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五部
82/護衛兵
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この先は、限られた人しか入れないと言っていたが、本当にそのようだ。レティは、人の気配を感じない廊下を歩き、杖翼を握りしめる。
部屋も全然ない。ただ、複雑に入り組んだ廊下を歩き続けているだけだ。まるで迷路のようだ。隠れの間はどこにあるのだろう。レティは、焦燥感に駆られていた。エルテのこともだが、ゾマーたちの様子も気になる。無事に、ニックの仲間を逃がすことはできたのだろうか。ティーリンに至っては、想像もつかない。
前を歩くシャノは、足を引きずっているレティの足音を気にしながらも、真剣な表情で杖翼を構えている。警備している人間が、いつ出てきてもおかしくはない。
何度目か分からない廊下の角を曲がると、シャノは右手を広げ、レティを止めた。
「…シャノ?」
レティがその横顔を見上げると、シャノは、「シー」と、人差し指を立てた。シャノは、曲がった廊下の先に動いている人物をじーっと見つめている。レティもその姿を追うと、その人物は、ふらふらと不気味に歩いていた。足だけを動かし、おぼつかない様子で蠢いているが、どうやら手を縛られているようだ。それにしても、手を後ろで縛られているだけであそこまで不安定になるだろうか。それ以前に、その人物の精神状態を反映しているのではなかろうか。
明らかに暗い顔をして、今にも失神してしまいそうなほど顔色は澱んでいる。レティは、その人物を見ているだけでハラハラした。ここにいるということは、確実に敵対すべき人間のはずだが、ここまで覇気がないと、逆に不安になる。
「あの人って……」
「ジェイロイトだな。前に新聞で見た時は、あんなにやつれてなかったけど…」
シャノが眉をひそめる。
「ここまで来ていたのか」
「…やっぱり、もうみんな動き出してるよね」
レティは心臓がひゅっと縮んだ。当然のことだが、やはり当事者を目の前にすると、後ろめたさを感じる。自分たちがやっていることは、あちらから正当に見れば犯罪だ。
「……レティ」
声を抑えて、シャノはレティをちらりと見る。
「ジェイロイトは、俺がなんとかする。二人とも見つかったら厄介だ。レティは、隠れの間を探して」
「…わかった」
レティは、俯いたまま息を切らしているジェイロイトをじっと見ると、こくりと頷いた。ジェイロイトは前を見ていないが、彼はこちらに向かって歩いている。
レティは、さっき通ってきた廊下を確認し、選択しなかった方の床に目をやった。もしかしたら、ジェイロイトは隠れの間に向かおうとしているかもしれない。そうであれば、彼よりも先に隠れの間に行かなくては。彼がこれから何をしようとしているのか予測もつかないうちは、先手あるのみだ。
「シャノ…ジェイロイトのことは、実はよく分かっていない。何を考えているのか、一番未知数な人だから……」
「分かってるよ、レティ」
シャノはにっこりと笑った。
「十分気を付けるから」
その言葉を聞いたレティは、「うん」と頷くと、先ほど目を付けた道を目指し、シャノから離れた。
一人になったレティは、傍にいてくれたシャノがいないことが少し心細くなった。バラバラになってしまったが、ちゃんとすぐに合流できる。そう思い込むしかなかった。
通り過ぎた曲がり角を進むと、これまでと何ら変わりのない廊下が続いていた。レティは、杖翼を前に突き出したまま慎重に前に進んだ。本当に、まったく扉はない。隠れの間というくらいだ、恐らく、術をかけているに違いない。しかし、その術の気配すら感じない。
レティは耳を澄ませる。神経を集中させ、ほんのわずかでも違和感がそこに存在していないか、目を閉じてみた。すると、空気が震えているのが聞こえる。微かだが、空間の歪みを感じる。一歩ずつ、ゆっくりと足を踏み出してみた。この歪みを逃さないように、レティは目を開けようとしなかった。
一歩前に進むごとに、その違和感は色を濃くしていった。脳みそが、一段階下に落ちたような感覚を覚える。ふらりと、貧血を起こした時のような、一瞬のひずみを感じた。
