24 / 27
オマケ
僕のお嫁さん1
しおりを挟む
二人の息子の話
------
じきに家を継ぐ者の義務として、結婚が決まった。
僕のお嫁さんは、結婚式の一週間前ににうちに着いた。僕とは着いたその日に初めて顔を合わせた彼女は、辺境伯の娘だ。
以前から父上は、
「ある程度なら結婚相手を選んでいいぞ」
と言っていたけど、夜会などで話したことのある令嬢は、どの子も同じだという印象を受けたから
「誰でもいいです」
と答えておいた。
下手に選んで後悔するより、「これが家の為に最善の選択だったんだ」と思う方が気が楽だったから。
父上は「後悔するぞ」と呆れたような顔をしていたけれど、父上と母上みたいに仲の良い夫婦はむしろ絶滅危惧種だ。
友人の話から察する「普通の夫婦」はもっと冷めている。きっと僕も、将来そんな風になるんだろう。
そう思って、結婚に期待なんかしていなかった。妻なんて、跡継ぎを産んでくれて家を守ってくれればそれでいい。
母上が父上にしているみたいに「愛してる」って全身で表してくれなくていいし、ちょっとした外出から帰ってくる度に抱きついてくれなくたっていい。
ああでも、子どもには多少は愛情を注いで欲しいかもしれない。
僕が妻に望むのなんて、その程度のことだったのに。だけど
うちに到着した僕のお嫁さんは、だいぶ予想とは違う人だった。
何て言うか、生命力に溢れていた。
その動きは、令嬢というよりむしろ洗練された貴公子で。
「はじめまして。よろしくお願いいたします」
キビキビした動作。
綺麗なお辞儀。
陰のない笑顔。
彼女の全身から溢れる膨大な熱量に圧倒される。
「あ…よ…よろしく…」
予想外すぎて、かろうじて挨拶を返せただけの僕を気にすることなく、彼女は母上たちと言葉を交わし始めた。
綺麗だな
と見惚れる。
父上が、悪戯が成功したみたいな顔でニヤリと笑った。
「悪くないだろ?」
気づいたら頷いていた。
「うん、悪くない…」
参ったな。全然悪くない。
うっかり彼女との暮らしに期待し始めている自分がいた。
彼女は、父上が地方に行った時に見つけてきた人だった。
彼女が父親と参加していた夜会でたまたま知り合って、「是非うちの息子の嫁に来ていただきたい」と申し込んだらしい。
そして熱烈に勧誘したらしい。
その後数日、彼らと過ごして父親の辺境伯と仲よくなって、本人も僕との婚姻を承諾したらしい。
後日、本人から「この人の息子なら、大ハズレということはないと思いました」と言われた。
結婚前に顔合わせをしようと思えばできたんだけどしなかった。猫を被った相手に下手に期待して、結婚してから期待を裏切られるのが嫌だったから。それくらいなら、決まったことだと腹をくくってしまった方が楽だと思ったから。
そしたらこのサプライズだ。
こんなに元気な貴族令嬢がいるとは思わなかった。
けど嫌いじゃない。こういう子。
思わず父上に心から感謝した。
結婚式の準備はもうほぼ済んでいるので、式までの時間は、主にお互いを知る為に費やすことになる。
まだ当分は父上が当主だから、僕でなくてはいけない仕事なんてない。
…でもだからって、まさか結婚前後の二週間、全く一つも予定を入れられないとは思わなかったけど。でも
「最初が肝心だ」
真顔の父上に言われて、彼女を気に入ってしまった僕は、ちょっと頑張ろうと思った。
◇ ◇ ◇
そんな訳で今日は彼女と遠乗りに来ている。彼女は馬に乗れるから。
…乗れるというか速い。こっちに来る時、一緒に愛馬を連れてきたくらいだから、向こうでもよく乗っていたのだろう。
ちなみに彼女と競争したら負けた。
うっかり本気を出して勝ってしまったことが気まずいのか、少し所在無げな顔をしてるところが可愛かった。
競争のゴールにしていた大きな木の下で、持ってきた昼食を広げる。
彼女は割と何でも美味しそうに食べるのでほっとした。彼女と僕の領地は離れているから、味付けとか結構違うと思うから。
食べながら、彼女の子ども時代の話を聞いた。…結構…いや、かなりお転婆…というかやんちゃだった。
食べ終わる頃、雨が降ってきた。
今回の遠乗りは、目的地が遠いので泊まりの予定だった。
