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逆転劇
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「ノアちゃん、指名きたよ」
ボーイからの電話をとった私は、予約時間と要望を聞く。
今回の客も中々のプレイをご所望だ。
少し準備が面倒だな、と思いつつ私は部屋を片付けて服を着替え始めた。
着替えた私は、椅子に座って待っていた。
しばらく経ち、ドアを開けて男が入って来た。
顔立ちはハンサムだが、どこか自信なさげだ。
舐めるように男の様子を確認する。
「ねえ、頭が高いんだけど」
男は少しビクッとして、私の前に跪いた。
「はい、す、すみません…」
男は私の前に跪き、靴を舐め始めた。
必死に靴を舐める様子は、まさに犬のようだ。
ふと、男の手荷物が目に入った。
「…それ、何か持って来てくれたの?」
「は、はい、お口に合えばと…」
少し手を止め、男が取り出したのは、
私好みの酒だった。
「へえ、少しは気が効くじゃない?」
「喉が乾いた。注いで」
男が注いだ酒を煽る。
それからしばらく男を攻めていたが、強烈な眠気に襲われ、気を失うように寝てしまった。
どのくらい時間が経っただろうか。
目を覚まして辺りを見渡すと、男が私の椅子に腰掛けていた。
「おはようございます。ご機嫌はいかがでしょうか」
先程までの態度とは異なり、男は笑みを浮かべ私を見下ろしている。
「へえ、少し見ない間に偉くなったじゃない」
「それで立場が逆転したとでも思ってる?いい気なものね」
そう言いながら、体を動かしてみる。
しかし、両手が壁に設置された手錠に繋がれており大きな動きはできない。
「いえいえ、それほどでも」
「この椅子の座り心地が良くて、感心してるところですよ」
男は相変わらずニタニタと嫌な笑みを浮かべている。
「前から見てみたかったんですよ、あなたが私に屈服するところ」
「そんな展開あると思う?マンガの読みすぎね」
「まあ、そんなに強がらないで…すぐ私に奉仕したくなりますよ」
そう言いながら、男が近づいてくる。
男は私の髪に手を回し、私に見えるように持ち上げた。
「何か気になること…ありませんか?」
男の態度に嫌な予感がした私は、髪を見つめる。
「な…」
私は、自分の長く黒い髪に、さっきまでなかった白髪が幾筋か混じっていることに気づいた。
「気づきました?」
「あんた、私に何したの…?」
思わず動揺した私は、男に焦りを見せてしまった。
男はそれを見逃さなかったようだ。
「薬を盛りました…一つは睡眠薬、もう一つは老化を速める薬です」
「先程の贈り物に仕込んでたんです」
「あのお酒、美味しかったですか?」
「これで…もっともっと愉しくなれますね」
男は、一層下衆な笑みを浮かべた。
私は努めて平静を装う。
この男に主導権を握られてはならない。
「ただのマゾ野郎かと思ってたけど、とんだ変態さんだこと」
「そんなに滾らせないでください」
「マゾであることに違いはないですし…ちょっと美人さんの老化にも興味があるだけなので…」
そう言いながら、男は懐から小瓶を取り出した。
それを私の前に置き、説明し始める。
どうやらこれが解毒剤のようだ。
どれくらいで老化が進むのか分からない以上、早くこれを奪わなくては…
しかし、小瓶はすぐに男のポケットに戻されてしまった。
「あ、この薬ですけど、成分が精液によく似てるんです」
「もし私が解毒剤を渡さなくても、あなたの頑張り次第で元に戻れるかもしれませんね?」
私はこれまで味わったことのない屈辱に身を震わせていた。
しかし、この状態では男につかみかかることすらできない。
それにさっきから力が入らなくなってきている。
今は、苦し紛れになじることしかできなかった。
「…変態…っ」
私は男の股間に顔を埋めていた。
この瞬間も、男は私の姿を楽しげに眺めている。
「やっぱり上手ですね…これならすぐいっちゃいそうです…」
「ホラ、綺麗な髪の毛がどんどん白くなっていきますよ」
「もしかして、私のこと誘ってます?」
息を荒くしながら、私の老いる様子を見ている。
「黙りなさいよ…っ」
視界に入る白い髪の毛が一層焦燥感を掻き立てる。
そうしているうちに、男は果てた。
「良かったですよ…でも、1発じゃ解毒には足りないみたいですねえ」
息を切らしながら、私は垂れてきた髪を一房手に取る。
手のひらの中にある髪は、雪のように真っ白だった。
しばらくして、私はベッドで犯されていた。
「畜生っ…畜生…っ」
男は必死で睨みつける私の顔がよほど快感らしく、うっすらと笑みを浮かべている。
「気持ちいいですか…いつも上から見下ろしてた…こっち側になってみるのも、悪くないでしょう…っ」
「うるさい…っ」
