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020話 強敵ですか?勇者さま。
しおりを挟む「「お兄ちゃん!!」」
二人が言う。
見た目、、風体は違うのに、、。
だが、お互いに、強敵だ!!、、と思っているのだろう。間違いない。
行動や考え方が、まるで双子の姉妹の様なのだ。
フェンは思う。、、、二人共、仲良くなってくれるかな?
すぐに王都へ向けて出発しようと思っていたフェンだったのだが『何だかんだ』と言っている内に出そびれてしまった。
しかも、先程から何だか体の調子がおかしいのだ。
攻撃を受け続けている訳でもないのに、体力が減っていく気がする。
まるで毒を受けた時の様な…体力が削られていく感じがするのだ。
こんな感覚は小さい頃以来だ。
動けない訳ではないが、実際に体も怠い気がする。
・・・疲れたのかな?・・・風邪でも引いたのかな?
『事に当たる場合は、万全の態勢で』・・・爺ちゃんの教えだ。
時間も時間だし、今日は一泊して明日、出発すれば万全かな?
自分の体調もそうだが、ミヤの具合も気になるしね、、
「今日はもう遅いので明日、出発する事にします。」
「ガルンさん、問題無いでしょうか?」
「構わん。歓迎の宴でも開いてやろうか?」
「…いえ。休む為に泊まらせて貰うのですから…お酒ならキッドさんとでも…。」
「皆に泊まる場所をお願いします。」
「よかろう。」
「そう言えば…シズ…誰かシズという女性を知りませんか?」
「シズ?…!!…それはお前とここへ来た女の事か?」
「はい。今、何処に?」
「あ、ああ、そのシズという女なら何やら回復が必要だとかで森に行くから心配しないで…と、お前に伝えてくれと言っていたぞ。」
・・・と、いう事にしておく。
シズから・・・精霊王から『実際の事は言うな』と言われていたのだ。
『シズに重傷を、、傷付けたなんてフェンに知られたら、獣王、貴方は二度とフェンと友好的な関係にはなれないだろう』と。
『この娘は回復に時間が掛かるが大丈夫だからフェンを救え』と。
精霊王が『我が半身』と呼び『大丈夫』と言うのだ。無事なのは間違いない。
、、なら、騒ぎ立てて不安や怒りを煽る必要も無いだろう。
「では、お前達には部屋を準備させ、そこへ案内しよう。」
暫くして案内役の獣人さんに案内された部屋は、あれから空いたままだったのか、前に来た時に使用した部屋だった。
「うん。前と何も変わってないね♪」
「ここがお兄ちゃんのお部屋なの?」
「えっ!、ん?・・・ルチア?」
急に背後から話し掛けられて凄く驚いた・・・何でルチアがここに?
「どうしたの、ルチア?、、ルチアのお部屋は?」
「・・・嫌っ!、、」
「えっ?…お部屋が汚かったとか?」
「ううん。」、、ルチアは首を振る。
「部屋は大きくて綺麗な部屋だったの…」
「じゃあ、何で来たの?」
「嫌!・・・大司教と一緒の部屋なんて!」
「ルチア!、、、大司教『様』だよね?」
『様』を強調して諭す。
「…うん。…大司教様と…嫌…なの…。」
大司教さんって、、ルチアにこんなに嫌われてたっけ??
・・・言葉使いは大切なのだ。
誰かに聞かれて『ルチアが大司教様の事を呼び捨てに…』なんて話しが広がったら、、、
また不快に思う人や、最終的には評価としてルチアへ跳ね返って来るのだから。
「そうだよ、ルチア。大司教様の事は何時でも、ちゃんと大司教様って呼ぶんだよ。いいね?」
「うん。」
フェン自身は大司教様本人から『様』ではなく『さん』でお願いします、と言われているので『大司教さん』と呼ぶしかないのだが…
良く良く考えたら、他の人が見て、僕が大司教様の事を『大司教さん』なんて気軽に呼んでたらどう思うのだろうか?