元々は、これよりだいぶ先の町で宿を取るつもりだったけど、この雨だ。予定を変更して、近くの町に泊まることにした。
雨はどんどん強くなって、宿に到着する頃にはずぶ濡れになっていた。
受付で確認したところ、部屋は空いているけれど残り一部屋だと言われてしまった。
「…他の宿を探そうか」
そう言った途端、雨足が更に強くなった。
彼女が顔を曇らせる。
「これ以上ジョンを濡らしたくありませんし、この雨ではどの宿も似たようなものではないでしょうか」
…確かにそうかもしれない。
因みにジョンというのは彼女の馬の名前だ。自分のことより馬の心配が先らしい。
それはいいけど、結婚まであと数日とはいえ、僕らはまだ未婚だ。流石に同じ部屋という訳には…
悩む僕に彼女はサラリと言った。
「私は構いませんよ」
思わず顔が赤くなる。
…これはどっちだろう。
どうせ夫婦になるのだから、そういうことをしても構わないという意味なのか、それとも信頼されているのか…。
湧き上がった不埒な考えを見透かされそうで、ふいっと彼女から顔を背ける。
「わかった」
それだけ言って、宿の受付台帳のペンを手に取った。
なんとなく、彼女の苗字は空欄にしておいた。夫婦がそうするみたいに。
宿の人に案内され、部屋に入る。そこそこ広くて浴室もついていた。
すぐにお湯を用意してもらって、先に彼女を入らせた。
彼女は
「私は後でいいですから」
とか言ってたけど冗談じゃない。
こういう時くらい格好つけさせて欲しい。僕は彼女の夫なんだから。
ほとんど無理矢理、彼女を浴室にやった。
「ちゃんと温まってくること。いいね?」
強めに言うと、彼女は戸惑いを見せながらも頷いた。
彼女がお風呂に入っている間に、ひとまず身体を拭いて服を着替えた。自慢じゃないけど体力には自信がない。濡れたままにしてたら風邪を引いてしまう。
それはとっても格好悪い。
着替えて少しぼーっとしていたら、彼女が浴室から出てきた。
「あがりました」
湯上りの肌が色っぽくて、思わず視線を逸らす。
「うん、じゃあ入ってくるから好きにしてて」
そそくさと浴室に逃げ込んだ。
彼女はどちらかというと男性的な雰囲気なのだけれど、時々あんな風にハッとさせられるから困る。
いや、結婚してしまえば困らないのだけど、まだ結婚前だからちょっと困る。
ゆっくり温まってお風呂から上がると、彼女は薄手の寝巻きでベッドの上にいた。
「な…何してるの…」
思わず声が上ずる。
「いえ…その…侍女が……」
彼女は顔を赤くして俯いた。
今回の遠乗りは二人きりだけど、多分屋敷を出る前に何か言われたのだろう。…元々泊まりの予定だったから。
…本当は二部屋とるつもりだったんだけどな…。
気まずさにガシガシと頭をかく。
「そういうのはまだいいから。服着て。夕飯食べてないでしょ」
返事を待たずに、もう一度浴室に逃げ込んだ。目の前で着替えられてはたまらない。
少しすると、浴室のドアがノックされた。
「あの…着替え終わりました」
「うん…」
カチャリとドアを開けると、ちゃんと服を着ていたのでほっとした。
「じゃあ行こうか」
手を繋いで階下へと下りる。
一般的な宿の例にもれず、ここも一階が食堂になっていた。
端の方の席に案内してもらって、おすすめを頼んだ。彼女も同じものを頼んだ。
メインができるまでのつなぎに小皿もいくつか頼んで、とりあえず乾杯する。
雨で冷えた身体を温める為か、はたまた夜はいつもこうなのか、食堂の中は酒を飲んでいる人間が多い。
酔っ払いの雑多な喧噪に、肩の力が抜ける。
気づくと、何故か彼女がじっと僕を見ていた。
「…?食べなよ」
促すと、頷いて食べ始めた。
なんだったんだろう?
彼女は何でも美味しそうに食べる。
こういうところもいいよなあと思いながら僕も食べる。
いつのまにか、彼女の口元に食べかすがついていた。赤いソースが絡んで、結構目立ってる。
…気づいてないのかな?
しばらく見てたけど、自分で取る様子はない。
しょうがないなあ
苦笑して、そっと手を伸ばして拭いとる。
キョトンとする彼女に
「ついてた」
と見せて、その指を口の中に入れた。
途端に彼女の顔が赤くなる。
…え?…何で?
ちょっと考えてから僕も赤くなった。
~~~~普段の父上の仕草を見慣れてるからっ!
時々、常識外れの行動をしてしまう。
父上が母上にベタベタしすぎなのはよくわかっているけど、見慣れた仕草だとついそれが当たり前に思えて……
頭の中でぐるぐると言い訳していると、彼女が意を決したように口を開いた。
「…もしかして、とても女性慣れしていらっしゃるのですか?」
「~~~っ!そういうんじゃないから!」
酷い誤解だ!
「あの…嘘を吐かれるよりは先に言っておいていただいた方が…」
「本当に、そういうんじゃないからっ!」
ああクソ。父上のバカっ!
変な誤解されたじゃないか!
頭をかきむしる僕を、彼女は困ったように見つめた。
------
じきに家を継ぐ者の義務として、結婚が決まった。
僕のお嫁さんは、結婚式の一週間前ににうちに着いた。僕とは着いたその日に初めて顔を合わせた彼女は、辺境伯の娘だ。
以前から父上は、
「ある程度なら結婚相手を選んでいいぞ」
と言っていたけど、夜会などで話したことのある令嬢は、どの子も同じだという印象を受けたから
「誰でもいいです」
と答えておいた。
下手に選んで後悔するより、「これが家の為に最善の選択だったんだ」と思う方が気が楽だったから。
父上は「後悔するぞ」と呆れたような顔をしていたけれど、父上と母上みたいに仲の良い夫婦はむしろ絶滅危惧種だ。
友人の話から察する「普通の夫婦」はもっと冷めている。きっと僕も、将来そんな風になるんだろう。
そう思って、結婚に期待なんかしていなかった。妻なんて、跡継ぎを産んでくれて家を守ってくれればそれでいい。
母上が父上にしているみたいに「愛してる」って全身で表してくれなくていいし、ちょっとした外出から帰ってくる度に抱きついてくれなくたっていい。
ああでも、子どもには多少は愛情を注いで欲しいかもしれない。
僕が妻に望むのなんて、その程度のことだったのに。だけど
うちに到着した僕のお嫁さんは、だいぶ予想とは違う人だった。
何て言うか、生命力に溢れていた。
その動きは、令嬢というよりむしろ洗練された貴公子で。
「はじめまして。よろしくお願いいたします」
キビキビした動作。
綺麗なお辞儀。
陰のない笑顔。
彼女の全身から溢れる膨大な熱量に圧倒される。
「あ…よ…よろしく…」
予想外すぎて、かろうじて挨拶を返せただけの僕を気にすることなく、彼女は母上たちと言葉を交わし始めた。
綺麗だな
と見惚れる。
父上が、悪戯が成功したみたいな顔でニヤリと笑った。
「悪くないだろ?」
気づいたら頷いていた。
「うん、悪くない…」
参ったな。全然悪くない。
うっかり彼女との暮らしに期待し始めている自分がいた。
彼女は、父上が地方に行った時に見つけてきた人だった。
彼女が父親と参加していた夜会でたまたま知り合って、「是非うちの息子の嫁に来ていただきたい」と申し込んだらしい。
そして熱烈に勧誘したらしい。
その後数日、彼らと過ごして父親の辺境伯と仲よくなって、本人も僕との婚姻を承諾したらしい。
後日、本人から「この人の息子なら、大ハズレということはないと思いました」と言われた。
結婚前に顔合わせをしようと思えばできたんだけどしなかった。猫を被った相手に下手に期待して、結婚してから期待を裏切られるのが嫌だったから。それくらいなら、決まったことだと腹をくくってしまった方が楽だと思ったから。
そしたらこのサプライズだ。
こんなに元気な貴族令嬢がいるとは思わなかった。
けど嫌いじゃない。こういう子。
思わず父上に心から感謝した。
結婚式の準備はもうほぼ済んでいるので、式までの時間は、主にお互いを知る為に費やすことになる。
まだ当分は父上が当主だから、僕でなくてはいけない仕事なんてない。
…でもだからって、まさか結婚前後の二週間、全く一つも予定を入れられないとは思わなかったけど。でも
「最初が肝心だ」
真顔の父上に言われて、彼女を気に入ってしまった僕は、ちょっと頑張ろうと思った。
◇ ◇ ◇
そんな訳で今日は彼女と遠乗りに来ている。彼女は馬に乗れるから。
…乗れるというか速い。こっちに来る時、一緒に愛馬を連れてきたくらいだから、向こうでもよく乗っていたのだろう。
ちなみに彼女と競争したら負けた。
うっかり本気を出して勝ってしまったことが気まずいのか、少し所在無げな顔をしてるところが可愛かった。
