俺の彼女が彼女じゃない件

sugar

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驚き

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気づいたら俺はベットに横たわっていた。
辺りを見回した限りは俺が一人暮らしをしている部屋のベッドの上だった
まだ高校一年生の俺は、家族とか色々な理由で一人暮らしをしていた。


(疲れてるんだな)
変な夢を見た俺は
「なんか飲もう」
そう思ってキッチンへ向かった。
何かがおかしい
一人暮らしのはずなのにキッチンから音がする。


「ふんふーんふんふふふーん」


おまけに鼻歌まで聞こえてきた。
でも咲の声ではない
急いでキッチンへ向かうとそこにはあのバケモン、もといサキュバスがいた


「起きたんだねぇ」


俺は目をキョトンとさせた。
これは夢ではないことは流石に分かる


「なぜ居る」


もう敵意とかの前に疑問が来てしまった。


「まだ言う事聞いてもらってないからねぇ」


そう言うと冷蔵庫から魚肉ソーセージを取り出し食べ始めた。
人間界に慣れているらしい。
ここで一番大事なことに気づいた


(これが夢ではないなら咲は?)


すると何か悟ったようにサキュバスが
「咲ちゃんなら無事よ家で寝てるわ」
本当かどうかは知らないがまず一安心だ
そして俺はサキュバスにこう言った 


「なぜ殺さない?」


サキュバスといえば
男性から精気を吸い取り(以下略
するとサキュバスが


「貴方が必死だったから」


魔物にも人情があるんだな、と感心しながら


「何が望みだ」


と聞いた 
すると驚きの答えが返ってきた。


「貴方には強くなってもらいます、目安は私と互角に戦える程度までですね」


、、、、、こいつ何言ってんだ?
分からない何が望みか?
するとサキュバスが続けて


「期間は一年、その間私は咲ちゃんの体を依り代として貴方、つまりレンくんの師匠をしてあげます。主に戦い方ですけど」


俺の師匠をする?なんで俺の名前まで知っている?


「何か目的だ?」


「貴方を戦って楽しむことよ」


んっ、まて?
今こいつ咲を依り代にするとかなんとか言ってたよな、、、
まじかよ


「おいおい、お前咲には手を出すんじゃねぇよ」


「これは彼女が望んだのよ」


「は?」


こいつの言っている意味が分からなかった。


(咲が望んだ?)


すると続けて


「いやー実はね貴方を襲おうとしたんですよ。
そしたら咲ちゃんが走ってきて「やめてー」っね」



俺のせいで


そう考えた。
しかししかし続けて


「私、女を襲うつもりはないから少しお話ししたの。そしたら案外話があってねぇ。」


は?
ますます分からない
手段はどうであり、俺を殺しにきてるやつが、俺の彼女と話があっただと?
本当だと全然思えない話だか
今俺が助かっているのを見ると本当だと信じるほかないらしい。
そして彼女さんの前でおっぱじめるのもあれだから、どうしようか迷ったの
で彼女さんに


「この子に1年間私の弟子として強くなってもらうのはどう?貴方を私みたいのからも守れるぐらいにね」


と提案したら、笑顔で

(「いいですね!」)


「なんて言うのよあの子、笑っちゃうよね。」


「じゃ咲には同意の上なんだな!」


「もちろんよ」

安心はしたが油断はできない。急いで咲の元に行かないと
そう思って


「咲のところ行ってくる!」


家を飛び出した。


「どう咲ちゃん?」


「嬉しかったです。本当に私のことを思ってくれて」


そう言ってサキュバスの後ろから出てきたのは咲だった。

「でもギーラさんなんであんな嘘ついたんですか?」

「何の話?」

「ふふふ、なんでもないです。」



ピンポーン


「おーい咲」


なにかのお茶をイメージしてしまった。


「おい咲いないのか?」


なんで出ないんだろう?
まだ寝てるのか?
そしたら先のお母さんが出てきた。


「どしたのレンくん?」


「咲ってまだ寝てますか?」


「咲ならまだ返ってないわよ」


「は?」


「返ってきてませんよ」


「すいませんありがとうございました」


どういうことだ?



かくして色々あった今日の一日が終わった


と思っていた。

なんか体が重い。
疲れているからだと思い、すぐに寝床に着いた。
案の定寝てしまった。
異変に気付いたのは午前12時過ぎだ
何がさむいと思ったら窓が空いている。

今は冬だ。
いくら眠かったと言っても窓を閉め忘れるヘマはしない。何かを悟った俺は気づかないふりをしながら窓を閉めた。
後ろを警戒しながらゆっくり窓を閉めて振り返った。

何もない。

考えすぎか?

いやそれはない

居る。

俺は布団に入り、スマホの懐中電灯機能をつけて布団で隠した。
気配は感じる。
近いな。
そしてその時はきた。

「レーンくん」

俺は懐中電灯を持ったそしてあいつが布団をめくろうとした。
その時


「食いやがれ!」


懐中電灯を正面に向けた。


「きゃっ ちょっと何?前が見えない」


「雑魚がヨォ引っかかりやがったな」


やってやったさ!


そう思った俺はまだまだだった。


「なーんてね」


目の前にいたサキュバスが消えて後ろから音がした


「つーかまえた」


甘かった。


やはりサキュバスはサキュバス
やることはわかっていた。

「はぁ結局これかよ」

しかし少し不思議だったのは
匂い、つまり筋肉が弛緩しなかったことだ
「襲うつもりじゃなかったのに」


そうサキュバスは呟いた
本当だと一安心したがそうなると1つ疑問が残る。


「なんで来たんだ?」


「貴方を鍛えにきたのよ」


俺の部屋は一人暮らしとはいえ狭い


「ここでか?」


「いや夢の中でやるわ」


こいつがきてから分からないことばかりだ
たしかにサキュバスは夢の中で襲う
でも戦いまで夢の中となると

でもここまでくると驚きすらなくなってくる。


「で、具体的な何をするんだ?」


「これを飲んで」


「怪しい物じゃねぇだろうな」


そうとは言ったが、もうこいつを疑ってない。
どちらかというと信頼している
まぁ完全ではないが

あのサキュバスから渡されたのは、瓶に入った、紫色のドリンクだ
しかしどす黒いのではなく
透明で綺麗である。
深くは聞かなかったが、一口飲んでみた


「、、、、うまーい。なんだこれ、めっちゃうまい」


「私特製のドリンクよ。中身はダークドラゴンの血液と、ダブルシザースの肉片を煮込んで出汁を取ったもの、あとは、、、」


聞いているだけでおぞましい
なんだ大ナメクジって
そのままじゃねえーか
なんでだ?美味しいと感じたのは、
俺そこまで味覚逝ってたか?
そんなことを思っていたところで


「ゔぇぁぁぁ」


死ぬ、やばい、何飲ませたんだよ
体が焼ける、痛い


「おっキタキタ❤️」


サキュバスの笑顔が見えた
その姿はまるで悪魔であった。


「あれ収まった?」


さっきの事が嘘のように何もない

訳じゃない!
体の中から力が湧き出てくる。
いやーなんだこれ
ワクワクする
テンションが上がっているせいだろう
するとサキュバスが


「今貴方の体には、学習したことをすぐ習得する力を得た。」


なんだよそのチート
楽しくなってきたなぁ


「例えるなら、持久力ってずっと走り続けることでつくでしょ。それが一回肺を上げたところでキープされる。
分からないかもしれないけど、そういうことよ」


なるほど分からねぇ
けど分かった


「早くやろーぜ、特訓」


分かったと言ったサキュバスは、俺に抱きついて、頭を撫でて


「リラックス、大丈夫、」


その言葉が聞こえてぎゅーっとされた
抱擁が解かれた時には、もう自分の部屋ではなかった。
空は紅く染りでかい水晶の柱みたいなものが立っている。
その水晶の先は尖っていて
水晶柱の直径は20メートルほどありそうだ
そしてあのサキュバスが



「では始めるわよ」
真紅の空は、これから始まる特訓に対しての当てつけなのかもしれない。
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