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⑥ 彼女の野望
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瞼を開けると、目の前には絹の制服に包まれた頑丈な胸板があった。
そこから顔を上げ、自分の肩に感じる温もりにガミラは頬を綻ばせる。
「ただいま」
そう言って微笑みかけた相手は、ガミラの顔を見ると心底ほっとしたように緊迫していた表情を緩ませた。
「ガミラ、すまない。俺が遠出をしていたばかりに……」
「ううん。いいの。修行でしょう? 付き添ってあげなくちゃ」
ガミラは優しくそう言うと、レヴァンの首に腕を回し、ぎゅっと抱きつく。レヴァンもそれに応えるように彼女のことを力強く包み込む。
「ああ、もう、ガミラ。君の考えが分からないよ」
「ふふふ、そう? レヴァンのこと大好きってことも分からない?」
「いや、それは……っ」
あの日と変わらず、レヴァンは照れたように眉を下げる。もう真っ赤にはならなかった。
レヴァンから離れたガミラは、もう一度愛しの人を見つめる。大人びているその表情を見ているだけで、ガミラは幸福に包まれる。
彼がガミラの変化に気づかないはずがない。彼はエレナ家の末裔なのだから。エレナ家は、神様に仕えることのできる唯一の使者族だ。神に寵愛され、ともに生きていく存在。そのため、忙しくて学校にもたまにしか顔を出せない。それでも成績は優秀なのだから、やはり彼は神の使いなのだろう。
エレナ家は、その立場のおかげで重大な任務を任されることもある。神様は多忙だから、それを支えるためだ。
ガミラに体質事故が起きた時、レヴァンにも特別な任務が与えられた。ガミラに転生者が入ってきた時に、それを浄化する役目だ。器の体質解除は多大なリスクを伴うため、まずは魂浄化を優先し、力が満ちるまで慎重に進められる。
「レヴァン」
ガミラが潤んだ瞳でレヴァンを真っ直ぐに見ると、彼は愛おしく想う心を隠すことなく顔を寄せる。
レヴァンの唇に触れると、ガミラは「ふふふ」と微かに笑い声を出した。
「……どうかした?」
「やっぱり、レヴァンのキスは忘れたくないなぁって思って」
「……ガミラ」
レヴァンは、先ほどガミラが気を失う前にしたキスを思い返す。浄化するにはレヴァンのキスが必要なのだ。別に、手段はキスでなくても良かったが、幼いガミラが背伸びをしたくてそう望んだ。それからずっと、キスは魂の浄化のキーとなった。
「もういい加減体質解除しないか? 君が苦しむのはもう耐えられないよ」
「大丈夫よ、レヴァン。レヴァンだって体力を消耗しちゃうもの。神様は滅多なことはないっていうけれどやっぱり不安だから……。レヴァンを苦しめたくないの。だからもっと力をつけてからにしましょう」
「……でも、俺は今でも苦しいよ……」
「お願い、レヴァン。もし、もしあなたを失うことになったら嫌なの……」
ガミラはきゅっとレヴァンの胸元の服を掴む。レヴァンは彼女の懇願には敵わず、渋々頷く。
「ありがとう、レヴァン」
「もっと精進して、君を早く解放してあげるから」
「うん。待ってるね」
ガミラはそのままレヴァンにもたれかかる。ここはガミラの部屋のソファの上だ。ユリアが眠りについた後、ガミラの異変に気づいたレヴァンが家を訪ねてきた。
そして、ユリアが寝ている間も意識のあるガミラは、レヴァンが来たことに気づき、お約束の合図を送った。二人だけが知っている浄化の合図、「だいすき」の寝言だ。
頭を撫でるレヴァンの手に安堵しながら、ガミラはゆっくり深呼吸をする。
