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1章 町娘はストーリーを変える
6話
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「うーん! 今日も頑張ったぁ!」
6時間目のチャイムがなったのが聞こえて思い切り腕を伸ばす。
「うふふっアカネさん何言ってますの? 今日は7時間目がありますのよ?」
隣の席の女の子が上品に笑ってそう言った。
……7時間?
ちらっと時間割を見てみるとそこには進学校にしかないと言われていた7の数字が見えた。
嘘でしょ!? 帰れると思ったのに!
「それではアカネさん私は移動なのでこれで」
「あれっ? どこ行くの? 授業はここじゃないの?」
「ふふっ今日は冗談ばかりおっしゃるのですね。7時間目は選択授業。移動教室ですわ」
そんなの聞いてないんですけど。
しまった、その授業何かわからないし教科書も6時間しかないと思って持ってきてないよ!?
「アカネ、移動するわよ。科学室と社会科教室近いから一緒に行きましょ?」
パニックになってる所に丁度よくやってきたレイラ。
「あっあのさ、私の授業の……」
普段の生活のことを聞きすぎたら怪しまれると思って、上手い具合でぼやかす。
「もしかして、教科書忘れたの!? だっ大丈夫? 政治経済でしょ!? あんな性格悪い王族や貴族ばっかなとこであんた教科書借りれんの!?」
……どうやら授業は政経。
いやー良かった、前の学校でも習ってたから分かるぞ。
でもなんかやばい単語が聞こえたのですが。
「そっそれじゃあ、頑張るのよ!」
……嫌な予感しかしない。
そーっとドアを開けて教室に入る。
自由席みたいだったので忘れたことがバレないように後ろの席に座る。
見たところ皆静かに座って教科書を読んでるみたいだけど……変に絡まれないように気をつけないと。
「……やぁ、Msアキノシタ。そういえば君同じ授業だったか」
……おまっなんでいるんだ!?
そしてなぜ隣に座る!?
「おっお昼ぶりですね」
「……君もしかして教科書忘れたのか? 俺の見るか? 何遠慮はいらない、レイラと仲良くしてくれてるらしいしな」
オーマイガー!
ヘルプミー神様!
はよ選択肢だせやこのぉ!
なんで爽やかな笑顔で笑うのこいつ!?
やばいって! こんなとこでそんなこと言われちゃまた注目の的でしょうが!?
馬鹿なの? 王族って自分が目立ってる自覚ないの!?
「あっあははいいんですか? レオン様の迷惑なんじゃ……」
「うん? そんなわけないだろ。民が困っていたら手を差し伸べるのが王だ。それに君とは長い付き合いになりそうだしな」
やめてくれ! そんな付き合い要らないよ!
なんだか胃からキリキリ音がするんですが!?
「はい、注目。号令係よろしく」
「起立、気をつけ、礼! お願いします!」
やばい授業が始まってしまった。
授業の時間は50分。
……それまでこの地獄で授業をするのか……。
トホホ、主人公とあの親衛隊に知られたら私死ぬのでは?
「えーであるからして……」
現在の経過時間30分。
アニメが一本終わった時間。
授業が全く入ってこない。
「……なぁ、どうしてレイラと一緒にいる」
「えっ?」
彼はボソリと私に言ってきた。
さっきの爽やかな顔ではなく、なんというかこれから修羅場イベントが起こりそうな見るだけで不安になる顔が見えた。
「金か? それとも何が弱みを知ったか?」
「……おっしゃる意味が分からないのですが」
目線を合わせないようにして恐る恐る声を出す。
「とぼけるな、お前何が目的だ。あのレイラと仲良くするなんて絶対裏がある。もしお前の目的が俺に害を及ぼすのなら、俺は容赦なくお前を消す」
こっ、こいつ!
本当にやばいやつじゃないか!
私のガラスのハートが粉々に砕け散ったわ!
怖すぎる……この人最初から私を脅すために隣に座りやがった!
でる……なんか口から出てくる! 気分が悪い!
「すっすみません! 気分が悪いので保健室に行ってもいいですか!」
手を挙げて大きな声を張り上げる私。
「……どっどうぞ」
勢いよく椅子を立ちこの空間から離脱する。
廊下を走ってどこにあるか分からない保健室を目指す。
もう嫌だああああ! こんな世界まっぴらごめんだあああ!
がむしゃらに腕を降って足を動かす。
まるでレーシングカーの様なスピードが出てると思った。
階段を駆け下りそこの階を一周する。
そしてようやく見つけた保健室。
安息の地を見つけて私はほっとしてそこのドアを開ける。
「失礼します体調が悪いのでやすませ……!?」
目を疑った。
安息の地になぜ悪魔がいる!?
「あら今日は体調不良者が多いのね。ゆっくり休みなさい」
「はい、ありがとうございます。先生」
保健室の先生の優しい提案がこんなにも苦痛になるとは思いもしなかった。
なんでお前もいるんだよ!
怯えた目で彼を見ていたら。
目が合ってしまった。
「逃げられると思うなよ」
すると彼は笑顔を向けて口をパクパクと動かしてサイレントで伝えてきた。
異世界生活4日目4という数字は不吉ですね。
だって現に私は死にそうなくらいやばい目にあってんだもの!
