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演劇サロン
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この日も朝食を食べ終わって準備を整え終わると、フレデリック殿下が王室の馬車で、このスフォルツィア邸へと迎えに来てくれた。
侍女によって丁寧に梳かされた髪は、スーサイドテールに結ってもらった。ホワイトフローラルの優しい香りが、仄かに髪から香る。
「昨日セレスとぶつかった女子生徒の事なんだけど、エリカ・ダンドリューと名乗っていたね」
フレデリック殿下からエリカの話を振ってきた瞬間、私はビクリと身体を反応させて、内心身構えた。顔が硬ばらないように気を付けないと……。
「父上から、異世界よりやって来た少女だと説明を受けたよ。少し変わっていると思っていたら、平民ではなく異世界人だったとは驚いた。異世界から、一週間ほど前にこの世界にやって来たとかで。僕は丁度視察に行っていたからね」
フレデリック殿下は学園生活に入ると、中々視察に行ける機会が減ってしまうので、直前の視察が決定されていた。
「異世界ですが……」
「信じられない話だけどね」
「それに、彼女は聖女である可能性もあるらしい」
「まあ」
わたしは手を口元に当てて驚いた。
神官が海岸方面で異界の扉が開いたことを確認し、それを陛下に告げるとすぐ様騎士団が派遣された。そして海岸で倒れていたのがエリカだ。
(でも、まだ聖女だと確定ではないにしても、昨日までフレデリック殿下に何の知らせもなかったなんて……)
エリカについて、手紙での知らせがあってもいいような気がしたけど、やはり聖女降臨を他国に知られるのを恐れての判断なのだろうか。極秘情報として、直接陛下からフレデリック殿下に告げるのが安全か。
そもそも原作でもフレデリック殿下は、エリカと学園でぶつかった時に、その存在を初めて知るのである。
「現在はダンドリュー家の養女として、ダンドリュー夫妻の屋敷で暮らし、この学園へと通っているようだよ」
しかしダンドリュー伯爵家の養女という設定は、物語に無かったはずだ。
しかし、物語でも聖女として開花するとは限らず、貴族のキャラクターと結婚エンドも多いので、どっちにしても貴族の養子にならなくてはいけなかっただろう。
設定になくともここが現実世界だからか、必要な部分があれば補われていると、考えるのが自然か。
「彼女、貴族としてマナーが身についていないようで、マナー教育をダンドリュー家で学んでいるようだよ」
「ダンドリュー家なら安心ですわね」
ダンドリュー伯爵夫妻はとても出来た人柄であり、彼らに託すのは賢明な判断だろう。
「それにしても異世界からやってきたばかりなのに、いきなり学園に入学だなんて随分ご苦労されますのね……」
「確かに」
フレデリック様は神妙な面持ちで呟いた。そんな様子を見て、私は率直な感想を述べただけだけど、彼女への興味を施してしまったかしらと勘をぐってしまった。
やはり、人の心が分からない。
「私も出来るだけ、彼女の事を気にかけておくように致します
「ありがとう、心強いよ」
フレデリック殿下は柔らかく微笑んでくれた。
:.:*:.:*:.:*:.:*:.:*:.:*:.:*:.:*:.:*:.:*:.:*:.:*:.:*:.:*:
エリュシオン国内の王宮や貴族の邸宅では、芸術や文学など特定の分野に興味のある者達の社交が開かれている。それについて談話したり、知識を深めたりして交友を楽むことを目的としている。貴族の夫人が応接間で人々を集めて開く事から、サロンと呼ばれ貴族間の一般的な社交として、深く根付いている。
また、この学園内にもサロンは存在する。
学生のみで形成された、学園内の小さなコミュニティの社交場として、重要な役割を担っているようだ。
──中学や高校におけるクラブ活動みたいな物ね。ま、わたしは帰宅部だったけど。
前世では部活動の代わりに、養成所のレッスンやら養成所費用のためのアルバイトに忙しかった。
今思えばあれは一種の就職活動のようなもの。なので怠けていた訳ではないはず。
自称前世帰宅部のエースだったわたしは本日、学園のとあるサロンを見学させて貰う事にした。
そう、演劇サロンである。
平和な国では芸術の発展が目覚ましいというが、エリュシオン国もその例に漏れない。
演劇のみならず、音楽や絵画などさまざまな芸術が幅広く受け入れられている。
中でも演劇はとても人気のある分野であり、劇作以外にも話題になった書籍は、すぐに舞台化される程。