レティは、ばっと目を見開き。その勢いのまま、上体を大きく下におろし、杖翼を地面に突き刺した。
「パルフトァオフィエク!」
杖翼は、金色に輝く線を床に描き、そのまま左の壁へと線は伸びて行った。金色を追うと、壁にヒビを入れるように、めきめきと上まで登っていくのが見える。そして、見えない扉を描くと、先ほどまではなかったドアノブが姿を現した。
レティは立ち上がり、ごくりと息を呑んだ。小さく深呼吸をし、そのドアノブに手をかける。ギィッと音を立てて、その扉は素直に開いた。
杖翼を顔の前まで立て、レティは中を覗いた。すると、中にいる警備要員が、ドアの方向をちょうど見る所だった。レティは、そのまま扉を開けると、すかさず杖翼を彼らに向ける。
「フォロフェパルナ!」
レティの杖翼の先から、衝撃波が部屋の向こうを狙って駆け抜ける。三人の警備要員は、その衝撃に首を思い切り持っていかれ、その勢いのまま向こう側へ倒れそうになっていた。
レティがそのまま部屋の中に入ると、警備要員はすぐさま体勢を立て直し、こちらに向かって杖翼を構える。一人の警備要員が、そのまま攻撃を繰り出してきた。羽のついた兵隊帽を被った三人は、その攻撃をしゃがんで避けたレティに、次々と攻撃を仕掛けてきた。一人は、腕輪を使っている。
レティは右足の怪我のことも忘れ、三人に近づこうと中央部分に突進していった。三人と比較して、圧倒的に小柄なレティは、その小回りの利く身体条件を活かして、器用に攻撃を避けていった。
ちょこまかと動き回るレティに対し、三人が徐々に冷静さを欠いてくるのが分かった。書斎のような部屋の中で、レティは低姿勢のまま、三人が互いの攻撃に邪魔をするような進路を描いて移動した。自分でも驚くほどに、レティは身軽に動いた。無我夢中の時は、がむしゃらすぎて、想定もしないほどの意地が出てくるものだ。意外と自分も往生際が悪いものだと、レティは可笑しくなった。
杖翼から反撃を送ったレティのすぐ目の前に、警備要員が一人立ちはだかった。レティは咄嗟に身を屈め、両手を床につき、左足を伸ばした。その伸ばした足は、警備要員のすねを勢いのままに蹴った。激痛に呻いた警備要員は、その手に持っていた杖翼の先がぶれ、レティを捕まえようとしていた、自分の斜め前にいた仲間にその攻撃が直撃する。まともに撃たれた警備要員は、そのまま叫び声をあげて後ろに倒れた。心臓近くを撃たれたその警備要員は、そのまま蹲り、意識を失った。
レティは、仲間の無様な姿を見てすぐさま腕輪をこちらに向けたもう一人の警備要員に向かって、反射呪文をかけると、その相手は自分の放った砲撃に打たれてそのまま崩れるようにして倒れた。
しかし、数秒遅かったのか、レティの杖翼の羽の部分に、砲撃の欠片が飛んできた。羽に大きな穴が開いてしまい、レティは苦い表情をする。
すねを蹴った警備要員が、こちらを振り返って立ち上がろうとしていたので、レティはイチかバチか、杖翼をその顔めがけて振りかざした。
「エキコーマヒンガオ!」
レティはとどめの衝撃波を杖翼から打ち出した。その衝撃波は、こちらを向いた警備要員の額を大きく撃ち、彼は直立不動のまま後ろへ倒れる。
レティは息を乱し、過呼吸気味になっている。どうにか、三人とも倒れたようだ。レティは、杖翼を持つ手が震えているのに気づいた。震えは止まらず、そのまま、杖翼は手から落ちていった。ぱさっと、羽が床におりた。真っ二つに折れた杖翼を、レティは茫然として見る。まだ息が荒い。
レティはなんとか立ち上がり、倒れている三人を見下ろした。いつ意識を取り戻すかも分からないので、レティは三人の手足を拘束し、それぞれの杖翼と腕輪を隅に投げる。
緊張の糸が切れたのか、右太ももが痛みだした。もう、長くはもたなさそうだ。右足は冷たく、硬直寸前だった。
「…早く見つけなきゃ」
レティは、目的のものを探すために、痛みで顔を歪めながら書斎を見回した。どの本もフェイクだ。そこには何もない。ここに実体としてあるのは、バルクたちの計画を綴った、バルクの叔母の遺言書だけだ。