浄化をしたら、エレナ家や神様のような他とは一線を画す存在は除き、その期間にガミラと関わった人たちのガミラとの記憶は消えていく。そのため、ガミラは極端に印象の薄い存在となり、長い時間をかけないと周囲との関係をうまく築いていくことができなかった。だからようやくできた友人は貴重なのだ。
同時に、浄化された魂はそのまま消滅し、神様の転送ミスの証拠隠滅のために前世の痕跡も消える。転生前の前世の世界からも転生者のことを覚えている人はいなくなるのだ。
唯一彼らのことを覚えているガミラだが、転生者の記憶も何もかも見えてしまうのには慣れている。彼らが得意とすることや求めていることが手に取るように分かってしまう。最初は気味悪かったが、だんだん大したことではないと気づく。
むしろ、ガミラにとっては好都合とまで思うようになっていった。
初めて浄化した時、その転生者が得意だった料理のスキルをそのまま自分のものとして残すことができると分かり、ガミラはお抱えのシェフ顔負けの御馳走を作った。
皆の驚く顔が忘れられず、もっともっと皆を喜ばせたいと、ガミラは転生者たちの才能を吸収していくことに決めた。折角の器だというのに、それくらいやらないのは損だ。開き直ったガミラは、それから転生者たちのことを冷静に分析しだした。身体が言うことを聞かず、暇なのだからしょうがない。
転生者の中には、この世界に来たことで有頂天になり、調子に乗り始める者もいる。最初は謙虚でも、徐々に本性を現し始めるのだ。ガミラの経験上、半分以上はそうだった。もちろんそうでない人もいたが、そういう人たちとの別れは惜しかった。
同じ身体で時を過ごすのだから愛着もわくものだ。
今回のユリアは、どちらかというと前者だった。加えて彼女の前世の記憶も、ガミラにとっては面白くはないものばかりだった。
ユリアは前世で、高校時代に意中の人を振り向かせるために、同じ学校に通う別の生徒の根も葉もない噂を流し、無理やりに彼との関係を引き剥がした。その生徒は言われもない非難をされ、当然大きな傷を負った。
大学でもちやほやされることだけを考え、ライバルたちはどんな手を使ってでも蹴落とし、引き立て役と呼んでいた友人たちのことは駒扱いだった。
築き上げた帝国で華やかな生活を送ってきた彼女だったが、入った会社ではそれが通用せず、ここに来て初めて辛酸を味わったのだ。
だがやはり本性は変わらなかったようで、連日連夜遊び歩き、帝国の復興を求めた。
もちろん身体の具合など気にもせずに。その無理も祟ったのか、彼女は結局倒れてしまったが。
ガミラはレヴァンの手がすとん、とソファに落ちたのを見て、彼を上目遣いで見る。彼も疲れているのか、寝てしまったようだ。ガミラは彼の寝顔にキスをすると、もう一度自分だけに許された温もりに寄り添う。
正直なところほっとしていた。
ユリアのような人にはレヴァンに近づいて欲しくなかったからだ。レヴァンなら騙されることはないが、それでも不安なものは不安だ。
だから彼が冷たくあしらった時、ガミラは彼のことがもっと愛おしくなった。もう、彼のことを愛している。
レヴァンはエレナ家の人間で、裕福とはいえそれでもこの世界では一般層のガミラとは釣り合わない。少なくともガミラはそう思っていた。それならばと、転生者たちの才能を収集していく中で新たな目標を立てた。彼に相応しい女性、スーパーレディになるのだと心に誓ったのだ。
「レヴァン」
「……ん」
ガミラの声に微かに反応した彼の頬にそっと手を伸ばし、瞳を輝かせる。体質解除をするその時まで、彼との距離はこのままでいい。
「もう少し、待っていてね」
体質解除をしたら、もう能力を飲み込むことはできなくなる。だがガミラはまだ満足していない。まだ、まだ足りないのだ。
いつか彼に胸を張れる自分になれたら、その時は。