競争のゴールにしていた大きな木の下で、持ってきた昼食を広げる。
彼女は割と何でも美味しそうに食べるのでほっとした。彼女と僕の領地は離れているから、味付けとか結構違うと思うから。
食べながら、彼女の子ども時代の話を聞いた。…結構…いや、かなりお転婆…というかやんちゃだった。
食べ終わる頃、雨が降ってきた。
今回の遠乗りは、目的地が遠いので泊まりの予定だった。
元々は、これよりだいぶ先の町で宿を取るつもりだったけど、この雨だ。予定を変更して、近くの町に泊まることにした。
雨はどんどん強くなって、宿に到着する頃にはずぶ濡れになっていた。
受付で確認したところ、部屋は空いているけれど残り一部屋だと言われてしまった。
「…他の宿を探そうか」
そう言った途端、雨足が更に強くなった。
彼女が顔を曇らせる。
「これ以上ジョンを濡らしたくありませんし、この雨ではどの宿も似たようなものではないでしょうか」
…確かにそうかもしれない。
因みにジョンというのは彼女の馬の名前だ。自分のことより馬の心配が先らしい。
それはいいけど、結婚まであと数日とはいえ、僕らはまだ未婚だ。流石に同じ部屋という訳には…
悩む僕に彼女はサラリと言った。
「私は構いませんよ」
思わず顔が赤くなる。
…これはどっちだろう。
どうせ夫婦になるのだから、そういうことをしても構わないという意味なのか、それとも信頼されているのか…。
湧き上がった不埒な考えを見透かされそうで、ふいっと彼女から顔を背ける。
「わかった」
それだけ言って、宿の受付台帳のペンを手に取った。
なんとなく、彼女の苗字は空欄にしておいた。夫婦がそうするみたいに。
宿の人に案内され、部屋に入る。そこそこ広くて浴室もついていた。
すぐにお湯を用意してもらって、先に彼女を入らせた。
彼女は
「私は後でいいですから」
とか言ってたけど冗談じゃない。
こういう時くらい格好つけさせて欲しい。僕は彼女の夫なんだから。
ほとんど無理矢理、彼女を浴室にやった。
「ちゃんと温まってくること。いいね?」
強めに言うと、彼女は戸惑いを見せながらも頷いた。
彼女がお風呂に入っている間に、ひとまず身体を拭いて服を着替えた。自慢じゃないけど体力には自信がない。濡れたままにしてたら風邪を引いてしまう。
それはとっても格好悪い。
着替えて少しぼーっとしていたら、彼女が浴室から出てきた。
「あがりました」
湯上りの肌が色っぽくて、思わず視線を逸らす。
「うん、じゃあ入ってくるから好きにしてて」
そそくさと浴室に逃げ込んだ。
彼女はどちらかというと男性的な雰囲気なのだけれど、時々あんな風にハッとさせられるから困る。
いや、結婚してしまえば困らないのだけど、まだ結婚前だからちょっと困る。
ゆっくり温まってお風呂から上がると、彼女は薄手の寝巻きでベッドの上にいた。
「な…何してるの…」
思わず声が上ずる。
「いえ…その…侍女が……」
彼女は顔を赤くして俯いた。
今回の遠乗りは二人きりだけど、多分屋敷を出る前に何か言われたのだろう。…元々泊まりの予定だったから。
…本当は二部屋とるつもりだったんだけどな…。
気まずさにガシガシと頭をかく。
「そういうのはまだいいから。服着て。夕飯食べてないでしょ」
返事を待たずに、もう一度浴室に逃げ込んだ。目の前で着替えられてはたまらない。
少しすると、浴室のドアがノックされた。
「あの…着替え終わりました」
「うん…」
カチャリとドアを開けると、ちゃんと服を着ていたのでほっとした。
「じゃあ行こうか」
手を繋いで階下へと下りる。
一般的な宿の例にもれず、ここも一階が食堂になっていた。
端の方の席に案内してもらって、おすすめを頼んだ。彼女も同じものを頼んだ。
メインができるまでのつなぎに小皿もいくつか頼んで、とりあえず乾杯する。
雨で冷えた身体を温める為か、はたまた夜はいつもこうなのか、食堂の中は酒を飲んでいる人間が多い。
酔っ払いの雑多な喧噪に、肩の力が抜ける。
気づくと、何故か彼女がじっと僕を見ていた。
「…?食べなよ」
促すと、頷いて食べ始めた。
なんだったんだろう?
彼女は何でも美味しそうに食べる。
こういうところもいいよなあと思いながら僕も食べる。
いつのまにか、彼女の口元に食べかすがついていた。赤いソースが絡んで、結構目立ってる。
…気づいてないのかな?
