15 / 53
1章 町娘はストーリーを変える
15話
しおりを挟む
「はぁあああああ」
「すっごいため息ねどうしたの?」
昼休み授業をサボった私は先生に叱られとてもブルーな気分でランチタイム。
体調の悪いレイラに心配されるくらいの大きなため息を吐いてしまった。
「どこかの誰か様のお婿さんが彼女を拉致して授業をサボタージュさせましたのよ」
「えっ!? 」
「ちょっと見てたなら助けて下さいよ! ミキさん!」
「助けれたら助けましたわよ……相手は王族でしてよ? そんなことしたら私は打首獄門ですわ!」
「ちょっとまって!? レオン様が何したって!? アカネを拉致った!? 嘘でしょ!?」
「本当ですわよレイラ様! アカネさんの悲鳴が聞こえて何事かと思ったらレオン様に連れられて行く姿が私達の目に入りましたわ! まるで怪盗に攫われる姫君の如し!」
「もしやテンション上がって楽しんでましたね!? セイラさん!」
私が突っ込むとてへっと舌を出して謝ってくるセイラ。
この人お嬢様なのにお転婆な人だなぁ……
「……大丈夫? あの人貴方に何をしたの!? 嫌なことされてない!?」
「うん、大丈夫だよ……凄く胃がキリキリしたけどねははっ」
あの後ショック受けて私に懺悔してきて正直ウザかった。
あの人根は悪い人じゃなさそうだけど……やっぱりやばいやつだという認識は変わらないや。
「でも不思議ですわよねぇ。この結婚に親衛隊が何も言わないのは」
「そりゃそうですわよメアリーさん。前の婚約破棄もありえた状況からもう絶対何があっても終わらぬ愛を誓うことになったんですもの。ここで騒ぎを起こせば罰を受けるのは彼女達。そもそもレイラ様に危害を加える馬鹿なんておりませんて! おほほほ!」
「……そうですわね、セイラ・ゴルドフィーネさん」
「ひっ! そっその声は……」
セイラが恐る恐る振り返るとそこには怖い顔をしたヨシュアとその仲間達が立っていた。
「また貴方達ね……アカネに手を出すなって言ったでしょ!」
「……次期王子妃は黙ってなさい。別に手は出さないわ。アキノシタ・アカネ少々お時間よ……」
「よろしくなくてよ。ヨシュアさん。私の華麗なるランチタイムを邪魔しないで頂きたい」
綺麗な言葉遣いでセリフに被せて即答する。
「……そう、ならいいわ行きましょう皆さん」
あっあれー?
つつかかってこないぞ?
何が目的だったんだ?
綺麗な姿勢で彼女たちは食堂を出ていった。
「まぁ気にすることありませんわよ」
「そうね、アカネ食べましょ! お代わりもあるわよ!」
「そうだね! それじゃお代わり頂こうか!」
……でも本当に何しに来たんだろう。
あんな大勢でこられたら心臓に悪いっての。
今度来る時は一人から三人で頼みますよっと。
「……言われたとおり彼女の声をサンプリングしてきましたよ。そしてお友達の声も」
「はいありがとうねヨシュアさん!」
ボイスレコーダーをアイリに渡すヨシュア。
「あの、これだけで何をするんです?」
「……簡単よ。ふふっ見てなさい明日を楽しみにしてる事ね」
彼女はあくどい笑みをみせ高らかに笑う。
「おーっほっほ! 悪役令嬢! これが貴方に送るバットエンドよ! 貴方にハッピーエンドはあげないわ!」
「すっごいため息ねどうしたの?」
昼休み授業をサボった私は先生に叱られとてもブルーな気分でランチタイム。
体調の悪いレイラに心配されるくらいの大きなため息を吐いてしまった。
「どこかの誰か様のお婿さんが彼女を拉致して授業をサボタージュさせましたのよ」
「えっ!? 」
「ちょっと見てたなら助けて下さいよ! ミキさん!」
「助けれたら助けましたわよ……相手は王族でしてよ? そんなことしたら私は打首獄門ですわ!」
「ちょっとまって!? レオン様が何したって!? アカネを拉致った!? 嘘でしょ!?」
「本当ですわよレイラ様! アカネさんの悲鳴が聞こえて何事かと思ったらレオン様に連れられて行く姿が私達の目に入りましたわ! まるで怪盗に攫われる姫君の如し!」
「もしやテンション上がって楽しんでましたね!? セイラさん!」
私が突っ込むとてへっと舌を出して謝ってくるセイラ。
この人お嬢様なのにお転婆な人だなぁ……
「……大丈夫? あの人貴方に何をしたの!? 嫌なことされてない!?」
「うん、大丈夫だよ……凄く胃がキリキリしたけどねははっ」
あの後ショック受けて私に懺悔してきて正直ウザかった。
あの人根は悪い人じゃなさそうだけど……やっぱりやばいやつだという認識は変わらないや。
「でも不思議ですわよねぇ。この結婚に親衛隊が何も言わないのは」
「そりゃそうですわよメアリーさん。前の婚約破棄もありえた状況からもう絶対何があっても終わらぬ愛を誓うことになったんですもの。ここで騒ぎを起こせば罰を受けるのは彼女達。そもそもレイラ様に危害を加える馬鹿なんておりませんて! おほほほ!」
「……そうですわね、セイラ・ゴルドフィーネさん」
「ひっ! そっその声は……」
セイラが恐る恐る振り返るとそこには怖い顔をしたヨシュアとその仲間達が立っていた。
「また貴方達ね……アカネに手を出すなって言ったでしょ!」
「……次期王子妃は黙ってなさい。別に手は出さないわ。アキノシタ・アカネ少々お時間よ……」
「よろしくなくてよ。ヨシュアさん。私の華麗なるランチタイムを邪魔しないで頂きたい」
綺麗な言葉遣いでセリフに被せて即答する。
「……そう、ならいいわ行きましょう皆さん」
あっあれー?
