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27.想い抱いて⑤
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「ごめんなさい、ブルーム様……。さっきのは忘れ────ンんッ」
忘れてください、と言い切る前に口を塞がれた。
ブルームの舌がソルフィオーラの口内に侵入してきて、ぬるぬると犯される。ブルームにしては荒々しく切羽詰まったような口づけ方だった。
隅から隅まで舌で舐め尽くされ、絡め取られた自らの舌をじゅるりと吸われる。迸った甘やかな痺れに思考が白濁していく。
ブルームの舌によって、ソルフィオーラはいとも簡単に蕩かされていた。唇が離れた頃には息も絶え絶えで、先程言おうとしていた言葉もどこかへ行ってしまう。
「っ、はぁ……ぶる、むさま……?」
荒い呼吸を繰り返しながら見上げた夫の顔。蒼月を思わせる髪が揺れ視界の底に沈んだ。
「──あぁっ!」
その直後に走ったちくりとした痛み。
少し開かれていただけだった胸元をばっと早急に脱がされ、露わにされた膨らみを強く吸われたのだった。
「んっ、あッ!」
それが何度も続いて、ソルフィオーラは喘いだ。
もどかしかった小さな波が、大きな快楽の波となって押し寄せて来る。触れてくるブルームの唇と指の全てが熱い。
(どうして、こんな、急に……?)
ソルフィオーラは思いもしない。先ほどの言葉は、ブルームの雄を覚醒させるに充分なきっかけを与えていたことを。引かれるどころか、愛する者に『欲しい』と言われて悦ばない者はいないのだ。
そうとは知らずソルフィオーラは打って変わったような触れ方に戸惑いながらも、身体の奥で起きた震えを感じていた。
まるで歓喜しているかの如く。胎内のざわめきが身体の芯をよじ登って来る。それがぽかぽかと熱を発しソルフィオーラの身体を火照らせた。
「あ、あぁ……っ」
「貴女は……いとも簡単に、私を狂わせる……っ」
困ったような怒ったような、切羽詰まったような、色んなものが混ざり合った低い声が胸元に落ちる。
浅い谷間に落とされたそれはソルフィオーラの肌を通じて脳髄にまで届いた。身体が過敏になってしまったようだ。それさえも今のソルフィオーラを蕩かしにかかる。
────頭の中がとろみを纏ったみたい。何かを考えようとしていた意識はどこかに攫われて、ブルームの声に、唇に、手に、彼の全てへと向かう。
「っふ、ンんぅ……ッ」
ブルームの手が裾の中に入り込み、太ももを撫で上げる。くすぐったくて、しかし甘やかな震えが駆け登る。
その手が下着に掛けられたとき、身体の奥のざわめきが一際大きくなった。芯から昇りきたそれは、ソルフィオーラの中を満たして満たして、いっぱいにして、入りきらなかった分で溢れ返る。
とろりと内側から流れる感覚に脚を擦り合わせた。気のせいか否か──くちゅりと粘ついた水音が聞こえソルフィオーラの羞恥を煽る。
忘れてください、と言い切る前に口を塞がれた。
ブルームの舌がソルフィオーラの口内に侵入してきて、ぬるぬると犯される。ブルームにしては荒々しく切羽詰まったような口づけ方だった。
隅から隅まで舌で舐め尽くされ、絡め取られた自らの舌をじゅるりと吸われる。迸った甘やかな痺れに思考が白濁していく。
ブルームの舌によって、ソルフィオーラはいとも簡単に蕩かされていた。唇が離れた頃には息も絶え絶えで、先程言おうとしていた言葉もどこかへ行ってしまう。
「っ、はぁ……ぶる、むさま……?」
荒い呼吸を繰り返しながら見上げた夫の顔。蒼月を思わせる髪が揺れ視界の底に沈んだ。
「──あぁっ!」
その直後に走ったちくりとした痛み。
少し開かれていただけだった胸元をばっと早急に脱がされ、露わにされた膨らみを強く吸われたのだった。
「んっ、あッ!」
それが何度も続いて、ソルフィオーラは喘いだ。
もどかしかった小さな波が、大きな快楽の波となって押し寄せて来る。触れてくるブルームの唇と指の全てが熱い。
(どうして、こんな、急に……?)
ソルフィオーラは思いもしない。先ほどの言葉は、ブルームの雄を覚醒させるに充分なきっかけを与えていたことを。引かれるどころか、愛する者に『欲しい』と言われて悦ばない者はいないのだ。
そうとは知らずソルフィオーラは打って変わったような触れ方に戸惑いながらも、身体の奥で起きた震えを感じていた。
まるで歓喜しているかの如く。胎内のざわめきが身体の芯をよじ登って来る。それがぽかぽかと熱を発しソルフィオーラの身体を火照らせた。
「あ、あぁ……っ」
「貴女は……いとも簡単に、私を狂わせる……っ」
困ったような怒ったような、切羽詰まったような、色んなものが混ざり合った低い声が胸元に落ちる。
浅い谷間に落とされたそれはソルフィオーラの肌を通じて脳髄にまで届いた。身体が過敏になってしまったようだ。それさえも今のソルフィオーラを蕩かしにかかる。
────頭の中がとろみを纏ったみたい。何かを考えようとしていた意識はどこかに攫われて、ブルームの声に、唇に、手に、彼の全てへと向かう。
「っふ、ンんぅ……ッ」
ブルームの手が裾の中に入り込み、太ももを撫で上げる。くすぐったくて、しかし甘やかな震えが駆け登る。
その手が下着に掛けられたとき、身体の奥のざわめきが一際大きくなった。芯から昇りきたそれは、ソルフィオーラの中を満たして満たして、いっぱいにして、入りきらなかった分で溢れ返る。
とろりと内側から流れる感覚に脚を擦り合わせた。気のせいか否か──くちゅりと粘ついた水音が聞こえソルフィオーラの羞恥を煽る。
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