目を凝らし、レティはそれを探した。すると、本棚の一番端が、微かに光を帯びている。レティは、その零れる小さな光の粒をそっと見上げた。
部屋も全然ない。ただ、複雑に入り組んだ廊下を歩き続けているだけだ。まるで迷路のようだ。隠れの間はどこにあるのだろう。レティは、焦燥感に駆られていた。エルテのこともだが、ゾマーたちの様子も気になる。無事に、ニックの仲間を逃がすことはできたのだろうか。ティーリンに至っては、想像もつかない。
前を歩くシャノは、足を引きずっているレティの足音を気にしながらも、真剣な表情で杖翼を構えている。警備している人間が、いつ出てきてもおかしくはない。
何度目か分からない廊下の角を曲がると、シャノは右手を広げ、レティを止めた。
「…シャノ?」
レティがその横顔を見上げると、シャノは、「シー」と、人差し指を立てた。シャノは、曲がった廊下の先に動いている人物をじーっと見つめている。レティもその姿を追うと、その人物は、ふらふらと不気味に歩いていた。足だけを動かし、おぼつかない様子で蠢いているが、どうやら手を縛られているようだ。それにしても、手を後ろで縛られているだけであそこまで不安定になるだろうか。それ以前に、その人物の精神状態を反映しているのではなかろうか。
明らかに暗い顔をして、今にも失神してしまいそうなほど顔色は澱んでいる。レティは、その人物を見ているだけでハラハラした。ここにいるということは、確実に敵対すべき人間のはずだが、ここまで覇気がないと、逆に不安になる。
「あの人って……」
「ジェイロイトだな。前に新聞で見た時は、あんなにやつれてなかったけど…」
シャノが眉をひそめる。
「ここまで来ていたのか」
「…やっぱり、もうみんな動き出してるよね」
レティは心臓がひゅっと縮んだ。当然のことだが、やはり当事者を目の前にすると、後ろめたさを感じる。自分たちがやっていることは、あちらから正当に見れば犯罪だ。
「……レティ」
声を抑えて、シャノはレティをちらりと見る。
「ジェイロイトは、俺がなんとかする。二人とも見つかったら厄介だ。レティは、隠れの間を探して」
「…わかった」
レティは、俯いたまま息を切らしているジェイロイトをじっと見ると、こくりと頷いた。ジェイロイトは前を見ていないが、彼はこちらに向かって歩いている。
レティは、さっき通ってきた廊下を確認し、選択しなかった方の床に目をやった。もしかしたら、ジェイロイトは隠れの間に向かおうとしているかもしれない。そうであれば、彼よりも先に隠れの間に行かなくては。彼がこれから何をしようとしているのか予測もつかないうちは、先手あるのみだ。
「シャノ…ジェイロイトのことは、実はよく分かっていない。何を考えているのか、一番未知数な人だから……」
「分かってるよ、レティ」
シャノはにっこりと笑った。
「十分気を付けるから」
その言葉を聞いたレティは、「うん」と頷くと、先ほど目を付けた道を目指し、シャノから離れた。
一人になったレティは、傍にいてくれたシャノがいないことが少し心細くなった。バラバラになってしまったが、ちゃんとすぐに合流できる。そう思い込むしかなかった。
通り過ぎた曲がり角を進むと、これまでと何ら変わりのない廊下が続いていた。レティは、杖翼を前に突き出したまま慎重に前に進んだ。本当に、まったく扉はない。隠れの間というくらいだ、恐らく、術をかけているに違いない。しかし、その術の気配すら感じない。
レティは耳を澄ませる。神経を集中させ、ほんのわずかでも違和感がそこに存在していないか、目を閉じてみた。すると、空気が震えているのが聞こえる。微かだが、空間の歪みを感じる。一歩ずつ、ゆっくりと足を踏み出してみた。この歪みを逃さないように、レティは目を開けようとしなかった。
一歩前に進むごとに、その違和感は色を濃くしていった。脳みそが、一段階下に落ちたような感覚を覚える。ふらりと、貧血を起こした時のような、一瞬のひずみを感じた。
レティは、ばっと目を見開き。その勢いのまま、上体を大きく下におろし、杖翼を地面に突き刺した。
「パルフトァオフィエク!」