「おやすみ、レヴァン」
愛する人の寝息を子守歌に、いつかを夢見て瞼を閉じて眠りにつく。
そこから顔を上げ、自分の肩に感じる温もりにガミラは頬を綻ばせる。
「ただいま」
そう言って微笑みかけた相手は、ガミラの顔を見ると心底ほっとしたように緊迫していた表情を緩ませた。
「ガミラ、すまない。俺が遠出をしていたばかりに……」
「ううん。いいの。修行でしょう? 付き添ってあげなくちゃ」
ガミラは優しくそう言うと、レヴァンの首に腕を回し、ぎゅっと抱きつく。レヴァンもそれに応えるように彼女のことを力強く包み込む。
「ああ、もう、ガミラ。君の考えが分からないよ」
「ふふふ、そう? レヴァンのこと大好きってことも分からない?」
「いや、それは……っ」
あの日と変わらず、レヴァンは照れたように眉を下げる。もう真っ赤にはならなかった。
レヴァンから離れたガミラは、もう一度愛しの人を見つめる。大人びているその表情を見ているだけで、ガミラは幸福に包まれる。
彼がガミラの変化に気づかないはずがない。彼はエレナ家の末裔なのだから。エレナ家は、神様に仕えることのできる唯一の使者族だ。神に寵愛され、ともに生きていく存在。そのため、忙しくて学校にもたまにしか顔を出せない。それでも成績は優秀なのだから、やはり彼は神の使いなのだろう。
エレナ家は、その立場のおかげで重大な任務を任されることもある。神様は多忙だから、それを支えるためだ。
ガミラに体質事故が起きた時、レヴァンにも特別な任務が与えられた。ガミラに転生者が入ってきた時に、それを浄化する役目だ。器の体質解除は多大なリスクを伴うため、まずは魂浄化を優先し、力が満ちるまで慎重に進められる。
「レヴァン」
ガミラが潤んだ瞳でレヴァンを真っ直ぐに見ると、彼は愛おしく想う心を隠すことなく顔を寄せる。
レヴァンの唇に触れると、ガミラは「ふふふ」と微かに笑い声を出した。
「……どうかした?」
「やっぱり、レヴァンのキスは忘れたくないなぁって思って」
「……ガミラ」
レヴァンは、先ほどガミラが気を失う前にしたキスを思い返す。浄化するにはレヴァンのキスが必要なのだ。別に、手段はキスでなくても良かったが、幼いガミラが背伸びをしたくてそう望んだ。それからずっと、キスは魂の浄化のキーとなった。
「もういい加減体質解除しないか? 君が苦しむのはもう耐えられないよ」
「大丈夫よ、レヴァン。レヴァンだって体力を消耗しちゃうもの。神様は滅多なことはないっていうけれどやっぱり不安だから……。レヴァンを苦しめたくないの。だからもっと力をつけてからにしましょう」
「……でも、俺は今でも苦しいよ……」
「お願い、レヴァン。もし、もしあなたを失うことになったら嫌なの……」
ガミラはきゅっとレヴァンの胸元の服を掴む。レヴァンは彼女の懇願には敵わず、渋々頷く。
「ありがとう、レヴァン」
「もっと精進して、君を早く解放してあげるから」
「うん。待ってるね」
ガミラはそのままレヴァンにもたれかかる。ここはガミラの部屋のソファの上だ。ユリアが眠りについた後、ガミラの異変に気づいたレヴァンが家を訪ねてきた。
そして、ユリアが寝ている間も意識のあるガミラは、レヴァンが来たことに気づき、お約束の合図を送った。二人だけが知っている浄化の合図、「だいすき」の寝言だ。
頭を撫でるレヴァンの手に安堵しながら、ガミラはゆっくり深呼吸をする。
浄化をしたら、エレナ家や神様のような他とは一線を画す存在は除き、その期間にガミラと関わった人たちのガミラとの記憶は消えていく。そのため、ガミラは極端に印象の薄い存在となり、長い時間をかけないと周囲との関係をうまく築いていくことができなかった。だからようやくできた友人は貴重なのだ。