実は『生意気な!』とか、知らない間に反感をかっているかもしれない。
呼び方はもう一度、大司教さんと話し合う必要が有りそうだよね。
だが、ルチアの言っている事も解る。
本・当・に、、良く解るのだ。
大司教さんと一緒の部屋では絶対に『ゆっくり休めない』と思う。
普段でも話し出したら止まらない人なのに、、
一緒の部屋で一晩中話し掛けられた日には、、
『休息』どころか『疲弊』する事、請け合いだ。
「うん。分かったよ、ルチア。ガルンさんに話して、もう一部屋用意してもらおうね。」
「っ!…嫌っ!!」
不満そうにルチアが頬を『ぷーっ』と膨らませる。
「えっ?…嫌って、、部屋が無いと大司教さんと一緒の部屋なんだよ?」
「それは、嫌!」
「もう、一体どうしたいの?、、ルチア…?」
「・・・一緒がいい・・・。」
「・・・ルチア?」
「お兄ちゃんと一緒がいい!!」
・・・ああ!、、そういう事なんだね、、、
すっと、納得がいく。
ルチアがフェンの所へ来たのは単に大司教さんと部屋が一緒なのが嫌だから、、だけの理由ではない、という事だ。
そもすれば『大司教が嫌』なんていうのは建て前で、フェンと一緒に居る為に『嫌』と言っているだけなのかも。
ルチアは一緒に居たいのだ。
久しぶりに会った僕と、、お兄ちゃんと。
そんな事も気付いてあげられないなんて、、
こんな事では、僕はお兄ちゃん失格だよね・・・
「ルチア、じゃあ今日は僕と一緒のお部屋でいい?」
途端にルチアの不満顔が『パッ』と花が咲いた様に、明るい笑顔に変わる。
「うん。お兄ちゃん。」
ルチアの心からの笑顔に、フェンも心から思う。
こんな事で喜んでくれるのなら幾らでも、だ、よ♪
「じゃあ…ルチア、今日はお泊まりだね。大司教さんに伝えて、、、」
「もう言って来ました!」
「えっ!?、言って来たって…?」
「もう大司教様には伝えて来てあります。」
もぅ、、ルチアったら最初から僕の所に泊まるつもりで来たなんて・・・
でも・・・嬉しかった。
大司教さんには悪いけど、こんなにルチアに、、妹に必要とされている事が、嬉しかった。
そうと決まればルチアに満足して貰わなきゃだね。
「ルチア、今日はずっと一緒だよ♪」
「うん♪お兄ちゃん。」
ルチアが抱き付いて来る、、、
が、そのルチアの横をすり抜けて、先にフェンに抱き付いて来た、、と言うより突進して来た者がいた。
『ズザッ』急な事でバランスを崩すかと思われたフェンだが見事に耐えた。
フェンは知っている…この娘の事を。そして、この娘が突進して来るという事を。
急な登場とは裏腹に、ルチアの見た、フェンに抱き付いた少女は可憐だった。
そしてルチアの予想だにしない言葉を口走る。
「…お兄ちゃん。」と。
何?、、何なの、この子?
自分だけの『お兄ちゃん』の筈なのに、思わぬ伏兵…しかもこんな美少女とは。
しかも凄い勢いで突進されたのに、それが当たり前の様に受け止めたお兄様、、、
お兄様は多分、知っているのだ、、この娘を。
予想通り、驚く事も無く普通な事だと言わんばかりにフェンは平然と話し始める。
「シオン、久しぶりだね♪元気だった?良い子にしてたかな?」
・・・名前も?、、お兄様とこの娘は、やはり知り合いなの?
しかも、凄い美少女の、、だ。
流石のルチアも強敵の登場に平静では居られない。
「お、お兄様…こ、この子は一体誰なんですか?」
言われてシオンもルチアを『チラリ』と振り返るが、もう一度、フェンを抱き締め直すと再度、駄目押しで言う。
「お兄ちゃん。」と。
ルチアも思わず叫んでいた。
「お兄ちゃん!」
お互い同じ人を同じ呼び方をするのだ。
・・・言葉だけを聞けば同じ立場、、同じ地位なのだろうか?
