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1章 町娘はストーリーを変える
11話
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「おはよーございまーす」
朝来たら女子からの怖い目線も無くなって私はゆるゆるの気持ちで教室に入る。
すると私に弾丸のように誰かが飛び込んできた。
「ぐはっ!? ……レっレイラ!?」
抱きついてきた彼女は顔を上げ涙目で訴えてきた。
「アカネ! 大変なことになっちゃった!」
「どうしたの!? 落ち着いて何があったの!?」
「あのね……私本当に彼と結婚することになっちゃった! まじであり得ない!」
えっ? どういうこと!?
「まって、まてまて、まって。何があったの!? 嘘でしょ!? 」
「嘘じゃないのよ! びっくりしたわよ! アイリさんにと仲良くしておいて急に私にそう言ったのよ!? 可笑しくない!?」
「いやマジで何があった! 昨日の食事で何があったのさレイラ!」
「実は……」
昨日の事である。
レイラとレオンのお食事会の時の話。
「……美味しい! 今日のお料理はいつも以上に美味しいですね!」
「レっレイラ様にそう言って頂けて光栄です!」
レイラを驚いた顔で見つめるレオン。
……驚いた本当に変わっている。
しかも性格も良くなって前よりいい女になってる。
それにアイリよりずっと可愛いぞ。
「どうかしましたか? レオン様」
「あっいや、何でもない」
顔を赤らめて目線をそらすレオン。
「それよりレオン様聞いてください今日親衛隊の方達がアカネに酷いことをしてきたのです」
「何? それは本当か?」
「はい、なのでお願いがあります。アカネの安全を保証して欲しいのです。貴方様の一声で彼女達は落ち着きます。我儘だとは思いますがお願いできませんでしょうか」
……ほっ本当にレイラか!?
こんなに人のことを思いやる性格だったか!?
いつも冷酷で俺に女の影がみえるとネチネチと言ってきてその女に取っかかっていたレイラか!?
「どうされました……レオン様顔色が優れないようですけど」
こんな可憐な顔で人の心配などしたか!?
「いっいや、何でもない。そうだな彼女達には釘を指しておく」
「ありがとうごさいますレオン様。良かった……アカネに何かあったら私……」
なっなんだその愛らしい顔は!
俺にすら見せたことない表情を友であるあの女に見せるのか!?
羨ま……何を考えているんだ俺は!
ますます気に食わんあの女!
……でもまて、あいつ本当に彼女のことを思ってたんだな。彼女の良さに誰よりも早く気づき彼女を友として大切にしていたのか……。
「……後で謝らないといけないな……」
「ふふっレオン様。大丈夫ですよそんな顔なさらなくても。アカネは許してくれますよきっと。悪いのは彼女たちですもの」
レイラは優しく彼に微笑みかけた。
「……レイラ」
レオンはそれを見て心がときめいた。
そして椅子をたち彼女の傍に寄り添った。
「えっ!? ちょ!? レオン様!? なんで跪いてるんですか!?」
「レイラ結婚しよう。君と共に歩みたい」
「けっ結婚って!」
「式は今週の日曜日にあげよう。国中をあげてのパーティだ盛大にいこう!」
「……という訳なの」
レイラはため息をついて顔に手を当てた。
まじかよ、王子。
「訳が分からないわ……なんで急に。アイリさんにてっきりお熱だと思ってたから早く婚約破棄しろなんて思ってたし……」
王子レイラの良さに気づいたな。
あの神様が言ってたこと本当だったんだ。
でもそんな軽い王子にレイラを上げたくない!
いや、私が貰うってことじゃないけどさ。
だってアイリさんとあんなにイチャついてたのにレイラにコロッと変わる男だよ? 幸せに出来るわけないよ。
「私どうしよう。結婚なんてしたくないよ……好きでもない人と結婚なんて……」
「レイラ……」
「あっ! レイラ様アカネさんおはようございますわ! そしておめでとうございます!」
「セイラ……ありがとう! 結婚式にはぜひ来てね!」
「ええ! もちろん!」
一瞬気まずそうな顔をしてすぐに笑顔を作るレイラ。
……どうしよう、このままじゃレイラに悲しい思いをさせることになっちゃう。
「おはようございます! 皆さん!」
主人公がいつもの様にキラキラした笑顔で入ってきた。
そしてレイラに近づいた。
まっまずい! レイラに何か言う気だ!
「おめでとうございますレイラ様。結婚式には参加しますわ。レオン様とレイラ様の友人として」
「ありがとうアイリさん! 嬉しいわ!」
あれ、何も言わなかった。
あんなに溺愛されてたのに振られたから彼女に対して怒りを持っててもおかしくないはずなのに。
あとレイラ困り果ててその場のテンションに身を任せるのはやめた方が、その言い方だとアイリさんが怒ってたら刺激しちゃうよ!
「……どうしよどうしよどうしよ。私この国の王女になっちゃうの? 怖い怖い無理だよ好きな人とならともかく愛してない人とそんな責任をおう仕事をするなんて。メンタル的に耐えられない」
ブツブツと凄い顔で呟くレイラ。
頭を抱え自分の席でお経のように唱えている。
凄いことになってしまった。
私のせいで凄いシナリオになっちゃった。
これどうしたらハッピーエンドになるの!?
朝来たら女子からの怖い目線も無くなって私はゆるゆるの気持ちで教室に入る。
すると私に弾丸のように誰かが飛び込んできた。
「ぐはっ!? ……レっレイラ!?」
抱きついてきた彼女は顔を上げ涙目で訴えてきた。
「アカネ! 大変なことになっちゃった!」
「どうしたの!? 落ち着いて何があったの!?」
「あのね……私本当に彼と結婚することになっちゃった! まじであり得ない!」
えっ? どういうこと!?
「まって、まてまて、まって。何があったの!? 嘘でしょ!? 」
「嘘じゃないのよ! びっくりしたわよ! アイリさんにと仲良くしておいて急に私にそう言ったのよ!? 可笑しくない!?」
「いやマジで何があった! 昨日の食事で何があったのさレイラ!」
「実は……」
昨日の事である。
レイラとレオンのお食事会の時の話。
「……美味しい! 今日のお料理はいつも以上に美味しいですね!」
「レっレイラ様にそう言って頂けて光栄です!」
レイラを驚いた顔で見つめるレオン。
……驚いた本当に変わっている。
しかも性格も良くなって前よりいい女になってる。
それにアイリよりずっと可愛いぞ。
「どうかしましたか? レオン様」
「あっいや、何でもない」
顔を赤らめて目線をそらすレオン。
「それよりレオン様聞いてください今日親衛隊の方達がアカネに酷いことをしてきたのです」
「何? それは本当か?」
「はい、なのでお願いがあります。アカネの安全を保証して欲しいのです。貴方様の一声で彼女達は落ち着きます。我儘だとは思いますがお願いできませんでしょうか」
……ほっ本当にレイラか!?
こんなに人のことを思いやる性格だったか!?
いつも冷酷で俺に女の影がみえるとネチネチと言ってきてその女に取っかかっていたレイラか!?
「どうされました……レオン様顔色が優れないようですけど」
こんな可憐な顔で人の心配などしたか!?
「いっいや、何でもない。そうだな彼女達には釘を指しておく」
「ありがとうごさいますレオン様。良かった……アカネに何かあったら私……」
なっなんだその愛らしい顔は!
俺にすら見せたことない表情を友であるあの女に見せるのか!?
羨ま……何を考えているんだ俺は!
ますます気に食わんあの女!
……でもまて、あいつ本当に彼女のことを思ってたんだな。彼女の良さに誰よりも早く気づき彼女を友として大切にしていたのか……。
「……後で謝らないといけないな……」
「ふふっレオン様。大丈夫ですよそんな顔なさらなくても。アカネは許してくれますよきっと。悪いのは彼女たちですもの」
レイラは優しく彼に微笑みかけた。
「……レイラ」
レオンはそれを見て心がときめいた。
そして椅子をたち彼女の傍に寄り添った。
「えっ!? ちょ!? レオン様!? なんで跪いてるんですか!?」
「レイラ結婚しよう。君と共に歩みたい」
「けっ結婚って!」
「式は今週の日曜日にあげよう。国中をあげてのパーティだ盛大にいこう!」
「……という訳なの」
レイラはため息をついて顔に手を当てた。
まじかよ、王子。
「訳が分からないわ……なんで急に。アイリさんにてっきりお熱だと思ってたから早く婚約破棄しろなんて思ってたし……」
王子レイラの良さに気づいたな。
あの神様が言ってたこと本当だったんだ。
でもそんな軽い王子にレイラを上げたくない!
いや、私が貰うってことじゃないけどさ。
だってアイリさんとあんなにイチャついてたのにレイラにコロッと変わる男だよ? 幸せに出来るわけないよ。
「私どうしよう。結婚なんてしたくないよ……好きでもない人と結婚なんて……」
「レイラ……」
「あっ! レイラ様アカネさんおはようございますわ! そしておめでとうございます!」
「セイラ……ありがとう! 結婚式にはぜひ来てね!」
「ええ! もちろん!」
一瞬気まずそうな顔をしてすぐに笑顔を作るレイラ。
……どうしよう、このままじゃレイラに悲しい思いをさせることになっちゃう。
「おはようございます! 皆さん!」
主人公がいつもの様にキラキラした笑顔で入ってきた。
そしてレイラに近づいた。
まっまずい! レイラに何か言う気だ!
「おめでとうございますレイラ様。結婚式には参加しますわ。レオン様とレイラ様の友人として」
「ありがとうアイリさん! 嬉しいわ!」
あれ、何も言わなかった。
あんなに溺愛されてたのに振られたから彼女に対して怒りを持っててもおかしくないはずなのに。
あとレイラ困り果ててその場のテンションに身を任せるのはやめた方が、その言い方だとアイリさんが怒ってたら刺激しちゃうよ!
「……どうしよどうしよどうしよ。私この国の王女になっちゃうの? 怖い怖い無理だよ好きな人とならともかく愛してない人とそんな責任をおう仕事をするなんて。メンタル的に耐えられない」
ブツブツと凄い顔で呟くレイラ。
頭を抱え自分の席でお経のように唱えている。
凄いことになってしまった。
私のせいで凄いシナリオになっちゃった。
これどうしたらハッピーエンドになるの!?
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