同時に、浄化された魂はそのまま消滅し、神様の転送ミスの証拠隠滅のために前世の痕跡も消える。転生前の前世の世界からも転生者のことを覚えている人はいなくなるのだ。
唯一彼らのことを覚えているガミラだが、転生者の記憶も何もかも見えてしまうのには慣れている。彼らが得意とすることや求めていることが手に取るように分かってしまう。最初は気味悪かったが、だんだん大したことではないと気づく。
むしろ、ガミラにとっては好都合とまで思うようになっていった。
初めて浄化した時、その転生者が得意だった料理のスキルをそのまま自分のものとして残すことができると分かり、ガミラはお抱えのシェフ顔負けの御馳走を作った。
皆の驚く顔が忘れられず、もっともっと皆を喜ばせたいと、ガミラは転生者たちの才能を吸収していくことに決めた。折角の器だというのに、それくらいやらないのは損だ。開き直ったガミラは、それから転生者たちのことを冷静に分析しだした。身体が言うことを聞かず、暇なのだからしょうがない。
転生者の中には、この世界に来たことで有頂天になり、調子に乗り始める者もいる。最初は謙虚でも、徐々に本性を現し始めるのだ。ガミラの経験上、半分以上はそうだった。もちろんそうでない人もいたが、そういう人たちとの別れは惜しかった。
同じ身体で時を過ごすのだから愛着もわくものだ。
今回のユリアは、どちらかというと前者だった。加えて彼女の前世の記憶も、ガミラにとっては面白くはないものばかりだった。
ユリアは前世で、高校時代に意中の人を振り向かせるために、同じ学校に通う別の生徒の根も葉もない噂を流し、無理やりに彼との関係を引き剥がした。その生徒は言われもない非難をされ、当然大きな傷を負った。
大学でもちやほやされることだけを考え、ライバルたちはどんな手を使ってでも蹴落とし、引き立て役と呼んでいた友人たちのことは駒扱いだった。
築き上げた帝国で華やかな生活を送ってきた彼女だったが、入った会社ではそれが通用せず、ここに来て初めて辛酸を味わったのだ。
だがやはり本性は変わらなかったようで、連日連夜遊び歩き、帝国の復興を求めた。
もちろん身体の具合など気にもせずに。その無理も祟ったのか、彼女は結局倒れてしまったが。
ガミラはレヴァンの手がすとん、とソファに落ちたのを見て、彼を上目遣いで見る。彼も疲れているのか、寝てしまったようだ。ガミラは彼の寝顔にキスをすると、もう一度自分だけに許された温もりに寄り添う。
正直なところほっとしていた。
ユリアのような人にはレヴァンに近づいて欲しくなかったからだ。レヴァンなら騙されることはないが、それでも不安なものは不安だ。
だから彼が冷たくあしらった時、ガミラは彼のことがもっと愛おしくなった。もう、彼のことを愛している。
レヴァンはエレナ家の人間で、裕福とはいえそれでもこの世界では一般層のガミラとは釣り合わない。少なくともガミラはそう思っていた。それならばと、転生者たちの才能を収集していく中で新たな目標を立てた。彼に相応しい女性、スーパーレディになるのだと心に誓ったのだ。
「レヴァン」
「……ん」
ガミラの声に微かに反応した彼の頬にそっと手を伸ばし、瞳を輝かせる。体質解除をするその時まで、彼との距離はこのままでいい。
「もう少し、待っていてね」
体質解除をしたら、もう能力を飲み込むことはできなくなる。だがガミラはまだ満足していない。まだ、まだ足りないのだ。
いつか彼に胸を張れる自分になれたら、その時は。
「おやすみ、レヴァン」
愛する人の寝息を子守歌に、いつかを夢見て瞼を閉じて眠りにつく。
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