私は老いのためか、既に抵抗する力を失っていた。
男は体位を変え、一層私を攻め立てる。
突かれるたびに揺れて視界に入る白髪、ベッドについたシワだらけの手、みる影もない乳房…
それらから逃避しようと目をつぶっても、しわがれていく矯声を聞かずに済む方法はなかった。
快感と、自分の認識と整合しない現実の姿。
今の私はかろうじて自分を保っているにすぎない。
「そういえば…っ」
「今の自分の姿、まだ見てないですよね…っ」
男の言葉に、私は強い恐怖を覚えた。
男は私を抱えて、壁際に手をつかせた。
男が何をしたいのか、自分の目の前には何があるのか、私は理解していた。
だから、目を瞑っていなければ。
自分を保つために。
気高く美しい自分でいるために…。
「あ…っ」
その時、一際強い快感が来て、思わず目を開けてしまった。
「…っ」
目の前にいたのは、年老いた女性だった。
髪は雪のように白い。
シワと弛みに屈した顔は、かろうじて若い頃の美しさを感じさせる。
しかし、それが余計に辛かった。
その老婆も、私と同じように犯されていた。
これまで自分を支えていた何かが「折れる」のを感じた。
「あうう…っ」
「お…お願いです…お願いですから…」
「助けて…許してください…」
「おばあちゃんになるのやだぁ…」
男はその言葉に掻き立てられたのか、速度を上げ、すぐに果てた。
事が終わり、私は壁にもたれかかって何とか立っていた。
ハアハアと荒く呼吸しながら、男に解毒剤を求めた。
「…これですね…」
男はポケットから小瓶を取り出す。
そして、私に手渡そうとしたところで…
それを落とした。
老いた体では、素早く動くことはできなかった。
音もなく落ちた小瓶は床に当たって割れ、中の液体はカーペットに染み込んでいった。
力が抜けた私は、ヘナヘナと座り込むしかなかった。
静かになった部屋に、アラームの音が響いた。
「いや~あのお兄さん喜んでたよ~」
「また指名するって」
「またっすか…まあいいけど」
クールタイムを終えた私は、ボーイと電話しながら自室でくつろいでいた。
もう体も元の若さに戻った。
人間の性癖にかける努力はすごいと言うか…
ウチの店も含めて、最近の風俗はいろんな性癖とプレイに対応できるようになっている。
例えば、今回使った酒もウチの仕込みだ。
服用後急速に老化し、薬が分解されると元に戻る薬が入っている。
あとは嬢の演技力次第…という感じだ。
「女優になった方が有効活用できるんじゃないかな…」
一人呟いた私は、深く考えないことにして、
次の電話が来るまでゲームに勤しんだ。
ボーイからの電話をとった私は、予約時間と要望を聞く。
今回の客も中々のプレイをご所望だ。
少し準備が面倒だな、と思いつつ私は部屋を片付けて服を着替え始めた。
着替えた私は、椅子に座って待っていた。
しばらく経ち、ドアを開けて男が入って来た。
顔立ちはハンサムだが、どこか自信なさげだ。
舐めるように男の様子を確認する。
「ねえ、頭が高いんだけど」
男は少しビクッとして、私の前に跪いた。
「はい、す、すみません…」
男は私の前に跪き、靴を舐め始めた。
必死に靴を舐める様子は、まさに犬のようだ。
ふと、男の手荷物が目に入った。
「…それ、何か持って来てくれたの?」
「は、はい、お口に合えばと…」
少し手を止め、男が取り出したのは、
私好みの酒だった。
「へえ、少しは気が効くじゃない?」
「喉が乾いた。注いで」
男が注いだ酒を煽る。
それからしばらく男を攻めていたが、強烈な眠気に襲われ、気を失うように寝てしまった。
どのくらい時間が経っただろうか。
目を覚まして辺りを見渡すと、男が私の椅子に腰掛けていた。
「おはようございます。ご機嫌はいかがでしょうか」
先程までの態度とは異なり、男は笑みを浮かべ私を見下ろしている。
「へえ、少し見ない間に偉くなったじゃない」
「それで立場が逆転したとでも思ってる?いい気なものね」
そう言いながら、体を動かしてみる。
しかし、両手が壁に設置された手錠に繋がれており大きな動きはできない。
「いえいえ、それほどでも」
「この椅子の座り心地が良くて、感心してるところですよ」
男は相変わらずニタニタと嫌な笑みを浮かべている。
「前から見てみたかったんですよ、あなたが私に屈服するところ」
「そんな展開あると思う?マンガの読みすぎね」
「まあ、そんなに強がらないで…すぐ私に奉仕したくなりますよ」
そう言いながら、男が近づいてくる。
男は私の髪に手を回し、私に見えるように持ち上げた。
「何か気になること…ありませんか?」
男の態度に嫌な予感がした私は、髪を見つめる。
「な…」
私は、自分の長く黒い髪に、さっきまでなかった白髪が幾筋か混じっていることに気づいた。
「気づきました?」
「あんた、私に何したの…?」
思わず動揺した私は、男に焦りを見せてしまった。