人気の舞台俳優は貴族間平民問わず名が知られるようになり、貴族のパトロンが付く事や、舞台女優のファンになる貴族女性も少なくない。
実際に貴族令嬢が舞台女優という職業に就けなくとも、サロンで趣味の範囲として、実際に演劇の真似事をする貴族は多い。
──全く期待はしていないけど、見学だけなら……。
定期的にフレデリック殿下と見に行く舞台はとても素晴らしく、かつて役者だった自分が焦がれてしまう程。
『舞台を経験した声優と、経験していない声優では演技の質が違う』これは声優の先輩や音響監督など、様々な人達から何度も言われた言葉。
演技の質など抽象的な言葉だが、確実に何が変わるらしい。
しかしわたしは朗読劇なら経験があるものの、舞台出演はなかった。
売れっ子の声優さんでも劇団に所属している方、定期的に舞台に出演される方は数多くいらっしゃる。
アニメやナレーションのレギュラー、ラジオなどの仕事を何本も抱え、洋画にアニメイベント。極め付けは稽古のため、時間を多く取らなければいけない舞台まで。
アフレコなら収録の日程一日のみしか必要としないのに対し、舞台は本番以外にも共演者と何度も稽古が必要だ。
そんな目まぐるしい日常、自分には無理だと常々思っていた。有名声優でも稽古の日程を捻出出来るのに、無名のわたしが出来ないなんて、言い訳と甘えだったのだろう。
そう考えるとやはりわたしは、売れっ子声優の器は持ち合わせていなかったように思える。
田舎から出て来た一人暮らしの売れない声優では、事務所のレッスンに加え、ボイトレなどの費用捻出が必要だった事を考慮しても……。
そして更に記憶を遡れば学生の頃、演劇部を選ぶ事も考えはしなかった。演劇部での経験はプロの役者になる上で、変な癖がついてしまう可能性が高く、この選択は今でも正解だったと思っている。
それも演技の癖ではなく、発声の仕方などの基礎的な部分である。基礎は一度変な癖が付くと直すのが難しい。
実際に同じ養成所に通う知り合いは、変な発声の癖がついていてそれを取るのにかなり苦労していた。その子は結局、声優になる夢は叶わなかった。
勿論演劇部出身の役者さんも、沢山いらっしゃると思うが。
そして演劇に纏わる一番古い記憶は小学生の頃。学年ごとの演劇舞台発表という行事があり、わたしは必死に台詞の少ない役を選んでいた。
何故なら目立つ事も、人前で声を発する事も大の苦手だったからだ。
そんな自分が声優という役者の道を目指し、プロの仕事をするまでに至ったのだから、自分でも驚きである。
侍女によって丁寧に梳かされた髪は、スーサイドテールに結ってもらった。ホワイトフローラルの優しい香りが、仄かに髪から香る。
「昨日セレスとぶつかった女子生徒の事なんだけど、エリカ・ダンドリューと名乗っていたね」
フレデリック殿下からエリカの話を振ってきた瞬間、私はビクリと身体を反応させて、内心身構えた。顔が硬ばらないように気を付けないと……。
「父上から、異世界よりやって来た少女だと説明を受けたよ。少し変わっていると思っていたら、平民ではなく異世界人だったとは驚いた。異世界から、一週間ほど前にこの世界にやって来たとかで。僕は丁度視察に行っていたからね」
フレデリック殿下は学園生活に入ると、中々視察に行ける機会が減ってしまうので、直前の視察が決定されていた。
「異世界ですが……」
「信じられない話だけどね」
「それに、彼女は聖女である可能性もあるらしい」
「まあ」
わたしは手を口元に当てて驚いた。
神官が海岸方面で異界の扉が開いたことを確認し、それを陛下に告げるとすぐ様騎士団が派遣された。そして海岸で倒れていたのがエリカだ。
(でも、まだ聖女だと確定ではないにしても、昨日までフレデリック殿下に何の知らせもなかったなんて……)
エリカについて、手紙での知らせがあってもいいような気がしたけど、やはり聖女降臨を他国に知られるのを恐れての判断なのだろうか。極秘情報として、直接陛下からフレデリック殿下に告げるのが安全か。
そもそも原作でもフレデリック殿下は、エリカと学園でぶつかった時に、その存在を初めて知るのである。
「現在はダンドリュー家の養女として、ダンドリュー夫妻の屋敷で暮らし、この学園へと通っているようだよ」
しかしダンドリュー伯爵家の養女という設定は、物語に無かったはずだ。
しかし、物語でも聖女として開花するとは限らず、貴族のキャラクターと結婚エンドも多いので、どっちにしても貴族の養子にならなくてはいけなかっただろう。
設定になくともここが現実世界だからか、必要な部分があれば補われていると、考えるのが自然か。