「「お兄ちゃん!!」」
再度、呼ぶと二人で、、ルチアとシオンで睨み合いを始めてしまう。
「えっと、、二人共に会うのは初めてだね。」
「この娘はシオン。」
「この娘はルチアだよ。」
「二人共、お互い仲良くしてあげてね。・・・出来るよね?」
シオンは抱き付いたまま、顔を擦り付けて甘えてくる。
「お兄ちゃん…」
シオンの安心しきった表情にルチアは逆に不安に駆られる。
「!!…お兄ちゃん!」
ルチアもシオンとは逆から抱き付いてくる。
両側から抱き付いて更に睨み合いを始めてしまう。
えーっと・・・これは・・・モテモテ?、、ハーレム?
・・・残念だが正直、何か違う気がする。
いや、絶対違う。、、二人の顔を見たら分かる。
二人共に睨み合っているのに表情の中に不安が在るのだ。
そう。それは多分、お互いの『お兄ちゃんが取られちゃう』という不安だ。
もぅ、、二人共、可愛いんだから・・・
フェンは二人を抱き締めて言う。
「大丈夫だよ。二人共に僕の可愛い妹なんだから。」
「お兄ちゃんは二人のお兄ちゃんだからね。」
「「お兄ちゃん…」」
「仲良く出来るよね?」
「・・・・・」
「、、、ね?」
念を押すと二人共、渋々な感じだけれども返事をする。
「「う…ん。」」
二人共『うん。』と口では言っているけど、気持ちは納得してないみたい…。
両側からフェンに抱き付いたまま全然離してくれる気配が無いのだ。
「ルチア…は分かってるけど、、シオンは今日はどうしたの?、、」
「、、お兄ちゃんに会いに来てくれたの?」
「うん♪」
「そう?シオンありがと。お兄ちゃんも会えて嬉しいよ。」
「お兄ちゃん・・・今日、、は?」
「今日?今日はここへ泊まって行く予定だよ。」
「私もお泊まり、、する!」
なっ、何を言い出すのよ、、この娘は!!
ルチアは心で叫ぶ。
せっかくの『お兄ちゃんと二人きり』なのに…
「、、、駄目?」
心配そうにシオンちゃんがお兄ちゃんに告げる。
・・・何よ!そんな表情で、、
そんな表情でお願いしたら、お兄ちゃんが駄目って言う訳ないじゃない!!
度々ルチア自身も無意識にしている『お願い』だけど、、、
他人、それもルチア自身も見とれてしまいそうな美少女がお願いしたら、、
分かりきった事だが、予想通りにフェンは答える。
「?・・・シオンもお泊まりしたいの?」
「うん♪」
嬉しそうにシッポを『フリフリ』しながらミミを『ピクピク』させている。
『ズルい!!』、、とルチアは思う。
人間であるルチアには逆立ちしても出来ない事なのだ。
・・・しかも、、可愛い。
耳に尻尾なんて絶対に反則よ!
私だって耳と尻尾が有ったら、お兄ちゃんに思う存分『フリフリ』してあげるのに!
・・・とは、無い物ねだりだよね?
ルチアも解っている。
お兄ちゃんが『妹』と言ってくれているのは『今のルチア』なのだ。
『獣人の様に耳や尻尾が有るルチア』でも無ければ、向かい合っている『この娘』でも無いのだ。
「お兄ちゃん…」 ルチアも不安になる。
聞きたい!!・・・お兄ちゃんはどっちが好き?、、大事なの?と。
自分でも酷い事を考えていると思う。
こんな質問をしたら、お兄ちゃんを困らせるだけなのは解っているのに、、
でも、こんなに可愛いシオンを前にしては感情、、不安な気持ちが抑えられない。
フェンもルチアの表情に気付く。
「ルチア、、シオンが一緒じゃ嫌?」
・・・シオンちゃんに恨みは無いけど、、
今日はお兄ちゃんと二人きりで思う存分、甘えられると思っていたのだ。
二人きりがいいのだから『嫌』というのが正直な気持ちだろう。
あくまで初めて会ったシオンちゃんが『嫌い』な訳ではない。
だが、『はい、どうぞ。』と妹の席を譲れる訳もないし、譲るつもりもない。
フェンが答えを求めたルチアが無言なのに堪えかねたのかシオンが、、
「嫌なんだ、、一緒に、、居ちゃ、駄目、、なんだ、、」
本当に悲しそうに、、寂しそうに言う。
「・・・帰る、、。」
フェンから自ら離れ、振り返るシオンの目から涙が溢れる。
・・・ちょっ、ちょっと、、待ってよ!、、私、、そんなつもりじゃ・・・
同じ人、、同じお兄ちゃんの妹なのに…なんで『一緒に居ちゃ駄目』なんて言うの?