6時間目のチャイムがなったのが聞こえて思い切り腕を伸ばす。
「うふふっアカネさん何言ってますの? 今日は7時間目がありますのよ?」
隣の席の女の子が上品に笑ってそう言った。
……7時間?
ちらっと時間割を見てみるとそこには進学校にしかないと言われていた7の数字が見えた。
嘘でしょ!? 帰れると思ったのに!
「それではアカネさん私は移動なのでこれで」
「あれっ? どこ行くの? 授業はここじゃないの?」
「ふふっ今日は冗談ばかりおっしゃるのですね。7時間目は選択授業。移動教室ですわ」
そんなの聞いてないんですけど。
しまった、その授業何かわからないし教科書も6時間しかないと思って持ってきてないよ!?
「アカネ、移動するわよ。科学室と社会科教室近いから一緒に行きましょ?」
パニックになってる所に丁度よくやってきたレイラ。
「あっあのさ、私の授業の……」
普段の生活のことを聞きすぎたら怪しまれると思って、上手い具合でぼやかす。
「もしかして、教科書忘れたの!? だっ大丈夫? 政治経済でしょ!? あんな性格悪い王族や貴族ばっかなとこであんた教科書借りれんの!?」
……どうやら授業は政経。
いやー良かった、前の学校でも習ってたから分かるぞ。
でもなんかやばい単語が聞こえたのですが。
「そっそれじゃあ、頑張るのよ!」
……嫌な予感しかしない。
そーっとドアを開けて教室に入る。
自由席みたいだったので忘れたことがバレないように後ろの席に座る。
見たところ皆静かに座って教科書を読んでるみたいだけど……変に絡まれないように気をつけないと。
「……やぁ、Msアキノシタ。そういえば君同じ授業だったか」
……おまっなんでいるんだ!?
そしてなぜ隣に座る!?
「おっお昼ぶりですね」
「……君もしかして教科書忘れたのか? 俺の見るか? 何遠慮はいらない、レイラと仲良くしてくれてるらしいしな」
オーマイガー!
ヘルプミー神様!
はよ選択肢だせやこのぉ!
なんで爽やかな笑顔で笑うのこいつ!?
やばいって! こんなとこでそんなこと言われちゃまた注目の的でしょうが!?
馬鹿なの? 王族って自分が目立ってる自覚ないの!?
「あっあははいいんですか? レオン様の迷惑なんじゃ……」
「うん? そんなわけないだろ。民が困っていたら手を差し伸べるのが王だ。それに君とは長い付き合いになりそうだしな」
やめてくれ! そんな付き合い要らないよ!
なんだか胃からキリキリ音がするんですが!?
「はい、注目。号令係よろしく」
「起立、気をつけ、礼! お願いします!」
やばい授業が始まってしまった。
授業の時間は50分。
……それまでこの地獄で授業をするのか……。
トホホ、主人公とあの親衛隊に知られたら私死ぬのでは?
「えーであるからして……」
現在の経過時間30分。
アニメが一本終わった時間。
授業が全く入ってこない。
「……なぁ、どうしてレイラと一緒にいる」
「えっ?」
彼はボソリと私に言ってきた。
さっきの爽やかな顔ではなく、なんというかこれから修羅場イベントが起こりそうな見るだけで不安になる顔が見えた。
「金か? それとも何が弱みを知ったか?」
「……おっしゃる意味が分からないのですが」
目線を合わせないようにして恐る恐る声を出す。
「とぼけるな、お前何が目的だ。あのレイラと仲良くするなんて絶対裏がある。もしお前の目的が俺に害を及ぼすのなら、俺は容赦なくお前を消す」
こっ、こいつ!
本当にやばいやつじゃないか!
私のガラスのハートが粉々に砕け散ったわ!
怖すぎる……この人最初から私を脅すために隣に座りやがった!
でる……なんか口から出てくる! 気分が悪い!
「すっすみません! 気分が悪いので保健室に行ってもいいですか!」
手を挙げて大きな声を張り上げる私。
「……どっどうぞ」
勢いよく椅子を立ちこの空間から離脱する。
廊下を走ってどこにあるか分からない保健室を目指す。
もう嫌だああああ! こんな世界まっぴらごめんだあああ!
がむしゃらに腕を降って足を動かす。
まるでレーシングカーの様なスピードが出てると思った。
階段を駆け下りそこの階を一周する。
そしてようやく見つけた保健室。
安息の地を見つけて私はほっとしてそこのドアを開ける。
「失礼します体調が悪いのでやすませ……!?」
目を疑った。
安息の地になぜ悪魔がいる!?
「あら今日は体調不良者が多いのね。ゆっくり休みなさい」
「はい、ありがとうございます。先生」
保健室の先生の優しい提案がこんなにも苦痛になるとは思いもしなかった。
なんでお前もいるんだよ!
怯えた目で彼を見ていたら。
目が合ってしまった。
「逃げられると思うなよ」
すると彼は笑顔を向けて口をパクパクと動かしてサイレントで伝えてきた。
異世界生活4日目4という数字は不吉ですね。
だって現に私は死にそうなくらいやばい目にあってんだもの!
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