男はそれを見逃さなかったようだ。
「薬を盛りました…一つは睡眠薬、もう一つは老化を速める薬です」
「先程の贈り物に仕込んでたんです」
「あのお酒、美味しかったですか?」
「これで…もっともっと愉しくなれますね」
男は、一層下衆な笑みを浮かべた。
私は努めて平静を装う。
この男に主導権を握られてはならない。
「ただのマゾ野郎かと思ってたけど、とんだ変態さんだこと」
「そんなに滾らせないでください」
「マゾであることに違いはないですし…ちょっと美人さんの老化にも興味があるだけなので…」
そう言いながら、男は懐から小瓶を取り出した。
それを私の前に置き、説明し始める。
どうやらこれが解毒剤のようだ。
どれくらいで老化が進むのか分からない以上、早くこれを奪わなくては…
しかし、小瓶はすぐに男のポケットに戻されてしまった。
「あ、この薬ですけど、成分が精液によく似てるんです」
「もし私が解毒剤を渡さなくても、あなたの頑張り次第で元に戻れるかもしれませんね?」
私はこれまで味わったことのない屈辱に身を震わせていた。
しかし、この状態では男につかみかかることすらできない。
それにさっきから力が入らなくなってきている。
今は、苦し紛れになじることしかできなかった。
「…変態…っ」
私は男の股間に顔を埋めていた。
この瞬間も、男は私の姿を楽しげに眺めている。
「やっぱり上手ですね…これならすぐいっちゃいそうです…」
「ホラ、綺麗な髪の毛がどんどん白くなっていきますよ」
「もしかして、私のこと誘ってます?」
息を荒くしながら、私の老いる様子を見ている。
「黙りなさいよ…っ」
視界に入る白い髪の毛が一層焦燥感を掻き立てる。
そうしているうちに、男は果てた。
「良かったですよ…でも、1発じゃ解毒には足りないみたいですねえ」
息を切らしながら、私は垂れてきた髪を一房手に取る。
手のひらの中にある髪は、雪のように真っ白だった。
しばらくして、私はベッドで犯されていた。
「畜生っ…畜生…っ」
男は必死で睨みつける私の顔がよほど快感らしく、うっすらと笑みを浮かべている。
「気持ちいいですか…いつも上から見下ろしてた…こっち側になってみるのも、悪くないでしょう…っ」
「うるさい…っ」
私は老いのためか、既に抵抗する力を失っていた。
男は体位を変え、一層私を攻め立てる。
突かれるたびに揺れて視界に入る白髪、ベッドについたシワだらけの手、みる影もない乳房…
それらから逃避しようと目をつぶっても、しわがれていく矯声を聞かずに済む方法はなかった。
快感と、自分の認識と整合しない現実の姿。
今の私はかろうじて自分を保っているにすぎない。
「そういえば…っ」
「今の自分の姿、まだ見てないですよね…っ」
男の言葉に、私は強い恐怖を覚えた。
男は私を抱えて、壁際に手をつかせた。
男が何をしたいのか、自分の目の前には何があるのか、私は理解していた。
だから、目を瞑っていなければ。
自分を保つために。
気高く美しい自分でいるために…。
「あ…っ」
その時、一際強い快感が来て、思わず目を開けてしまった。
「…っ」
目の前にいたのは、年老いた女性だった。
髪は雪のように白い。
シワと弛みに屈した顔は、かろうじて若い頃の美しさを感じさせる。
しかし、それが余計に辛かった。
その老婆も、私と同じように犯されていた。
これまで自分を支えていた何かが「折れる」のを感じた。
「あうう…っ」
「お…お願いです…お願いですから…」
「助けて…許してください…」
「おばあちゃんになるのやだぁ…」
男はその言葉に掻き立てられたのか、速度を上げ、すぐに果てた。
事が終わり、私は壁にもたれかかって何とか立っていた。
ハアハアと荒く呼吸しながら、男に解毒剤を求めた。
「…これですね…」
男はポケットから小瓶を取り出す。
そして、私に手渡そうとしたところで…
それを落とした。
老いた体では、素早く動くことはできなかった。
音もなく落ちた小瓶は床に当たって割れ、中の液体はカーペットに染み込んでいった。
力が抜けた私は、ヘナヘナと座り込むしかなかった。
静かになった部屋に、アラームの音が響いた。
「いや~あのお兄さん喜んでたよ~」
「また指名するって」
「またっすか…まあいいけど」
クールタイムを終えた私は、ボーイと電話しながら自室でくつろいでいた。
もう体も元の若さに戻った。
人間の性癖にかける努力はすごいと言うか…
ウチの店も含めて、最近の風俗はいろんな性癖とプレイに対応できるようになっている。
例えば、今回使った酒もウチの仕込みだ。
服用後急速に老化し、薬が分解されると元に戻る薬が入っている。
あとは嬢の演技力次第…という感じだ。
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