ルチアも同じ妹として、もし自分がシオンの立場だったら?、、と、考えてしまう。
凄く楽しみにしていた、お兄ちゃんとのお泊まり。
・・・それが急に泊まれなく、、駄目になってしまったとしたら?
1人寂しく家に帰る寂しさ。
楽しみにしていた分、その何倍も悲しい気持ちになるのだ。
ルチアが教団の宿舎で幾度となく感じてきた思い出に重なる。
駄目!、帰っちゃ駄目!・・・帰しちゃ駄目なの!!
「待って!、、シオンちゃん!!」
だが、シオンの歩みは止まらない。
「お兄ちゃん、止めて。シオンちゃんが帰っちゃう。」
「シオン、待って。まだ帰っちゃ駄目。」
フェンが止めると、漸く足を止めて振り返る。
「う、、ん。」
その顔は、もう涙でぐしゃぐしゃだった。
「待って、シオン。お兄ちゃん、もっとシオンと一緒に居たいな。」
「お兄ちゃん、シオンの事、もっと『ぎゅーっ』てしたいんだよ♪」
「おいで、シオン。、、、お願い」 フェンは片手を広げて促す。
ルチアは思う。
お兄ちゃんは・・・優しい。
本当は私達、、シオン自身が思っている事なのに・・・
シオンちゃんは、もっとお兄ちゃんと居たい筈なのだ。
それをお兄ちゃんは『自分がそうしたい』という体でお願いしてくれるのだ。
自分が邪魔者でないと分かればシオンちゃんも素直に甘えられるだろう。
ルチアは『すっと』フェンから離れる。
シオンに対するルチアなりの心遣いなのだ。
『まあ、今だけは譲ってあげるわ。』
シオンを泣かせてしまった事への謝罪なのか、、
昔の自分にも、こんな風に接してくれる人や姉妹が居たら、、という憧れからなのか、、
「お兄ちゃん!!」
シオンが飛び込んで来る。
フェンは自由になった両腕でシオンを受け止めて、抱き締める。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、、、」
「うん。そうだよ、お兄ちゃんだよ。」
フェンはシオンが身動き取れない位に、しっかりと抱き締める。
「、、、くふぅー、くぅーん、、」
強く抱かれたせいか、シオンは大きく息を吐く。
でも、その表情は、信頼と安心感で満ちている。
・・・シオンちゃん、、余程お兄ちゃんの事、好きなんだね、、。
・・・好、、き?
お兄ちゃんに夢中になって恍惚とするシオン。
そのシオンに向けられる、お兄ちゃんの慈しみの表情。
大事に、、大切に思っているのが伝わってくる。
そう思うと胸の辺りにチクリとした痛みが走る。
、、なんだろう? この、もやもやした気持ちは、、?
私だってお兄ちゃんの事、大好きだよ!
シオンちゃんの為に『自分で譲った』んだから。
なのに、、この『もやもや感』は・・・どうして??
幸せそうな表情を浮かべるシオンが羨ましくてしょうがないのだ。
お兄ちゃんに、頭を撫でられ、背中をさすられ、思うまま甘えている、、、
羨ましい。
譲った私が何でこんな侘しい思いをしているの?