「彼女、貴族としてマナーが身についていないようで、マナー教育をダンドリュー家で学んでいるようだよ」
「ダンドリュー家なら安心ですわね」
ダンドリュー伯爵夫妻はとても出来た人柄であり、彼らに託すのは賢明な判断だろう。
「それにしても異世界からやってきたばかりなのに、いきなり学園に入学だなんて随分ご苦労されますのね……」
「確かに」
フレデリック様は神妙な面持ちで呟いた。そんな様子を見て、私は率直な感想を述べただけだけど、彼女への興味を施してしまったかしらと勘をぐってしまった。
やはり、人の心が分からない。
「私も出来るだけ、彼女の事を気にかけておくように致します
「ありがとう、心強いよ」
フレデリック殿下は柔らかく微笑んでくれた。
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エリュシオン国内の王宮や貴族の邸宅では、芸術や文学など特定の分野に興味のある者達の社交が開かれている。それについて談話したり、知識を深めたりして交友を楽むことを目的としている。貴族の夫人が応接間で人々を集めて開く事から、サロンと呼ばれ貴族間の一般的な社交として、深く根付いている。
また、この学園内にもサロンは存在する。
学生のみで形成された、学園内の小さなコミュニティの社交場として、重要な役割を担っているようだ。
──中学や高校におけるクラブ活動みたいな物ね。ま、わたしは帰宅部だったけど。
前世では部活動の代わりに、養成所のレッスンやら養成所費用のためのアルバイトに忙しかった。
今思えばあれは一種の就職活動のようなもの。なので怠けていた訳ではないはず。
自称前世帰宅部のエースだったわたしは本日、学園のとあるサロンを見学させて貰う事にした。
そう、演劇サロンである。
平和な国では芸術の発展が目覚ましいというが、エリュシオン国もその例に漏れない。
演劇のみならず、音楽や絵画などさまざまな芸術が幅広く受け入れられている。
中でも演劇はとても人気のある分野であり、劇作以外にも話題になった書籍は、すぐに舞台化される程。
人気の舞台俳優は貴族間平民問わず名が知られるようになり、貴族のパトロンが付く事や、舞台女優のファンになる貴族女性も少なくない。
実際に貴族令嬢が舞台女優という職業に就けなくとも、サロンで趣味の範囲として、実際に演劇の真似事をする貴族は多い。
──全く期待はしていないけど、見学だけなら……。
定期的にフレデリック殿下と見に行く舞台はとても素晴らしく、かつて役者だった自分が焦がれてしまう程。
『舞台を経験した声優と、経験していない声優では演技の質が違う』これは声優の先輩や音響監督など、様々な人達から何度も言われた言葉。
演技の質など抽象的な言葉だが、確実に何が変わるらしい。
しかしわたしは朗読劇なら経験があるものの、舞台出演はなかった。
売れっ子の声優さんでも劇団に所属している方、定期的に舞台に出演される方は数多くいらっしゃる。
アニメやナレーションのレギュラー、ラジオなどの仕事を何本も抱え、洋画にアニメイベント。極め付けは稽古のため、時間を多く取らなければいけない舞台まで。
アフレコなら収録の日程一日のみしか必要としないのに対し、舞台は本番以外にも共演者と何度も稽古が必要だ。
そんな目まぐるしい日常、自分には無理だと常々思っていた。有名声優でも稽古の日程を捻出出来るのに、無名のわたしが出来ないなんて、言い訳と甘えだったのだろう。
そう考えるとやはりわたしは、売れっ子声優の器は持ち合わせていなかったように思える。
田舎から出て来た一人暮らしの売れない声優では、事務所のレッスンに加え、ボイトレなどの費用捻出が必要だった事を考慮しても……。
そして更に記憶を遡れば学生の頃、演劇部を選ぶ事も考えはしなかった。演劇部での経験はプロの役者になる上で、変な癖がついてしまう可能性が高く、この選択は今でも正解だったと思っている。
それも演技の癖ではなく、発声の仕方などの基礎的な部分である。基礎は一度変な癖が付くと直すのが難しい。
実際に同じ養成所に通う知り合いは、変な発声の癖がついていてそれを取るのにかなり苦労していた。その子は結局、声優になる夢は叶わなかった。
勿論演劇部出身の役者さんも、沢山いらっしゃると思うが。
そして演劇に纏わる一番古い記憶は小学生の頃。学年ごとの演劇舞台発表という行事があり、わたしは必死に台詞の少ない役を選んでいた。
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