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2章 ヴィランズLOVE!?
35話
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「帰れ! なんでお前が!? うわあああ! 近寄るな! うっそなんで!? このボロアパートになぜ有名人のお前が住んでる!? 出てけ! 俺の安息の地を脅かすものは出ていけ!」
「ごっごめっ! ってなんで私が出てかなきゃ行けないのよ! 私には有名人になったって金が入ってこないのよ! ニュースで有名になったところで金にはならん! 毎日バイト三昧の貧乏学生にはこのボロアパートしか住むところがないんじゃい!」
お互い焦って言い争いになる。
まっまじですか、お隣に引っ越してくるとかどんだけ不運なんだこの人と私!
「出てけ! アパートの前にこの部屋から! 大丈夫だから! ちょっと鍋爆発しただけだから! 大したことないから!」
叫ぶレオンは私を頑張って追い返そうとする。
私もここにいたらまずいと思い後ろに下がる。
がしかし。
『ぐぅうううう』
お腹が減ってどうしようもありません助けてくださいって言ってるようなお腹の音が聞こえて下がっていた足を止め彼の顔を見る。
「いやっ違っ!」
顔を隠して悶絶するレオン。
……なんだろうこれ、悪役って負けるとこんなにマスコットみたいになるの?
「……ご飯いる?」
「だっ誰が! どうせお前も酷いことするんだろ! 大体お前の……いやなんでもない。こうなったのも俺のせいだ……八つ当たりして済まない」
彼は悲しそうに顔を俯けてそう言った。
「……酷いことは絶対にしない!それに私の分も作るからそんな不味い飯なんて食わせないよ」
「嘘つくな! えっ!? えーっと! お前は多分不味い飯でも美味しく食えるはずだろ! 大体一番俺に怒ってそうなやつが俺に優しくするわけがない! 絶対痛い目にあわせるつもりだ!」
彼は怯える子犬みたいに私にとっかかる。
……いやなにその小学生みたいな考え。
不味い飯なんか食えるかっての。
「レオン様私前レイラの魅力を言いましたよね。その話に嘘偽りはありましたか?」
急な私の丁寧言葉に驚く彼は少し考えて首を横に振る。
それを見て私は彼に優しくほほ笑みかける。
「だから私を信じてください。貴方の舌を満足させるお料理を提供しましょう」
「……えっあっあのお願いします」
それを見てもじもじしながらお願いしてくるレオン。
台所を借りて自分の部屋からエプロンと食材を持ってくる。
一人暮らしをする前から料理は少したしなんでたから人に出せるくらいは作れる。
家庭科で学んだしね。
野菜と肉を切って炒めて鍋に入れ水を入れて煮込む。
そして魔法の茶色い固形物を入れる
煮込むこと数分タッパに入れて持ってきた白飯にそれをかける。
「はいどうぞカレーです」
目を輝かせながらレオンはカレーを見つめる。
スプーンを手に取りカレーに同時に手をつける。
「「辛あああああああい!」」
急いで水を飲み込む私達。
なんでこんな辛いんだよ! この国のメーカー頭おかしいんじゃないの!?
「ゲホッゲホッ! 出てけ! ここから出てけ!」
辛さで涙目になるレオンに色々ものを投げられる私。
「ごっごめんなさーーーい! わざとじゃないの! 信じてよ!!! ゴホッ! 辛っ!」
私を部屋から追い出し彼は鍵をかける。
開きかけた心の扉は閉ざされてしまった。
ふざけるなカレールー林檎と蜂蜜入れといてくれよ……
「ごっごめっ! ってなんで私が出てかなきゃ行けないのよ! 私には有名人になったって金が入ってこないのよ! ニュースで有名になったところで金にはならん! 毎日バイト三昧の貧乏学生にはこのボロアパートしか住むところがないんじゃい!」
お互い焦って言い争いになる。
まっまじですか、お隣に引っ越してくるとかどんだけ不運なんだこの人と私!
「出てけ! アパートの前にこの部屋から! 大丈夫だから! ちょっと鍋爆発しただけだから! 大したことないから!」
叫ぶレオンは私を頑張って追い返そうとする。
私もここにいたらまずいと思い後ろに下がる。
がしかし。
『ぐぅうううう』
お腹が減ってどうしようもありません助けてくださいって言ってるようなお腹の音が聞こえて下がっていた足を止め彼の顔を見る。
「いやっ違っ!」
顔を隠して悶絶するレオン。
……なんだろうこれ、悪役って負けるとこんなにマスコットみたいになるの?
「……ご飯いる?」
「だっ誰が! どうせお前も酷いことするんだろ! 大体お前の……いやなんでもない。こうなったのも俺のせいだ……八つ当たりして済まない」
彼は悲しそうに顔を俯けてそう言った。
「……酷いことは絶対にしない!それに私の分も作るからそんな不味い飯なんて食わせないよ」
「嘘つくな! えっ!? えーっと! お前は多分不味い飯でも美味しく食えるはずだろ! 大体一番俺に怒ってそうなやつが俺に優しくするわけがない! 絶対痛い目にあわせるつもりだ!」
彼は怯える子犬みたいに私にとっかかる。
……いやなにその小学生みたいな考え。
不味い飯なんか食えるかっての。
「レオン様私前レイラの魅力を言いましたよね。その話に嘘偽りはありましたか?」
急な私の丁寧言葉に驚く彼は少し考えて首を横に振る。
それを見て私は彼に優しくほほ笑みかける。
「だから私を信じてください。貴方の舌を満足させるお料理を提供しましょう」
「……えっあっあのお願いします」
それを見てもじもじしながらお願いしてくるレオン。
台所を借りて自分の部屋からエプロンと食材を持ってくる。
一人暮らしをする前から料理は少したしなんでたから人に出せるくらいは作れる。
家庭科で学んだしね。
野菜と肉を切って炒めて鍋に入れ水を入れて煮込む。
そして魔法の茶色い固形物を入れる
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「はいどうぞカレーです」
目を輝かせながらレオンはカレーを見つめる。
スプーンを手に取りカレーに同時に手をつける。
「「辛あああああああい!」」
急いで水を飲み込む私達。
なんでこんな辛いんだよ! この国のメーカー頭おかしいんじゃないの!?
「ゲホッゲホッ! 出てけ! ここから出てけ!」
辛さで涙目になるレオンに色々ものを投げられる私。
「ごっごめんなさーーーい! わざとじゃないの! 信じてよ!!! ゴホッ! 辛っ!」
私を部屋から追い出し彼は鍵をかける。
開きかけた心の扉は閉ざされてしまった。
ふざけるなカレールー林檎と蜂蜜入れといてくれよ……
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