二人を見ていると、何だか自分の方が邪魔者の様に思えてしまうのだ。
取り残された感がルチアを襲う。
「嫌!、、私も!!」
思い余ったルチアの心からの精一杯の叫び、、願いだった。
撃てば響く様に、お兄ちゃんは、すぐに答えてくれた。
「いいよ、おいで。ルチア。」
・・・いいの?
余りにもすぐに、、躊躇いの無い答えにルチアの方が戸惑ってしまう。
いいの?、、だってシオンちゃんが・・・
見れば、あんなに夢中で抱き付いていたシオンがルチアの場所を空けてくれている。
「お兄ちゃん、、」
ルチアもフェンに抱き付く。
自分に向けられるフェンの優しい笑顔、、横を向けばシオンの笑顔、、
・・・私、ここに居て、、いいんだ、ね。
「泣かないで、ルチア。ごめんね。」 お兄ちゃんが言う。
??・・・私、、泣いたりなんか、、、!!
あれっ?、、なんで、、??
頬に触れると冷たい、、涙?
いつの間にか、自分でも気付かない内に泣いてしまっていたのだ。
「いいんだよ、ルチア。今晩は三人で居ようね。」
「うん。」
「うん、、一緒。」 シオンも相槌を打つ。
暫くすると二人は落ち着いて来る。
フェンは二人には仲良くして欲しいと思っている。
初めて会ったばかりで、お互いの事を知らないせいで慎重にならざるをえないのは解るんだけど・・・
ルチアとシオン…先ずはお話しから…出来れば二人きりで話すのが良いだろう。
・・・僕抜き、でね、、
「二人共、ちょっとお留守番しててね。ミヤの様子を聞いてくるからね。」
「私も・・・」
「お留守番しててね? 来ないとは思うけど誰か来るかもだし、もしかしてミヤと行き違いになると困るからね。」
ミヤに早く良くなって貰いたいのは本当だけど、治ったら治ったで『一緒に王都へ…』とか言い出しそうな心配も。
どちらにしても今回王都へは1人で行く考えに変更は無い。
早く良くなって欲しい、、そして、皆の事を、お願いして行きたいのだ。
「二人でお留守番・・・出来るよね?」
二人は考える。
お兄ちゃんが言った内容が目的なら誰かが1人居れば事足りる、、なら、
・・・じゃあ、1人付いて行っても良いよね?、、と。
二人共に同じ事を思ったのか、同時にお互いの顔を見合わせる。
『行くのは、私よ!!』
『ばっ』っと僕の方を向く顔には、口には出さなくとも、双方そう書いて有る様だ。
「駄目だよ。ミヤは治療で来てるんだから。二人はお留守番、いいね?」
『えーっ!!』って顔をするルチアとシオン。
「遊びに行く訳じゃないんだから。すぐに帰ってくるからね。いいね?」
また顔を見合わせる二人。
ルチアにシオン。
本当の姉妹でもないし、風姿も違うが、考え方や行動が、、、
フェンが見ても判る・・・似てる、、よね。
「二人共、いいね?、、お留守番、、出来るよね?」
「「う・・・ん。」」
二人共渋々みたい、、、なら、、ちょっと狡い事を言ってみる。
「出来るよね?僕の、、『自慢の妹』なんだから。」
またまた顔を見合わせる二人。
そして、同時に元気な声をあげる。
「「うん!!」」
「じゃあね、ちょっと行って来るから。お留守番宜しくね♪」
「「いってらっしゃい!!」」
部屋を出るフェン・・・帰って来たらどうなってるかな?
仲良くなってる、、と思う。
二人共、最初から自分の気持ちを話せていた、、、方だと思う。
フェンという『お兄ちゃん』という共通点がそうさせたのか?
ルチアもシオンも他人と関わる事に慣れて行かなきゃなんだしね♪
想像してみる、、楽しく遊ぶ姉妹・・・いや、姉弟?、、兄妹?、、
「うわっ、、寒っっ、、」
二人の事を考えると『ほんわか』した気分になる。
が、外の寒さは容赦が無かった。
「ミヤ、、元気になってるかな?、、、って、、寒い、、」
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