杖翼は、金色に輝く線を床に描き、そのまま左の壁へと線は伸びて行った。金色を追うと、壁にヒビを入れるように、めきめきと上まで登っていくのが見える。そして、見えない扉を描くと、先ほどまではなかったドアノブが姿を現した。
レティは立ち上がり、ごくりと息を呑んだ。小さく深呼吸をし、そのドアノブに手をかける。ギィッと音を立てて、その扉は素直に開いた。
杖翼を顔の前まで立て、レティは中を覗いた。すると、中にいる警備要員が、ドアの方向をちょうど見る所だった。レティは、そのまま扉を開けると、すかさず杖翼を彼らに向ける。
「フォロフェパルナ!」
レティの杖翼の先から、衝撃波が部屋の向こうを狙って駆け抜ける。三人の警備要員は、その衝撃に首を思い切り持っていかれ、その勢いのまま向こう側へ倒れそうになっていた。
レティがそのまま部屋の中に入ると、警備要員はすぐさま体勢を立て直し、こちらに向かって杖翼を構える。一人の警備要員が、そのまま攻撃を繰り出してきた。羽のついた兵隊帽を被った三人は、その攻撃をしゃがんで避けたレティに、次々と攻撃を仕掛けてきた。一人は、腕輪を使っている。
レティは右足の怪我のことも忘れ、三人に近づこうと中央部分に突進していった。三人と比較して、圧倒的に小柄なレティは、その小回りの利く身体条件を活かして、器用に攻撃を避けていった。
ちょこまかと動き回るレティに対し、三人が徐々に冷静さを欠いてくるのが分かった。書斎のような部屋の中で、レティは低姿勢のまま、三人が互いの攻撃に邪魔をするような進路を描いて移動した。自分でも驚くほどに、レティは身軽に動いた。無我夢中の時は、がむしゃらすぎて、想定もしないほどの意地が出てくるものだ。意外と自分も往生際が悪いものだと、レティは可笑しくなった。
杖翼から反撃を送ったレティのすぐ目の前に、警備要員が一人立ちはだかった。レティは咄嗟に身を屈め、両手を床につき、左足を伸ばした。その伸ばした足は、警備要員のすねを勢いのままに蹴った。激痛に呻いた警備要員は、その手に持っていた杖翼の先がぶれ、レティを捕まえようとしていた、自分の斜め前にいた仲間にその攻撃が直撃する。まともに撃たれた警備要員は、そのまま叫び声をあげて後ろに倒れた。心臓近くを撃たれたその警備要員は、そのまま蹲り、意識を失った。
レティは、仲間の無様な姿を見てすぐさま腕輪をこちらに向けたもう一人の警備要員に向かって、反射呪文をかけると、その相手は自分の放った砲撃に打たれてそのまま崩れるようにして倒れた。
しかし、数秒遅かったのか、レティの杖翼の羽の部分に、砲撃の欠片が飛んできた。羽に大きな穴が開いてしまい、レティは苦い表情をする。
すねを蹴った警備要員が、こちらを振り返って立ち上がろうとしていたので、レティはイチかバチか、杖翼をその顔めがけて振りかざした。
「エキコーマヒンガオ!」
レティはとどめの衝撃波を杖翼から打ち出した。その衝撃波は、こちらを向いた警備要員の額を大きく撃ち、彼は直立不動のまま後ろへ倒れる。
レティは息を乱し、過呼吸気味になっている。どうにか、三人とも倒れたようだ。レティは、杖翼を持つ手が震えているのに気づいた。震えは止まらず、そのまま、杖翼は手から落ちていった。ぱさっと、羽が床におりた。真っ二つに折れた杖翼を、レティは茫然として見る。まだ息が荒い。
レティはなんとか立ち上がり、倒れている三人を見下ろした。いつ意識を取り戻すかも分からないので、レティは三人の手足を拘束し、それぞれの杖翼と腕輪を隅に投げる。
緊張の糸が切れたのか、右太ももが痛みだした。もう、長くはもたなさそうだ。右足は冷たく、硬直寸前だった。
「…早く見つけなきゃ」
レティは、目的のものを探すために、痛みで顔を歪めながら書斎を見回した。どの本もフェイクだ。そこには何もない。ここに実体としてあるのは、バルクたちの計画を綴った、バルクの叔母の遺言書だけだ。
目を凝らし、レティはそれを探した。すると、本棚の一番端が、微かに光を帯びている。レティは、その零れる小さな光の粒をそっと見上げた。
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