つつかかってこないぞ?
何が目的だったんだ?
綺麗な姿勢で彼女たちは食堂を出ていった。
「まぁ気にすることありませんわよ」
「そうね、アカネ食べましょ! お代わりもあるわよ!」
「そうだね! それじゃお代わり頂こうか!」
……でも本当に何しに来たんだろう。
あんな大勢でこられたら心臓に悪いっての。
今度来る時は一人から三人で頼みますよっと。
「……言われたとおり彼女の声をサンプリングしてきましたよ。そしてお友達の声も」
「はいありがとうねヨシュアさん!」
ボイスレコーダーをアイリに渡すヨシュア。
「あの、これだけで何をするんです?」
「……簡単よ。ふふっ見てなさい明日を楽しみにしてる事ね」
彼女はあくどい笑みをみせ高らかに笑う。
「おーっほっほ! 悪役令嬢! これが貴方に送るバットエンドよ! 貴方にハッピーエンドはあげないわ!」
0
お気に入りに追加
1,206
あなたにおすすめの小説
ラストグリーン
桜庭かなめ
恋愛
「つばさくん、だいすき」
蓮見翼は10年前に転校した少女・有村咲希の夢を何度も見ていた。それは幼なじみの朝霧明日香も同じだった。いつか咲希とまた会いたいと思い続けながらも会うことはなく、2人は高校3年生に。
しかし、夏の始まりに突如、咲希が翼と明日香のクラスに転入してきたのだ。そして、咲希は10年前と同じく、再会してすぐに翼に好きだと伝え頬にキスをした。それをきっかけに、彼らの物語が動き始める。
20世紀最後の年度に生まれた彼らの高校最後の夏は、平成最後の夏。
恋、進路、夢。そして、未来。様々なことに悩みながらも前へと進む甘く、切なく、そして爽やかな学園青春ラブストーリー。
※完結しました!(2020.8.25)
※お気に入り登録や感想をお待ちしています。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
異世界転生したら悪役令嬢じゃなくイケメン達に囲まれちゃいましたっ!!
杏仁豆腐
恋愛
17歳の女子高生が交通事故で即死。その後女神に天国か地獄か、それとも異世界に転生するかの選択肢を与えられたので、異世界を選択したら……イケメンだらけの世界に来ちゃいました。それも私って悪役令嬢!? いやそれはバッドエンドになるから勘弁してほしいわっ! 逆ハーレム生活をエンジョイしたいのっ!!
※不定期更新で申し訳ないです。順調に進めばアップしていく予定です。設定めちゃめちゃかもしれません……本当に御免なさい。とにかく考え付いたお話を書いていくつもりです。宜しくお願い致します。
※タイトル変更しました。3/31
悪役令嬢は婚約破棄したいのに王子から溺愛されています。
白雪みなと
恋愛
この世界は乙女ゲームであると気づいた悪役令嬢ポジションのクリスタル・フェアリィ。
筋書き通りにやらないとどうなるか分かったもんじゃない。それに、貴族社会で生きていける気もしない。
ということで、悪役令嬢として候補に嫌われ、国外追放されるよう頑張るのだったが……。
王子さま、なぜ私を溺愛してらっしゃるのですか?
【完結】悪役令嬢のトゥルーロマンスは断罪から☆
白雨 音
恋愛
『生まれ変る順番を待つか、断罪直前の悪役令嬢の人生を代わって生きるか』
女神に選択を迫られた時、迷わずに悪役令嬢の人生を選んだ。
それは、その世界が、前世のお気に入り乙女ゲームの世界観にあり、
愛すべき推し…ヒロインの義兄、イレールが居たからだ!
彼に会いたい一心で、途中転生させて貰った人生、あなたへの愛に生きます!
異世界に途中転生した悪役令嬢ヴィオレットがハッピーエンドを目指します☆
《完結しました》
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!
朱音ゆうひ
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」
伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。
ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。
「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」
推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい!
特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした!
※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。
サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )
転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました
空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。
結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。
転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。
しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……!
「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」
農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。
「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」
ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる