俺の指をちゅぱちゅぱする癖が治っていない幼馴染

海野

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「んぅ…」
(うわ…また…)
 テスト勉強をしようと誘われ、いつものように唯の家で教科書を広げてペンを走らせていた時のこと。もにょもにょと何か物足りないと口を動かし、不満げな声を上げる。
「はいはい、いつものですよー」
少し乾燥でささくれだった唇をつんつんと人差し指でつついてやると、いつものようにそれをくわえ、ちゅうちゅうと赤ちゃんのように吸い上げ始めた。
「んっ、んっ、」
ぺちゃぺちゃと唾液の音を立て、俺の冷えた指先はそこの部分だけぬるく、湿りを帯びていく。幼い頃から経験し続けているからか、これが変だということも忘れそうになる。(校外学習のバスの中で咥えられた時、10秒くらい経ってから慌てて振りほどくくらいに。)
「んっ、っふぅ、んぐ、ん、」
ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ。吸い上げる力は年々強くなっている気がする。まあこいつ、中学の時サッカーやってたもんな。
「んむぅ…むぁ…」
あ、そろそろ起きる。力の抜けかけた唇から指を取り出すと、水分でふやけてしわしわになっている指先から、透明な糸がつぅ…と落ちた。外気にあたってどの指よりも冷たくなったそこを、ティッシュで慌ててふき取り、ついでに唯の口からだらしなく垂れたよだれも拭ってやると、「いつもの」は終わりだ。でも、最近俺の体が変だ。
「ちんこいてぇ…」
へその下の方がジンと熱く、緩めの制服の下でモノが下着をパンパンにして主張を欠かさない。
彼の両親がどちらも仕事に出かけており、誰もいないことをいいことに、そっと部屋を出てトイレに入り、それをそっと扱く。
さっき、唯が咥えていたところを嗅ぐ。匂いはあまりしないけど、熱はまだ残っている。
 何でこれで勃ってしまうのか、分からない。
「っふ、っく、くぁっ!!」
何度か手で上下に擦ると簡単に果てる。人の家のトイレでナニしているんだ、分かっているけど許してほしい。
「幼なじみ」という言葉は呪いだ。母親ネットワークも相まって人間関係も趣味も、家の中での挙動でさえも筒抜けだから、恥ずかしいことや周りに言えない秘密だってたくさん握っている。それだけ距離が近すぎると、異常な習慣も慣れてくるわけで。
 今、高校生にもなる大の男2人がこんなことをしている絵面はきっと異常であろう。しかし考えて見てほしい。この癖が始まったのは保育園児の時だ。3才4才の子供がコレをしていたら愛くるしい光景だと思わないか?俺だってその当時はお昼寝に夢中だったし、あまり気にしてはいなかった。
 でも俺たちは成長する。色んな知識を吸収して、その歳相応の振る舞いを身につけて行くのだ。実際唯は中学2年生の冬あたりから一気に身長が伸び、声も低くなり、口数も心なしか減った気がする。彼も着実に成長はしているのである。
 でも、睡眠時だけは。睡眠時だけは無意識なのか、何かを探す様に腕を彷徨わせ、俺の腕を見つけるとものすごい力で捕捉されてちゅぱちゅぱと指を舐め始めるのだ。そして不思議なことに、俺以外の腕には全く興味を示さない。修学旅行や合宿で噂にならないのはこのためである。他の奴にしていなくて安心した。もししていたらこんなヤバい習慣、何としてでも辞めさせなければならなかった。まあ1番ヤバいのはそれを黙認するどころか促して勃起させてる俺なのだろうけど。

 手を洗って部屋に戻ると彼はもう起きていた。
「帰ったかと思った」
力の抜けた声でとろんとした目を擦りながら彼はいう。
「鞄置いたまま帰るわけねえだろ。それよりするぞ。お前が寝るから何も進んでねえんだよ」
「先しとけば良かったじゃん」
「…うっせ。さっさとやんぞ」
「はーい」
言えるわけないだろ。お前の口に指入れてチンコ勃たせてたなんて。
シャーペンを走らせながら、チラッと口元をみる。少しざらっとしてて、暖かくて、少し濡れた空間。掃除機かと思うくらいの吸引力。そして、夢中になって俺の指をしゃぶった時にでる、小さく漏れる声。
(やばい、また勃ちそ…)
 幼なじみという関係に秘密は存在しないと言っても過言ではない。しかし、これだけは絶対に絶対に。
この性癖だけは絶対に知られてはならない。





「テストおわったぁああ…そーまそーま、今日俺の家でゲームしよーぜ」
最後の科目である英語の答案用紙が集められた瞬間。肩に抱きつかれて言われる。
「は?やだよ。どうせ寝るじゃん」
「寝ない寝ない!!栄養ドリンク飲んだから!!ほーら、元気元気」
パチパチと開け閉めされた目は軽く充血し、でもそれゆえにハイになっているのか、心なしかいつもよりテンションが高い。
「わーったよ。コンビニ寄って帰ろーぜ。昼飯買いたい」
「いえーい!!じゃあ…いこっか」
何故かニヤリと不敵な笑みを零した唯。まーた何か企んでいるのか。あらかたゲームの攻略法を見つけて負かしてやろうと考えているのだろう。



 なんて思っていた俺は甘かった。
「ねえ、何で口に指押し付けてくるの?」
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