しばらく見てたけど、自分で取る様子はない。
しょうがないなあ
苦笑して、そっと手を伸ばして拭いとる。
キョトンとする彼女に
「ついてた」
と見せて、その指を口の中に入れた。
途端に彼女の顔が赤くなる。
…え?…何で?
ちょっと考えてから僕も赤くなった。
~~~~普段の父上の仕草を見慣れてるからっ!
時々、常識外れの行動をしてしまう。
父上が母上にベタベタしすぎなのはよくわかっているけど、見慣れた仕草だとついそれが当たり前に思えて……
頭の中でぐるぐると言い訳していると、彼女が意を決したように口を開いた。
「…もしかして、とても女性慣れしていらっしゃるのですか?」
「~~~っ!そういうんじゃないから!」
酷い誤解だ!
「あの…嘘を吐かれるよりは先に言っておいていただいた方が…」
「本当に、そういうんじゃないからっ!」
ああクソ。父上のバカっ!
変な誤解されたじゃないか!
頭をかきむしる僕を、彼女は困ったように見つめた。
15
お気に入りに追加
1,855
あなたにおすすめの小説
頑張らない政略結婚
ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」
結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。
好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。
ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ!
五話完結、毎日更新
痛みは教えてくれない
河原巽
恋愛
王立警護団に勤めるエレノアは四ヶ月前に異動してきたマグラに冷たく当たられている。顔を合わせれば舌打ちされたり、「邪魔」だと罵られたり。嫌われていることを自覚しているが、好きな職場での仲間とは仲良くしたかった。そんなある日の出来事。
マグラ視点の「触れても伝わらない」というお話も公開中です。
別サイトにも掲載しております。
声を取り戻した金糸雀は空の青を知る
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「大切なご令嬢なので、心して接するように」
7年ぶりに王宮へ呼ばれ、近衛隊長からそう耳打ちされた私、エスファニア。
国王陛下が自ら王宮に招いたご令嬢リュエンシーナ様との日々が始まりました。
ですが、それは私に思ってもみなかった変化を起こすのです。
こちらのお話には同じ主人公の作品
「恋だの愛だのそんなものは幻だよ〜やさぐれ女騎士の結婚※一話追加」があります。
(本作より数年前のお話になります)
もちろん両方お読みいただければ嬉しいですが、話はそれぞれ完結しておりますので、
本作のみでもお読みいただけます。
※この小説は小説家になろうさんでも公開中です。
初投稿です。拙い作品ですが、空よりも広い心でお読みいただけると幸いです。
絶対に離縁しません!
緑谷めい
恋愛
伯爵夫人マリー(20歳)は、自邸の一室で夫ファビアン(25歳)、そして夫の愛人ロジーヌ(30歳)と対峙していた。
「マリー、すまない。私と離縁してくれ」
「はぁ?」
夫からの唐突な求めに、マリーは驚いた。
夫に愛人がいることは知っていたが、相手のロジーヌが30歳の未亡人だと分かっていたので「アンタ、遊びなはれ。ワインも飲みなはれ」と余裕をぶっこいていたマリー。まさか自分が離縁を迫られることになるとは……。
※ 元鞘モノです。苦手な方は回避してください。全7話完結予定。
天使の行きつく場所を幸せになった彼女は知らない。
ぷり
恋愛
孤児院で育った茶髪茶瞳の『ミューラ』は11歳になる頃、両親が見つかった。
しかし、迎えにきた両親は、自分を見て喜ぶ様子もなく、連れて行かれた男爵家の屋敷には金髪碧眼の天使のような姉『エレナ』がいた。
エレナとミューラは赤子のときに産院で取り違えられたという。エレナは男爵家の血は一滴も入っていない赤の他人の子にも関わらず、両親に溺愛され、男爵家の跡目も彼女が継ぐという。
両親が見つかったその日から――ミューラの耐え忍ぶ日々が始まった。
■※※R15範囲内かとは思いますが、残酷な表現や腐った男女関係の表現が有りますので苦手な方はご注意下さい。※※■
※なろう小説で完結済です。
※IFルートは、33話からのルート分岐で、ほぼギャグとなっております。
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
【完結】巻き戻りを望みましたが、それでもあなたは遠い人
白雨 音
恋愛
14歳のリリアーヌは、淡い恋をしていた。相手は家同士付き合いのある、幼馴染みのレーニエ。
だが、その年、彼はリリアーヌを庇い酷い傷を負ってしまった。その所為で、二人の運命は狂い始める。
罪悪感に苛まれるリリアーヌは、時が戻れば良いと切に願うのだった。
そして、それは現実になったのだが…短編、全6話。
切ないですが、最後はハッピーエンドです☆《完結しました》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる