折角の来日でも公演は一回のみだ。
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